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Back Where I Belong / TONY MARTIN
火薬バカ一代 ★★ (2010-05-14 23:22:00)
BLACK SABBATHを追ん出されたトニー・マーティンが、二ール・マーレイ、ジェフ・ニコルズ、
ローレンス・コトルといったサバス時代の同僚や、QUEENのブライアン・メイ、SAXONのナイジェル・グロックラーら、
英国HR/HMシーンのベテラン・ミュージシャンの力を借りて制作、'92年に発表した1stソロ・アルバム。
Gリフやリズム・パターンは後期BLACK SABBATH風味ながら、サックスを導入し、お洒落なアレンジが
施されたOPナンバー①によく表れている通り、シンプルな音像の下、曲によってはホーン・セクションや
ゴスペル・コーラスを取り入れる等、HR/HMとは随分な距離を感じさせるライトな作風に仕上がっており、
例えば、本作にはBLACK SABBATH時代の名曲“JERUSALEM"のカヴァー⑬が収録されているのだが、『TYR』の中では
比較的ポップに聴こえたあの曲が、ここではかなりハードに響いて来る事からもの、その方向性は明らか。
とは言え、上記したOPナンバー①を手始めに、ブライアン・メイが流石の指捌きを披露するバラード③、
歯切れ良くロックする⑦、流麗なKeyの調べが心地良い⑩等、トニーが手掛けた収録曲のクオリティは
低くなく(いや寧ろ高い)、しかも、それを彼が潤い豊かに歌い上げるのだから、素晴しくないわけがない。
また、今回彼氏は全編でGも担当しているのだが、↑上で別の方が仰られている通り、これがなかなかのもの。
組曲形式で綴られるバラード⑤⑥でGを渋く泣かせる腕前なんて、素直に感心させられますよ。
様式美HM色は皆無だが、メロディ愛好家なら押さえておいて損はない1枚かと。

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