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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 6901-6950
WHIPLASH-Ticket to Mayhem
LUDICHRIST-Powertrip
HOLY MOSES-Disorder of the Order
AWFUL TRUTH-The Awful Truth
DESPAIR-Decay of Humanity
HALLOWS EVE-Monument
FASTKILL-Infernal Thrashing Holocaust
PARADOX-Heresy
PARADOX-Product of Imagination
SABBAT (日本)-Karmagmassacre
CASBAH-RUSSIAN ROULETTE ~NO POSERS ALLOWED 1985-1994
DESTRUCTION-Cracked Brain
HOLY MOSES-Reborn Dogs
HOLY MOSES-Terminal Terror
HOLY MOSES-World Chaos
RITUAL CARNAGE-I, Infidel
HOLY MOSES-Queen of Siam
HOLY MOSES-Finished With the Dogs-In the Slaughterhouse
HOLY MOSES-Finished With the Dogs
HOLY MOSES-The New Machine of Liechtenstein
Release From Agony-Release From Agony
DESTRUCTION-Release From Agony
CARNIVORE-Retaliation
ABATTOIR-The Only Safe Place-Bring on the Damned
ABATTOIR-The Only Safe Place
ICED EARTH-Iced Earth
SKYCLAD-Jonah's Ark
BLOOD FEAST-Chopping Block Blues
PYRACANDA-Two Sides Of A Coin
DARKNESS-Conclusion and Revival
OUTRAGE-SPIT
ARTILLERY-Terror Squad
AGENT STEEL-Skeptics Apocalypse
OUTRAGE-The Final Day
VIO-LENCE-Oppressing the Masses
OUTRAGE-The Great Blue
SADUS-A Vision of Misery
DARK ANGEL-Time Does Not Heal
OUTRAGE-Blind to Reality
LAAZ ROCKIT-Annihilation Principle
EVILDEAD-Annihilation of Civilization
Among the Living
ANTHRAX-Fistful of Metal
SLAYER-Reign in Blood
SACRED REICH-The American Way
SLAYER-Christ Illusion
SLAYER-Show No Mercy
SILENT SCYTHE-Suffer in Silence
RITUAL CARNAGE-The Highest Law
RITUAL CARNAGE-Every Nerve Alive
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発言している3曲を連続再生 - Youtube



WHIPLASH-Ticket to Mayhem ★★★ (2006-11-20 22:45:00)

ニュージャージー出身の爆走トリオ・スラッシャー、'87年発表の2ndアルバム。
プアーな音質さえもブッちぎるGリフのカッコ良さと、タコメーターが振り切れんばかりの疾走感が際立っていた1st『POWER AND PAIN』に対し、今回はスピード・ナンバーで畳み掛ける基本姿勢はそのままに、重厚感を増したサウンド・プロダクションの下、バラードリーな③や、ドラマティックな曲展開を聴かせる⑧のような楽曲を収録することで本編の流れに緩急を演出。ガムシャラな突撃精神を抑制し、作品全体の完成度を見据えた姿勢にバンドの成長ぶりが見て取れます。(それを喜ぶか、悲しむかは人それぞれ)
前作ではメロディもへったくれもなかったVoが、本作ではヘシャゲ声なりに「歌って」いて、WIPLASH流バラードと呼べそうな③における歌唱は、なかなかどうして聴かせてくれます。また、これまで以上に印象的なメロディで斬り
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LUDICHRIST-Powertrip ★★ (2006-11-19 21:05:00)

前作に比べてググッとスラッシュ度をアップさせた、NYのクロスオーバー・スラッシャー、'88年発表の2ndアルバム。
饒舌なVoはラップから、弾けるグルーヴはファンクから、怒涛の突進力はハードコアから、
ハイ・テクニックに支えられた自由奔放な曲展開はジャズから、そして唐突にクラシカルな
インスト曲を披露したりと、様々なジャンルからの影響を巧みに消化して、ユニークな
スラッシュ・メタル・サウンドを創出するその洗練された手腕は、流石、都会派NY出身といった感じ。
アルバム全編に、陽性というかファニーな雰囲気が横溢していて、個人的にはもう少し「陰り」の感じられる音が
好みなのだけど(⑨のようなタイプの曲がもっとあれば・・・)、この個性と質の高さは確かに魅力的。
ただ、モッサリとしたドラム・サウンドには、もう少しキレが欲しかったかな。
折角の疾走感が
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HOLY MOSES-Disorder of the Order ★★ (2006-11-17 23:20:00)

EP『MASTER OF DISASTER』で復活の狼煙を上げたHOLY MOSESが'02年に発表した、実に8年振りとなる通算8枚目のフル・アルバム。
驚いた事に、中心メンバーだったアンディ・クラッセンがラインナップにその名を連ねておらず、
「それじゃ復活しても意味ねーだろ」と不安に思うも、裏方として作曲やプロデュースに関わっているようなのでホッと一安心。
そのアンディが全曲手掛けた収録曲はと言えば、これがかなり強力な仕上がり。先のEPを聴いた時点で心配はしていなかったが、
パワーダウンしていたり、モダン方向へ妙な色気を見せる事無く、バンドの全盛期を思わせる
勇猛且つダイナミックなスラッシュ・チューンがズラリ。イントロに続いて②のリフが走り始めた瞬間、
多くのファンが本作のクオリティを確信したのではなかろうか。また、アグレッシブでありながらも非常にキ
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AWFUL TRUTH-The Awful Truth ★★ (2006-11-17 23:04:00)

GALACTIC COWBOYSの前身として知られるトリオ・バンド、AWFUL TRUTH(オーフル・トゥルース)が唯一残した'89年発表のデビュー作。
サウンド的には「スラッシュ・メタル+70年代ロック÷プログレッシブ・ロック」といった趣きで、
これも一種のクロスオーバー現象の産物なのだろうか?正直、スラッシュ・メタルというジャンルに
入るかどうかは微妙だけど、ブンブン唸りをあげるBが刻む骨っぽいリフには、確かにスラッシーな感触が宿る。
後にGALACTIC COWBOYSで全面開花する、キャッチーなメロディ、浮遊感を湛えた歌メロ、美麗なVoハーモニーと、
スラッシーなリフが生み出すミスマッチの妙・・・という独特な味わいは、この時点で既に殆ど完成の域に達している。
GCと異なる点と言えば、こちらの方がより叙情的でドラマチックという部分だろうか。
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DESPAIR-Decay of Humanity ★★★ (2006-11-17 22:50:00)

ドイツの5人組様式美スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の2ndアルバム。
正常な感性の持ち主の購買意欲を著しく減退させる、悪趣味なイラスト・ジャケットは頂けないが(CETTURY MEDIA所属バンドらしいと言えば、まぁその通りですが)、内容の方はハイクオリティ。
傑作3rd『BEYOND ALL REASON』ほどの一種宗教的な荘厳さや、ドラマチックな曲展開は聴かれないものの、スラッシーなリフ&リズムの上でツインGが流麗且つ華麗に乱舞する、時に気品すら漂う独特なスラッシュ・サウンドはこの時点で既に完成をみています。
アグレッシブな濁声と朗々歌い上げるクリーンVoを使い分けるニュー・シンガー、アンドレアス・ヘンシェルの加入は確実にバンドのレベルを数段上に引き上げており、小気味良く疾走するリフ&リズムと、クラシカルなメロディの緊張感を孕んだ絡みが絶品の①⑥、中間部に
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HALLOWS EVE-Monument ★★ (2006-11-16 20:30:00)

快活なアメリカン・パワー/スラッシュ・メタルを聴かせる5人組の、'88年発表の3rdアルバム。
良くも悪くもB級スラッシュという印象の強かった前2作に比べ、本作は一皮ベロリと剥けて、本格派の装いのその身に纏わせている。
とにかく音の太さがまるで違う。そこに宿る重量感もこれまでの比ではない。お陰で①(タイトルもズバリ“SPEED FREAK")を
筆頭にスピード・チューンには迫力が出たし、③④のようなヘヴィ・チューンにも説得力が増した。特に、ブッ太いリフが
力強くザクザクと刻まれるミドル・チューンのカッコ良さは、本作の肝。ドスの効いたVoと、歯切れの良い演奏、
そして以前よりも練り上げられたGのフレーズと相俟って、聴いていると勝手に体が動き出します。
ちなみに②はQUEENの有名曲のカヴァーだが、元々、カラリと湿度の低いサウンドが持ち味のバンドなので、
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FASTKILL-Infernal Thrashing Holocaust ★★ (2006-11-15 22:23:00)

「名は体を現す」とはよく言ったもので、まさにFASTでKILLなスラッシュ・メタルを聴かせる、
日本の5人組スラッシャー、'04年発表の1stアルバム。
とても90年代を通過したとは思えぬ、80年代的なつんのめり気味の疾走感がアルバム全編を支配していて、
狂ったようなテンションで喚きまくるヒステリックなVo、カミソリの如き殺傷力を備えたクランチ・リフ、
タイトに突っ走るリズム隊、スカッと短いランニング・タイム(全9曲で30分弱)と、初期ジャーマン・スラッシュ・メタル的
雰囲気を濃厚に漂わせた1枚で、成る程、KREATORやDESTRUCTIONのカヴァーを演ったらハマリそうだ。
終始「躁」状態で一瞬たりとも緩まないテンションと、強烈なスピード感に身を任せているうちに、
あれよあれよと聴き終えられる勢いの良さは買いだが、個人的には楽曲の画一性が気に
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PARADOX-Heresy ★★ (2006-11-15 22:09:00)

ジャーマン・スラッシュ・メタル史に残る名作として、燦然と光り輝く'89年発表の2ndアルバム。
勇壮なリフ、ツインGの煽情力、歌メロの質、曲展開、様式美に則ったアルバムの構成と、
あらゆる要素がデビュー作から桁違いのグレードアップを遂げており、十字軍を題材にした
(昨今話題の『ダ・ヴィンチ・コード』にも通じるものがある)コンセプト・アルバムということで、
ドラマ性に満ちたスケール感も、これまでの比ではない。
JUDAS PRIEST、IRON MAIDENばりのメロディックなツイン・リードGが際立っていた前作に対し、
今回は豊潤なメロディがアルバム全編を貫き、HELLOWEENを初めとするメロディック・パワー・メタルへ接近した印象。
勿論、スラッシュ・メタル・バンドならではの攻撃性や疾走感は十分に保たれていて、それはアグレッシブなリフの刻みや、
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PARADOX-Product of Imagination ★★ (2006-11-15 21:11:00)

ドラマチックなスラッシュ・メタルを聴かせるドイツの5人組スラッシャー、'87年発表の1stアルバム。
彼らの人気を決定付けた名作『HERESY』に比べると、本作はまだまだ青い。歌メロにしろ、曲展開にしろ、
かなり直線的で若さに任せた荒々しさが目立ち、全体的に練り込み不足との印象は否めない。
尤も、それは『HERESY』と比較しての評価なわけで、本作単品で見るなら、その新人離れしたクオリティの高さは十分驚異的。
これぞスラッシュ・メタル!たる疾走感は次作以上に味わえるし、何より、JUDAS PRIESTやIRON MAIDENといったバンドの
最良の部分をお手本にしたかのような、劇的なツイン・リードGの威力は、この時点で既に半端ではない。
また、組曲形式でアルバムのOPを飾る、バンドのテーマソング①②、本編随一の大作曲④、
叙情的なインスト⑤を経て
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SABBAT (日本)-Karmagmassacre ★★ (2006-11-13 21:39:00)

NWOBHM的な、コテコテの男臭いメタル・サウンドを聴かせてくれる日本は三重出身のSABBAT、'03年発表の8thアルバム。
曲名や歌詞、内ジャケに載せられたメンバーの気合の入ったコスプレ写真からも、ブラック・メタル道一直線な
バンドである事がビンビンに伝わってくるが、彼らが目指しているのは北欧のそれではなく、
飽くまでVENOMや初期SLAYERのような、どこかファニーなエンターテイメント路線。
ダミ声と素っ頓狂なハイトーンを使い分けるVoの歌唱や、わざわざ手間暇かけて再現しているチープな音作りからも、
80年代初頭の雰囲気を狙っている事は明らか。(チープと言っても素材の良さをブチ壊す類のモノではないし)
だから、禍々しく疾走するリフが北欧のブラック・メタル勢を彷彿とさせる①③といった名曲よりも、
スラッシュ・メタル黎明期を思い起こさせる②⑥
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CASBAH-RUSSIAN ROULETTE ~NO POSERS ALLOWED 1985-1994 ★★★ (2006-11-12 12:10:00)

メジャー・デビュー以前に発表された、デモ・テープやLPの音源をまとめて収録した、2枚組ベスト(?)アルバム。
今となっては殆どが入手困難な作品ばかり、しかも、そのいずれもが1曲入魂の名曲揃いなので、
『BOLD STATEMENT』でCASBAHというバンドに興味を持った人間(俺だ)なら、非常に重宝する筈。
比較的最近の曲から始まり、どんどん過去へと遡っていくアルバム構成になっていて、楽曲に試行錯誤の跡が見受けられる
DISK-1も興味深いが、やはり迷いなくスラッシュ・メタル道を邁進しているDISK-2が、個人的にはツボ。
兎に角、楽曲に漲るエネルギーが半端じゃなく、音質的には今ひとつなれど(一応、リマスターはされてのかな)、
尋常ならざる前のめりな勢いの前には、そんなものは全く気にならない。
何しろ、過去の名曲群をリ・レコーディングしたベスト・
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DESTRUCTION-Cracked Brain ★★ (2006-11-11 22:42:00)

'90年に発表された、DESTRUCTION史上随一の問題作。尤も、発表に至る経緯こそが問題なのであって、
作品そのものの存在感は極めて薄いと言わざるを得ないわけだが・・・。
その最大の理由は、やはりシュミーアの不在。助っ人参加のアンドレ・グリーダー(POLTERGEIST)が、わざわざシュミーアに似せたヒステリックなVoを披露しているが、
本家の狂気には遠く及ぶべくもなく、逆にアンドレ本来の持ち味も活かせていない始末。
(彼の真価はPOLTERGEISTの3rdアルバムで発揮されているので、そちらは必聴。ヨーロピアン・スラッシュの名盤です)
小奇麗にまとめられた音質は迫力不足だし、肝心の収録曲のクオリティも、前作に比べると今一つパンチに欠ける・・・と、
ないない尽くしの4thアルバムなのだが、それでも個人的に本作が嫌いになれないのは、相変わらず華麗極
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HOLY MOSES-Reborn Dogs ★★ (2006-11-11 01:19:00)

次作『NO MATTER WHAT'S THE CAUSE』をアンディ・クラッセンのソロ・アルバムと考えるなら、
実質、HOLY MOSESのラスト作となる'92年発表の6thアルバム。
ランニング・タイムはいずれも2~3分台、ギター・ソロも殆どなし、欧州のメタル・バンドならではの湿り気を排し、
徹底的にビルドアップが図られた硬質な楽曲群は、最早、スラッシュ・メタルと言うよりハードコアの領域。
マッチョ化に一役買ってるベースを前面に押し出した音作りは、如何にも90年代的なモダンさを漂わせるが、
本作が素晴しいのは、スローダウンして内省方向に流される事なく、リフのカッコ良さにも疾走感にも、
全く鈍りが見受けられない点。特に④⑦⑧⑩といった、殺気立ったスピード・チューンの破壊力は相当なものだ。
HOLY MOSESの真価が発揮されている作品か?と問わ
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HOLY MOSES-Terminal Terror ★★ (2006-11-09 20:52:00)

バンドのグレードアップに大きく貢献したウリ・カッシュが脱退し、何だかアンディ&ザビーネのWクラッセンによる
スラッシュ・メタル・プロジェクトと化した感のある(グループショットにも2人の姿しかない)'91年発表の5thアルバム。
とは言え、出来の方は相変わらず強力だ。ウリ・カッシュ離脱の影響か、ダイナミックな曲展開は
それほど聴かれなくなったものの、直線的な楽曲からは前作で目立ったパンク色が一掃され、
再び、曲調が王道ジャーマン・スラッシュ・メタルのスタイルで統一されているのが、本作の大きなポイント。
頭1つ抜きん出た楽曲が見当たらないので、聴き始めこそ地味な印象だが、総合点では前作を
上回っているのではないだろうか。個人的には、OPを飾るお約束のスピード・チューン②、
メロディックなインスト・パートを持つ③、ソプラノ声を導入して荘厳な雰囲気を演出
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HOLY MOSES-World Chaos ★★ (2006-11-08 22:49:00)

サイドGが抜け、1st以来の4人編成に戻って'90年に発表された4th。(実際はBもアンディ・クラッセンが弾いてるのだが)
完成度は高かったにも関わらず、3rdアルバム1枚きりでメジャー・レーベルからドロップしてしまった
鬱憤を晴らすかの如く、今回はスラッシーな雰囲気が復活。①からゴリッゴリに飛ばしまくる。
いつになくアグレッシブに刻まれる、ハードコア風の硬質なリフ・ワークが前面の押し出された分、
メロディが後退。ザビーネ・クラッセンのVoも、再び凶暴性を取り戻している印象。
パンクからの大きな影響を筆頭に、実は曲調は前作以上にバラエティ豊かだったりするのだが
(⑥はDEAD KENNEDYSの、⑫はBEASTIE BOYSのカヴァーだ)、①④⑨⑩⑪といった高速スラッシュ・チューンが
物語る通り(②も良い曲)、バンドとしての基本軸にブレがないので
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RITUAL CARNAGE-I, Infidel ★★ (2006-11-08 20:28:00)

逆輸入スラッシュ・メタル・バンドの代表格RITUAL CARNAGE、'05年発表の4thアルバム。
前作『THE BIRTH OF TRAGEDY』は、楽曲のクオリティは高かったものの、低音咆哮を止めたVoと、
妙にこじんまりとしたサウンド・プロダクションの迫力不足が気になってイマイチ入り込めない作品だったのだが、
今回は過去最高にも思える良好なサウンド・プロダクションに仕上がっていて、文句なし。
完全にハイトーン主体のスタイルに切り替えたVo(時々、FORBIDDENのラス・アンダーソンっぽい)の
線の細さが気になるものの、充実した楽曲群の前には枝葉末節。
特に、迫力、疾走感、リフのカッコ良さ、ツインGが生み出すメロディの旨みといった要素が、それまでより
数段ランクアップして畳み掛けてくる(曲間が殆どないのも効果的)、7曲目以降の展開は何度聴
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HOLY MOSES-Queen of Siam ★★ (2006-11-06 21:43:00)

女性ブルータル・シンガーの元祖、ザビーネ・クラッセン擁するドイツのベテラン・スラッシャー、'86年発表の1stアルバム。
本作を一聴してまず耳を捉えるのは、やはりザビーネ姐御の強烈なVo。その断末魔の如きシャウトは
女性・・・いや、人間離れした凶悪なブルータリティを発散。しかもブックレットの写真を見れば判るとおり、
ARCH ENEMYのアンジェラ・ゴソウに勝るとも劣らない美貌の持ち主なんだから、素晴しいじゃありませんか。
その彼女によって歌われるサウンドの方は、既に「スピーディで勇猛な王道ジャーマン・スラッシュ・メタル」という方向性が
しっかりと定まっているものの、デビュー作という事で、まだまだ大人しい印象が強い(飽くまで2nd以降と比較しての話だけど)。
これはウリ・カッシュの前任Dsが、オーソドックスなドラミングに終始している事も大きいと思われる
…続き

HOLY MOSES-Finished With the Dogs-In the Slaughterhouse ★★★ (2006-11-05 12:20:06)

いかにもジャーマンな猛々しいリフを刻むアンディ・クラッセンのG、
人間離れした咆哮を響かせるザビーネ・クラッセンのVo、
そして地鳴りの如きリズム隊とが一丸となって突進する様がド迫力の、
HOLY MOSES屈指の高速スラッシュ・チューン。
中でも、前任者とは比較にならないダイナミックなビートを叩き出す
ウリ・カッシュのDsは白眉。

HOLY MOSES-Finished With the Dogs ★★ (2006-11-04 22:32:00)

3rd『THE NEW MACHINE OF LIECHTENSTEIN』と並んで、初期HOLY MOSESの最高傑作と名高い、'87年発表の2ndアルバム。
猛々しく刻まれるリフ、地鳴りの如く疾駆するリズム隊、邪悪な絶叫Vo・・・と、ジャーマン・スラッシュ・メタルの
王道を行くそのド迫力サウンドは、マイ・ベストである3rd『THE NEW MACHINE~』のメロディ重視路線に
物足りなさを覚えた硬派スラッシャーの諸兄にも、自信を持ってお薦め出来る強力な仕上がり。
徹底的に磨き上げられたタイトな楽曲(ランニング・タイムは全て2~3分台)に漲る、アグレッション、スピード感、
ドラマ性は、いずれも1stから段違いにパワーアップを遂げ、特に、つんのめり気味に疾走する①、
怒涛の突進力に圧倒される②、歯切れの良い演奏が痛快な③、本作のハイライト・チューン的存
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HOLY MOSES-The New Machine of Liechtenstein ★★ (2006-11-03 23:54:00)

HOLY MORSESの全カタログの中でも、1、2を争う高い完成度を誇る'89年発表の3rdアルバム。
バンドのメジャー・デビュー作(日本でも国内盤が発売された筈)と言う事で、クリーンな
サウンド・プロダクションの下、以前よりメロディ重視の姿勢が貫かれ、リフが
よりキャッチーに練り上げられて、正統派へヴィ・メタルへの接近を感じさせるのが本作の大きな特徴。
例えば、野獣の如き咆哮を響かせるザビーネ・クラッセンのVoも、ここでは(ダーティではあるものの)一応メロディを
なぞって歌っているし、そこはかとなく「艶」を感じさる歌唱は、これなら女性Voだと信じる気になるというもの(笑)。
また、②の間奏部分のように、押しと引きを活かしたメロディアスなGソロも、以前には聴かれなかった要素だ。
全体的にかなり聴き易い作風に仕上がってはいるが、それでも十分過ぎる程
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Release From Agony-Release From Agony ★★★ (2006-11-03 19:10:54)

目まぐるしい曲展開と、シュミーアの狂気に満ちたVoパフォーマンスによって
ギリギリまで高められたテンションが、絡み合い、昇り詰めて行く
飛翔感すら感じさせるツイン・リード・ギターで解き放たれる瞬間にゾワゾワと鳥肌が・・・。
DESTRUCTIONを代表する名曲中の名曲。

DESTRUCTION-Release From Agony ★★★ (2006-11-03 18:57:00)

ジャーマン・スラッシュ・メタル史上、随一のインパクトを誇るジャケットのアートワークも凄まじい、'87年発表の3rdアルバム。
新たにサイドGを加えたツイン・ギター編成となり、サウンド的にも大きな変化を遂げたこの作品、音質の方も、前作が「触れれば切れる研ぎ澄まされた剃刀」の如きそれだったのに対して、今回は「ぶっとい鉈」といった趣き。切れ味はそれほどでもないけど、破壊力は抜群だ。
シャープな疾走感が後退し、テクニカルに動き回る2本のGを最大限に活かしたリフまたリフの壁と、構築美すら感じさせる複雑怪奇な曲展開で畳み掛けるスタイルは、大多数のファンから高評価を得る一方で、筋金入りのスラッシャーからは「駄作」との厳しい評価の声も。
だがしかし。穏やかながら不安感漂うインスト曲①に導かれて炸裂する名曲中の名曲②、美しくも邪悪極まるスロー・チューン④を筆頭に、緩急、美醜、正気と狂気、
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CARNIVORE-Retaliation ★★ (2006-11-03 01:02:00)

TYPE O NEGATIVEのカリスマ・フロントマン、ピーター・スティールが在籍していた事で知られる
ニューヨークはブルックリンのスラッシュ・メタル・トリオ、'87年発表の2ndアルバム。
強烈なSE(笑)で幕を開ける本作のサウンドは、ピーターの変幻自在のBプレイにリードされる形で、
無軌道且つバイオレントに暴走しまくるハードコア罹ったスラッシュ・メタル・・・といった趣き。
マッチョで硬派な作風は時に息苦しさを覚える程だが、デタラメなまでにダイナミックな演奏と、
男の哀愁を漂わせたメロディアスな⑤、クラシック風のインスト・パートが印象的な⑧のような楽曲が
良いアクセントとなって、ダレや単調さを感じる場面は少ない。(ジミ・ヘンドリックスのカヴァー⑨も収録)
野太い声でアジりまくるピーターのVoも個性的で、その「ブルータルになった筋肉少女帯の大槻ケ
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ABATTOIR-The Only Safe Place-Bring on the Damned ★★★ (2006-11-02 22:21:10)

泣きのインスト序曲“BEYOND THE ALTAR"で徐々に高められたテンションは、
勇壮なリフがドカンと炸裂するイントロ部分で早くも頂点に達する。
慌しい疾走感、野卑なハイトーンVoによって歌われる力強いコーラス、
そして中間部の劇的なツイン・ギター・ソロにも耳奪われます。

ABATTOIR-The Only Safe Place ★★★ (2006-11-02 22:03:00)

昔、EVILDEADのアルバムを買ってライナーを読むまで、バンド名をどう発音するのか知らなかった、元HERETICのVoマイク・トレスを擁するLAの5人組スラッシャー「アバトール」(最近のデータだとアバトワール?)の'86年発表の2ndアルバム。
後にAGENT STEELを結成するジョン・サイリースやフォアン・ガルシアが在籍していた事でも知られるバンドだが、両名とも本作発表以前に既に脱退済み。とは言え、作品の完成度には微塵も揺るぎなく、寧ろ、クオリティの高さは1作目をも凌ぐ。
前掛かりのスラッシーなビートに乗って、劇的なメロディ、シャープに斬り込んで来るツインG、強力なハイトーンVoが一丸となって疾走するサウンドは、やはりAGENT STEELを想起させるが、あちらよりもグッと骨太な印象が強く、IRON MAIDEN寄りのテイスト。②⑧⑩等、魅力的なスピード・チューンを揃え
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ICED EARTH-Iced Earth ★★ (2006-10-30 21:52:00)

2nd以降はよく見かけるのに、どういうわけか本作だけは入手困難な状態が続いている、'91年発表の1stアルバム。
デビュー作という事で、まだ現在のようなスケールのデカイ大仰さは然程感じられず、どちらかと言えばオーソドックスなパワー/スラッシュ・メタルの要素が濃厚。楽曲は比較的コンパクトにまとめられ、クセの強いVoの存在と相俟って、彼らの全カタログ中、最もストレートな作風に感じられる。
だがしかし。ザクザクと刻まれるゴン太リフ、重々しく疾走するリズム、扇情的なツインG、繊細なアコギ、Keyを効果的に導入したドラマ性に満ちた曲展開etc・・・と、既にICED EARTHならではの個性はガッチリ確立済み。
特に、クライマックスへと向かって力強く盛り上がっていく②、組曲形式でアルバムの締めを飾る⑥⑦⑧は、その辺りが強く発揮された、繊細さと攻撃性の同居するドラマチックな名曲で必聴
…続き

SKYCLAD-Jonah's Ark ★★ (2006-10-20 22:36:00)

実際のところは定かじゃないが、日本ではこれが最も売れたSKYCLADのアルバムのような気がする'93年発表の3rd。
因みに、国内盤は6曲入りEPとのカップリング仕様。(邦題は『ヨナの箱舟』だった)
GEORGEさんの仰る通り、スラッシュ・メタル的な攻撃性が大きく減少した収録曲は、幾つかの佳曲以外はどーにも地味で、
アルバムで一番印象に残るのが、THIN LIZZYのカヴァー曲“EMERALD"ってのは不味いんじゃないの?と。
但し、フォーク、トラッド、ケルト、おまけにスパニッシュといった民族音楽からの大きな影響が
これまで以上に積極的且つ自然に楽曲の中に取り入れられ、英国的な気品と叙情性を演出するバイオリンも、
単なる装飾に留まらず、リフにリードにと、しっかりバンドの一員として機能していたりと、
SKYCLADならではの個性は本作で確立された感
…続き

BLOOD FEAST-Chopping Block Blues ★★ (2006-10-20 22:16:00)

デビュー作で炸裂していた、歪みまくりのダーティなVoと、ジリジリとノイジーで破壊的な
Gの音色が改善され(されてしまった?)、随分と聴き易くなった'89年発表の2ndアルバム。
相変わらずスラッシュ・メタル以外の何者でもないサウンド・スタイルを貫いているが、
今回は若干メロディにも気を使った作風ゆえ、無闇矢鱈な迫力が後退してしまっていて、
その辺に不満を覚える硬派なスラッシャーも多かろうが、メリハリの効いた楽曲は前作より格段に
ダイナミズムに溢れ、そのクオリティは確実にUPしてると思うので、個人的には無問題。
但し、個々の楽曲は悪くないのに、通して聴くと強烈な聴かせ所(キメ曲)に乏しいため、
アルバム単位での印象がイマイチ薄いという弱点は、1stの時と同じ。

PYRACANDA-Two Sides Of A Coin ★★ (2006-10-18 22:25:00)

ドイツ産5人組スラッシャー、'90年発表のデビュー作。
DESTRUCTIONの『RELEASE FROM AGONY』に匹敵するキモジャケで知られる1枚だが、DESTRUCTIONのそれが
「狂気に彩られたスラッシュ・メタル」という作品内容を幾らか表現できていたのに対して、本作は、
リズム・チェンジを繰り返しながらドラマチックに盛り上がっていく、時にHELLOWEEN等を彷彿とさせるパワー・メタルがかった
メロディックなスラッシュ・サウンドが魅力なわけで、それをこのジャケで十分に表現出来ているかと言えば・・・うーむ。
まぁそれは兎も角、内容の方は高品質。当時のドイツ産スラッシュ・バンドと言えば、三羽鴉を筆頭に、
邪悪な吐き捨てシャウトを響かせるバンドが多かったが(?)、このバンドは、ヘタウマながら歌えるVoを擁して、
メロディ重視の姿勢を貫いて
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DARKNESS-Conclusion and Revival ★★ (2006-10-17 22:19:00)

『遊星からの物体Ⅹ』を思わせるキモジャケがインパクト大な、'89年発表の3rdアルバム。
(実際、彼らは『遊星~』のテーマ曲をカヴァーした前歴がある)
前任者よりも幅広い声域を備えた新Voの加入効果で、かなり聴き易くなった印象を受けるが、
だからと言ってヤワになったわけではなく、従来通りのストレートなスラッシュ・チューン②③⑧⑫を
要所に配しつつも、Keyの隠し味が効いている正統派へヴィ・メタリックな④⑩のような楽曲も収録。
歌えるVoを活かした、よりメロディ重視のパワー・メタル路線への歩み寄りが感じられる
作風に仕上がっている。(中には⑨の如き異色曲も収録されているけど)
特に、スラッシーな疾走感を基調に、そこにドラマチックな曲展開を持ち込んだ6分以上に及ぶ大作⑦は、
リード楽器の役割を果たすBの存在の大きさもあって(このBは、ソロにリフ
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OUTRAGE-SPIT ★★ (2006-10-15 18:26:00)

'93年発表の5thアルバム。'93年と言えばスラッシュ・メタル・バンドの間で「モダン(当時)・へヴィネス病」が
猛威を振るい始めていた頃で、本作もその例に漏れず、スピードよりも圧し掛かるようなヘヴィネスに
重点の置かれた作風。特に、ボトムの効いた分厚いサウンド・プロダクションは圧巻。
尤も、多少テンポが落ちたとは言え、ハイクオリティな楽曲の数々と、デビューからこっち天井知らずの
成長を続ける橋本直樹の表現力豊かなVo、攻撃性と叙情性を兼ね備えたGがあれば、大勢にはまったく影響なし。
アグレッシブな疾走感とメロディアスなGソロの対比が劇的な②、濃厚な「泣き」と、ストリングスの隠し味が効いてる
バラード⑥を筆頭に、名曲も数多く収録。今までと毛色は違えど、これもまた立派なOUTRAGE流メタルの名盤である。

ARTILLERY-Terror Squad ★★ (2006-10-13 00:29:00)

3rd「BY INHERITANCE」は、これまで聴いてきた全スラッシュ・メタル・アルバムの中でも、五指に入るぐらい
愛して止まない作品なれど、この'87年発表の2ndアルバムも、後の飛躍を予感させる気合の入った力作で捨て難い。
「BY~」では、起承転結のハッキリしたドラマチック・スラッシュを聴かせてくれた彼らだが、
この2ndの時点では、まだ初期衝動に任せた疾走感がアルバム全体を支配。Voがより「歌う」ことを意識し、
練り上げられたテクニカルなGソロも強く個性を主張してはいるものの、未だ東洋風のメロディが聴けない事もあってか、
それはメロディアスではあっても叙情的と言うのとはちょっと違う。もっと勢い重視で、
例えるなら初期SLAYERのメロディアスさに近い感じ?
とは言え、曲展開は既に十分過ぎる程ダイナミックだし、何より、北欧のバンドならではの
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AGENT STEEL-Skeptics Apocalypse ★★ (2006-10-09 20:46:00)

ジョン・サイリース(Vo)率いるパワー/スラッシュ・メタル・バンド、'85年発表のデビュー作。
人格的には問題の多い人物らしいが、その歌唱能力は確かだったジョン・サイリースの
パワフル(過ぎて少々鬱陶しく感じられる場面も・・・笑)なハイトーンVoと、鋭く切り込んでくる
ツイン・ギターを前面に押し出したサウンドは、スラッシーになったJUDAS PRIESTといった趣きで、なかなかにカッコイイ。
勿論、本家に比べれば楽曲にも歌唱にも深みはないし、繊細な表現力なんぞを求めるべくもないが、
それでも、この、ただひたすらに押して押して押しまくる、剛球一直線な猪突猛進振りは、聴いてて非常に痛快。
特に、そのコテコテさ加減が嬉しいバンドのテーマ・ソングとも言える①~②と、
華麗なるツイン・ギター(片割れは後にEVILDEADを結成するホアン・ガルシア)プレイが
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OUTRAGE-The Final Day ★★ (2006-10-07 00:10:00)

名曲中の名曲①を収録、OUTRAGEの名をスラッシャー以外にも広く知らしめた、'91年発表の4thアルバム。
NWOBHM、スラッシュ・メタル、実験精神と、前3作の長所を程好くブレンドした感じの
本作を一言で表現するなら、それは「キャッチー」。
とにかくリフにしろメロディにしろ、(必要にして十分なアグレッションを保ちつつも)
耳馴染みが抜群に良く、それが高速スラッシュだろうが、引き摺るようなヘヴィ・リフを持つ曲、
バラードやドラマチック・チューンだろうが、非常に取っ付き易い。
前作から更なる成長を遂げた橋本直樹(Vo)の歌メロも過去最高の充実度で、本作のキャッチーさの演出に大きく貢献している。
OUTRAGE未体験者が先ず最初に聴くべきは、間違いなくこのアルバムだろう。

VIO-LENCE-Oppressing the Masses ★★★ (2006-10-05 23:02:00)

1st『悪夢』をいきなり米メジャー、MCA傘下のMECHANIC RECORDSからリリースして華々しくデビューを飾るも、それ1枚きりであっさりドロップ。その後、ベイエリア・スラッシャーといえばここ!のMEGAFORCEと新たに契約を結び、’90年に発表した2ndアルバム。タイトルは『オプレッシング・ザ・マッセズ』…って、これにも何か気の利いた邦題をつけたれよと。シュールなジャケットはなかなかのインパクト。
VIO-LENCE作品に初めて触れたのが本作で、その割には碌に聴きもせず長らく箪笥の肥やしにしていましたが、ここ最近の(己の中での)ベイエリア・スラッシュ熱の高まりが昂じて、改めて引っ張り出して来て聴き直してみたら…いや、なかなかどうして力作でした。
LAAZ ROCKITにも匹敵する獰猛な音色で切り刻まれる、輪郭のクッキリとしたクランチ・リフ、切迫感を醸し出す上擦り気味
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OUTRAGE-The Great Blue ★★ (2006-10-04 21:38:00)

メタルのみならず、70年代ロック、パンク、ハードコアからの影響も意欲的に取り入れた、'90年発表の3rdアルバム。
起伏に富んだ大作曲だが、ドラマチックと言うより「実験的」との印象を強く受ける⑥、
70年代風へヴィ・バラード⑧、パンキッシュに爆走する⑨等、後の音楽性の拡散を予感させる作風ながら、
疾走チューン①②④を筆頭に、スラッシュ・メタル・バンドとしての攻撃性や突進力に、
微塵も鈍りが見られないのが、このアルバムの素晴しいところ。
叙情面における繊細な表現力を格段に向上させたVoとGの存在も頼もしく、特に両者のスキルが
最大限に発揮された⑧は、聴き応え十分の名曲。
尚、本作の初回盤は、RAMONESとThe Stoogesのカヴァー曲を収録したCDシングル付きの、2枚組仕様だった。

SADUS-A Vision of Misery ★★ (2006-10-02 22:37:00)

スティーブ・ディジョルジオが在籍していた事で知られるベイエリア・スラッシュ・バンド、'92年発表の3rdアルバム。
溜めと疾走を繰り返しながら、クライマックスへ向けて昇り詰めていくという、実にオーソドックスな
SLAYER型スラッシュ・メタルを実践しているバンドながら(Voも音程無視のシャウト・スタイル)、
そこに名手スティーブ・ディジョルジオの個性的なBが加わる事によって、他のバンドにはない独特の魅力が発生している。
フレットレス・ベースを駆使して目まぐるしく動き回り、強烈なウネリを生み出すそのBプレイは確かに素晴しいが、
個人的には、しっかりとバンド・サウンドの要となり、楽曲をスリリングに盛り上げている点を評価。
特に、タイトなDsと一体となって疾走した時のドライブ感は、ちょっと堪えられない爽快さでクセになります。
また、彼の影にかくれがちな
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DARK ANGEL-Time Does Not Heal ★★★ (2006-10-01 16:14:00)

「聴かせる」姿勢が、より明確に表れた'91年発表の4thアルバム。
日本ではDEATHの作品に参加した事で一気に知名度を上げた感のあるジーン・ホグランだが、ドラマーとしての腕前はこの頃から既に一流で、時にリード楽器の役割も果たす、そのヘヴィネスと疾走感を兼ね備えたドラミングはまさに圧巻。
彼がその殆どを手掛けた収録曲も、OPとEDを飾る高速スラッシュ①⑨、中盤の盛り上がりを演出する④⑤⑥⑦等、いずれもハイクオリティ。特に10分に及ぼうかという長尺曲⑥は、ストレートな疾走感と、煮え切らない歌メロ&メロディアスなGの絡みが秀逸な、本作のハイライト的存在の名曲。
「67分で9曲、246のリフ」という名キャッチコピーからも分かる通り、大作主義、頻繁なリフ/リズム・チェンジ等、複雑な曲展開が前面に押し出された仕上がりなわけだが、ドラマーが曲作りの中心に座っているせいか、理屈っぽさ
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OUTRAGE-Blind to Reality ★★ (2006-10-01 15:48:00)

破壊力抜群のへヴィ・リフが疾走する、日本スラッシュ・メタル史上に残る
(と勝手に思っている)名曲①⑤を収録した、'89年発表の2ndアルバム。
OUTRAGEの全カタログ中、最もスラッシーな突進力が堪能できる1枚ながら、
勢いだけで押し切るのではない、随所で聴ける(彼らならではの)練り上げられ、
しっかりと構築されたメロディ使いが大きな魅力。
特に、重々しいイントロから疾走へと転じ、繊細な泣きパートを経て再び疾走へ・・・
という劇的な曲展開を持つ④は、全スラッシャー必聴の名曲。

LAAZ ROCKIT-Annihilation Principle ★★ (2006-09-26 21:33:00)

サンフランシスコのクランチ軍団こと、LAAZ ROCKITが'88年に発表した4thアルバム。
彼らの最高傑作は?と聞かれると、よりメロディアスでパワーメタル風味の前作『KNOW YOUR ENEMY』とコレ、
どちらを挙げるべきか悩ましいところなのだが、ライブでは観客の大合唱を誘発する、勇壮なOPチューン①、
DEAD KENNEDYSのカヴァーで、シングル・カットもされたノリノリの⑤、叙情的なイントロから
ドラマチックに疾走を開始する⑧、厳粛な雰囲気漂うパワー・バラード⑨等、LAAZ ROCKITの代表曲、
必聴の名曲、ライブの定番曲がズラリ揃ったこの作品こそが、やはり個人的にはベストだろうか。
そして何より、本作を大きく特徴付けているのが、そのサウンド・プロダクション。特に、壁を築くかの如く
ジャキジャキと刻み込まれるエッジの効いた分厚いG
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EVILDEAD-Annihilation of Civilization ★★ (2006-09-25 22:35:00)

JUDAS PRIESTタイプのAGENT STEELと、IRON MAIDENタイプのABATTOIR、
2つのスラッシュ・メタル・バンドのメンバーが結成したEVILDEAD、'89年発表のデビュー作。
出自が出自だけに、てっきり華麗なツイン・リード・ギターが乱舞する、ドラマチックな
スラッシュ・サウンドを聴かせてくれるものとばかり思っていたが、実際聴いて見ると、
それよりも硬派な疾走感がグッと強調された、ストロング・スタイルが身上のバンドであった。
とにかく突っ走った時の爽快感が半端じゃなく、マッチョなVoと、歯切れの良い演奏、
そして分厚いサウンド・プロダクション(LAのバンドなのにベイエリア風)が、それを見事に援護射撃している。
勿論、AGENT STEELとABATTOIRのファンが期待する要素もちゃんとフォローされていて、
特に
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Among the Living ★★ (2006-09-25 21:36:00)

Voが二ール・タービンからジョーイ・べラドナに代わって2作目、バンドの体制もより一層強固なものとなり、
いよいよ本領発揮といった感じの、'86年発表3rdアルバム。
前作「SPREADING THE DISEASE」では、未だ欧州へヴィ・メタルからの影響の名残りがそこかしこに見受けられたが
(そこがまた素晴しかったわけだけど)、今回はそうした要素は一掃・・・というか、その手の影響を完全に消化しきって
自らの血肉へと変え、METALLICAの構築美とも、SLAYERの破壊力とも、MEGADETHの複雑さとも違う、
エネルギッシュでスポーティな(汗の似合う)ANTHRAX流スラッシュ・メタルの創出に、見事成功している。
ヨーロピアン風味の湿り気は大きく後退したものの、躍動感溢れる縦ノリのリズム、引き締まったリフワーク、
そして、どことなく体育祭の応援
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ANTHRAX-Fistful of Metal ★★ (2006-09-23 02:34:00)

スラッシュ四天王の中で、個人的に最も思い入れが少ないのが実はANTHRAXだったりする。他の3バンドと違って
ライブを見た事がないからか、はたまた、アメリカンなネアカさが一番強く感じられるからか・・・理由は自分でも
よう分からんのだけれど、しかしそんな不届き者ですら、彼らの初期3枚のアルバムの完成度には、脱帽せざるを得ない。
特に、この'84年発表の1stは、他のスラッシュ四天王やEXODUSのデビュー作がそうであったように、NWOBHMからの影響が
微笑ましいぐらいにモロ出しで非常に好感が持てる1枚。中でも、アルバムをOPを猛スピードで駆け抜ける①や、
JUDAS PRIESTばりの攻撃的且つ華麗なツイン・リードGがドラマチックな④といった欧州風味の湿り気を帯びた楽曲は、
この1stでしか聴く事の出来ないタイプの名曲。実力的にはジョーイ・べラドナに及
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SLAYER-Reign in Blood ★★ (2006-09-23 02:11:00)

このマスターピースに関しては既に大勢さんが賛辞を寄せているので、今更、自分なんぞが付け足すことは何もないのだが、
敢えて1つだけ言わせて貰えるなら、時々、雑誌なんかで見かける「スラッシュ未体験者はまず本作を聞いて、
それでピンとこなかったら、もうスラッシュ・メタルを聴く必要はない」という物言いは、ちと違うんじゃなかろうか・・・ということ。
こんな凶悪な、メロディもへったくれもないスピード至上主義(褒め言葉)の作品を初心者に聴かせたって拒絶反応が出るだけで(?)
それよりは楽曲にある程度のメロディと構築美の感じられる、METALLICAやTESTAMENT等のアルバムの方が入門書としては最適。
本作は寧ろ、色々なデス/スラッシュ・メタルを聴き漁ってきたスラッシャーが「でも、やっぱりコレだよなぁ」と、
最後に戻ってくる場所(1枚)ではないかと思う。そう、例
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SACRED REICH-The American Way ★★ (2006-09-21 21:26:00)

アメリカ/アリゾナ州フェニックス出身の4人組スラッシャー、'90年発表の2ndアルバム。
リフ/リズム・チェンジをしっかり組み込みつつ、前のめりで突っ走る実にスラッシュ・メタルらしい
スラッシュ・サウンドを聴かせたデビュー作『IGNORANCE』に比べ、今回はグッとスピードを抑え目にした、
重量感溢れる作風が特徴。勿論、スピード・チューンがなくなってしまったわけではなく、
アルバムは後半に向けて尻上がりに速度を増していく構成なのだが、やたら重々しいバスドラの鳴りといい、
重心低く、分厚く、力強く刻まれるリフといい、やはり印象に残るのは疾走感よりも、そのヘヴィさ。
とは言え、3rd『INDEPENDENT』以降のPANTERA型へヴィネス路線とは違って、このバンド独特の
緊張感を孕んだ流麗なメロディは健在だし、何より楽曲が⑥を筆頭に、これまで以上に
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SLAYER-Christ Illusion ★★ (2006-09-11 21:38:00)

速いから素晴しいのではなく、速くてカッコイイ曲を演ってるから素晴しいのですよ!と、
強く主張しておきたい、前作『GOD HATES AS ALL』以来、5年振りに発表された待望の9thアルバム。
デイヴ・ロンバートの出戻りという大イベントを経た所為か、原点回帰(この場合の原点は3rd『REIGN IN BLOOD』を指す)の
姿勢が強く打ち出されている感じで、ここ数作の「速い曲も演る」スタイルから一転、アグレッション漲る
スピード・チューンが収録曲の大半を占める。増加傾向にあった曲数も再び10曲まで絞られ、
ランニング・タイムも40分弱とスカッとタイト。それでいて異様なまでに密度が濃いので、
聴き終えた後に物足りなさが残らないという、まったく恐れ入る仕上がり。
小細工を排して、生々しく迫ってくるトム・アラヤのハイテンションVoの迫力も前作以上だ。
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SLAYER-Show No Mercy ★★ (2006-09-09 00:03:00)

メタルを聴き始めて間もない頃、友人が「コアなJUDAS PRIESTみたいでカッコイイぞ」と貸してくれたのが、
この'83年発表の1stアルバムであった。その時は一聴して「こんな雑音とJPを一緒にするんじゃないよ」と
突っ返した記憶があるのだが、今、改めて聴き直してみると、友人の言葉に嘘が無かった事がよく分かる。
確かに①⑥⑩辺りを筆頭に、前のめりに突っ走る楽曲は(当時の)常識外れなまでの疾走感を誇るが、
リフには欧州へヴィ・メタルからの大きな影響が感じられ、Gソロも、狂ってはいるが意外なほどメロディアス。
特に⑨のIRON MAIDEN風のインスト・パートなんぞ「ドラマチック」と表現しても差し支えないカッコ良さ。
トム・アラヤのVoも、尋常ならざるテンションの高さは今と変わらないが、曲によっては「歌ってる」場面が多々あり、
正統派へヴィ・メタリ
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SILENT SCYTHE-Suffer in Silence ★★ (2006-09-08 23:49:00)

スウェーデン産の5人組パワー/スラッシュ・メタル・バンド、'04年発表の1stアルバム。
(正確には'03年に自主制作した作品のリニューアル盤らしい)
製作過程がかなりドタバタと慌しかったようで、どうにもマテリアル不足の感は否めず、全8曲のうち、
イントロ代わりのSE①と、ボーナス・トラック的なスタジオ・ライヴ・テイク⑧を除けば、僅か30分ちょいという
アルバムのランニング・タイムに物足りなさが残るが、それは本作の仕上がりが強力だからこそ。
サウンド・プロダクションや歌メロにはモダンな雰囲気が感じられるものの、そこに北欧のバンドならではの
憂いを帯びたメロディやリフ・ワーク、ドラマチックなGソロが加わる事で、独特な魅力が発生。
特に、凄まじいアグレッションを撒き散らしながら疾走する、AT THE GATES風の高速スラッシュ・チューン②、

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RITUAL CARNAGE-The Highest Law ★★ (2006-09-04 22:16:00)

2nd「EVERY NEVER ALIVE」が、かなりカッコイイ出来だったので、遡って聴いてみた'98年発表の1stアルバム。
うん。こちらもなかなかイケてます。
分厚く刻まれるリフ、全編をスピーディに疾走するリズム、そしてメロディックなツイン・ギターといった要素は
もう既にこの時点で耳にすることが出来るが、オーセンティックなヘヴィ/スラッシュ・メタルからの影響が
色濃く感じられた「EVERY~」に比べると、本作はもう少しコア寄りなスタイル。轟然とした音作りといい、
Voの歌唱もデス・メタル風だし、時にブラスト・ビートが炸裂したりと、所謂メロディック・デス・メタル的なアプローチが目立つ。
まだまだ、有無を言わせぬ迫力は感じられないものの、クオリティの高さは折り紙付き。
特に、シャープ且つメロディアスな2本のGの絡みが勇壮さを演出する、アルバムのタ
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RITUAL CARNAGE-Every Nerve Alive ★★ (2006-09-02 00:48:00)

大した予備知識もなしに、骸骨武者&2丁拳銃というイカしたアルバム・ジャケットに惹かれて購入してみたら、
これが大当たり。極太のリフがバリバリ刻まれ、スタスタと2ビートが猛スピードで駆け抜けていく
スラッシュ・メタルの力作であった。(ライナーによれば'00年発表の2ndアルバムとのこと)
とにかく徹頭徹尾、疾走しまくりの1枚で、本編ラストをヘヴィに締める⑩(とは言え、この曲にだって
疾走パートが組み込まれているんだが)以外は、METALLICAのカヴァー曲“HIT THE LIGHTS"他、
日本盤のみのボーナス・トラック4曲も含めて、収録曲全てが高速スラッシュ・チューン。
「緩急?知らねーよ」とばかりに飛ばしまくる、スラッシュ馬鹿一代っぷりが存分に堪能できる1枚。
それでいて単調さが然程感じられないのは、欧州へヴィ・メタルからの影響が色濃いリフ・
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