この曲を聴け! 

Burnt Offerings / ICED EARTH
火薬バカ一代 ★★★ (2007-12-15 00:36:00)
2nd『NIGHT OF THE STORM RIDER』が日本で大ヒットしたにも関わらず、レコード会社とのビジネス上のトラブルから3年もの沈黙を余儀なくされたジョン・シェイファー(G)率いるフロリダのパワー・メタル軍団が、復活を懸けて'95年に発表した3rdアルバム。
後にジョンが「ストレスの溜まる状況が曲作りに影響を与えた」と語った通り、前作で聴かれたような壮大なオーケストレーションが脇へと下がり、生々しい音像で迫り来る楽曲群は、ICED EARTHの作品の中でも、一際ダークでヘヴィ、且つ怒りに満ちた仕上がり。(また、スラッシュ・メタル色が残る最後の作品でもある)
とは言え、別に本作発表当時、ロック・シーンを席巻していた「モダン・へヴィネス」からの影響があるわけでもなし、作品自体は、相変わらずパワフルでメランコリックでドラマティック。いや寧ろ、ICED EARTHの曲を歌うのに打って付けの歌唱力を備えた強力新Voマシュー・バーロウの加入と、大仰な装飾が取り払われた事で、よりGリフやメロディの魅力がハッキリと浮かび上がっているんじゃないかな、と。
特に、映画『エクソシスト』の“チューブラーベル”を彷彿とさせるイントロからスタートする、激しさと美しさ、繊細さと豪快さを飲み込んでダイナミックに展開していく①を筆頭に、「これぞICED EARTH節!」な②③④、そしてポロポロと零れ落ちるような、美しいアコギとピアノの調べが印象的な小曲⑦を序曲代わりに、ダンテの“神曲”をモチーフに作り上げられ、16分に及ぶ長丁場の地獄巡りを、一瞬たりともテンションを緩めることなく聴かせきる、ジョン・シェイファー渾身の組曲⑧の圧倒的迫力の前には「グゥ」の音も出ません。
個人的に、ジョンが作り出した大作曲の中でも、この“DANTE’S INFERNO”が一番のお気に入り。

→同意