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Death Cult Armageddon / DIMMU BORGIR
メタラァ ★★ (2005-03-01 14:26:00)
ブラック・メタル界の頂点に立つと言っても過言ではないノルウェー産バンド、DIMMU BORGIRが47人編成のオーケストラと共演し、その荘厳で重厚な世界観をパワー・アップさせたであろう6th。何故"させたであろう"なのかと言うと、単に俺がまたこのアルバムしか聴いたことないから。しかし、やはりと言うべきか、オーケストラを起用したことでサウンドに深い奥行きが出たことは間違いないと思う。
コンセプト・アルバムではないと言うが、曲間などに入っているSEから想像されるのは"世界の終焉"。まんぞーさんの仰るとおりアンチ・クライスト的なイメージよりも人間の手による終焉という感じです。オーケストラの荘厳な響きやドラマティックな曲展開は宗教的な部分も想起させますが、発砲音のSEは決定的に"人の手による~"を想起させます。まぁ、バンド側の意図するものは確実に反宗教的でサタニックなものなんでしょうけど。
とにかく、濃い。デス/ブラック・メタルというものはただでさえ濃い。ブラスト・ビートにデス声、不協和音のリフ。そこに美しさと狂気を纏ったオーケストラ・サウンドが様々なものを加味し、絶対的な"悪"のサウンドが誕生した本作。濃いです。
その濃さ故に多少聴き疲れすることもなくはなかったが、今ではもう大丈夫。(笑)
シャグラットの強烈に歪んだヴォーカルは場面毎に微妙に、時に大きく表情を変え、クリーン・ヴォイスを担当するヴォーテックスのそれも非常に素晴らしく、美しいのだが恐怖すら感じさせる。
ギターはやはり不協和音が多いわけだけど、たまに耳を惹くメロディを奏でるところが心憎い。「ん?メロデスか?」と錯覚する箇所もある。
キーボードに関しては、さすがにオーケストラを起用したってことでピアノ以外では活躍の場がない気もするが、そのピアノが最高に映える場面も少なくない。
ベースもズッシリと重く圧し掛かるよう。
そして絶賛を受けるニック・ベイカーのドラム、彼は素晴らしい!どんなに速いブラスト・ビートを叩いても、その弾丸の如き強固なサウンドは保たれたままでヘヴィであることこの上ない。(ニックの実力も凄いし、フレドリック・ノルドストロームの作るドラム・サウンドって本当に良いわ)フレーズも多彩で、脱退が悔やまれてならない、ホントに。
今一番人気がある曲は『PROGENIES OF THE GREAT APOCALYPSE』だけど、個人的には『ALLEHELGENS DOD I HELVEDS RIKE』ですね。
ちょっとEMPEROR風でもあるこの曲、ブラックらしい禍々しさ、シンフォニーによる禍々しさの増強と、またその逆にあるもの"美"の表現、メロディックなリフ、目まぐるしい展開、ヴォーテックスのクリーン・ヴォイス…。詰まったこの1曲を俺は本作のキラー・チューンとさせて頂きます!

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