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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) 時系列順 6901-6950
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SACRIFICE (CANADA)-Soldiers of Misfortune ★★ (2007-01-24 21:22:00)
1度聴いてみたいと思っていたSACRIFICE'90年発表の3rdアルバムが、デジタル・リマスターを施されて、
2枚組、ボーナス・トラック27曲(!)追加という、ムチャクチャ気合の入った仕様で待望の再発。
早速購入して聴いてみたのだけれど・・・おぉ、こりゃ本当に素晴しい。
バンドの最高傑作と言われるだけあって、フックに富んだリフ、緩急を巧みに織り込んだダイナミックな曲展開、
劇的なフレーズを紡ぎ出すメロディックなツインGと、何れの要素も抜群のクオリティ。
とにかく突っ走った時の爽快感が半端なく、よりメロディ重視のスラッシュ・サウンドを聴かせる
5th『APOCALYPSE INSIDE』(これも力作)では不満が残った大人し過ぎるサウンド・プロダクションも、
ここでは痛快なDsを筆頭に迫力に満ち溢れ、気持ち良い事この上なし。特に、強力なリフと疾走感
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ATROPHY-Violent by Nature ★★ (2007-01-23 22:22:00)
マイナー・バンドながら、マニア筋では評価が高い(らしい)アリゾナ出身の4人組スラッシャーが、
'90年に発表した2ndアルバムが、リマスター化/ボーナス・トラック追加/デジパック仕様で、最近遂に再発。
中古屋では、国内盤はおろか輸入盤にすら高値が付けられていたので、これは未体験者には嬉しい限り。
で、肝心の内容の方はと言えば、これが期待に違わぬ素晴しさ。より荒々しいスラッシュ・メタル・アルバムだった
デビュー作に比べ、アコギや叙情メロディ、緩急といった要素を積極的に導入して、楽曲を一層ダイナミックに演出。
前のめりな勢いでは前作に一歩譲るものの、こと完成度の高さにおいては本作の方が上だ(と思う)。
「これぞ!」というキメ曲に欠ける点は惜しいが、リフはEXODUS、疾走パートはTESTAMENTといったバンドを
彷彿とさせる楽曲は、何れも良く出来て
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HOBBS' ANGEL OF DEATH-Hobbs' Angel of Death ★★ (2007-01-23 21:49:00)
嘗てはテイチクから、RAZORの5thアルバムとのスプリット仕様で国内盤も出ていた
(今でもたまに法外なプレミア価格で中古盤が売られているのを見かけます)
オーストラリア出身の4人組スラッシャーが、'88年に発表した1stアルバム。
バンド名やブラック・メタル的な歌詞からも察しの付く通り、サウンドの方はまさにSLAYER・・・
しかも彼らが最もイーヴルで欧州ヘヴィ・メタリックな雰囲気をその身に纏っていた、『SHOW NO MERCY』や
『HELL AWAITS』の頃を彷彿とさせる、ダイナミックなスラッシュ・メタルを実践。
不吉なイントロから一気に疾走へと転じる①に始まり、ラストを締める高速スラッシュ・チューン⑩に至るまで、
ダレ場なしに聴かせきる本編のテンションの高さは半端じゃない。特に前述の①、緩急の効いた②、その勢いを引き継ぐ③と来て、
…続き
EXODUS-Tempo of the Damned ★★ (2007-01-22 21:10:00)
再結成EXODUSが、紆余曲折を経て'04年に発表した復活の6thアルバム。
かなり迷いの感じられる内容だった前作『FORCE OF HABIT』の反省を踏まえて、本作は自らの原点に
立ち返ったかのような、強力なスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっている。
アンディ・スニープが手掛けたサウンド・プロダクションは、これまでの作品とはかなり違った感触を伝えるものの、
OPチューン①における、キャッチー且つアグレッシブに刻まれるリフ、そして何より躍動する
トム・ハンティングのDsを聴いた瞬間、“あの"EXODUSが帰ってきた!と実感。
全体的にアグレッシブさが前面に押し出されていて、特に、スティーブ・ゼトロ・サウザの力みまくった歌唱は
それを強く意識させる。ただ、迫力は十分だが少々躍動感に欠ける印象が無きにしも非ずで、
折角のミドル・チューンの
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METAL CHURCH-The Human Factor ★★ (2007-01-22 20:37:00)
リフ重視からメロディ重視へと、曲作りのスタイルが明らかに変化を遂げている、'91年発表の4thアルバム。
例えば“FAKE HEALER"のような、一発でハートを鷲掴みにされる名リフはないが、哀愁を帯びて駆け抜ける④や、
バラード調に始まり劇的に盛り上がっていく⑤⑦といった楽曲に代表されるように、聴き手を
グイグイと引き込んでいく、親しみ易くキャッチーなメロディがアルバム全編に溢れている。
相変わらず収録曲の大半はカート・ヴァンダフーフが手掛けているのわけだけど、ここにきて
マイク・ハウ(とジョン・マーシャル)の発言力も大きくなって来ているようで、スラッシュ・メタル的な
暗さ/重さが抜け、すっきりと垢抜けたメジャー感漂う楽曲からは、HERETICっぽさも感じられなくもないような?
勿論、①⑥⑧⑩のような強力な疾走チューンは健在だし、力強いリフを持
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FORBIDDEN-Forbidden Evil ★★ (2007-01-19 23:52:00)
ベイエリアの5人組スラッシャーが、アルバム・タイトルに元のバンド名を冠して、'88年に発表した1stアルバム。
曲の出来・不出来に結構バラつきが見られるため、小粒ながら平均的に良い曲が揃っていた
2nd『TWISTED INTO FORM』に比べるとやや聴き劣りがするものの、EXODUSばりのクランチ・リフ、
随所で印象的なメロディを紡ぎ出すツインG、名手ポール・ボスタフのタイト極まりないドラミングを活かした怒涛の突進力、
より荒々しい楽曲&サウンド・プロダクション・・・と、スラッシュ・メタルならではの醍醐味にかけては本作の方が上。
マシンガンの如く刻まれるリフと、Voのハイテンションなシャウトが異様なまでにカッコイイ⑤は、その好例。
何より、パワー/スピード/メロディと三拍子揃ったFORBIDDEN史上屈指の名曲③を収録しているしね。
ベイエリ
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TESTAMENT-The Legacy ★★★ (2007-01-18 21:53:00)
TESTAMENTの全アルバム中、スラッシュ・メタルならではの爆発的な疾走感が最も堪能できる、'87年発表の1stアルバム。
鋭角的に刻まれるクランチ・リフ、力強く雄々しいチャック・ビリーのVo、アレックス・スコルニックの押しと引きを心得た流麗なG、そしてアメリカのバンドとは思えぬ、欧州風味満点のメロディに彩られた楽曲・・・と、このバンドならではの個性は、本作の時点で既に全面開花。
特に、アレックスのGに至ってはこのアルバム最大の聴き所と言っても過言ではないクオリティを誇る。緩急自在の表現力と、強烈な「泣き」を武器にする彼が①⑥⑨で披露するソロには「絶品」以外の形容詞が思い付きません。
音作りや曲の構成にまだ詰めの甘さが残るため、トータルの完成度では僅かに2nd『THE NEW ORDER』には及ばないが、①③⑥⑧といったTESTAMENT史を語る上で欠かす事の出来ない
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EXODUS-Impact Is Imminent ★★ (2007-01-17 22:05:00)
バンドのメジャー・デビュー作という事で、キャピトル・レコードが権利をガッチリ握っているせいか、
なかなか再発が掛からずに最近はめっきり店頭でも見かけなくなってしまった、'90年発表の4thアルバム。
本作を先ず一聴して圧倒されるのが、その強烈極まりないサウンド・プロダクション。まるで耳に
ヤスリを掛けられているかの如く、ジャキジャキと刻まれるエッジの立ちまくったリフは、重く、分厚く、
ベイエリア・クランチの完成型とでも言うべき迫力を誇る。この特性を存分に活かして歯切れ良く疾走する
アルバム・タイトル・トラック①は、本編の幕開けを飾るに相応しいインパクトを備えた、必殺の名曲。
前作『FABULOUS DISASTER』は、EXODUSの持つファニーな面が強く表れた1枚だったが、今回は幾分か
メロディに欧州的な湿り気が戻ってきていて、特に、緩急の効い
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EXODUS-Fabulous Disaster ★★ (2007-01-17 21:48:00)
歯切れの良い疾走感が小気味イイ①、EXODUS史上屈指の名リフが炸裂する②、バンドが一体となって
生み出すグルーヴに思わず体が反応する③という、冒頭からの名曲3連打が圧巻の、'89年発表の3rdアルバム。
アグレッシブ且つキャッチーなリフ、リズミカルでノリの良いVo、印象的なフレーズを閃かせるツインG、
適度なユルさで疾走するリズム隊etc・・・と、EXODUS流スラッシュ・メタルの醍醐味がギュッと詰め込まれた、
この頭3曲のインパクトが余りにも強烈過ぎるせいか、後に続く楽曲の存在感が思いっきり霞んでしまっているのは
問題だが(メロディックなGソロが美味しい⑥⑦なんて普通に良く出来た曲なのに・・・)、
その辺りを差し引いても、聴く価値は大いにある作品。
あと付け加えておくなら、WARのカヴァー④、ブルーズ風の⑤、AC/DCのカヴァー⑩といった
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RISK-The Reborn ★★ (2007-01-17 21:24:00)
(シリアスなメタル・ファンから評判の悪かった)バンドのトレードマークのコミック調動物ジャケットを止め、
脱スラッシュ・メタル、そして、古代インド神話を下敷きにしたというRISK初のコンセプト作に挑んだ、
まさに勝負作の'92年発表4thアルバム。
その甲斐あってか、一部では「本格派に生まれ変わったRISKの最高傑作」とも評価されたが、
個人的にはどうにも地味な印象が拭えない作品。
扱ったテーマがテーマなだけに力み過ぎたのか、重苦しい楽曲がズラリと並び、過去3作のように
爽快に突っ走る場面は殆どない。期待を誘う妖しげなイントロ①に導かれて始まる大作②は、
劇的メタル好きなら一聴の価値が有る名曲だが、その後は似たり寄ったりのテンションの楽曲が続き、
山場にもイマイチ欠けるため、通して聴くと飽きがくる・・・というのが正直なところ。
ただ、個
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RISK-Dirty Surfaces ★★ (2007-01-15 22:04:00)
これは'90年発表の3rdアルバムですね。METAL MANIAから出てた国内盤は、その前年('89年)に
発表されたEP『RATMAN』とのカップリング仕様でしたっけ。
さて、その本作。SE①を経て疾走曲②が始まった途端に「おや?」となる。以前に比べて音圧が
下がったというか、リフからスラッシュ・メタル的な重厚感が薄れ、随分と聴き易くなった印象を受ける。
代わりアコギやKey等の導入でメロディが強調された収録曲の数々は、Voの歌メロ(特にサビ部分)にしろ、
リフにしろソロにしろ、前2作に比べて全体的にかなりメロディアスな仕上がりで、
より正統派へヴィ・メタルへの接近が感じられる作風。
尤も、前述の②を筆頭に、相変わらずスラッシーな疾走感は健在だし、何より、ACCEPTを思わせる重厚な④、
RISK流のヘヴィ・バラード⑧、そして勇壮なリフと
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RISK-The Daily Horror News-Roadwar ★★ (2007-01-11 21:49:23)
Voこそ直線的なスラッシュ・スタイルだが、
シャープなリフや、疾走するツイン・リード・ギターは
JUDAS PRIESTばりのカッコ良さを誇る
1stアルバムのハイライト・チューン。
RISK-Hell's Animals ★★ (2007-01-11 21:42:00)
アルバム・デビュー前にバンドから離脱していたオリジナル・メンバーのシロ・ハーマン(G)が復帰、
新たに5人編成へと生まれ変わって、'89年に発表された2ndアルバム。
デビュー作の延長線上にある「勇壮なパワー/スラッシュ・メタル」路線に変更はないが、
正式にツインG編成へと移行した成果か(1stではハイミィ・ミークスがVoとサイドGを兼任していた)、
サウンドに宿る重量感がこれまでとは桁違い。ゆえに今回は、重厚なリフやリズムを活かした
ミドル・チューンの出来が秀逸で、中でも、Keyの使い方が効果的な⑥、劇的なインスト・パートを持つ
一際ヘヴィな⑧、雄々しくも物悲しい雰囲気漂う⑨といった楽曲は、本作を代表する名曲/佳曲。
正直、“ROAD WAR"のようなキラー・チューンがない分、疾走曲のインパクトは前作に1歩譲るものの、
ヘヴィなパートはよ
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YOUTHQUAKE-YOUTH...MINE AND THE TRUTH ★★ (2007-01-10 21:29:00)
ジャケットのグループショットや、発売元がEXTASYレコーズである事からも明らかな通り、
一応は「ビジュアル系」に分類されるバンドなのだろうが、本作('94年発表の2nd)に漲る
強靭なスラッシュ・サウンドに、ルックスから想起される軟弱さは皆無。そもそもヤワな連中が
'94年というスラッシュ・メタル冬の時代に、これほど気合の入った作品を作れる筈もないわけで。
スロー・スタート気味だったデビュー作に対し、今回はのっけの②(①は短いSE)からアクセル全開。
アグレッシブなスピード・チューンがアルバムの大半を占め、しかもその何れもが
リフにしろGソロにしろ、勢いで誤魔化すことなく丹念に練り上げられている。
ヘヴィに歪んではいてもしっかり歌う事の出来るVoも、肩の力がイイ具合に抜けて表現力の幅が広がっているし、
何より、Gソロを始めとするメロディ面
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RISK-The Daily Horror News ★★ (2007-01-10 08:34:00)
RISKと言えば、曲者揃いのジャーマン・スラッシュ勢に比べると毒が弱く、HELLOWEENを初めとする
メロディック・パワー・メタル勢に比べるとメロディに愛想がない。ついでにルックス的にもイケてない・・・と、
その地味さゆえ、結局日本ではブレイク出来ないまま消えていった印象が強いが、
この'88年発表のデビュー作で聴ける、飾り気のない勇壮なパワー・メタル・サウンドは、実に魅力的。
本作は彼らの全アルバム中、最もスラッシュ色が強く出た1枚で、OPチューン①を筆頭に、
重厚なリフ、力強く疾走するリズム、それに直線的なVo(きっちり歌う事も出来る)を駆使して、
ひたすらラッシュするスタイルは単純にカッコイイ。また、「押し」の一手で寄り切るのではなく、
アコギや叙情メロディを効果的に用いて、アルバムの流れに起伏を生み出しリスナーを飽きさせない辺り、
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DESTRUCTION-Them Not Me ★★ (2007-01-08 10:37:00)
熱心なファン以外は、もう誰もその存在を覚えていないであろう(アンドレ・グリーダー以上の影の薄さを誇る)
トーマス・ローゼンメルケルをDESTRUCTION三代目シンガーの座に迎え、'95年に発表された6曲入りEP。
その彼氏のハードコア・テイスト漂う歌唱(勿論、メロディアスにも歌える)と、モダンな
サウンド・プロダクションとが相俟って、一聴、かなりヘヴィな印象を受けるかもしれないが、
実際のところ、相変わらず一筋縄では行かない、テクニカルなリフ・ワークをフィーチュアした楽曲に、
モダン・へヴィネス勢からの影響は殆ど感じられない。特に、スラッシーな勢いに満ちた①②⑥といった楽曲は十分に魅力的。
ただ、あの構築美溢れるクラシカルなツイン・リード・ギターの旨みは大きく後退していて、最後の⑥まで来て、
漸く華麗なツインGを聴くことが出来るものの、全体的に
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SACRIFICE (CANADA)-Apocalypse Inside ★★ (2007-01-06 23:55:00)
嘗て、BURRN!!の輸入盤レビューで本作が取り上げられていて、興味をそそられ買いに走った記憶がある'93年発表の4thアルバム。
初期の頃はSLAYER型のストレートなスラッシュ・メタルを演っていたらしいが(恥ずかしながら聴いたことがない)、
流石に4枚目のアルバムともなると、そのサウンドにも色々と変化が生じていて、特に顕著なのが、聴かせる姿勢の重視っぷり。
リフにしろメロディにしろ、ヨーロッパ的なダークな湿り気が多分に含まれ、アコギの効果的な導入などと相俟って、
「キャッチー」なんて単語もチラホラと脳裏に浮かぶ。それでいてスラッシーな疾走感が損なわれていなければ、
本作発表当時、メタル界で猛威を振るっていたモダン・へヴィネス勢からの影響も皆無と、
かなり理想的なスラッシュ・メタル・アルバムに仕上がっている。
バックの演奏に負けてしまっている力
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CRO-MAGS-Alpha-Omega ★★ (2007-01-06 20:14:00)
NYHCシーンの顔役的存在、ハーレー・フラナガン率いるクロスオーバー・スラッシャー、'92年発表の3rdアルバム。
前作『BEST WISHES』は、疾走感と重量感を兼ね備えたスラッシュ・メタルの名盤だったが、
それに比べると本作は、かなり実験的というか、如何にも「92年」という時代を感じさせる仕上がり。
まず、直線的な疾走感が大きく後退(速い曲がなくなったわけではないものの、スラッシュ・スピードにまで
達する曲は少ない)、代わりに飛び跳ねるように躍動するリズムが強調されていて、楽曲の速度が緩まった分、
これまで以上にVoの歌うメロディにスポットライトが当たっている印象。実際、その男の哀愁を感じさせる
歌メロはなかなかに魅力的で、特に、男泣きを誘う熱唱が映えるラスト・ナンバー⑧は、
静かなアコギに始まり、メロディアスなツインGをフィーチュアしつつ
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SACRED REICH-Surf Nicaragua ★★ (2007-01-06 01:26:00)
2ndアルバムまでの繋ぎとして(?)'89年に発表された6曲入りEP。新録4曲にライブ・テイク2曲という構成で、
疾走感とヘヴィさのバランス的にも、丁度1stと2ndの中間点に位置する感じ。
新曲はいずれも強力な仕上がりで、特にイラン・コントラ事件を題材に取ったと思しき表題曲①は、
シリアスに疾走しつつ、インスト・パートでは陽気なサーフ・ミュージックの有名曲を引用するなど、
このバンドならではの捩れたユーモア・センスが堪能できる、「らしさ」炸裂の名曲。
また、BLACK SABBATHのカヴァー③における、ドゥーミーな原曲を躍動感溢れるエネルギッシュな曲調に
作り変えてしまう(しかも原曲の良さを損なっていない)アクロバティックなアレンジ・センスには脱帽モノ。
ライブ・テイクの方も、手数の多いDsを中心にガッチリとまとまった楽器陣が、アルバム・バー
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ROSENFELD-Pigs of the Empire ★★ (2007-01-06 01:10:00)
日本のビジュアル系スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の1stアルバム。
硬派なスラッシャーが、うっかり裏ジャケのメンバー・フォトを見た日ひゃドン引きは必至のハデハデなルックスを
誇る5人組なれど、そのルックスだけを理由に聴かずに捨て置くには、本作のこの完成度の高さはあまりに惜しい。
OPチューンの①こそ地味な印象で掴みとしては弱いものの、ヨーロピアン・へヴィ・メタルからの影響が
色濃く薫るアグレッシブな②以降は、シャープなリフ、タイトなリズム、湿り気を帯びたメロディーとが
一丸となって畳み掛けてくる、まさに捨て曲なしのクオリティ。
特筆すべきは「押し」と「引き」を駆使して、煽情度の高いソロを連発するGコンビの存在で、各楽曲の
最大の聴き所を飾る一方、ドラマチックな⑤⑧では、アコギを用いて楽曲に静と動の落差(ドラマ)を生み出すだけでなく、
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KINGS-EVIL-Deletion of Humanoise ★★ (2006-12-29 15:49:00)
全く予備知識なしに購入した、日本の逆輸入スラッシュ・メタル・バンド、'01年発表の1stアルバム。
メロディ無視の高音わめき型Voやチリチリと歪んだGリフは、なるほど、KREATORやDESTRUCTIONといった
80年代のジャーマン・スラッシュ・メタル勢を彷彿とさせる(それを現代的にアップデートした感じ?)が、
あそこまでの毒々しさはなく、寧ろ良い意味で非常に聴き易いサウンドに仕上がっている。
小気味良く疾走するリズムに乗って刻まれる、ヨーロピアンな湿り気を含んだリフはかなりキャッチーだし、
何より、2人のギタリスト(兄弟?)によって紡がれる、劇的且つメロディックなGソロが最高に素晴しい。
痒い所に手の届く、ツボを突いたメロディ展開が魅力のこのツイン・リードは、始まった途端に
曲のテンションを大きく跳ね上げる、アルバム最大の聴き所にして、この
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VENOM-Prime Evil ★★ (2006-12-29 00:46:00)
カリスマVo.クロノスの脱退に伴い一度は解散を余儀なくされたものの、新たに2人のメンバーを迎え入れ、
4人体制で復活を遂げた新生VENOMが、'89年に発表した6thアルバム。
迫力のサウンド・プロダクション、キレのある演奏、そして何よりツインG編成への移行により、
如何にもブリティッシュなドラマ性を増大させた楽曲とが揃った本作は、クロノス不在のダメージを
殆ど感じさせないばかりか、寧ろ、以前よりも数段パワーアップした印象すら漂う。
これまで通り②④⑤⑦⑨といった荒々しいスラッシュ・チューンを多数収録する一方で、プログレ風の
インスト・パートを持つ①、邪悪な③、VENOM流正統派HMといった趣きの疾走チューン⑧等、
新要素を積極的に取り入れた楽曲も違和感なく本編に馴染んでいて、特に従来型の高速スラッシュ・チューンに、
劇的なツイン・リード・
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DARK ANGEL-Darkness Descends ★★★ (2006-12-29 00:20:00)
バカテクDs.ジーン・ホグランが加入、いよいよ戦闘態勢を整えたDARK ANGELが'86年に発表した2ndアルバム。
個人的に、彼らの最高傑作と言えば4th『TIME DOES NOT HEAL』が思い浮かぶのだが、(無愛想ながら)歌えるVoを擁し、重厚なサウンド・プロダクションのもと、「聴かせる姿勢」が顕著に表れていた『TIME~』に比べると、本作は殆ど正反対といっていい程にバイオレントな作風を誇る。
勢い重視のラフな音質、僅か7曲収録で30分強というタイトなランニング・タイム、マシンガンの如く情容赦なく刻まれるリフ&リズム、直線的でアグレッシブな(声質が非常にカッコイイ)Vo、迫力に満ちたツインG・・・何より、ひたすら前のめりに突っ走る「スピード命!」な収録曲の数々は、潔く痛快極まりない。
その原動力になっているのは間違いなくジーン・ホグランの超絶Dsで、一体、ど
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MORDRED-In This Life ★★ (2006-12-22 22:57:00)
「上は大水、下は大火事、な~んだ?」 答えはお風呂・・・ではなくて、MORDEDが'91年に発表した2ndアルバム。
熱く、へヴィに弾けるリズムはファンキーなのに、その上に乗るメロディは欧州的な湿り気を帯び、時にマイケル・シェンカーや
ウリ・ロートばりに泣きまくる・・・という、このバンド独特のスラッシュ・サウンドは、遂に本作で完成をみた。
飽くまでスラッシュ・メタルとファンクの要素が別々に存在していたデビュー作に比べ、
今回は完全に両者が1つの楽曲の中で融合。陽のリズムと陰のメロディという組み合わせから生まれる
ミスマッチの妙は、①のイントロから早くも炸裂しているので、お聴き逃しのないよう。
また、本作から黒人DJが正式メンバーとして加入して、随所でスクラッチングの腕前を披露
(それに呼応するかのようにVoもラップ調の歌い回しを多用)しているのだ
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FLOTSAM AND JETSAM-No Place for Disgrace ★★ (2006-12-21 22:04:00)
ジェイソン・ニューステッドをMETALLICAに引き抜かれる(しかも、その後METALLICAが作ったのは
Bの音の聴こえない『・・・AND JUSTISE FOR ALL』・・・)という大事件を乗り越えて、'88年に発表された2ndアルバム。
中心メンバーのジェイソンが抜けた事で、当然サウンドの方にも変化が生じていて、まず大きいのはBの存在感が
後退した事。代わりにツインGが曲作りの中心に据えられ、そのせいか全体的にかなりメロディアスに、
聴き易くなった印象を受ける。疾走感はそのままに、以前よりもドラマチックな曲展開を聴かせるようになった楽曲は、
スラッシュ・メタルというよりは、メロディックなパワー・メタルといった趣き。特に緩急自在のツインGは、
思いっきり弾きまくった時も良いが、じっくりと泣かせに掛かった時のメロディの煽情度が半端じゃない。
…続き
OMEN-The Curse ★★★ (2006-12-19 21:19:00)
後にANNIHILATORの2ndアルバムに参加する実力派Voコバーン・ファーが、それ以前に在籍していた事で知られる、アメリカン・パワー/スラッシュ・メタル・バンド、'86年発表の3rdアルバム。
「IRON MAIDEN命!」との熱い思いは痛いほど伝わって来たものの、やりたい事に実力が追い付いていなかった1st、格段の成長を遂げた秀作2ndを経て、遂に本作では「メイデンから強い影響を受けた本格派メタル・バンド」と評価するに足る、ハイクオリティな内容を聴かせるまでに至った。
リフにリードにと、スティーヴ・ハリスばりに動き回るBを筆頭に、相変わらずIRON MAIDENからの影響は絶大だが、勇壮な疾走チューン①、起承転結の効いたインスト曲⑤、力強く劇的な⑥といった楽曲のカッコ良さは、時に本家に肉薄する勢い。J.D.キンボール(’03年に病没。合掌)のパワフルなVoもクオリティU
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REVEREND-Play God ★★★ (2006-12-18 22:06:00)
元METAL CHURCHのVoデヴィッド・ウェイン率いるパワー/スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表の2ndアルバム。
メンバーの約半数が日系人という点もユニークなバンドでしたが、本作発表の時点で既に彼らの姿はありません。残念。ただ(喜ぶべきか悲しむべきか)作品の完成度には全く影響なく、今回も前作に勝るとも劣らぬハイクオリティ。
全体的にMETAL CHURCHっぽさはかなり後退していて、その作風はスラッシュ・メタルというより、モダンなアメリカン・パワー・メタルといった趣き。マイケル・ローゼンが手掛けた肉厚なサウンド・プロダクションもそう感じさせる一因で、例えば①⑦といったスピード・チューンは、何処となく第3期LOUDNESSに通じる雰囲気も。(といってもリリースは本作の方が先ですが)
またアコギやKeyの導入等、メロディ重視の姿勢も押し進められていて、ウェインの
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METAL CHURCH-Blessing in Disguise ★★ (2006-12-17 17:55:00)
中心メンバーのカート・ヴァンダフーフ&看板Voデヴィッド・ウェインの脱退。後任として、
元METALLICA(臨時メンバーだけど)のジョン・マーシャル(G)と、元HERETICのVoマイク・ハウの
加入という、ドラスティックなメンバー・チェンジを経て、'89年に発表された3rdアルバム。
脱退したものの、カートが引き続きコンポーザーとしてバンドに関わっているので、作品の方向性自体は
1st~2ndの頃と大差ない。「これぞMETAL CHURCH!」とゾクゾクさせられるヘヴィ・チューン①なんて、
今にもウェインのシャウトが聴こえてきそうな、初期路線を踏襲したドラマチックな名曲。
その一方で、憂いを帯びて疾走するメロディと、Gアルペジオが美しい⑤のような新味の楽曲も収録されていて、
やはりメイン・メンバーが2人も入れ替われば、サウンドに変化が生じるの
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CORONER-Mental Vortex ★★ (2006-12-16 00:04:00)
スイスの技巧派スラッシュ・メタル・トリオ、'91年発表の4thアルバム。
神経質なまでにリフ/リズム・チェンジを繰り返す、複雑怪奇な曲展開がストレートに整理整頓されているのが
本作の大きな特徴で、それゆえ、発表当時は「地味」「大人しくなってしまった」との評価を受けたが
(実際それは当たってる)、個人的には、この「聴き易さ」を支持したい。
派手な展開が抑えられ、アコギの効果的な導入等で「静」の表現力に磨きが掛けられたことで、
このバンドが持つメロディ・センスの良さが浮かび上がって来たし、何より、これまでどうにも取っ付き難い
印象の強かった楽曲に、キャッチーさが備わった点が大きい。
その最大の成果が、アルバムの幕開けを飾る7分に及ぶ大作①。スラッシーな疾走感と叙情的な
インスト・パートの対比も絶妙なドラマチックな名曲。また、疾走するGソロがパワ
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METAL CHURCH-The Dark ★★ (2006-12-14 21:19:00)
多くのファンが「デヴィッド・ウェイン在籍時代の最高傑作」と太鼓判を押す、'86年発表の2ndアルバム。
勢い任せの荒っぽさが影を潜め、まさに『THE DARK』な収録曲の数々はより一層練り上げられ、
重厚さを増したサウンド・プロダクションも充実と、バンドがデビュー作『METAL CHURCH』から
格段の成長を遂げた事実が、しかと刻み込まれたクオリティを誇る。
怒涛の突進力と、シャープなツインGが奏でる欧州風味のメロディのコンビネーションが強力な
「これでツカミはOK」のOPチューン①に始まるアルバム本編の方も、スピード・チューンは更に鋭く
(ウェインの噛み付くような歌唱がスラッシーな雰囲気を演出)、ゾクゾクさせられる不穏な緊張感を孕んだ
ヘヴィ・チューンは益々ヘヴィにと、メリハリの効いた曲作りが為されていて、だからこそ、
憂いを帯びたヘヴ
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SILVER MOUNTAIN-Universe-Why ★★★ (2006-12-13 22:03:42)
名曲“VIKING"に勝るとも劣らないピアノ・ソロが聴ける、2nd収録のキラー・チューン。
あちらが「動」なら、こちらのピアノ・ソロは「静」の魅力に溢れていて、
タンゴ調のメロディが胸に染みます。
何より、ドラマチック極まりない曲自体のクオリティが、“VIKING"を大きく上回っているのが素晴しい。
SILVER MOUNTAIN-Shakin' Brains-Vikings ★★★ (2006-12-13 21:52:08)
NWOBHM的なリフが疾走する楽曲自体は、それほど特筆すべき点はないものの、
曲の後半部分で炸裂する、イェンス・ヨハンソン入魂のピアノ・ソロ・パートは鳥肌モノの迫力。
何度聴いても痺れます。
SILVER MOUNTAIN-Universe ★★★ (2006-12-13 21:47:00)
ありゃー、人気ないのね、この作品。個人的には、この'85年発表の2ndアルバムこそ、SILVER MOUNTAINの最高傑作であるだけでなく、80年代の北欧メタル・ブームを代表する名盤の1つだと思っているのだけど・・・。
傑作ではあったものの、ヨナス・ハンソンの素人っぽいVoと、デモテープ並の劣悪な音質に大きく足を引っ張られていたデビュー作『SHAIKIN' BRAINS』に比べ、今回は歌える専任Vo.クリスター・メンツァーの加入と、サウンド・プロダクションの飛躍的な向上(前作が悪過ぎただけともいう)で、その2つの弱点をしっかりカバー。
そして何より素晴しきは、DEEP PURPLE的なロックンロール色が減退し、北欧様式美メタル分が強化された収録曲の数々!名手ヨナス・ハンソンによる、北欧民謡風のメロディが胸に染みる①②、泣きのバラード④、ペア・スタディンのリードBも勇ましい⑥
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OVERKILL-W.F.O. ★★ (2006-12-12 20:49:00)
鉄の塊がガッツンガッツンぶつかって来るかのような感覚に襲われる①を聴いた瞬間、
多くのファンがOVERKILLの復活を確信したに違いない、'94年発表の7thアルバム。
復活と言っても、純粋に高速スラッシュ・チューンと呼べるのは②④ぐらいのもので、
疾走感自体は前作『I HEAR BLACK』と比べても大差ないのだが、それよりもダークな雰囲気や
引き擦るようなリフ・ワークが大きく後退し、演奏に歯切れの良さと躍動感が戻って来ているのが大きい。
とにかく、全体的にストロングでエネルギッシュな作風なのだ。(メロディが薄れてしまったのは残念だが・・・)
ただ、ゴリゴリと鳴りまくるD.D.バーニのBの存在感の大きさや、クオリティUPを果たした
ミッド・テンポの楽曲の魅力は、前作での試行錯誤を経たからこそ獲得できたもの。特に、
ボビー“ブリッツ"エルズ
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C.I.A-In the Red ★★ (2006-12-08 23:31:00)
NUCLEAR ASSAULT(以下NA)のドラマー、グレン・エヴァンスのサイド・プロジェクトが、'90年に発表したデビュー作。
最近はソロ・アルバム(プロジェクト)でも「自分1人が目立つような作品は作りたくないんだ」と
大人な発言をするミュージシャンが増えたが、本作でのグレンは思いっきり目立ちまくり。
持ち前のドカドカと豪快なドラミングを駆使して楽曲を牽引し、アグレッシブにシャウトをキメ、
トドメにドラム・ソロ曲まで披露したり(あんまり大した曲じゃないけど/爆)と、ムチャクチャ楽しそう。
やっぱりソロ活動するなら、これぐらい自己主張しないとね。
で、作品の内容はといえば、これが音質にしろ楽曲にしろかなりラフ。NAからメタリックな整合感を差っ引いて、
代わりにパンクやロックンロールのノリをぶち込んだ感じ?正直、NAの音を期待するとスカされるが、
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ONSLAUGHT-In Search of Sanity ★★ (2006-12-08 22:53:00)
歌える新Voスティーヴ・グリメットを迎えて、'89年に発表された3rdアルバム。
いや、化けたなぁ。前作の時点でその予兆はあったが、今回は更に曲調がドラマチック&メロディアス化。
ツインGの絡みはより一層煽情度を増して・・・と、とにかく「聴かせる」姿勢を全面展開。
これを可能にしたのが、パワーと表現力を兼ね備えたスティーヴ・グリメットのVo。何しろ12分以上にも及ぶ
パワー・バラードの大作⑦を、全くダレさせることなく聴かせきってしまうのだから、
その技量は半端じゃない。やっぱりシンガーってのは顔じゃないなぁ。(失礼)
メロディ重視のスタイルに変化したからといって、軟弱になってしまったなんて事もなく、
Gアルペジオの使い方が印象的な②、強烈なリフの刻みと、思わず一緒に叫びたくなるサビを持つ③④、
劇的なツイン・リードが聴ける⑧といったスピード
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ICED EARTH-Night of the Stormrider ★★★ (2006-12-07 22:51:00)
「ドラマティック・スラッシュ・メタル」と聞くと、DESPAIRの3rd『BEYOND THE REASON』と共に真っ先に頭に思い浮かぶのが、このICED EARTH'92年発表の2ndアルバム。
既に確固たる個性を築いていたとは言え、まだオーソドックスなパワー/スラッシュ・メタル風味が強く、収録曲のクオリティにもバラつきが見られたデビュー作に比べ、今回はメンバー・チェンジでVoの
歌唱力がUP(特にメロウな歌い上げが魅力)。よりツインGの煽情度も高まり、各楽曲の平均クオリティとドラマ性が飛躍的に向上・・・と、捨て曲皆無の高い完成度を誇る作品に仕上がっている。
そして何より、コンセプト・アルバムという舞台装置を用意し、アコギ、生ピアノ、オーケストレーションの大胆且つ効果的な導入、アコースティックな小曲で曲間を繋ぎ、ドラマを流麗に物語っていく
その演出手腕には、いよ
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METAL CHURCH-Metal Church ★★ (2006-12-07 22:32:00)
ヘヴィ・メタルの空洞化現象が叫ばれていた頃のアメリカで、SAVATAGEやVICIOUS RUMORSと並んで気を吐いた
パワー/スラッシュ・メタル・バンド、'85年発表の1stアルバム。
欧州風味のツインGと、強力なVoの2枚看板で知られるバンドだが、その魅力はアグレッシブ且つドラマチックな
OPチューン①から早くも全開。この後にも、地を這うリズムとGリフの刻みが強烈な②、スラッシーに疾走する③、
劇的に盛り上がるパワー・バラード④、正統派へヴィ・メタリックな⑤、勇壮な歌メロと
印象的なツイン・リード・パートを持つ⑧、DEEP PURPLEの名曲のカヴァー⑨(アレンジにもう一工夫欲しかった)・・・と、
次々に畳み掛けてくる展開は圧巻。⑥⑦のみ大人しめだが、それもデヴィッド・ウェインのVoにかかれば
力技で聴き応えのあるメタル・チューンに早変わり
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OVERKILL-I Hear Black ★★ (2006-12-06 20:47:00)
デビュー以来、一貫して自己流のスラッシュ・メタル道を邁進してきたOVERKILLが、
唯一、流行に影響されて作り上げたと思しき、'93年発表の6thアルバム。
中~低速のヘヴィ・チューンがウネリまくる作風は、明らかに90年代型モダン・へヴィネスからの
悪影響(と言い切ってしまう)が伺えるものの、演奏自体は相変わらずパワフルなので、
速度が落ちたとは言え突進力までは失われていない。
ドスの効いたOPチューン①、緊張感を伴ったメロディアスなリフ・ワークが冴える③、ヘヴィ・バラード⑤
といった楽曲は、前作で感じられた「ミッド・テンポの曲の魅力不足」を見事に解消。また、⑧⑫と要所に
高速スラッシュ・チューンを配して、全体の流れが一本調子になるのを防ぐベテランらしい心遣いも○。
ただ、楽曲の出来・不出来にかなり差がある事と、ボビー“ブリッツ"エルズワ
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SHELL SHOCK-PROTEST AND RESISTENCE ★★ (2006-12-05 22:05:00)
今から十数年前、BURRN!!のスラッシュ・メタル特集を読んでいたら、本作が海外のバンドに混じって
「お薦めの1枚」として取り上げられていて、早速買いに走った記憶がある(うろ覚え)'91年発表の2ndアルバム。
高純度のスラッシュ・メタル・アルバムだったデビュー作『MORTAL DAYS』に対し、今回はハードコア度が
大幅に増しているのが大きな特徴で(⑦⑪のような瞬間最大風速ナンバーを収録)、直線的な歌メロを
ドスを効かせて歌いこなす迫力のVo、リフにソロにと鋭く切り込んでくるG、作品のビルドアップに大きく貢献、
リード楽器の役割も果たしているB、急き立てられるかのように疾走するDs、そして無駄なく
タイトに引き締まった楽曲と、いずれもハイテンションなカッコ良さを誇る。特に、イントロ①を皮切りに、
極上のスラッシュ・チューンが連打される②~④の猛
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Face of Despair ★★ (2006-12-05 21:23:00)
折からのスラッシュ・メタル・ブームを追い風にデビュー作『地獄の叫び』(’86年)がヒット。PHONOGRAM RECORDSとの間で「アルバム8枚契約」というDEF LEPPARD以来と言われた大型ディールを成立させ、'89年に満を持して発表した2ndアルバム。一般的にMORTAL SINの代表作と言えばやはり本作でしょうか。
メジャー・レーベルへの移籍効果か、プロデュースを名手ランディ・バーンズが手掛けたことによりサウンド・プロダクションが飛躍的に向上。各メンバーの演奏のキレ味も増していて、特に「バンド名がバンド名だけに仕方がない」とジョークのネタにされること多々あったドラムのモタリ具合も改善され、全体的にも、自主制作ゆえの垢抜けなさが感じられた前作から、一皮も二皮も剥けた印象を受ける仕上がりと相成りました。
ところがどっこい。スキッと垢抜けたことで、逆に楽曲からNWOBH
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MORTAL SIN-Mayhemic Destruction ★★ (2006-12-05 20:17:00)
ロック未開の地(当時)オーストラリアから現れた5人組スラッシュ・メタル・バンドが、自主レーベルのMEGA METAL RECORDSから'86年に発表した1stアルバム(邦題は『地獄の叫び』。KISSか?)。僅か3日間のレコーディング期間と40時間のミックス作業のみで突貫制作、当初は2000枚しかプレスされなかったロー・パジェット作品でしたが、イギリスのMETAL FORCESを中心に高評価を獲得したことで瞬く間に完売。彼らにメジャー・レーベルとの契約をもたらす成功作となりました。
で、その音はと言えば、荒削りながらダイナミックな曲展開を売りにしたスラッシュ・メタル。ぶっちゃけて言えば、当時シーンにキラ星の如く溢れかえっていたMETALLICAのいちフォロワーといった感じでしょうか(でもラーズ・ウルリッヒは「良いバンドだよね!」とMORTAL SINに好意的だったとか)。前述した理
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FORCED ENTRY-Uncertain Future ★★ (2006-12-04 21:51:00)
一筋縄ではいかないスラッシュ・サウンドを聴かせる3ピース・バンド、'89年発表の1stアルバム。
スラッシュといっても、有無を言わせぬスピードで聴き手を捻じ伏せるのではなく、複雑且つ自由奔放な曲展開と、
3人編成とは思えぬ音の厚さ&ハイテクニックを誇る楽器陣がスリリングに絡み合い生み出す緊張感が、彼ら最大の武器。
正直、キャッチーとは言い難い作風で個人的には苦手なタイプなのだが、不思議と本作が何度も聴けてしまうのは、
難解さは控えめに走るべきパートでは痛快に突っ走るメリハリの効いた曲構成と、テクニカル且つメロディアスな
フレーズを弾き出すG、そして強烈なウネリの生み出しバンドの中核を担う、個性的なBの存在によるところが大。
(これでVoにもっと魅力があったなら尚良かったのだが・・・)
特に、“ANACONDA"のタイトル通りにBが激しくのたうつ④
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OVERKILL-Horrorscope ★★ (2006-12-03 20:52:00)
多くのファンがOVERKILLの代表作と認める4th『THE YEARS OF DECAY』と、逆に随一の問題作と言われる
6th『I HERE BLACK』の間に挟まれ、どうにも印象の薄い'91年発表の5thアルバム。
まず一聴して驚かされるのが、その余りに分厚いサウンド・プロダクション。ボビー・ガスタフソンが抜け、
新たにツインG編成へと移行した効果か、これまでのゴツゴツとした無骨さから一転、
何も知らずに聴いたらベイエリアのバンドかと思うぐらい、クランチーで重厚な音作りが為されている。
このサウンド・プロダクションと、攻撃的なツインGを活かした①~⑤のスピード・チューン5連発は圧巻で
(中でも、キャッチーな風味も感じられる③はお薦めの1曲)、まさに息吐く暇もなく畳み掛けてくるといった感じ。
それに比べ、中盤以降に並ぶミッド・チューンの完成度
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OVERKILL-Feel the Fire ★★ (2006-12-02 02:21:00)
現在も活動中の、NY出身のベテラン・スラッシュ・メタル・バンド、'85年発表の1stアルバム。
古参スラッシャーの多くのデビュー・アルバムがそうであったように、本作もまた、NWOBHMを始めとする
欧州HMからの影響が色濃く表れた作風で、上等とは言い難い音質や、スラッシュというよりパワーメタル的なサウンドに
物足りなさを覚えるファンもいるかもしれないが、個人的にはこれはこれで非常にお気に入りの1枚。
特に、アグレッシブなシャウトとメロディアスな歌い上げを使い分けるボビー“ブリッツ"エルズワースの歌唱は
この頃から光っていて、②⑥のような起伏に富んだ楽曲で聴く事の出来る雄々しい歌唱は、
時に同郷バンドMANOWARの名Voエリック・アダムスの初期の頃のそれを彷彿とさせる場面も。
(そう思って聴くと、MANOWARの1stアルバムと本作の共通点は意外
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OVERKILL-Taking Over ★★ (2006-12-02 02:10:00)
NY出身のベテラン・スラッシャー、'87年発表の2ndアルバム。
次作以降はメキメキと楽曲をビルドアップさせ、スラッシュ・メタル度を高めていく彼らだが、
本作の時点では、未だその音はスラッシュ・メタルの半歩手前。ストリートに根差した硬派なパワーメタルといった趣き。
D.D.バーニのBが中心となって生み出す「鋼の如き質感」が特徴的なスラッシーなスピード・チューン
①②⑧(押し出しの強いサビがカッコイイ)は既に健在なれど、ボビー“ブリッツ"エルズワースの歌う
雄々しい歌メロは、現在と違ってかなりメロディアスだし(シャウターとしては兎も角、
シンガーとしてのブリッツは過小評価されていると思う)、ボビー・ガスタフソンのGも、
元々メロディックなプレイを得意としていたとはいえ、ここでは更に正統派テイストの色濃いソロを披露。
結果として、スピード・チュ
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KREATOR-Enemy of God ★★ (2006-11-30 21:28:00)
前作『VIOLENT REVOLUTION』において、初期のカミソリの如き疾走感と、中期ゴシック路線で培った
激しくも悲しいメロディを融合させることで、新たな激烈スラッシュ・メタルの創出に成功した
KREATORが、そのスタイルを更に発展させて'05年に発表した傑作11thアルバム。
とにかく楽曲が粒揃い。前作に比べ、ササクレ立った突進力は若干後退したように感じられるものの、
それ以上に魅力的なのが、リフにしろサビメロにしろ、1度聴いただけで簡単に覚えてしまえそうな「キャッチー」さ。
特に頭3曲は、アグレッシブで尚且つキャッチーという、今回の作風を象徴したかのような名曲。
そして何より本作の白眉は、アルバム全編で激情のメロディを展開する、ミレ・ペトロッツァ(意欲的に表現力の幅を広げたVoも◎)
&サミ・ウリ・シルニヨによるツイン・ギター・プレイ!
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ZNOWHITE-Act of God ★★ (2006-11-28 21:14:00)
後にCYCLONE TEMPLEを結成する黒人スラッシャー、グレッグ・フルトン(G)が在籍していた事で知られる
イリノイ州シカゴ出身の4人組スラッシュ・メタル・バンド、'88年発表の2ndアルバム。
そのグレッグ(当時はイアン・タフォーヤと名乗っていた)が全曲手掛けた収録曲は、CYCLONE TEMPLE時代に
比べると曲展開が直線的で、メロディよりもスラッシーな疾走感が強調された仕上がり。
とは言え、ダークな楽曲は欧州的な湿り気をたっぷりと帯びているし、緩急の効いた⑤や
9分以上に及ぶ⑧といった大作からは、後のドラマチック・スラッシュ路線への萌芽が既に感じ取れる。
アグレッシブ且つ流麗なグレッグの精度の高いGと、このバンドのもう1つの売りである女性Voニコル・リーの、
力強くも憂いを帯びた(ちょっと赤尾和重に似た声質の)歌声も非常に強力で、特に
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ZOETROPE-A Life of Crime ★★ (2006-11-26 20:46:00)
イリノイ州シカゴ出身のギャングスタ・スラッシャー、ZOETROPE(イートロープ)の'88年発表の2ndアルバム。
ランニング・タイムがいずれも2~3分台とタイトに絞られた楽曲は、硬派なVo、湿度低めの乾いたリフ、
そして威勢良く疾走するリズムと、男気系ロックンロール的な雰囲気を強く漂わす。
とにかく、骨太な演奏(特にDsが秀逸)に支えられ、小細工抜きで疾走しまくるサウンドが非常に気持ち良い1枚。
それでいて必要以上の「熱さ」を感じさせない辺りは、いかにもシカゴの都会派といった感じだ。
時折、楽曲から匂い立つ哀愁や、勇壮なリフ、2本のギターのハモリ具合なんかがIRON MAIDENを
彷彿とさせる、②⑨のような佳曲の存在が良いアクセントとなっていて、単調さも殆ど感じられない。
また、しつこさや重さのないアッサリとした作風なので、確かに何度でも聴け
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HEATHEN-Victims of Deception ★★ (2006-11-25 20:00:00)
ベイエリアの苦労人スラッシャーが、数々のトラブルを乗り越えて、'91年に漸く発表した2ndアルバム。
まず一聴して耳を疑うのが(失礼)、デイヴィッド・ゴッドフレイのVoの上達振り。思わずブックレットで
メンバーの名前を確認してしまったぐらい、別人のような歌唱でRAINBOWの名曲のカヴァー④や、泣きのパワー・バラード⑥といった、
(かつての歌唱能力で演ったら失笑間違いなしの)難易度高めの楽曲を堂々と歌いこなしていて驚かされる。
作品自体も、イマイチ垢抜けなかった——でもそこが大きな魅力だった——1stアルバムに比べ、
パワー、スピード、ヘヴィネス、それに重厚なサウンド・プロダクションと、全てにおいて格段に洗練された印象。
ただ、それと引き換えに欧州ヘヴィ・メタリックな湿り気が後退していて、その点で大作化した楽曲に多少の冗長さを
感じるのも事実だが
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