この曲を聴け! 

Nechrist / NOKTURNAL MORTUM
Usher-to-the-ETHER ★★ (2004-09-29 20:58:00)
99年発表の3rdアルバム。

本当に才能のあるアーティストは同じようなアルバムは作らない、みたいなジンクス(?)がありますが、シンフォニック・ブラックの超名盤だった2ndと比べるとかなり異なる音になっていますね。個人的には良い所と悪い所がはっきり分かれたように思います。

まず良い所は民族音楽的なメロディや楽器が増え、バンドとしてのオリジナリティが上がった事。曲によっては神社の縁日みたいに聴こえたりしますが(笑)、未開の民族による呪術を連想させる所もあり、笛による泣きメロありと聴いてて面白い展開をする曲が多いです。またヴォーカルもヤケクソ感が増し、より感情表現が上手くなった気がします。民族音楽パートに入ると巻き舌や「せいや!!」「ヘイにゃんにゃん」などめっちゃ印象的な掛け声を使っていて、最初聴いた時は唖然となってしまいました。

悪い所は…今作はシンフォニックな要素がないパートもかなり取り入れられていますが、ギターの音質がガビガビしていてフレーズの魅力を損ないがちなため、そういったパートがパッと聴く分にはちょっと凡庸に聞こえてしまうことでしょうか。音質に慣れて、良く聴けば充分かっこよく、脳内補正できれば超がつくほどのドラマ性を堪能出来はしますが。

民族音楽とブラックの融合を期待している人には間違いなく勧める事が出来ますが…シンフォニックブラックの名盤を期待している人は、まず2ndを買ってから購入を検討する事を勧めます。ちなみに2004年に再発された盤では、数曲がウクライナ語による物と差し替えられ、タイトルもそれに合わせて変更されているので購入の際はご注意を。

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