この曲を聴け!
METALLICA
YOSI ★★ (2003-03-08 16:01:00)
僕も混ぜて下さい。僕はMETALLICAの音楽の大ファンというわけでもないし、言語学に造詣が深いわけでもありません。ただ、僕が思うのは、「音楽」において「歌詞」、「言葉」はそれほど重要か?と思うのです。そのへんのこだわりに対して、日本人と英語圏の人々の間で差があるように思います。洋楽が理解できないという友人が僕にいいました。「洋楽で歌詞がいいとおもったことがない」。それに対して僕がいいました。「歌詞の良し悪しは、その歌詞が作られた時代や国の背景を理知らなければ理解できない。邦楽だって、現在のヒット曲の歌詞は多分30年後にはダサいと感じられるかも。不変の価値を持つ歌詞がどのくらいある?」
音楽は、歌詞とか内容が分からなくても世界中に通じる共通言語であることに意味があるのでは。まあ確かに僕も、洋楽の対訳のまずさには賛成です。さほど英語が得意でなくとも、明らかにおかしい歌詞なんていくらでもあります。でも・・・、例えば日本語で歌われる音楽を、その曲のニュアンスを正確につかんで英語に対訳するのは大変難しいと思います。言葉遊びのような部分やナンセンスな響きが面白いもの、日本独自の文化から生まれた流行語、そういうものをどう正確に英語に対訳できるのか?例えばサザンオールスターズや奥田民夫なんかは、歌詞のナンセンスさが魅力だと思うんですが。
だから思うのは、洋楽CDに無理に対訳はいらないということです。本当になくすと対訳者の仕事がなくなることになりますが。英語で歌われたものは英語のまま楽しむ。聴くものそれぞれが独自の解釈ができる余地を残し、正確な訳が知りたい人間はそれを自分で調べ、意味などどうでも良い、メロディや曲さえ良ければと思う人間はそのままで。
あと、もう一つ思うのは、Hip hop などのリズム主体の音楽が歌詞やスラング
が正確に理解できないと楽しめないかというと、そういうことは決して無いと僕は思っています。僕の考えでは、あれは節回しの良さ、言葉のリズムへの乗せ方の妙、言葉の響きの格好良さ、韻の踏み方の面白さ、単語の語尾と頭のつながり、そういうものを楽しむものだからです。例えばHip hop に限らずJazz Voにおいても、スキャット、あるいはフェイクという手法で、言葉を自由に崩したり、意味のない思いつくままの言葉をアドリブで連発したりします。センスが悪ければ不快なだけかもしれませんが、上手ければ拍手喝采となります。日本の古い音楽、民謡とか祭囃子みたいなものにも、そういう「意味のない掛け声」とか「言葉遊び」とかあるはず。
いやもちろん「歌詞の内容」を重視した音楽の歴史も見逃せませんが、もう一方で「歌詞の内容」よりも「言葉の響き」とかを重視した音楽だってあっていいはず。
あと、邦楽ポップスに過激な歌詞の内容が少ないのは、「平和で戦争がない、犯罪が少ない日本」ならではじゃないでしょうか。多くの国々は、全面戦争ではなくとも、国境や周辺の国々との紛争が絶えず、徴兵制がない国の方が少ない。そういった国々では自然歌詞の内容も過激になりますし、戦争や死や犯罪をテーマに扱った歌詞もリスナーに身近なものと感じられ、支持も受けますが、日本ですとそんなものリアリティがないわけです。さらに日本は人権問題や差別発言に敏感ですが、これは欧米も基本的に変わらないはずですが、それ以上に「多民族国家」のアメリカなどでは、民族・人種間の対立もあるでしょう。だから差別的発言が規制される一方で、逆に他人種をバカにする歌詞なんかが支持されることもあるかも。あと「てめえはメ○ラか?」は国をとわず普遍的に問題発言でしょうが、しかし日本語の「メク○」とか「チ○バ」とかいう言葉は身体的な差別ニュアンスの言葉であり「盲目」とか「片足損傷」とかならそれほど問題じゃないでしょう。"Are you blind?" がてめえはメ○ラか?」というニュアンスなのはそうだと思いますが、「blind」自体にそう差別的ニュアンスがあるわけでないので、検閲には引っかからないのでは。「BLIND FURY」という映画もありましたし、「BLIND GUARDIAN」なんてバンドもいます。あのガンズが、あのアクセルが歌うからそういうニュアンスに訳せるわけで、もっと「穏当」に「無難」に訳すことも出来るはず。
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