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Breath of Life / MAGNUM
火薬バカ一代 ★★ (2008-04-03 22:48:00)
周囲の期待に背中を押される形で、6年振りに再結成を果たしたMAGNUM。一部メンバーは既にミュージシャン稼業から
足を洗ってしまっていたため、オリジナル・メンバーや、黄金時代の編成での復活こそ叶わなかったものの、
バンドの三本柱であるトニー・クラーキン(G)、ボブ・カトレイ(Vo)、マーク・スタンウェイ(Key)は
しっかりと顔を揃えているのだから、それについてとやかく言うファンもいまいて。
本作は、再結成第1弾作品として'02年に発表された、通算12枚目となるオリジナル・アルバムで、その作風は
後期MAGNUMやHARD RAINに近い、産業ロック・テイストを漂わせた親しみ易い叙情HR路線。まぁ、日本ではともかく
イギリスを始めとする欧州圏でMAGNUMの人気が爆発したのは、よりポップでコマーシャルな方向へと舵を切った
6th『VIGILANTE』以降なのだから、彼らがそうした内容の再結成アルバムを作るのも、当然の成り行きと言える。
ただ、その点を考慮したとしても、Keyによる劇的なイントロに反して、味気ないグルーヴィなノリに肩透かしを食う
OPナンバー①を筆頭に、アルバム序盤に並ぶ楽曲のフックの弱さが気になるところ。尤も、高揚感を生み出すリズムと、
キャッチーなメロディの組み合わせが秀逸な④以降は、情感豊かなボブ・カトレイの歌声がハートを揺さぶるバラード⑤⑨、
マーク・スタンウェイの華麗なるピアノ・プレイに胸躍る⑦、トニー・クラーキンのGが泣きまくるラスト・ナンバー⑪・・・
と、楽曲の完成度が一気に上向き、聴き終えてみれば「やっぱMAGNUMは最高!」となっているのだから流石だ。
(序盤の楽曲にしても、掴みは弱くとも聴き進めれば、必ず何処かでハッと心を捉えるメロディが用意されている)
総合的には、復活作として十分合格点が付けられている内容に仕上がっているんじゃないかな、と。
→同意