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WASTELAND FOR BROKEN HEARTS / HIRSH GARDNER
火薬バカ一代 ★★ (2008-05-14 22:37:00)
叙情派ロックの帝王、NEW ENGLANDの中心メンバーの一人だったハーシュ・ガードナーが、'02年に発表した1stソロ・アルバム。
憂いをたっぷりと帯びた美しい①に、分厚いボーカル・ハーモニーを纏って、アップテンポに展開する爽快な②という
強力なメロディアスHRチューン2連発を聴いた瞬間、「おお、NEW ENGLANDサウンドだ」と、思わず頬が緩んでしまう、
ウェット且つセンチメンタルな美旋律に、全編が彩られた本作。
ハーシュ・ガードナーは、Dsと共にリードVoも担当していて、張りのあるハイトーンを駆使した歌の上手さは、
既にNEW ENGLAND時代からお馴染みだったが、個人的に、この人がここまで優れた楽曲を書ける
ミュージシャンだったとは、正直、全く思っておらなんだ。(失礼極まりない話ですが)
とにかく本作は、収録曲が素晴しく良い。流石に「捨て曲なし」とまではいかないが、少なくとも、NEW ENGLANDの
3rd『WALKING WILD』よりは、その完成度は上だ。前述した2曲や、切なげなバラード⑨は、同バンドの名曲群と
比較したって決して引けは取らない出来だし、何より、ラストをドラマティックに締め括る、
序章~本編~アウトロの三部構成からなる組曲⑩⑪⑫の存在に尽きるというもので、
胸に沁みる哀メロの洪水、華麗なボーカル・ハーモニー、プログレッシブ且つ劇的な曲展開、そして、ジョン・ファノン、
ジミー・ウォルドー、ゲイリー・シェアという、オリジナル・メンバー達の客演・・・と、全ての要素が、美しきNEW ENGLANDの理想形を描き出す、
ファンならこの曲を聴くためだけにでもこのアルバムを買ってください!と、思わず言いたくなる名曲に仕上がっている。
再結成の噂が流れてから早数年、未だに何の動きも見られないNEW ENGLANDだが、だったら、ハーシュには、
ぼちぼち、ソロ・アルバムの第2弾を作って貰いたいところなのだが・・・。

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