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Vol. 3: (The Subliminal Verses) / SLIPKNOT
1/144 ★★ (2005-02-27 11:45:00)
キャッチーなメロで引っ張る1STや、憎悪をぶつけつづける2NDともずいぶん違う作風。
ポップという言葉をどう解釈するかにもよるが、あまりポップになったという印象はない。
十分暴力的でメロディアスな側面も見せるが、その向こうには今までにない悲哀と深遠な闇を感じる。
演奏は不気味なまでに整合性に溢れており、あまりに整っているが故の緊張感と狂気を感じさせる。
これは各パートをはっきり分離させて録音したリックルービンの功績だと思う。
The Blister ExistsやPulse Of Maggotsで感じた背筋がゾクゾクする感覚は流石と言わざるをえない。
(前2作のロスロビンソン的なヘヴィに混濁した音質とは明らかに違い、ここでも違和感を感じさせるかもしれない)
闇、狂気といった要素は楽曲構成の面でも濃くなっている。
Prelude 3.0、Circle、Vermillionなどはゴシカルな闇を感じさせながらメロディアスに、ドラマティックに展開していく強力な楽曲。
The Nameless、The Virus Of Lifeは狂気を前面に押し出し、楽曲でもリリックでも聴き手を飲み込んでいく。
もちろんSlayer直系手癖ソロのフリーキーさもナイス。
Slipknotらしい取っ付きのよさはDualityやBefore I Forgetなどで健在。
ブラストビートが乱れ飛ぶThree Nilはとてつもない破壊力、と今までのSlipknotらしい要素も十分含まれているし、
今までのファンをあまりに置いてけぼりにするような作品ではない。
ただ彼らがIowaで作り出した激性の臨界点を、まったく別の面から超えようとしているのは確かだ。
聴きこみがいのある作品でだ、と感じている。

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