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Twilight of the Gods / BATHORY
火薬バカ一代 ★★ (2007-08-04 01:06:00)
ファンの間では「BURRN!!で1点を獲得した作品」として知られる、'91年発表の6thアルバム。
1点を付けられるなんてどんなに酷い作品なんだ?と思われるかもしれないが、実際は、前作『HAMMERHEART』の作風を
順当に受け継いだ、暗く、重く、壮大にしてドラマチックなヴァイキング・メタル・チューンがアルバム全編に渡って敷き詰められた、
非常にハイクオリティな内容の逸品。(音質も向上しているし、幻想的なジャケット・アートワークも美しい)
敢えてこれまでと異なる部分を挙げるなら、クォーソンが濁声を封印し、全編をノーマル・ボイスで歌うようになった点で、
線が細く、ピッチも甘いその歌唱はお世辞にも上手いとは言えないながらも、北欧にはこの手のシンガーがゴロゴロ居るので
いちいち目くじらを立てる程のものではないし、聴き慣れるとこれが結構味わい深くて、楽曲の雰囲気を良く盛り立てているので無問題。
但し、深淵へと引き摺り込まれて行くような錯覚に陥る陰鬱なリフが延々と刻まれ、そこにクォーソンの淡々としたVoと
悲壮感に満ちたGソロ、そして呪文の如き厳粛なコーラスが乗っかる、30分近くに及ぶ大作組曲①で
いきなり本編の幕を開ける極端な作風ゆえ、かなり聴く人を選ぶ、敷居の高い作品なのは確か。
(上で別の方が指摘されてる通り、BURRN!!のレビューも(点数はともかく)内容自体はそれほど的外れな事が書かれているわけではない)
なので、BATHORY初体験の人には、4th『BLOOD,FIRE,DEATH』や、5th『HAMMERHEART』を聴いてから
このアルバムにトライする事をお薦めさせて頂く。そうすれば、MANOWARとBLACK SABBATH(名作『TYR』の頃の)を足して2で割って、
アンダーグラウンド風味に味付けしたかのような、本作のドラマチック極まりない魅力にヤられること請け合い。

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