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Burning in Hell / BURNING IN HELL
Warlust ★★ (2005-01-24 23:09:00)
まず一つ、どうしても言いたい事があるのですが、彼らのスタイルは、DF結成前より既に完成されていたものです(DFが結成された年、彼らは"Brave Warrior"などを収録した2ndデモ"World of Illusion"をリリースしている)。世に出た者勝ちといえばそれまでですが、DFに遅れを取った要因がメンバーの死なども絡んでいることを考えると、「ブラジルのDRAGONFORCE」といったDFフォロワー扱いだけは、本当にやめて欲しいです。
彼らがこれだけアルバムデビューが遅れてしまった事は、本当に勿体無い事です。今こうしてアルバムがリリースされても、素直に喜べない複雑な気持ちがあります。しかし、その内容の素晴らしさは、やはり待っただけの甲斐があるものです。実はメタル以外に引き出しを結構持っていそうなDRAGONFORCEに対して、こちらB.I.Hは、とにかくメタル。とにかく武骨。速さの前に、正統派パワーメタルへの愛情が強く感じられます。時にIRON MAIDENからの影響が露骨に出てきてしまうあたりも、逆にそんなルーツの純度の高さを示すものです。
逆に言えば、DRAGONFORCEのような幅の広さが感じられないため、単純に音楽性の高さという面では、分が悪そうな感もあります。これからのサウンドの発展という部分でも不安が残ります。しかしそれでも、自分はB.I.Hの方を強く支持したい。ともすれば古臭くなってしまう伝統をあえてまとい、渾身の疾走で駆け抜けるこのサウンドこそ、自分が思い描くメタルの理想形の一つなのです。そういった「熱さ」というのは、DRAGONFORCEでは味わえないものです。
楽曲は、数曲ややだれるものの、概ね良いものが揃っていると思います。特に1~3曲目までの流れは、強烈の一言。"Last of the Dragon"からのテンションの高さも尋常ではありません。またギターも、以前は単調なトレモロで押し通す、いかにも「メロスピ」なリフで占められていたように思いますが、今作ではメタルらしい絡むフレーズを多く聴かせるようになり、古株メタラーにはたまらないものがあります。ただ、Voは…確かに細い。デモの時はかなり圧倒的だったと感じたんですが、見事に音質でごまかされたようで…。それでも、無理のない音域で歌うところはなかなか堂々としていると思います。
キャッチー感、ポピュラー性に溢れたDRAGONFORCEと違って、確かに聴く人を選んでしまうバンドかもしれない。しかし、熱くて、速くて、元来のパワーメタル然としたサウンドを求めている人には、自信をもってこのバンド、アルバムをお勧めしたいです。
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