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kamiko!さんの発言一覧(評価・コメント) 251-300
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KROHM-The Haunting Presence ★★★ (2020-08-01 00:13:36)
米国産ブラックメタル2007年作
前作と比べると内容の濃さとしては前作の方が優れているかも知れない。ただ、ボクはこちらの盤の方が聴いた回数は圧倒的に多い。
初期XASTHUR的な音を好むブラックメタラーがハマりそうな禍々しさとヴォーカルスタイル、そして特有の湿度の高さが大きな特徴だ。
高音域が控えめなよりジメジメ感が前面に出ていた前作を好む人が多いかも知れない。しかし、こちらの盤はジャケが森林だ。
密室的・閉塞的な前作のストレートな鬱路線が若干薄れ、室内から屋外に出た感じの広い空間を感じさせる高音域の残響音が前作との違いだ。
曇り空と霧、森林を感じさせるブラスト&トレモロリフ、ヴォーカルがとても美しい。その三者が気持ち悪く絡み合いカオティックだ。
森林崇拝ブラックど真ん中な音楽性だが、それに加えて特有のジメジメした高い湿度がこのサウンドの最も素晴らしい
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KYUSS-...And the Circus Leaves Town ★★★ (2020-05-07 11:53:29)
米産ストーナーロック1995年作。
ボクはそもそも寒い音楽が好きなので、米国産ロックサウンドをあまり積極的にチェックはしないし
Kyussを蒐集し始めた頃には既にQueen of the stone ageを先に聴いていたので
解散後数年以上経ってから、この盤から順々に遡って聴いたんですが、最も好きな盤はコレですね。
我が家にはドープスモーカー向けドゥームで濃厚に石化できる作品が多くあるので最近はあまり手に取る機会はないが
購入当時は結構ハマった。この盤はKyuss作品中、落ち着いた感じと、ストーナー要素がそこまで煙たくなり過ぎないところが
むしろお手軽でクールでカッコいいと感じさせる。
KYUSS-Sons of Kyuss ★★ (2020-05-07 12:27:54)
米国産サイケデリックロック1990年作。
ストーナーロックバンドKyussの前身、バンド名を改名する前の作品なので、実質処女作にあたる作品。
この頃はストーナー要素というのは無いが、Kyuss作品中、好きなアルバム3番手くらいだ。
若干つぶれ気味のギターサウンドと、ローファイな録音状態、小さなライブハウスを思わせる浅めの残響音が妙にシックリくる。
また、ボクが昔ハマったグレンダンジグ在籍時のMisfitsに歌い方が似てる部分がほんの少しあって、結構ツボに入った。
KYUSS-Welcome to Sky Valley ★★★ (2020-05-07 12:12:46)
米国産ストーナーロック1994年作。
Kyuss作品中、最もストーナー要素の強い作品だろうと思う。
ボク自身があまり「ストーナー」という言葉を当時シックリと受け入れなかったこともあって、
購入当時は単にサイケデリックロックのうちのカッコいいバンド、という位置づけで聴いていた。
ジャリジャリ感のあるギターサウンドがカッコいいと同時に、スペーシーな酩酊感が素晴らしい作品で
現在は「ストーナーロック」という言葉を受け入れた自分にとっては、そのサウンドのど真ん中にある音楽性だろうと感じている。
LACHRIMATORY-Transient ★★★ (2020-05-12 01:14:15)
ブラジル産デスドゥーム2011年作
この作品はブラジルでCDRでリリースされているが、2014年にロシアのSolitude Productionによりリマスター版が発売されている。
このバンドの音源はコレ以外は無さそうで、現在活動中なのかもわからない無名バンドだがドゥームマニアには是非ゲットしてもらいたい。
チェロを導入したドゥームというのが大きな特徴で、孤独感や悲しみを表現するのに絶大な効果があり、とても存在感がある。
ギターの音はジメジメした黴臭い質感を醸し出す適度な音圧・音量で、あまりメインには出てこないものの、雰囲気を出す重要な役割を担っている。
チェロと、ヴォーカルが兼任しているシンセ、ギターの三者が複雑に絡み合うハーモニーが独特、不穏でありながら妖艶な感じだ。
そういうスタイルが珍しいというだけではない。テンポやリズムの緩急のつけ方が絶妙で
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LAST DAYS OF HUMANITY-Putrefaction in Progress ★★★ (2020-05-16 00:14:53)
オランダ産ゴアグラインド2006年作
このバンドの作品は前作とコレが必聴盤。この盤でヴォーカルがチェンジしており、前作で大きな魅力を放っていた下水道ヴォイスが変化。
グシャッとした胃液ゴボゴボヴォイスになっている。コレはコレで、このサウンドの肉をミンチにするようなブラストにフィットしている。
全く曲の見分けがつかないブラストメインの1分以下の曲40曲に、ラスト3分越えのブラスト一色という曲で終了という、ブラスト地獄サウンドが魅力だ。
仕事帰りのマイカーで聴いていると、スーパーに寄ってミンチを買いたい衝動に駆られ、大抵その日の晩ご飯はハンバーグだ!
10年以上経った今でも、このバンドの衝撃を超えるゴアグラインドには出会っていない。どこを切っても同じサウンドなのに、未だにたまーに聴いている。
LEEVI MADETOJA ★★★ (2020-07-19 22:44:17)
母子家庭に生まれ、子供の頃から掃除のバイトをしながら生活をしていたが、誕生日に母からもらったカンテレを弾きこなす
ようになったのがスタートで、独学で音楽を学び、気付けばシベリウスに師事し、大成していった作曲家だ。
フィンランド作曲家の中でも、特に深い叙情性がある、と思う。悲しい旋律は他作曲家に比べても際立って悲しすぎる。
特に「死の庭園作品41」は、すごーく悲しい。ダークサイドサウンドフェチとしては避けて通れない作品だ。
また、この人のピアノ曲は、ぼんやりと霧がかった、ぬるーい、ぼーっとした作品が多い。ボクはそういうところがツボだ。
田園組曲作品34「伝説」あたりが、そういう感触だ。濃厚な北欧情緒を感じずにはいられない。
この曲集の「カプリス」も、課題曲として学習したことから大好きな曲だ。
マデトヤのピアノ作品を収録した音源は殆ど出回っていないよ
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LESATH-Sacred Ashes ★★★ (2020-07-18 23:39:12)
ロシア産ブラックメタル2020年作
やっとロシアからの空輸便が届き始め、ポツリポツリとロシア作品が我が家に届きつつある。それでもまだ半分も届いていない・・。
3ヶ月半待たされたが、今年発売のロシアンブラックではかなり上質な作品だと感じ、150枚限定Limited Editionをゲットした。
ブラストするようなタイプのブラックではなく、雰囲気重視のボクの好みストライクゾーンど真ん中の、ムーディーなブラックだ。
Youtubeの再生回数は未だに700回程度だが、神盤レベルのクオリティだ。まあ、再生回数が少ない理由は、無名というのもあるだろうが
そもそもこのバンドは2019年に結成されたんじゃないかと思う(たぶん)。メンバーの経歴なども調べても全く分からなかった。
まずジャケの美しさに惹かれる。湖と石造りの建物と木を背景に、湖には一隻の小舟が漂い僧侶のよう
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LESSER GLOW-Nullity ★★★ (2020-08-04 01:38:02)
米産スラッジ・ドゥーム2020年作
モノクロの山林ジャケ、ジャケ裏は洞窟、中身を開くと、山と川のカラー写真、川岸に廃棄された鉄屑が写っている。
英語が正確にわからない上、歌詞カードの文字が小さすぎて老眼のボクには翻訳作業がしんどかったので勝手に解釈しているが、
自然崇拝的な世界観で、無意味な生産を繰り返してはダメだ、といった感じのテーマなのかな、と思いながら聴いている。
ここ最近ゲットしたスラッジでは、かなり質が高く、ギターの歪みや鈍重な引き摺る感じは凄まじい上に、残響音も完璧だ。
この路線を好むリスナーは、怒涛のようなカオスに圧倒され、相当惹き込まれる筈だ。しかも、単に重量級なだけでなく
計算され尽くしたかのような不協和のハーモニー、無駄なオカズの無いクールでミゾオチにガツンとくるドラムが素晴らしい。
ヴォーカルはデスヴォイスとクリーンヴォイス
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LOCUS REQUIESCAT-Into Dimensions Beyond the Utter Void ★★★ (2020-09-14 21:16:47)
ロシア産フューネラルドゥーム2020年作
疫病で汚染された不毛な土地をテーマにした1曲目から、かなーり濃いドローンドゥームに近いノイズ垂れ流しで、ドゥーム上級者向けの内容だ。
故意にチューニングを狂わせているのか、チョーキングを多用しているのか、正確な音程から僅かにズレたギターが放つレイヤー効果的不協和が特徴だ。
調性が判らないほどの厚めのノイズの音像と、音程の狂った単音ギターの不協和音に、アンビエント風シンセを重ね、延々と超スローに展開する。
重低音デスヴォイスはノイズの音像の一部分としてドローン的サウンドに溶け込み、一応歌詞はあるのだろうが、もはや歌っているとは言い難い。
そういうカオティックなアンビエントドローンが1時間19分延々続くという苦行を堪能できる超マニアックな作品だ。
アルバムタイトルを直訳すると「完全な空隙を超えた次元へ」だろう。ロー
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LOCUS REQUIESCAT-Into Dimensions Beyond the Utter Void-Quinta Essentia Pulvis ★★★ (2020-09-14 21:37:38)
アルバムラストを飾る33分超えの超大作だ。ここに至るまでに不条理でひねくれた音像の塊によってノックアウトされがちだが
そのカオティックな世界はラストに至る伏線で、この曲は超スペイシーな不協和から徐々に開放され、ここにきてやっと明確な、メロディアスな旋律が登場する。
アルバム全体で見ると、後半戦の序盤まで濃厚なカオティックな音世界が支配し、ラストのココに帰結する、という作品と受け止められる。
そう解釈すると、この作品全体のドラマチックな展開がとても面白く感じられる。ただ、ここに行き着くまでに相当な疲労感でクタクタになるんだけどね。
LORD VICAR-The Black Powder ★★★ (2020-08-02 17:19:42)
フィンランド産ドゥームロック2019年作
Gates of Flesh(2016年作)の神聖かつエロいジャケで注目し、高い音楽性と思いつつフィンランド的濃さまで感じなかったため
ゲットするには至らなかった前作だが、昨年リリースされたこの盤は、フィンランド的濃さまでは感じないまでも、昨年ゲットした
ドゥームロック路線ではかなりハマった1枚。神聖さと魔性のコントラストを感じさせるジャケが美しく、音楽性に非常にマッチしている。
良い時期のグレンダンジグのような男臭い雰囲気をドゥームにした感触と、イーヴルなギターサウンドがボクのツボにかなりハマる。
昨年同時期に発売されたORODRUINの新譜がイーヴルなドゥームでは双璧といった感じ。こういう音が欲しくなった時に交互に聴いている感じだ。
安心して聴けるハイクオリティなドゥームロックサウンドからは、ヴィンテージ臭
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LUGUBRUM-Al Ghemist ★★★ (2020-05-02 23:49:43)
ベルギー産アヴァンギャルドブラック2001年作
Lugubrumの個性として、動物を供物にして腐らせたような汚さ、腐った魚の匂いのような、濃厚な腐臭がある。
ブラックメタル特有の魔性が感じられる作品は意外と少ないんだが、この作品は、そういう腐臭と魔性がうまく融合している。
そして、ブラック的美的感覚溢れるジャケが、そのサウンドを更に引き立てており、前衛的だがブラックスタイルを維持している。
更に、粘っこくドゥーミーな曲などもあり、Lugubrumが完全に前衛路線に走る一歩手前の丁度良い感じがステキだ。
この作品は友人がLPで所持しており、ボクはまだゲットしていない。CDで発売はされてないのかな?
LUGUBRUM-De ware hond ★★★ (2020-05-03 00:51:36)
ベルギー産アヴァンギャルドブラック2007年作
強い魔性を感じさせ、かつ不吉な、タブーに触れたような背徳感が漂っている。かなりの異端作品だがブラック的世界観ではこの作品が真性で濃い。
Lugubrumは様々な引出しがあって、アルバムによって多様な世界観を感じることができるが、純粋にブラック的狂気に浸るにはこのアルバムがベストだ。
ギターは超ハイセンス且つあらゆる奏法を駆使し不気味な旋律を奏でる。ラッパがジョンゾーンのサックスのように荒れ狂い、狂人のようなヴォーカルが毒を吐く。
バンドネオン・オルガン的な音が密かに響いており、古臭さ、埃っぽさ、田舎臭さを感じさせ、まるで誰も知らない村の教会で異教徒が呪術を施しているかのよう。
ちなみに、この作品では、食べ物の腐ったような腐臭は感じられず、限りなく黒い。
もうね、このアルバムは狂ってるよ。
LUGUBRUM-Face Lion Face Oignon ★★★ (2020-05-03 00:07:33)
ベルギー産アヴァンギャルドブラック2012年作
湿り気を感じる丘のような超手抜きに見えるジャケの効果は絶大で、今作もジメジメした食べ物が腐ったニオイが漂う。
梅雨時期に賞味期限がヤバめな食べ物をお供え物として並べて鑑賞したい逸品。
ハイテクニックながらタイトな演奏、ブラストする時はするが、薄めなブラックスタイル&アコースティックな感じのパートもあり、その対比が素晴らしい。
前衛的でセンス溢れるリフやフレージングがびしばし登場するにも関わらず、食べ物をリバースしそうな超ヤケクソなダミ声が支配しているという潔いスタイルが最高だ。
LUGUBRUM-Herval ★★★ (2020-09-04 01:50:31)
ベルギー産アヴァンギャルド・ブラック2015年作
Lugbrumの盤の中では、他作品をよく聴くのであまり手に取る作品ではない。とはいえ、相変わらず固有の魅力と卓越した演奏技術があるので必聴盤だ。
ボクが持っている紙ジャケには、魚、グラス、ボトルのイラストが。ジャケを開くと瓶詰めにされた得体の知れないイキモノとコップが描かれる。
毎回ヘンな世界観で悩むのだが、今作は明らかに魚の世界。とりあえず曲のタイトルを翻訳したところ、1曲目は「ウナギのミックス」・・瓶詰めの正体はウナギか。
4曲目は「喉が渇いた魚」・・・この人たちは魚介類に一体何を見出しているのか。相変わらずさっぱりわからない世界観だが
まあ何故かこの人たちのサウンドからは魚の油臭がするから不思議でならない。近所の酒屋でオリーブオイル漬け魚缶とか置いてるコーナーに行くと
この盤のサウンドが頭に浮かぶ
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LUGUBRUM-Wakar Cartel ★★★ (2020-06-16 01:44:32)
ベルギー産アヴァンギャルドブラック2017年作
今回はメンバーが車椅子に乗って横断歩道を渡っているジャケだが、相変わらず描く世界観が意味不明だ。
過去作品のジャケやメンバー写真などのイメージ「魚」「ニンジン」「牛」と今回のジャケがリンクしないからなぁ。
しかし、翻訳した感じでは、たぶん1曲目はニンジンの歌なんだよ。この人たちはニンジンに何を見出しているのだろう。
盤とジャケ裏に描かれる液体のような模様から、今作も過去作以上に湿度が高い。振幅するトレモロっぽいエフェクトのギターや
うねるようなバリトンサックスとトロンボーンによる味付けが、更に湿度を高め、今作も食べ物が腐ったようなニオイが漂う。
全体的にすごーくカビ臭い。今回はヴォーカルは少なめではあるものの、相変わらず食べ物をリバースしそうなガナリ声が魅力的だ。
シトシトと雨の降るこの梅雨時期には
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LUGUBRUM-Winterstones ★★★ (2020-05-02 23:32:10)
ベルギー産アヴァンギャルド・ブラック。1995年作。
恐らくコレがCD化された最初の作品で、それ以前にカセットとかデモとかがあるんだろう。
録音状態はかなり粗雑だが、ローファイな感触とギターのプチプチ感、ザラザラ感、コモリ具合は良い感じだ。
このバンドの大きな特徴であるガナリ声ヴォーカルは、この頃から健在だが、お風呂で歌ってる感じの深いリバーブがかかっている。
このサウンドが受け入れられるかどうかは、まずこの独特なヴォーカルを味わいとして感じられるか、にかかっている。
ブラックメタルバンドがあまり使わないメジャーセブンスの響きを多用するスタイルは、既にこの頃から確立されてて
他のブラックでは感じられない、どこかキモいヘンな感覚を呼び起こす要因のひとつとなっている。
LYKANTROPI-Spirituosa ★★★ (2020-10-10 14:38:59)
スウェーデン産サイケデリックロック2020年作
人間が夜、オオカミに変身してしまう現象(リカントロピー)をバンド名とし、月の満ち欠けをジャケのデザインにしているセンスにまず惹かれる。
デジタル作品をリリースなどもしているが、CD化されたものは2作品あり、コレはそのうちの2作目だ。こういうバンドは蒐集しづらくて困る。
同郷のWitchcraftを意識しているのかどうかは知らないが、ほぼ同路線だ。70年代サイケデリックロックが現代に蘇るかのような雰囲気がツボ。
女性メンバーが2人おり、ヴォーカルとして登場することがある。また、そのうち一人はフルート奏者で、大々的に取り入れているところが独創的だ。
また、コーラスワークも素晴らしい。そういったモロモロの要素を取り入れながら、ギター中心の渋いサイケデリックサウンドを聴かせてくれる。
予備知識なくAmazonでお
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LYKANTROPI-Spirituosa-Vestigia ★★★ (2020-10-10 14:48:23)
アルバム2曲目、この曲は女声ヴォーカルが担っている。
サイケ臭はあるが、シューゲイザー臭も仄かに漂っている雰囲気が抜群にイイ。
このギターのリフ、ドラムの刻み方、女声ヴォーカルという組み合わせから
Sonic Youthの「Goo」(1990年作)あたりの独特な空気に似ている。
この曲でまず、グッと惹きつけられた。
Lethal Outcome(Летальный Исход )-Избыточная Смертность ★★★ (2023-08-25 01:10:40)
ロシア産オールドスクールデスメタル2022年作
未知のデスメタル発掘で発見したハイクオリティサウンド。バンド名はAIに翻訳してもらったから、英語名で活動しているかは不明。
バンド名の意味は「死に至る結果」、アルバムタイトルは「超過死亡率」と訳されるんだろう。
二つの山の谷の部分にある洞窟から血のような赤い液体が滝のように流れ、そこを人間が歩き滝壺に落ちているイラストのジャケ。
一見ローセンスなチープなジャケで、購入時も若干躊躇してしまったが、バンドコンセプトや楽曲タイトルを思えばこのジャケはピッタリ。
Самоистязание : 自虐、Суицидальное жертвоприношение : 自殺的な犠牲
というような曲名と、ジャケの雰囲気、バンド名とアルバムタイトルからコロナパンデミックをテーマにしているのかなと思ったが
Огонь
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MACALPINE-Eyes of the World ★★★ (2020-08-13 00:40:10)
米産AOR寄りメロディアスハード1990年作
ギターインスト、CABのようなフュージョンの方が馴染みがあって、ギタリスト視点だと、そっちの方が高評価なのはわかるが
Tony Macalpineは音楽の英才教育を受けているだけあって、ギターテクニックや鍵盤技巧のみならず、音楽的才能のポテンシャルが違い過ぎる。
たぶんこのヴォーカル入りのバンド形態の作品は、HR/HMブームの商業的な事情なんかもあったんだろうが、相当クオリティが高い。
クラシカルなギターはこの人の右に出る者はいない。その上、ジャズ・フュージョン畑でブイブイ言わせているだけあって、一口でクラシカルと
片付けられない多彩なコードワークが素晴らしい。この盤でも、時折見せるテンションノートを辿るギターソロが、単なるメロハーに収まらない
AOR的魅力を醸し出すのだ。クラシカルな旋律が多く占めるが、ク
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MALEVOLENT CREATION-The Ten Commandments ★★★ (2020-08-07 21:31:24)
米産オールドスクールデスメタル1991年作
処女作なのに圧倒的なクオリティを誇る名盤。このバンドは、ボクよりも一緒にバンドをやっていたドラマーが激ハマりして
一生懸命コピーしていたのがとても懐かしい。当時のフロリダデスメタルでは個性という点でDeath、Morbid Angel、Obituaryの方が
ストレートに受け入れやすかったのかも知れない。ただし、リフ構成で一線を画していたこのバンドの凄みはスルーされている感がある。
当時ボクはCoronerに激ハマりしてバンドを組んでコピーしていた時代だと思うが、Coroner、Malevolent Creation双方に共通するのは
3拍子、6拍子という、刻む数が3で割り切れる数のリフを積極的に取り入れている点だ。ベーシストだったボクとしては、こういう
リフを弾きこなすために3本指奏法を志すキッカケになった
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MANDIBULLA-Bleeding Black ★★★ (2020-08-18 21:07:23)
ブラジル産ドゥームロック2019年作
この作品のレビューが書かれていた海外サイトをひとつだけ発見、トニーアイオミのソロ作品をイメージさせ、サイケデリックロックではない云々の
内容だったが、オイオイ、この盤のデザインとギター・ヴォーカルスタイルだと、引き合いに出すアーティストが間違っているよ、とボクは言いたい。
恐らくこのバンドはPentagramが好きすぎて、そのヴィンテージスタイルに忠実なサウンドを追求している筈だ。たぶんトニーアイオミではない。
まず、このジャケのバンドロゴが、Pentagramそっくり・・というより全く同じで、深いPentagram愛を感じずにはいられない。
そして、この音や楽曲スタイルが初期Pentagramそのもの!だから面白い。特にヴォーカルの声が裏返るところは、もはやモノマネとも言える。
ちょっと間違ってた某海外レビューの
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MANILLA ROAD-To Kill a King ★★★ (2021-05-13 02:22:20)
米国産エピックメタル2017年作
そもそも米よりも欧州・辺境国のメタルを優先してゲットするので、このバンドの盤はあまり揃っていないが、完成度やエピックワールドの雰囲気
演奏力や貫禄といった点で、もはやレジェンドの域に達しそうなバンドである。決して突拍子の無い奇をてらった楽曲は無く、理に叶った曲展開で
オーソドックスに聴かせるワリに、同系バンドの追随を許さない渋味や味わい深さを備える。このジャンルでは優等生というイメージが強いバンドだ。
非常に心地よいイーヴルなギターの歪みだが、中音域より上がほんの少しメタリック寄りで、音像に紛れることなくキャッチーな旋律が伝わってくるので聴き易い。
そういう音作りから職人気質が伝わってくる。また、無駄に力まない達観した感じのヴォーカルスタイルも然りだ。手数とバリエーション豊かなドラミングもイイ。
ボクが普段愛聴するドゥ
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MARE INFINITUM-Sea of Infinity ★★★ (2020-08-14 23:26:25)
ロシア産ドゥームメタル2011年作
9年前の購入当時は結構ハマって聴いていた。フューネラルドゥーム寄りのドゥームだが、芯のあるヴォーカルがデスヴォイスとクリーンヴォイス
を使い分け、結構な存在感で声を張って歌うので、白玉垂れ流し系ドゥームではあるものの、人生残念サウンドにはなりきっていない。
また、ギターも結構ヘヴィな上、シンセが分厚く前面に出ているので、全体的に力強い非常に聴き応えのあるサウンドだ。
とても面白い音楽性だと思うんだが、ちょっとボクのストライクゾーンからは外れる。決してクオリティが低いワケではない。
フューネラルドゥームには、残念感や静けさ、死臭やカルト臭といった風味を求めるので、ボクは徐々にこの盤は聴かなくなっていった。
次作が宇宙ジャケで2014年にリリースされており、そちらは引き続きドゥームサウンドではあるが、やや前衛的になり若干
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MASSACRE-Resurgence ★★★ (2021-12-02 00:04:14)
米国産デスメタル2021年作
From Beyond(1991年作)は高校卒業前に愛聴していたのをよく覚えている。当時はB誌を購入しては、レビュー低得点作品やモノクロページの広告を見て、
得体の知れない気持ち悪いジャケのメタルにバイト代をつぎ込んでいた。今にして思うのは、高得点レビュー作品よりもモノクロ広告通販の盤の方が愛聴度が高かった。
MASSACREはまさにそれだ。当時友人から貰ったライヴ音源(未だに出所がよくわからない盤、海賊版だろう)の方が内容が素晴らしかったのは玉に瑕だが、
From Beyondは何故かツボにハマった。しかし、PROMISE(1996年作)は一定期間努力して聴いたが、結局ボクのツボには全くハマらず、どう評価して良いのか、
よくわからない作品だった。ここでボクの中で過去のバンドになってしまう。
Back from Beyon
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MAUDLIN OF THE WELL-Part the Second ★★★ (2020-05-27 23:48:01)
米国産アヴァンロック2009年作
Kayo Dotの活動に専念しているのかと思っていたが、フィンランドのBlood Musicレーベルから8年のブランクを開けてアルバムをリリース。
もはやこのバンド名義で活動しているとは思ってもいなかったし、これだけブランクを開けての新作だと全く気付かないよ、ホント。
ボクは数年前にたまたま気付いてゲットしたが、過去3作品のいずれかでもツボに入っている人は、必ずゲットすべき神盤だ。
ポップアートのようなジャケ、ユーモアたっぷりのセンス、次の展開が読めないコード進行、それでいて不自然さのない楽曲。
仕掛け人のToby Driverの卓越したセンスと演奏力は素晴らしく、ライトなポップロック・リラクゼーション的サウンド・不穏でヘヴィなギター
70年代プログレテイストなど、前衛的手法を織り交ぜながらいろいろな音楽を組み合わせて
…続き
MEGADETH-Dystopia ★★★ (2020-05-19 22:50:33)
米産テクニカルスラッシュ2016年作
80年代後半、クロスオーバーブームをモノともせず、コマーシャル要素など無く硬派にテクニカルスラッシュをやっていたのは
音楽性やステージパフォーマンスを含めても、Megadeth、Coroner、Forbiddenがボクの中で3大バンドだった。
90年代以降、各々のバンドの音楽性が変化・深化していくが、どうもMegadethだけCountdown to Extinction(1992年作)以降、
ボクの感性にフィットする進化を遂げたとは言い難く、そのワリに変化を受け入れるリスナーが意外と多く、当時は理解不能だった。
Rust in Peace(1990年作)までがボクのツボにハマったが、その後の脱スラッシュやギターのメンバーチェンジ、音楽の志向性など
どの盤も良い作品を捻り出そうと試行錯誤していただろうが、初期作品の
…続き
MEGADETH-Th1rt3en ★ (2023-10-23 02:52:40)
米国産テクニカルスラッシュ2011年作
MegadethはRust in Peaceまでしか受け入れられないと、以前どこかで書いた覚えがあるが・・・
特にボクの感性が拒否してしまう盤がコレ。(その次にEndgameあたりが苦手)
音楽だけではなく、映画やゲーム、アニメ、様々なサブカルチャーに暗示が含まれていたり
特に音楽においては、サイコアコースティックといったあまり解明されていないサブリミナル的な効果や
世論や思考の扇動、より強く印象付けることや、個人判断の動機付けや、印象操作ということが
サブカルチャーを通じて意図的に行われている・・的なことが、もしかしたらホントにあるのかなー
ということは、結構若い頃から考えておりまして、学生時代の卒論なんかでも、それに近いテーマを扱ったりと、
ワリと陰謀論的に扱われて軽視されてきたこのテのアヤシイ屁
…続き
MEGADETH-The Sick, the Dying… and the Dead!-We’ll Be Back ★★★ (2022-07-25 06:21:03)
Rust in Peace(1990年)までしか受け入れられないんですが、この新譜のこの曲は素晴らしい。
先月くらいにMegadethのYouTubeチャンネルが更新されて、この曲のPVが追加されたんよね。
まあ、相変わらず映像は戦争や暴力を彷彿させて、最近の社会情勢的にはなんだか抵抗があるんですが
カッコいいんですよ、この曲。
ヒリヒリする緊張を伴うギターのリフ、サビの後のブレイクなんか、良い頃のMEGADETHが帰ってきた!と思わせる。
久しぶりに映像で見ると、なんか老けたなぁと思うんですが、音は全く衰えていません。
MEGADETH-United Abominations-Washington Is Next! ★ (2023-10-23 03:04:07)
アメリカ政府の腐敗、自分自身を悪の王に例えて「ワシントンが次は狙われる!」と歌っている。
人々を貧しく愚かに保ちつつ、家族や教会を攻撃して新世界秩序を推進する、といった内容を
古代エジプトやローマ帝国の暗喩を用いて歌詞が作られているようだ。
実際にワシントンのグローバルエリートが失脚するんじゃないか、と思っているボクとしては
こういうネタはエンターテイメントの枠を超えてしまってる感があって、ボク的には生理的に受け付けないんだよ。
このへんからMegadethはおかしくなったよね・・。
MEKONG DELTA-In A Mirror Darkly ★★ (2020-05-02 01:19:14)
ドイツ産テクニカルスラッシュ2014年作。
創始者ラルフ・ヒューベルトがこのバンドを始動したのが1980年代、現在は演奏技術の高いバンドが多くなったが
当時のスラッシュメタルバンド群では、抜きんでて演奏技術が高く、ステージパフォーマンスでは再現できないのでは、と言われたほど。
何拍子なのかもわからない程に複雑怪奇な変拍子リフを多用し、もはや聴かせるというより演奏技術の限界を追求するような志向性が窺える。
また、クラシックを融合させたバンドで、HRとクラシックを融合したネオクラシカルメタルこそやってるバンドは多いが、
クラシック音楽とテクニカルスラッシュメタルをクロスオーバーしたバンドはこのバンドしか思いつかない。
ムソルグスキーがよほど好きなのか、過去作には、ムソルグスキーの楽曲を融合した作品がある。
個人的には「禿山の一夜」を融合させたDanc
…続き
MEKONG DELTA-Pictures at an Exhibition ★ (2020-05-02 01:26:30)
ドイツ産テクニカルスラッシュバンドの全くスラッシュしていない作品1996年作。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」をギター・ベース・ドラムで再現、アレンジは最小限で、ほぼ完コピした作品。
完全にこの人たちの趣味に走ってしまった感の強い、もはやムソルグスキーのピアノCDを聴いた方がいいじゃん、とツッコミを入れたくなる。
これがスラッシュしてたら面白いんだけど、全くスラッシュしていない残念な作品。
ただ、誰もこういう事をやっていない、という価値は認める。
MEKONG DELTA-Tales of a Future Past ★★★ (2020-06-07 16:33:14)
ドイツ産テクニカルスラッシュ2020年作
ラルフヒューベルトの作品は集中力が削がれてしんどいからもう買うまいと思ってたが、過去作に比べてジャケが美しいので一応ゲットした。
ギターの質感がややソフトになって、若干聴きやすくなっている上、シンフォニックな要素を入れたことで耳に馴染みやすい。
変則リフの連続で疲れるかと思っていたが、そういうソフトなところがうまく調和して、少なくとも前作よりは聴きやすい印象だ。が、それでも疲れる。
Mekong Delta作品全般に言えることだが、複雑過ぎて印象に残るリフというのが案外ない。今作でもそれは同じだ。
もうここからは好みだが、個人的にDances of Deathが一番好きな盤だったが、それを超えたかどうかというとどっこいどっこい。
少なくともこういう複雑怪奇な音楽は、耳に馴染むのに相当時間がかかるし、疲労感を受け
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MESMUR-Terrene ★★★ (2020-10-05 02:33:35)
ロシア産フューネラルドゥーム2019年作
鈍重でゴリゴリの引き摺るようなギターノイズが絶品な濃い葬式要素を多分に含みながらも、音の塊で圧死させる類いのサウンドではなく
アトモスフェアな静けさを伴うサウンドだ。そんな音をバックに、割と歪み少なめの不協和ギターコードを乗せた時の不穏な雰囲気がツボ。
ギターによる明確なメロディはあまり登場せず、不協和を連続させることで荒廃した世界を描いたアバンギャルドな作風で、きっと聴き手を選ぶ。
風のようなシンセ、抜けの良いドラム、ケモノのようなデスヴォイス、重低音のベースなどグッド。そういう音の束が全てクリアに聴こえ
最適な残響音で聴かせるところがウマい。全体的に各パートの音のバランスが適切で、そのハーモニーをじっくりと楽しむといった感じだ。
ロシア的な暗さ、醜悪で気持ち悪いリフなど、真性フューネラルドゥームでありながら
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MESSIAH-Choir of Horrors ★★★ (2021-02-23 00:17:52)
スイス産スラッシュメタル1991年作
「Extreme Cold Weather(1987年)」と比べると、演奏が整然とし、中音域以上を強調したギターから、より聴き易い音質に変化している。
この変化は悪くない。が、MESSIAH特有の個性が若干薄まった感がある。とはいえ、独特なリフ構成や突発的なテンポチェンジといった
固有のサウンドは失われていない。むしろ、録音状態が向上し、過去作で感じられる粗雑・未完成感が払拭されたと感じさせる。
しかし、個人的には、MESSIAHの盤ではお気に入り度は低い。磨かれていないダイヤ原石的な「Extreme Cold Weather(1987年)」が持つ
未完成ながらも特殊な音質で構築される音楽性からの喪失感の方が大きい。また、クオリティ的に完成形を見たと感じさせるRotten Perish(1992年)への
過渡期を思
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MESSIAH-Extreme Cold Weather ★★★ (2021-02-22 23:40:13)
スイス産スラッシュメタル1987年作
MESSIAHを初めて体験したのは高校時代友人が持っていたこの盤を聴かされた時だったが、当時は魅力がさっぱり理解できなかった。
スイスといえば、Hellhammer~Celtic Frost、Coronerというレジェンド級バンドがいるが、当時はメタル未開拓な辺境のイメージは持っていた。
国籍による情緒の違いを意識し始めた頃で、スイスメタルに興味を持った頃に初体験をしたワケだが、少なくとも音楽性よりもアンバランスなジャケの
インパクトがとにかく印象に残ったバンドだった。高校時代から随分経ってからこの盤をゲットしたが(たぶんリマスター盤で2002年ロシア盤)
ジャケが可愛いといって当時の女友達に持ち帰られすぐに紛失。昨年再び購入に至ったワケだが、とりあえず同じ作品を何度か体験してわかったのは、
原盤、2002年露リマ
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MESSIAH-Fracmont ★★★ (2021-02-26 11:49:49)
スイス産スラッシュメタル2020年作
昨年末に発見し、再結成モノで最も衝撃的だった作品。随分前に解散した筈だったが、前作のメンバーが結集して新作を出すとは思っていなかった。
ライヴ盤やEPを除けば、実にUNDERGROUND (1994年)以来、26年ぶりのフルレングスアルバムじゃないかな。
地元スイスで絶大な人気があったようだが、ここでも書き込みを見ても、MESSIAHはマニアご用達で日本ではあまりに無名な様子。
知名度が低くコレクターアイテムとしてただ持っておきたいという類いのバンドではなく、魅力のある特有の味わいが楽しめることをもっと広めたいところだ。
この盤発表直前に3曲入りEP「Fatal Grotesque Symbols ⸗ Darken Universe」が発表されており、新曲1曲以外は、看板曲かつ迷曲Space Invadersと
ホ
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MESSIAH-Powertrash-Space Invaders ★★★ (2021-02-24 01:45:43)
このバンドの魅力は初期のデモテープ時代に凝縮されているが、特に異質さを感じさせるのは、このスペースインベーダーだ。
特に優れた楽曲というワケではないが、The Doomから始まりAntichristで終わるこのアルバム内で、とてつもない存在感がある。
単なるブラックメタルやドゥーム、スラッシュメタルとは一線を画す独創性を志向していることが、この楽曲から伝わってくる。
このセンスがMESSIAHの大きな魅力だ。
MESSIAH-Rotten Perish ★★★ (2021-02-24 01:36:42)
スイス産スラッシュメタル1992年作
前作「CHOIR OF HORRORS (1991年)」から飛躍的にクオリティアップした、MESSIAHの音楽性の完成形を思わせた作品。
ジャケがより世界観に忠実なデザインになり、額に入れて飾りたくなるほど味わい深いアートワークに変化。
なんといってもこの盤の魅力は、硬派な最適な歪みを持つギターの音像にある。派手過ぎず、過去作のような特殊なギターサウンドではなく
HM路線のオーソドックスな音像となり、そのギターが奏でる構築的な個性的なリフがより引き立つ。本来このジャンルに求められる魅力が
大幅にアップした印象だ。前作までのB級感が払拭されて、このジャンルのサウンドではトップクラスの味わいがある。
しかし、過去作までにあった、狂気をも思わせる突発的にエンジンがかかるような破天荒な勢い、特有のグルーヴ感がほんの少し影を
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METALLICA-72 Seasons ★★ (2023-10-26 01:04:41)
米国産HM2023年作
前作が結構好きだったので、今作はどう?という感じだったが、まあ、前作の方が好みかな。
初期4作品を愛する高齢者リスナーですから、まあ、それ以降の作品自体にあまり愛着が沸かないんですが。
少なくとも、ギターの音像と安定感のあるリズム隊、特有のワウを咬ませた粘り気のあるギターソロは
他のバンドよりも高い位置のクオリティを持ってて、流石王道を突っ走ってきたバンドだな、という感じだ。
大作主義について賛否両論なのか、ボクは雑誌というものを全く見ないのでわからないが、ココの書き込みを見る限り
否定的な意見も出てるみたいですが・・ボクはそもそも苦行ドゥームファンなのでそこは意外と気にならない。
ルート音から理に叶った進行しかしないシンプルなコードワークや凝ったハーモニーがあまり登場しない楽曲を
原点回帰ととるか、面白みがないとと
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METALLICA-Hardwired… to Self‐Destruct ★★★ (2020-04-23 19:17:42)
初期作品And Justice for allまでが自分のストライクゾーンで、ブラックアルバム以降は
熟練の作品としてクオリティの高さは認めても、あまり好きになれなかった。
DeathMagneticも当時買いましたが、あまり聴かなかったな。
この2016年作はごく最近手に入れたんですが、どうも賛否両論のようで。
初期作品の濃厚な哀愁や、HM的音圧で押し切る感じや、コンセプトアルバム的なストーリー性云々などは一切無く
元々のメタリカのルーツであるNWOBHMに限りなく近い、ロックの原点、ヴィンテージ臭すら感じられるサウンドだ。
全く新しい何か、とか、奇をてらったような、突出した世界観というのは無い。
無駄を削ぎ落し、音圧も控えめに、各々メンバーが培ってきた熟練した技術を最大限に発揮した演奏を聴かせる。
路線がブラックアルバムやDeathMa
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METALLICA-…and Justice for All-…and Justice for All ★★★ (2020-09-08 22:11:56)
この頃のMetallicaが一番ツボにハマる。これくらいの大作主義で適度に変拍子を加えながら構築的な楽曲をやってる彼らが一番カッコいい。
ギターソロ、トリッキーなドラムのリフ、スピードの緩急、リフを繰り返すことで没入できる楽曲など完璧。
この盤の曲は全てスゴイが、アルバムタイトル曲だけあって作り込みが半端なく、この盤の世界観をバッチリ醸し出している曲だ。
MIRACLE FLAIR-Angels Cast Shadows ★★★ (2022-03-12 01:15:00)
スイス産ヘヴィメタル2016年作
スイスを代表する神バンドCoronerが再結成して、ニューアルバムはまだかまだかと待ち続けてGrin(1993年)から約30年目が来ようとしている。
その後未発表曲の盤やDVD作品なんかはリリースしているが、フルレングスアルバムについては未だ続報は無い。まあそれは置いといて・・・
CoronerのギタリストTommy T. Baron(今は本名Tommy Vetterliで活動中のようだ)は、地元スイスの後続バンドのプロデュース・ミキシングに
力を入れているようで、このMiracle Flairはそのバンドのひとつだ。(我が家にはもうひとつ69 Chambersというアーティストの盤もある。)
また、有名どころではEluveitieというバンドにも深く関わりを持っているようだが、こちらは完成しすぎ感がボクの好みに若干合わない
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MISFITS-Legacy of Brutality ★★★ (2020-05-07 13:04:53)
米産パンク1985年作。
完全にダークサイドな魔力に魅了される以前のグレンダンジグが在籍していたバンドで、ボクはMisfitsはグレン在籍時のサウンドしか受け付けない。
Misfitsの作品群はやたらシングルが多いし、紆余屈曲あり判りやすく順番にリリースしていないなどで非常に蒐集しづらい面があるんだけど
一番ハマって聴いたのはこのベスト盤である。音楽性は随分とパンクロック寄りで、弾けるような勢いはもちろん魅力のひとつなんですが
やっぱり最もカッコいいのはヴォーカルのグレンの説得力のある、全身から毛が生えそうな男臭い歌なんです。
喧嘩別れして以降、グレンが抜けたMisfits作品は1枚も買わなかったが、4年程前にグレンが再加入してオリジナルメンバーMisfitsが復活しているらしい。
もし今後Misfitsの新作が発表されれば、マストな作品であるに違いな
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MISTRALTH-But a Walking Shadow ★★★ (2020-08-31 23:49:49)
フィンランド産ダークメタル2019年作
ジャンルはドゥームでも良かったんだが、ダークメタルの方が何となくシックリくる。遅いテンポであっても鈍重という感じではない。
定番モノクロジャケだが、表は積み石が敷き詰められた山岳、裏面は鬱蒼とした森林、中身は雫が滴る針葉樹アップ、曇り空という
自然崇拝ジャケとしては100点満点の浪漫を感じさせるクオリティだ。そういう情景を思い浮かべながら堪能するサウンドだ。
しかし、Grey、Forbidden、Breathe、Empty、Nothingnessという曲タイトルが示すように、内省的な、無気力、鬱、絶望という要素が色濃い。
雨のサウンドスケープから始まり、ラストも2分程度の雨のサウンドスケープでフェードアウトする。曲中は自然の空気を感じさせるシンセが
幾重にも挿入される。ギターの質感は森林崇拝ブラックの浅めの歪みの
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MIZMOR-Yodh: Live at Roadburn 2018 ★★★ (2020-07-08 01:43:25)
米産ドローン・ブラック寄りドゥーム2018年作
最近ローランDEATH氏が猛プッシュして書き込みしてるので、是非ゲットしてみようと思いあちこち探したんですが
スタジオ盤は海外から輸入しないと無理っぽく、しかもこのコロナ騒ぎでいつ届くやら・・というワケで
唯一このライブ音源が日本のショップ(しかもアマゾン)で簡単にゲットできた。ここ数日コレを楽しんでいる。
基本ドゥーム作品のライブ盤は好まないのだが、この盤はまるでスタジオで万全の体制で録ったかのような素晴らしいクオリティだ。
まあ、演奏が終わった時の拍手とかが余計なんだけどね。いずれスタジオ盤をゲットしたいところだ。
トレモロリフを織り交ぜながらも鈍重な沈み込むような遅さ、重低音が魅力。ここまでテンポダウンしてくれると激しい音でも聴きやすい。
疾走するパートもあるが、ブラックメタルに慣れた耳であれ
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MJOD-The Whisper of the Last Winter ★★★ (2020-08-30 23:26:46)
ロシア産ペイガンメタル2020年作
タイトルはロシア表記でШёпот Последней Зимыだ。
黒地に民族衣装を着た人々や民族楽器・植物をあしらった白いデザインのジャケ、バンド名のロゴは木の枝が生え、鳥が2羽羽ばたいている。
普通の紙ジャケに比べて光沢のある上質な紙を使用しているので、このデザインが黒地に映えて光るルーンの紋章のような感じに見えてグッド。
鳥ジャケフェチ&森メタルフェチとしては、このジャケで無条件で買い。このテのジャケのCDもかなりの数集まってきた。
今回ロシアで買い物した際、このバンドと、もうひとつとても素敵な鳥ジャケのCDをゲットしている。大自然を感じるメタルっていいよね。
さて、このバンドは初めてゲットしたんですが、2018年から既に2作品リリースし、コレが3作目のようだ。
5人のメンバーのうち、1人は女性。民族楽器
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MONASTERIUM-Church of Bones ★★★ (2021-01-01 12:09:52)
ポーランド産ドゥームメタル2019年作
バンド名は日本語訳で「修道院」、石造建築の中央に骸骨が描かれ、アルバムタイトルが示す通り、骸骨の教会といった判りやすい世界観。
CandlemassやSolitude Aeturnus路線のエピックドゥームに非常に近い音楽性で、特にヴォーカルはCandlemassのMessiah Marcolinを彷彿させる。
音程がズレがちで、カリスマ性を備えたMessiah Marcolinに比べると二番煎じと思われても仕方ないかもしれないが、ボクはこの歌唱は嫌いじゃない。
じっくりミドルテンポで聴かせるドゥーム寄りヘヴィメタルだ。ギターの質感がメタリックではなく適度に歪んだドゥームロック寄りな感触が良い。
この路線にありがちな派手なツインリードやピロピロ弾きまくるギターソロが無いのが良い。ギターが地味すぎず目立ちすぎずなのはポイ
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