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Train of Thought / DREAM THEATER
k.s.m.2 ★★ (2005-03-27 00:19:00)
前作で(あくまで私の中で)見事に失墜した権威をちゃんと取り戻した作品なのですが、これがマスト・アイテムかと問われれば否定的な意見しか書けない気がします。先頃の"武道館ライブ・アルバム"の凄さをひしひしと感じたため、余計に(←ファンを自認する方以外は、こちらから買ってみるのが順当ではないでしょうか?)。
ここ数年の夢劇は、とりあえず何でも誉められうる程にビッグになったからか、「ついていける人の為のアルバム」を出しているように感じられて、何だか複雑な気分です。
前作『Six~』はテーマ・音色ともに一般受けしそうではありましたが、あくまで(多分)1メタラーでしかない私には夢劇史上最高(言葉が変ですが)に聴き難い。今度は音色の面で重くギターも弾きまくりで馴染み易いのに、(ライブでは仕方ないとして)「This Dying Soul」で強制的に『Six~』を思い出させたり、METALLICAのフレーズなどを織り込んで余計な連想を浮かばせたりしてアルバムに浸りきることを終始許してくれない。
常に変化を続けるバンドだというなら、スタジオ・アルバムは一枚毎にファンが変わるくらいの完成度を、一枚毎の完璧な完結を、作品それぞれに整えないといけないのではないかと……。そうでないなら、RUSHがやったように時期毎の色を統一してゆく手法を取る、とか。
このバンドの悲劇は、多様でありながら誰でも聴けてしまうアルバムを過去に連発した為に、こういう(私のことです)余計なリスナーを抱え込み、それでもしっかりした作品を作れてしまうポテンシャルがあること、かもしれませんね。もしくは、全作品に一貫したヴァイブをもたないのに、時代分けされた聴き方をされる程厳しい目で迎えられる機会を持つほどには古のバンドとして伝説化できていないこと、でしょうか?
などと言いつつ、常に危惧と隣合わせで買ってみるバンドであり続けるだろうとは思います。何てプログレッシブ(苦笑)。

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