この曲を聴け! 

Temple of Shadows / ANGRA
東 瑠利子 ★★ (2004-09-09 10:25:00)
ブラジルのメロディックパワーメタルバンドANGRAの通算5枚目のアルバム!まず最初に、私がANGRAの作品で持っているのはこの2004年作品の「テンプル・オブ・シャドウズ」を含め、たった3枚だけ。1枚は1993年作品の1stである「エンジェルズ・クライ」。自分が初めて聴いたメタルという音楽が、この中に入っている「キャリー・オン」という曲。私のメタルとの出会いはそこにある。そしてもう1枚、バンドの創設者でメインのアンドレ・マトスとベースとドラムが次々と脱退した衝撃のバンド危機から見事に新メンバーと共に復活を遂げた、まさに再生という名に相応しい2001年作品の「リバース」だ。そして今作、「テンプル・オブ・シャドウズ」を聴くまでは前作「リバース」こそが名盤!と思っていたほどだったが、あれから約3年、このANGRAとしては5枚目、復活劇からの新譜としては2枚目となるこの作品こそがANGRAの名盤!と言えるものだった。この作品は、11世紀の十字軍騎士の物語を描いたコンセプトアルバムで豪華ゲストが多数参加というのも魅力の一つ。ゲストその① ミルトン・ナシメント 12曲目に参加!(ジャズ、ブラジルの民族音楽にボサノバを加えたユニークな音楽をやってる人らしい)ゲストその②カイ・ハンセン(ガンマ・レイ) 6曲目に参加!ゲストその③ハンズィ・キアシュ(ブラインドガーディアン) 9曲目に参加! ゲストその④ザビーネ・エルデスバッカー(エデンブリッジ) 2曲目と8曲目に参加!以上のゲストミュージシャンがこのアルバムにいい味を加えています。(カイ・ハンセンがいい味を加えてるかどうかは不明:爆)さて、今作は疾走チューンは少ないものの、速いだけがメタルじゃないという貫禄を見せ付けられる極上の1枚。全体的にはジプシー調だったりボサノバっぽかったり、いかにもANGRAらしいクラシカルテイストだったりの組み合わせが濃い色で出ているのが目立つが、ゲスト参加しているミュージシャンがカイ・ハンセン(ガンマレイ)とハンズィ・キアシュ(ブラインドガーディアン)なこともあってなのかどことなくジャーマンっぽさも感じられる。2~4曲はぶっ続けでいかにもANGRAらしいいい曲揃い。特に2曲目「スプレッド・ユア・ファイア」はモロANGRAって感じの曲で、とってもキャッチーなメロスピ。アルバムのオープニングチューンを飾るこの曲は1回聴いてすぐに劇的な感動に浸れること間違いなし。「キャリー・オン」や「ノヴァ・エラ」に続く超名曲です。特に1曲目のインストからの繋がりが素晴らしく、続けて聴くとより感動を味わえる。私もかなりハマりました。っていうか、あまりの良さに泣きました(爆)2曲目はとにかく素晴らしいのだが、私は3曲目の「エンジェルズ・アンド・ディーモンズ」と4曲目「ウェイティング・サイレンス」がこのアルバム内で1番好きです。まぁどれも良すぎて甲乙つけがたいのだがあえて選ぶならってことで(笑)特に3曲目の爽快で突き抜けるような進行、サビ、プログレっぽい展開にやられました。とにかくどこをとってもいい曲だ!!!!!!!!!!!!!!!とにかくですね・・・3曲目の「エンジェルズ・アンド・ディーモンズ」最高!!!!!4曲目の「ウェイティング・サイレンス」は非常にメロディが良くて好きです。イントロから既にめちゃめちゃかっこいいので一言で言えばベースラインがイキな曲(笑)雰囲気的にはなんかアニメのエンディングにでも使えそうな感じです。とにかくかっこいいのでアルバム内でも最も好きなナンバーのひとつ。終わり方はダサいですが(汗で、ここまででもまだアルバムの半分もいっていないのに凄まじい曲ばかりだ。そして5曲目「ウィッシング・ウェル」で雰囲気が変わって今までの爆裂ヘヴィチューンは小休憩といったところ。この曲はイスラム教徒の家族との交流を得て、質素でも愛のある家庭と生活に心を打たれていろいろな本当の幸せなことに気づくみたいないい曲です。これもほんっとにいいんだよなぁ~!いい曲ですよ・・・(涙で、その次、6曲目の「ザ・テンプル・オブ・ヘイトはカイ・ハンセンがVoとして随所に参加しているハイスピードナンバー。これ超最高!大興奮!!とにかくアルバムを通してこの曲が1番興奮した。 ANGRA史上最速曲だという。この曲にカイのVoが絡んでくるのが実に奇妙だが(エドゥだけでも良かったんじゃ・・・:笑)でもこの曲のアグレッシヴさとスピード感、興奮はとにかくとんでもない勢いです。サビはちょっと王道っぽいメロディな気もするが非常にANGRAらしい曲!!!!とにかくANGRA史上最速曲ってことでホントに速い!!!!(爆ひき殺されそうなくらい爆裂疾走チューンです。途中の展開で非常にクラシカルなストリングスパートを用いているのも魅力。まさかの展開に鳥肌立ちました。さて、7曲目「ザ・シャドウ・ハンター」はジプシーテイストのイントロで始まるちょっと変わった曲。これもなかなかいい。最初この曲を聴いた時は安室奈美恵の「MI CORAZON(TE'AMOUR)」という曲を思い出したが(自分で言っておいてマニアック過ぎる例え:笑)エドゥが非常に低い声で歌い始めるのですがこんな歌い方もかっこいいなぁと。エドゥのボーカルは前作以上に本当に格好良いです。パワーや抑揚を上手くコントロールしているという感じです。しかしこの曲はこういうメタルもあるのかという斬新ななテイストだし演奏上手いなぁホントに・・・。さて、アルバム後半に差し掛かってもダレることは全くありませんよ?むしろ大興奮です。退屈な部分が少しもないんですから本当に凄いです。素晴らしいアルバム!(涙)9曲目の「ウィンズ・オブ・デスティネイション」は私の大好きなバンドであるブラインドガーディアンのハンズィ・キアシュがゲスト参加している曲。それを抜きにしてもとにかくこの曲はいい!!非常にアグレッシヴなナンバー。ブラガひいきな意見ですがエドゥVoよりハンズィVoがかっこいい(爆)ちなみに参加しているハンズィですが・・・・ブラインドガーディアンの時の様に吐き捨てなダミ声は披露しておらず(爆)無難に綺麗に上手く歌っているといったところだ。やはり人様のバンドだから吐き捨てないのだろうか(爆)そのへんがちょっとおもしろかった。それにブラインドガーディアンがやりそうな感じの音ではないのでその辺とかはANGRAに参加しているということが新鮮だなぁと思った。この曲はサビが伸びやかでかっこいいメロディです。展開もいろいろあって楽しめる。ここで贅沢をひとつ、6曲目の「ザ・テンプル・オブ・ヘイト」にもハンズィに混ざって欲しかったなー!(笑)カイ、ハンズィ、エドゥのⅢボーカルを見てみたかった・・・。カイとハンズィのVo絡みはブラガの3rdアルバムなどでおなじみなのでそこエドゥが混ざったら超独特な2人に押しつぶされること間違いなし!!!(爆)更に極めつけは10曲目の「スプラウツ・オブ・タイム」緑が豊かに萌える大自然を感じられる曲。とにかくですね、メロディ最高!!!!!(涙)そして間奏が南国っぽくルンバっぽい、とにかくまるでオレンジ色に染まるビーチを思い浮かべるほど!メタルということを忘れてしまうほど素晴らしい音楽作りだなとホントに感心します。もう最近はこればっかリピートしてます。おっと、気づけばこんなに感想を書いていました(汗アルバム全体が非常によく作りこんであるので聴き込みに結構時間がかかる難しいアルバムだが恐らく聴けば聴くほど理解出来ていく長く楽しめる噛めば噛むほど味の出るスルメ的アルバムとなりそうなことは確かだ。私はアンドレ・マトス時代よりもエドゥ・ファラスキのVoが好きなので前作「REBIRTH」も気に入ったし、今回は11世紀後半の十字軍の騎士の物語を描くという壮大なスケールのコンセプトアルバムなだけあって非常にクオリティの高い仕上がりで最高傑作だと思いました。人には好き嫌いや向き不向きがあるので私は人にあまり自分の好きな音楽を勧めない人間ですがこれは絶対買いだと思います。まあそれほど素晴らしく興奮するアルバムなのでメタル好きだろうが違かろうがアングラ好きだろうが違かろうがとにかく素晴らしいのでこれは買って絶対損はないです。これは・・・・・・・・・・・・・・・・最高クオリティを誇る作品!!!!!!今後も名盤として語り継ぎたい1枚であり来年も再来年もヘヴィロテです。
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