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kamiko!さんの発言一覧(評価・コメント) 301-350
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MONASTERIUM-Cold Are the Graves ★★★ (2023-11-05 06:15:16)
ポーランド産ドゥームメタル2022年作
ドゥーム寄りの正統派で飾りの少ない音楽性、前作から大きく音楽性は変化していないが、何故か魅力タップリなサウンド。
ヴィブラートを利かせたクリーンな声で歌い上げる、CandlemassのMessiah Marcolinを彷彿させるヴォーカルが魅力だ。
Solitude Aeturnus路線を真面目にやっているバンドも年々少なくなっていると感じるので、このバンドの存在は結構貴重だ。
とはいっても、ドラムの手数が少な目でSolitude Aeturnusよりもヘヴィさ控えめ、雰囲気はSanctuaryのInto the Mirror Blackに近いかも。
海外の反応は微妙な感じで、高評価ではなさそうだ。新時代要素皆無の化石ミドルテンポメタルは今の時代ではウケない、ということか。
ギターの音像もオーソドックス、速弾きは
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MOONGATES GUARDIAN-Cold Waters of Anduin ★★ (2020-09-15 23:21:09)
ロシア産アトモスフェア・ペイガン・ブラックメタル2020年作
これまで結構な枚数の作品をリリースしているが、どうも何か物足らないなぁと思いゲットするに至らなかったが、意外と地元の評価は高いみたいだ。
今作も何かが足りない、と思わせる部分はある。全体的に音質がシックリこないところと、音量のバランスがややヘンだな、と感じる。
そういう不満点はあるものの、今作はなんといってもジャケが美しい。また、シックリこない録音状態に慣れれば結構楽しめる内容だ。
曇り空、山岳、針葉樹をバックに、魚を捕えようとする鷹が中央に描かれるジャケにまず心を奪われる。優秀な鳥ジャケだ。
民族楽器風のサウンドは、リアリティに若干欠けるので、恐らくシンセで再現しているんだろうと思うが、民族楽器を大々的に取り入れ
オーソドックスなブラックメタルというよりは、クサめな旋律が多く登場する、ペイ
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MORAST-Il nostro silenzio ★★★ (2020-07-04 01:43:31)
ドイツ産ブラック寄りドゥーム2019年作
ブラックメタルとドゥームメタルの丁度中間といった音楽性で、ドゥーミーだが結構ドラムは騒々しい。
ジャリジャリ感のあるギターの質感でドゥーミーなサウンドを聴きたいリスナーにとってはツボにハマるかも知れない。
ドゥーミーとは言っても、テンポはそこまで遅くない。一部超スローな曲調はあるもののミドルテンポ主体の楽曲群だ。
ボクとしては、ツーバスでドコドコするのが余計だなぁ・・と感じるが、そこをガマンすれば充分聴ける素晴らしい音。
重低音かつ録音がいいので、重量感を堪能したいリスナーにも打って付けだろう。
少なくとも、オーソドックスなブラックやドゥーム路線ではなく、双方の質感をうまく融合した音響的にかなり好みの音だ。
ただ、そういう音楽性でありながら、録音が良すぎるからか、アングラ臭があまり感じられないのが残念なと
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MORITO ERGO SUM-Moonchild ★★★ (2020-07-01 19:54:08)
スウェーデン産ドゥームメタル2011年作。
ボクの知る限り、このバンドはレーベルに所属せず、2作品ほどセルフリリースでアルバムを発表しているので、相当無名なバンドだろうと思う。
フルレングスアルバムはA Mournful Foreboding(2016年作)のみで、このMoonchildはEPだ。とはいえ、30分を超える収録時間で聴き応え充分。
芯のあるヘヴィなギター、ギターソロもアリ。安定感のあるゆったりとしたクールなドラム、デスヴォイスではない囁くようなヴォーカルといった
オーソドックスなドゥームメタルど真ん中な音で、真性に人生残念な感じではなく、濃さはライトな感じ。クリアな録音と安定感が魅力的だ。
まあ、そういう標準的な音楽性なので、ボクはフルレングスアルバムまでは敢えて揃えてゲットしようという気持ちにはならず、このEPのみで満足している。
時に
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MOURNFUL CONGREGATION-Tears From a Grieving Heart ★★★ (2020-09-04 02:21:12)
オーストラリア産フューネラルドゥーム2001年作
近10年間の作品の完成度は高く、どんどん作り込まれていき、とても重厚でメランコリックなサウンドが魅力的だが
ボクはTHE JUNE FROST (2009年)までの、磨かれ洗練される前のダイヤの原石のような、粗削りでひたすら鈍重な作品の方が真性さがあり
フューネラルドゥームの魅力が詰まっているように思う。特にこの盤は全作品中でもフューネラル度が高く、真っ黒な世界に突き落とされる。
せっかちな人お断りの超スローで、ヴォーカルの超低音ヴォイスの喉の奥が振動している様とギターノイズが融合する時の音像がスゴイ。
メランコリックな単音ギターが旋律を奏でるような曲であっても、濃厚なヴォイスが前面に出て、人生残念感が半端ナイ。
近作は随分と聴き易くなっており、この盤で感じられる濃さが薄まっていると感じる。こういうバン
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MOURNFUL CONGREGATION-The Book of Kings ★★★ (2020-05-01 01:20:20)
オージー産フューネラルドゥーム2011作。
この作品以降、2作品のアルバムを発表しているが、それを含め、このジャンルではレジェンドになりつつあると感じる今日この頃だ。
重厚なギターと唸るようなヴォイスの密度が、初期作品から更に際立ち、凄みという点で深化している。
仄かな光を感じさせる、メランコリックさがスパイスとなっている作風がこのバンドの個性で、今作も鬱々とした気分に浸れる。
とりあえず、フューネラルドゥームというジャンルのど真ん中、スタンダードに位置していることは間違いない。
とはいえ、近年では、米露産・北欧産のフューネラルドゥームバンドが量産され、その多くが凡作ながら、一部良質バンドが出始めている。
特にロシアではこのバンドをお手本にしたかのようなバンド群が量産されているなぁ、と感じる。
この作品発売当時は、このバンドがマイフェイバリットN
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MOURNFUL CONGREGATION-The Incubus of Karma ★★★ (2020-05-15 21:24:53)
オーストラリア産フューネラルドゥーム2018年作
路線は大きく変わらず、アコギをバックにメランコリックな旋律を奏でつつ、重厚なギターノイズで淡々と聴かせる。
音は洗練されつつも、真性さよりもメランコリーが前面に出ている印象。最近はこのバンド似のフューネラルドゥーマーが
爆発的に増えていることもあり、高い完成度を認めつつも、目新しさをあまり感じず、愛聴盤と言えるほど回数聴いていないのが正直なところだ。
昔は自分にとってフェイバリットナンバーワンだっただけに辛口だが、クオリティは高いので聴いてみて欲しい。
MOURNING SUN-Último Exhalario ★★★ (2020-12-21 02:10:32)
チリ産ゴシックドゥーム2016年作
この寒い時期、今年ゲットした極寒サウンドのうち、最も気に入って愛聴しているのがコレ。
南米チリ産という辺境メタル作品とは思えないほど冷たく、凍てついた大地にある浪漫を表現した作品としてレベルが高い。
雪が積もる山々と鹿が暗めのトーンで描かれるジャケ、裏面は大地に1頭の鹿のシルエットが。まずジャケが満点だ。
このジャケが描く世界観・寒冷地の情緒、そこに生きる動物との共生を感じることができる独創的で美しいサウンドに魅了される。
作り込まれたアトモスフェアなシンセと繊細なフォーク調のギター、深めの残響音が、大自然と氷点下の空気を醸し出している。
演奏スタイルは歪んだギターによるバッキングが心地よいドゥームだが、ゴシック風にも聴こえるのは、女声ヴォーカルの耽美な声のためだろう。
一番の魅力はその女声ヴォーカルによるヘヴ
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MURKRAT-Drudging the Mire ★★★ (2023-10-31 20:13:07)
オーストラリア産ドゥームメタル2011年作
一応ドゥームメタルとしたが、メタル要素が控えめになり、オルガンドゥーム色を前面に出した作品だ。
前作ほどイタいジャケではないが、まあ、子どものような物体が描かれるジャケからは不穏な空気が。
メタルサウンドとしてはオススメできないが、底辺のドゥームを求める人には、まあオススメできる。
世界への絶望と、鬱々とした内省的なコンセプト、そこに子どもの誕生が絡んでくる世界観は相当イタイ。
フェミニズムと人類への憎悪を感じるこの生理的気持ち悪さが、この作品の唯一性でして
ドゥームというジャンルの作品の中では、群を抜いてドゥーム度が高い真性さを帯びた作品なのだ。
この世界観に没頭できる人にとっては、この盤は神盤になるだろうし、生理的に拒絶感を感じる人は
ゴミ以下の、音楽自体を冒涜していると感じてもおかしくない最
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MURKRAT-Murkrat ★★★ (2023-10-20 11:21:49)
オーストラリア産ドゥームメタル2008年作
Mandy Andersen含む2人の女性メンバーによるドゥーム作品だが・・・保有するドゥームの中でもかなり濃い強烈な作品。
3曲のドゥーム曲に加え、Murky Ratmass(2007年)のデモ5曲が収録されている。
モノクロジャケではお手伝いさんのような女性が剃刀を振り上げ、ベッドに押さえつけている赤ちゃんの耳から出血している。
床にはネズミが6匹ほど描かれている。かなーりイタイ醜悪な世界観をお持ちである。赤ちゃんにオイタをするジャケだけならまだしも
(いや・・充分ヒドいが)インナーのイラストは更に醜悪で完全にイってしまわれている。
この人自身がフェミニストであると公言している記事を随分昔に読んだことがあるが、現在でも閲覧できる動画からはむしろ
ミサンドリーあるいは極度なミサントロープと言われても仕
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Morito Ergo Sum-Moonchild ★★★ (2020-07-01 19:54:08)
スウェーデン産ドゥームメタル2011年作。
ボクの知る限り、このバンドはレーベルに所属せず、2作品ほどセルフリリースでアルバムを発表しているので、相当無名なバンドだろうと思う。
フルレングスアルバムはA Mournful Foreboding(2016年作)のみで、このMoonchildはEPだ。とはいえ、30分を超える収録時間で聴き応え充分。
芯のあるヘヴィなギター、ギターソロもアリ。安定感のあるゆったりとしたクールなドラム、デスヴォイスではない囁くようなヴォーカルといった
オーソドックスなドゥームメタルど真ん中な音で、真性に人生残念な感じではなく、濃さはライトな感じ。クリアな録音と安定感が魅力的だ。
まあ、そういう標準的な音楽性なので、ボクはフルレングスアルバムまでは敢えて揃えてゲットしようという気持ちにはならず、このEPのみで満足している。
時に
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NAXATRAS-III ★★★ (2020-06-04 01:39:42)
ギリシャ産ストーナー・サイケデリックロック2018年作
全く無駄な音が無いすごーく地味なリズム隊にナチュラルトーンのブルースギターが乗るインストゥルメンタルかと思いきや
僅かな歪みや、ディレイやエコーなど、曲が進むにつれて様々な表情を見せるギターエフェクトが施され、徐々にストーナー要素が
盛り込まれていく。中盤以降に僅かにヴォーカルが入るが、大胆な振幅でピッチの速いスペーシーなエコーヴォイスが登場したり
ストーナー要素をほんのり含ませるギターバッキングが登場したりと、アルバム全体で徐々にライトに石化させていく作風が魅力だ。
どうも海外レビューを見ると低評価気味な気がするが、前半だけ聴いて全然サイケじゃないじゃん!と思ってるんじゃないかな。
最後までキチンと聴いていないんじゃないの?と思うよ。物静かで超シンプルな作風だが、エフェクトの妙を堪能できる
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NIKOLAI KAPUSTIN ★★★ (2020-04-27 04:18:10)
純粋にクラシックピアノを学んだ人にとって、ジャズを弾きたいというときに壁になるのは、適当な楽譜がナイ、ということだ。
そもそも即興性や変則的リズムなど演奏者の感覚に拠るところが多いので、それがキッチリ記譜されたスコアはかなりレアな上、市販のジャズスコアは重厚さのないイージースコアで溢れている。
というワケで、ジャズをクラシック様式に昇華させ、誰でも読譜できるように記譜されているカプースチン作品の登場は、ジャズピアノを弾きたいピアノ弾きを狂喜させた。
カプースチンの楽曲の特徴は、端的に言えばテンションノートを多用するジャズピアノだが、和声的なピアノ曲との違いは、スイング、バウンス的リズム感が求められることや
オフビート(ウラ拍にアクセントをつける)演奏法だったり、更に技術的なことを言えば、親指の打鍵が特殊だったりする。演奏難度はなかなか高い。
多くの作品がある
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NOKTURNAL MORTUM-Lunar Poetry ★★★ (2020-05-22 22:15:52)
ウクライナ産シンフォニックブラック1996年作
ペイガンメタルにハマり始めた頃に知り、2000年以降にゲットした作品。アルバムタイトルから感じられる浪漫と
針葉樹林が美しいジャケがボクのツボを突き、結構当時は繰り返し聴いた愛着のある作品。
ここで語っている人たちが言うとおり、録音状態は万全ではないが、そのローファイな感じがむしろ雰囲気アップに繋がっている。
ブラック様式でありながらメロディアスなこの感じは、当時いくつかゲットしたペイガン系サウンドがワリとメロディを前面に出している
ところが共通しており、ワリとそういうサウンドがトレンドだったのかも知れない。
(たまたま自分がそういう作品をゲットしていただけかも知れないので信憑性は全くないのであしからず。)
NOKTURNAL MORTUM-Нехристь ★★★ (2020-05-22 22:05:00)
ウクライナ産シンフォニックブラック1999年作
これより前の作品はどこかひとつ物足らない、惜しいなぁと感じることが多く、好盤Lunar Poetry以外は所持していない。
この盤はこれまでの作品の素晴らしいところを寄せ集めた、このバンドの最高傑作だろうと感じている。
ボクがコレをゲットしたのは、2000年以降で、決してタイムリーに聴いたワケではないが、ペイガンメタルにハマり始めた頃で
ペイガニズムの浪漫が感じられるスラブ民族要素を絡めた攻撃的なブラックスタイルと、ネオナチ疑惑などの国家社会主義的な思想、
当時としてはウクライナ産という珍しい国柄(最初はロシアのバンドだと思い込んでいたが)というミステリアスさなどのスパイスが
バランスよく融合して、とても魅力的なサウンドに聴こえたものだ。今でこそウクライナ産バンドにはもっと濃いバンドは多いと思うが
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NOKTURNAL MORTUM-Істина ★★★ (2020-05-22 21:47:55)
ウクライナ産シンフォニックブラック2017年作
このバンドはワリと初期から聴いており、先日ゲットしたこの作品を含め4作品が愛聴盤だ。
初期のペイガニズム溢れる作風、中期の攻撃性に加え、メンバーのネオナチ思想疑惑の真性さやミステリアスさが手伝い
Нехристьの作品をゲットした頃が最も魅力的だったと思う。その後1作品ゲットして数年たち、先日この作品をゲットしたが
一聴して、当時の攻撃性が軟化し、民族的情緒がより強くなった印象を受けた。恐らく現在はウクライナで最も有名なブラック
だろうし、アンダーグラウンド臭が完全に抜け切って、より大衆的になったなぁ、というのが最初の感想だ。
メンバーの思想こそ変わっていないんだろうが、少なくともこの音からは国家社会主義的なナショナリズムは感じなくなった。
録音状態が向上し全体的に迫力が増した半面、ギターは若干攻撃
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NORILSK-Weepers of the Land ★★★ (2020-08-11 23:03:57)
カナダ産ドゥームメタル2018年作
雪山ジャケとバンド名がロシアの都市名というところに惹かれ、ロシア産ドゥームかと思ってゲットしたが、カナダの2人組バンドだった。
ロシアの都市名をバンド名にするのが流行ってるのか、ボクの知る限り、フィンランド産ドゥームKYPCKとカナダ産スラッジのAstrakhanが
バンド名にロシアの都市名を採用している。寒々としたドゥームのイメージがきっとフィットしたんだろうね。
Norilskという都市がどんな所なのか、このバンドがこの都市についてテーマにしているのかは不明だが、少なくともこの土地をイメージ
しているのは過去2作品と今作のジャケからなんとなくわかる。歌詞を訳してどんなテーマなのか調べてみようと思ったところ
一部フランス語で歌われている曲があることがわかった。歌詞からNorilskの地について歌っているんだろうなと
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NORILSK-Weepers of the Land-Toute La Noirceur Du Monde ★★★ (2020-08-11 23:20:36)
5曲収録されている中、この曲だけフランス語のタイトルと歌詞だ。「黒い世界」と訳されるようだ。
音響的にフランス語の歌詞が独特な異国情緒を感じさせるかというと、デスヴォイスやガナリ声なので他の曲との差は感じない。
ワリとアップテンポで耳に馴染みやすいリズムのリフ、低音の鐘の音のエフェクト、凍てつく氷を思わせる寒々としたエコー・リバーブなどの効果が
とてもカッコ良くてシブい。
NORTT-Galgenfrist ★★★ (2020-05-15 01:54:17)
デンマーク産アトモスフェア・フューネラルドゥーム2008年作
濃厚に深い残響音にブラックの質感を持つ分厚いノイジーなギターが響き渡る作風の独りフューネラルドゥーム。
ジャケの真っ黒で液体が流れるようなバンドロゴから思い浮かぶそのままの、かなーり暗い、寂しく、怖くなるサウンドだ。
ここまでイってしまわれている人生残念サウンドだと、独りでこのサウンドを作っているアーティストの安否を気遣いたくなる。
ギター等の魅力よりも、空間を支配するヒリヒリとした緊張や、ノイズの倍音が響き渡る様を楽しむといったダークアンビエント色が強く
判りやすい世界観ながら、聴き手を選ぶ上級者向けで、アンビエントサウンドが得意でないと厳しいかもしれない。
Nespithe ★★★ (2020-05-15 23:49:46)
フィンランド産オールドスクール・テクニカルデスメタル1993年作
発売から5年後くらいだと思うが、購入当時に少しハマって、友人に貸したまま戻ってこなかったCDだが、もはやオリジナル盤は入手困難。
結局ボクは20th Adversary of Emptinessという全音源収録盤を所持している。
このバンドのフルレングスアルバムはコレのみで、デスメタル全盛期のリリースでありながら殆どメディアに露出することなく全くの無名。
ところが、当時の有名デスメタルバンドと比較しても引けを取らないどころか、かなりの個性派で偉才を放つサウンドだ。
大きな特徴は、その時代のデスヴォイスの中でも極端に低音な下水道ヴォイス、ブラストもアリでMorbid Angelを更にヴァンギャルドにしたような楽曲構成だ。
そして、やたら長い曲名が多いのも特徴。変拍子を多用し、意表を突く気持
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OBITUARY-Dying of Everything ★★ (2023-08-12 01:08:17)
米国産デスメタル2023年作
初期の3作Slowly We Rot(1989年)、Cause of Death(1990年)、The End Complete(1992年)のクオリティが高すぎて
その後のアルバムは受け入れられず、ずっとスルーしてきたが、ほんのりと初期のテイストが戻ってきた今作を過剰な期待をせずにゲット。
感受性豊かな若い頃に衝撃を受けたバンドだけあって、なかなか新作というモノが耳に馴染まないということはありますが
初期の衝撃再び、というワケにはいかない及第点なサウンドだな、というのが正直な感想だ。しかし、悪くない。
初期作品にあって、現在薄れつつある固有のモノ、というのがハッキリある。初期作品は倍音が少な目の控えめな音像ながら芯のある音だった。
決してギターは目立ち過ぎず、他のフロリダデスと比べても静かなるデスメタルといった感じが魅力
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OBSIDIAN SEA-Pathos ★★★ (2023-08-23 00:41:45)
ブルガリア産ドゥームロック2022年
Solitude Productionsがリリースする盤をひたすらゲットしていた時代に出会ったバンド。現在はドゥームストーナー専門レーベルに移籍。
初期作品からマメにゲットしていたが、水準以上のクオリティがあるワリにはあまり聴き続けなかったバンドでもある。
Between Two Deserts(2012年)は歌唱に若干クセのあるストーナー寄りドゥーム作品で、楽曲も固有のウネリがあり面白い作品だった。
今にして思えば、どうしてあまり聴かなくなったのか・・・きっとこの独特なヴォーカルが若干合わなかったのかも。
もはやドゥームストーナー路線は星の数ほどのバンドが犇めいている状況なので、敢えてチョイスするバンドというのも限られてくるワケで
短期間楽しんだらお蔵入りになるんですよねぇ。長く聴き続けるバンドはむしろ癖の無いオ
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OMEN-Hammer Damage ★★★ (2020-07-03 23:34:28)
米産パワーメタル2016年作
1983年結成から大きく音楽性を変えることなく、長く活動するバンドの渾身の作品だ。
B級愛を感じないと聴けない作品を連発していたバンドだが、再結成作品Eternal Black Dawn(2003年作)発表の時には狂喜したものだ。
当時の自分の書き込みを見るととても懐かしい。あれからもう17年経つのか。その後もOmen作品はゲットしており、この2016年作品も愛聴盤だ。
創始者Kenny Powellの息子が一時ギタリストとして参加したりしてたが、クレジットに名前はない。親子でバンド活動すればいいのにね。
このバンドの音楽性は、ファイティングなウォーメタル路線でありながら、音圧やスピードに偏ることなく、常に古典的手法で聴かせるところが魅力だ。
80年代~90年代あたりでは、同路線バンドに比べてパワー不足、際立った派手さの無
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ONI-Ironshore ★★★ (2020-12-30 00:12:42)
カナダ産プログレッシヴ・パワーメタル2016年作
丁寧に加工し尽された感のあるMetalBlade作品はオリジナリティを削いでいると感じることが多く、近年敬遠しがちだが、和メタルネタバンドは
買わないワケにはいかないのでゲット。が、鬼の像が海岸に座するジャケから、和を感じさせるメタルをイメージしてしまうワリに、サウンドに殆ど和要素は無い。
また、鬼というバンド名らしいパワーは感じるが、日本人の「鬼」に対するイメージとは対極にある、どちらかというと近代的でスタイリッシュなサウンドだ。
日本で有名なのかわからないが、海外サイトを見る限り結構微妙な評価なようだ。しかし楽曲の作り込みと相当高い演奏技術はもっと評価されていい、と思う。
安定感が心地よいリズム隊、超絶技巧をひけらかすベース、複雑怪奇なリズムを刻むギター&シンセ、ハイヴォルテージなヴォーカルが目がぐるしく
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OPHIS-Withered Shades ★★ (2020-07-08 01:05:29)
ドイツ産デスドゥーム2010年作
迫力のあるデスヴォイス、芯のあるヘヴィなドラム、適度なヘヴィさで音質も素晴らしいギター、ドゥーミーな丁度良いテンポ。
そういうデスドゥーム路線ど真ん中作品であり、クオリティも高い。海外のショップでもドゥーム路線のページではワリとよく見かけるので
きっと評価も高いバンドなのだろう。そういうワケで、この作品以降の作品も一応チェックはしているものの、どうもボクのツボにハマらない。
The Dismal Circle(2017年作)が最新だと思うが、この2010年作品よりも更に凄みを増して鬼気迫る作品に仕上がっている。
きっとこの行き届いた録音状態で、凄みがウリのオーソドックスデスドゥームは、多くのドゥーマーを納得させるインパクトがあるのだろう。
そういう音を求めるリスナーにとってはきっと神盤になるだろう。ただ、ボクにはちょっ
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ORODRUIN-Ruins of Eternity ★★★ (2020-06-07 18:54:28)
米産ドゥームロック2019年作
ぬるーいオルガンを取り入れた作風がツボにハマった個人的神盤Epicurean Mass(2003年作)からもはや16年。時が経つのは早いな。
この作品がリリースされたのを知った昨年末、どれだけワクワクしたことか。当然、あのぬるーいオルガンに静かなるイーヴルなギターが乗る
独創的なサウンドを期待したのだが・・・なんとオルガンが無くなっていた。購入当初は「えー、なんでなん?」と声を出して嘆いた。
が、しかし、オルガンという甘っちょろい道具に頼らず、真っ向勝負するその音楽性に惚れてしまった。
ドゥームというジャンルにありながら真性なスロードゥームではなく、ロックテイストという個性を出しにくい難しい立ち位置にありながら
過度なサイケデリック路線に走ることなく、ギターの重量に頼ることなく、前衛路線に走ることなく、ドゥームロックど真
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ORPHANED LAND-All Is One ★★★ (2020-05-18 20:58:17)
イスラエル産プログレッシヴ・フォークメタル2013年作
コレがリリースされる頃は、既に国民的バンドになりつつあり、また、宗教色の強いコンセプトから、アラブ諸国でコレを聴くことを許すかどうか云々の話題や
ノーベル賞受賞の嘆願書をネットで募ったりといった、もはや社会を動かしうる存在になるほどビッグなバンドになっている。それがスゴイ。
この作品頃から、ナマ音のシンフォニーを取り入れたり、音楽性がより壮大になった反面、デスヴォイスが大幅に減少、プログレ要素が減少し楽曲がシンプルに。
また、このバンド全作と比較しても、ややダークな雰囲気が強く感じられる作風だ。メタル要素もやや弱くなり、単にエスニックサウンドを聴く感覚に近いものになった。
コレを良しとすれば、きっと素晴らしい作品と思える筈。ボクはどちらかというと、音響的なクオリティよりも、この作品のメッセージ性や社会へ
…続き
ORPHANED LAND-The Never Ending Way of ORwarriOR ★★★ (2020-05-18 20:37:18)
イスラエル産プログレッシヴ・フォークメタル2010年作
ココのサイトにこのバンドを追加登録した時は、無名バンドで、初期作が手に入りにくかったというのに、想像を絶する勢いでビッグになったなぁと思う。
ボクは2nd、1st、3rdの順でゲットして、初期2作品を聴いた頃は、異国情緒のあるゴシックメタルくらいにしか思っておらず、1stなんて殆ど聴かなかった。
当然、出世作の3rd「mabool」が一番好きですが、続くこの盤は、プログレッシヴ要素をより前面に出した、Orphaned Landの作品群の中でも
最もアグレッシブな内容だなと思っている。これ以降、デスヴォイスをはじめ、メタル要素が徐々に減っていくので、メタル作品としてはここまでが
聴き応えある内容じゃないかなと思っている。
ORPHANED LAND-Unsung Prophets & Dead Messiahs ★★ (2020-05-18 21:14:58)
イスラエル産シンフォニック・フォークメタル2018年作
とりあえず作品がリリースされれば、お勤めのようにCDをゲットしており、前作あたりから路線がヤバいなと思いつつもワリと聴いた作品。
とはいえ、前作の脱メタル志向は更に進んだ印象で、ギターよりもリュート(サズとブズーキ)がより前面に出ている印象。
ギターはリュートとシンフォニーにかき消されがちで、エスニックな感じが前面に出て、メタルサウンドとしてはもはや楽しめない内容、と感じている。
そもそも、前作でもそうだったが、今作でもギタリストがチェンジしていることは、ワリと音楽性に大きく影響しているんじゃないかと思わせる。
また、前作で若干ダークサイドに移行したイメージがあったが、この作品は逆に毒気が失われて、綺麗なサウンドというイメージだ。
メッセージ性の強いバンドなので、このメッセージの内容が判れば、この
…続き
ORPHANED LAND-Unsung Prophets & Dead Messiahs ★★ (2023-10-29 19:07:27)
一応購入当時に「前作あたりから路線がヤバい」とほのめかしつつレビューしてるんだなw
ジャケットにはプロビデンスの目、それをぶん殴るかのような拳が描かれ、銃社会批判を思わせるイラスト。
ノーベル平和賞にどうだろう、みたいな声も上がったという、初期のポンコツバンドから一気に国民的バンドに
成長した感のあるバンドだ。
戦地出身ミュージシャンが民放放送で紹介されたり、今年行ったウクライナピアニストのコンサートなどで思うのは、
ミュージシャンの本意とは裏腹に「ウクライナ可哀そうプロパガンダ」に利用されているなぁ。。。ということ。
イスラエルも戦争が始まったので、一応この盤を引っ張り出して、この盤が何なのかはちょっと調べておこうかなと。
まあ、購入当時ジャケを見た瞬間に、一歩引いてしまうところがあったのは、冒頭に書いたプロビデンスの目が要因にあるが
そ
…続き
ORPHANED LAND-Unsung Prophets & Dead Messiahs-All Knowing Eye ★ (2023-10-29 19:32:40)
人間の無知や偽善を批判する内容のメッセージが込められる曲だが
曲のタイトルから、いいようにも悪いようにも解釈できてしまう曲。
ORPHANED LAND-Unsung Prophets & Dead Messiahs-The Cave ★★ (2023-10-29 19:24:31)
プラトンの『国家』第7巻にある洞窟を比喩的に引用していると思われる。
実際に起こっている事象は、洞窟のような閉じた空間では実体を誤認してしまう的な感じ。
それで、後の曲のIn Propagandaあたりに関連してくるんだろう。
今の情勢では、まあ、この曲で描かれるメッセージは妥当なんだろう。
『国家』では哲学者の統治者と、イデア論(神の存在)を提唱しているから、まあ
男性が国の教義を生涯勉強し、女性が労働するイスラエルの超正統派の社会性にビンゴという感想を持つが
敢えて西洋哲学者を持ち出すところは、なんだか違和感を感じるところがあるな。
ORPHANED LAND-Unsung Prophets & Dead Messiahs-The Manifest – Epilogue ★ (2023-10-29 19:45:36)
ユダヤ教の教えからピルケーアボート「先祖たちの言葉」に絡めて
朗読調のメッセージが込められる曲。
ザックリ言えば、与えられた仕事に真剣に取り組み、神に感謝せよ。
ということなんだろう。
グローバルな国民的バンドに成長した彼らのメッセージはこういう内容。
次のアルバムで何のメッセージを込めてくるのか、興味があるね。
ただここまでイデオロギー的にも政治的にも濃い内容だと、純粋にエンタメとして楽しめないな。
OSSUARIUM-Living Tomb ★★★ (2020-05-26 00:53:02)
米国産オールドスクールデスメタル2019年作
水に浸かった石造りの墓所のような廃墟のジャケ、裏ジャケは墓地に立つバンドメンバーのモノクロ写真。
「Living Tomb」というアルバムタイトルなどから、オールドスクールデスど真ん中の予感がしてゲットした作品。
適度にドゥーミーなテンポで、ブラスト等スピードや勢いに頼ることなく、湿気と霧を感じさせる雰囲気が素晴らしい。
ギターは血糊を思わせるザックリ感のあるリフを刻み、アヤシげな気持ち悪いギターソロを奏でる。
特にズトボコなドラムがいかにも80~90年代のB級デスメタルテイストで、とても良い仕事をしている。
ジメジメ、ドロドロ感がやたらツボにハマり、オールドファン納得の味わいが楽しめる、オールドスクール王道デスメタルだ!
この時代にこういう音を追求するバンドに出会えることは滅多になく、運よくジャケ買
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OXXO XOOX-Ÿ ★★ (2020-08-19 22:18:47)
フランス産ドゥーム寄りアヴァンロック2019年作
南米のコンビニOXXOのようなバンド名が笑えるが、このバンドはフランスのアヴァンギャルドメタルユニットだ。
全体的にドゥーム寄りな気がするだけで、結構スピーディーに展開する楽曲も多い。男声デスヴォイスと女声コーラス
次々に展開する先の読めない複雑怪奇な楽曲、不穏なギターチョーキング、禍々しいツーバス、重々しいシンセ
重低音なドゥーミーなギター、アコギパート、インダストリアルなどなど・・
多くの要素を盛り込み、全体的にドラマチックな作品を創り上げている。
アヴァンギャルドなメタルが得意なリスナーはマストな作品かも知れない。ボクもアヴァンロックは好きなんだが・・
いかんせんこんなに目まぐるしいサウンドだと疲れる。ただ、結構硬派なメタルサウンドでここまでアヴァンギャルドな作風は案外珍しいと思う。
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OZZY OSBOURNE-Ordinary Man ★★ (2021-01-06 22:50:13)
UK産ポップロック2020年作
ミスマッチなメンバーから、購入意欲が沸かず、購入を後回しにしてたら発売から1年が経ってしまった。ただ、殆ど期待していなかったワリに
予想を超える完成度で、Ozzyという人は何をやってもスゴイ人だなぁと感じてしまう。新ギタリストのAndrew Wattがナニモノなのかさっぱりわからないが
少なくともDuff McKaganが参加し、ゲストにSlashも名を連ねているのだから、Black Sabbathのような英国情緒やホラー風味は全く無い。
妙にアメリカナイズされたサウンド、LAメタルを思わせる作風も登場し、コレは違うだろ・・と思わないでもない。しかしながら、HR/HMにハマり始めた初心者時代
若く感受性が多感な時代に出会ったビッグネームのコラボは◎。ワリと教科書通りな産業音楽的な曲構成、演奏が放つ華やかさに、80年代のノスタル
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Opus Eclypse-The Forest ★★★ (2020-11-15 12:38:32)
スペイン産フォークメタル2018年作
針葉樹林をバックに鹿と頭蓋骨を供えた祭壇が描かれるジャケ、ストレートなアルバムタイトルから、北欧の森林崇拝愛が濃厚に感じられる。
内容は5曲入りでトータル20分にも満たない作品。2000円超支払ったので内容量に物足りなさを感じないでもないが、森フェチの魅力が詰まっているので妥当な対価か。
メタルとは畑違いのゴシック系トラッドバンドTrobar de Morteはスペインの森林崇拝フェチご用達サウンドだが、そのメンバーによるサイドプロジェクトがコレだ。
メンバーのDaimonielがギター&ベースを全て担当しており、クラシックフォークギターとメタリックなギターを融合した、本家路線とは異なるメタル寄りな音楽性だ。
ブラックやドゥーム的様式とは異なるフォークメタル。結構粗削りな演奏だが、イマイチピリッとしない演奏力を雰囲気で充
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PAGAN ALTAR-The Room of Shadows ★★★ (2020-06-22 00:24:13)
英国産ヴィンテージロック2017年産
若干ローファイ録音で70年代NWOBHM的空気を醸し出す、渋み満点のサウンドだ。
適度に歪んだ、高音をやや強調したエフェクトを施したギターの、やたら玄人っぽい演奏が魅力的だ。
ヴォーカルは、カントリーサウンドによくある、酒をあおって歌っているかのようなオヤジヴォイスで味わい深い。
80年代初頭から長く活躍するバンドだけあって、貫禄がある。昔は友人が「オジー似のヴォーカル」と言ってよく聴いていたが
まあ、オジーほどの魔力こそ無いが、そう言われれば似てなくもない。このヴォーカルの魅力はその声質そのものにある。
Witchcraftは音楽性が非常に近い。Witchcraftがもう少し年齢を重ねると、Pagan Altarにそっくりになると思う。
というか、Witchcraftが混迷してきていると感じている今、ボクと
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PAGAN REIGN-Ancient Fortress ★★★ (2020-09-26 02:06:09)
ロシア産ペイガンメタル2006年作
ロシア語表記の盤と、英語表記の盤の2種類があり、我が家にあるのは後者。ホントはロシア語表記の盤が欲しかったが・・・。
ちなみにロシア語のタイトルはТвердьだ。単語数からして違うので、意訳しているのだろうと思う。
とりあえず彼らはボクにとってペイガンメタルゴッド的存在。全作品必聴盤だ。彼らほどアツいペイガンメタルはなかなか聴けない。
Уделы Былой Веры(2004年)はクサめの旋律と激しさに、土着的な民族情緒をスパイスした作風に相当ハマったが、この作品は
前作の路線延長上ではあるが、Pagan Reignの数ある作品中、最も豪胆で突き抜けた激しさがある。もはやヤケクソに近い激しさに圧倒される。
フルートやマンドリン、ロシア民族楽器SopilikaやDomraを前作以上に大々的に取り入れているところが大き
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PAGAN REIGN-Art of the Time ★★★ (2020-10-19 20:52:13)
ロシア産ペイガンメタル2019年作
前作から1年足らずで発表された新作でありながら、とても作り込まれたハイクオリティな作品。
もはやこのバンドの右に出るペイガンメタルは、当分の間巡り合えないだろうと覚悟したくらい、とてもボクのツボにストライクなペイガンメタルだ。
前作同様に非メタル的なアカデミックなジャケだが、中身は相当濃いメタルサウンドだ。前作の延長線上にある音楽性ではあるが、前作の落ち着いた作風に加え
再び激しさが増した印象、また、ロシア民族楽器のメタルサウンドへの融合度合いが相当高くなり、ギターと同じくらいの存在感がある。この民族楽器とギターの
コラボレーションに全く違和感が無く、ハイボルテージな緊張を作り出しているところがスゴイ。ギターのトレモロリフと同等の存在感で、アタックの強い高音域の
民族楽器のトレモロリフが登場する。民族情緒にとどまって
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PAGAN REIGN-Once Again ★★★ (2020-10-13 21:21:16)
ロシア産ペイガンメタル2018年作
ボクにとってペイガンメタルレジェンドな存在のこのバンドのまさかの12年ぶり作品。気付いてゲットしたのは1年後くらいだったが狂喜した。
民族楽器の弦部分のアップに、木の削り屑という、アカデミックな民族楽器作品のようなジャケの雰囲気。過去作品から雰囲気がガラリと変化。
前作Твердь(2006年)が、凄まじいグルーヴと突き抜けた激しさが特徴的な、常に戦闘態勢にある豪胆且つ攻撃的な作品だったが
この作品は、激しさはそのままに、安定感抜群の、落ち着いた、品格を感じさせる作風になり、非常に完成度の高いサウンドとなっている。
相変わらずクサめな旋律を大胆に使用し、全く違和感なく民族楽器の響きをメタルサウンドに融合させているところが素晴らしい。
その上、起伏に富んだ楽曲のクオリティも非常に高い。もうこのジャンルでは右にでるバンド
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PALE DIVINE-Consequence of Time ★★★ (2020-08-22 22:21:59)
米産ヴィンテージドゥーム2020年作
昔から70年代ヴィンテージドゥームロックを意識し、結構渋味あるオールドファン向けの古典ロックを追求している感のある彼ら。
ツインギターヴォーカルというスタイルで、一方はメインヴォーカルでたまにハモるという感じなんだが、昔はそのヴォーカル部分が
若干弱いな、と感じていた。また、結構作品をコンスタントにリリースしているが、ヴィンテージ臭ある古典的な作風の魅力に反して
ギターの音自体は、盤ごとに試行錯誤が見えた。Painted Windows Black(2012年作)あたりではヘヴィなギターが若干煩わしさを
感じさせて、勿体ないなあと思っていた。ただ、自身のバンド名をタイトルにした次作Pale Divine(2018年作)でギターが若干改善。
とはいえ、ボクとしてはもう一押し欲しいと思わせる盤だった。曲も演奏も完璧なん
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PARADISE LOST-The Plague Within ★★ (2020-05-05 21:58:31)
UK産ゴシック2015年作
前作で初期作品への原点回帰を垣間見せた感じだが、この作品では更にその志向が強まり、濃さが増している。
どーしても初期作品と比較してしまうので、作品としては及第点評価になってしまうが、少なくともギターのネットリ感は相当クオリティ高い。
どうして歌ってしまうかなぁ・・・と相変わらずコレジャナイ感を胸に秘めつつ聴いている。
また、ギターや歌のハーモニーを意図的に聴かせるような感じもいらないんだよなぁ・・もっと無骨でいいのに。
ただ、徐々に初期の真性さを取り戻しつつあるのは確かだ。
PARADISE LOST-Tragic Idol ★★ (2020-05-05 21:48:45)
UK産ゴシック2012年作
初期作品で衝撃を受けたボクとしては、初期2作品が神盤、3作目は佳作、それ以降は全く受け付けないサウンドで
長年コレジャナイ感を胸に秘めつつも、一応はチェックし続けている。
デスメタル黎明期に多くのバンドがスピードや音数によるアグレッシブ志向になる一方で、ドゥーミーな重さで登場した処女作は異端だった。
まだゴシックメタルというジャンルが確立されておらず、デスメタルの枠組で登場した2作目Gothicは、当時はこれほど頭痛を引き起こす程のデスヴォイスは希少で
かつ、女声を取り入れたサウンドというのも珍しく、ローファイ志向ながら神々しい耽美さが宿る世界観に圧倒され、これ以降、ゴシックメタル作品を漁るきっかけになった。
少なくとも初期作品のショックをタイムリーに体験していると、それ以降の、ヴォーカルがクリーンに歌うような作品はコレジャ
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PARADISE LOST-Tragic Illusion 25 ★★★ (2020-06-07 20:33:57)
英国産ゴシックメタル2013年作
Paradise Lostの25周年企画盤で、新曲やカヴァー、オーケストラMIXヴァージョン、過去作の録り直し作品が収録されている。
初期の無骨な音を好むボクとしては、近年の綺麗なParadise Lostのサウンドはイマイチなんですが、そうは言っても
この盤に収録されている初期2作品の看板曲「Gothic2013」「Our Saviour2013」は、改めて当時の作風が凄かったことを
思い知らされる素晴らしさがある。また、Silent In Heartは、IN REQUIEM (2007年作)の録音より、この盤のように
ディレイを深く咬ませた録音の方が断然カッコいい。たぶんボクがこの盤を気に入っている理由は、エフェクトのかけ方が
Gothic(1991年作)に非常に近いからだろうと思う。
PATH(Путь)-Песни смерти ★★★ (2021-01-13 11:32:59)
ロシア産ブラック2018年作
アルバムタイトルの英訳はたぶんSongs Of Death、日本語訳は「死の歌」だろう。
この作品を知ってから約1年くらい経ったと思うが、価格が下がるのを待ち続けるも、新作EPがリリースされてしまったので、手に入らなくなる前に高額でもゲット。
送料込みで88ユーロ、CD1枚に1万円以上散財したのは久しぶりだ。デジタル作品だと安価なんだけどやっぱり味気ないので、CDで手元に置いておきたい。
ネット情報でいろいろ調べると、世間評は抜群にいいという程ではなさそうだが、結構な高評価。サウンドクオリティもさることながら、ジャケデザインの素晴らしさ
が10年に1枚レベルのハイクオリティだ。針葉樹に雪が降り積もる雪山、1軒の簡素な家、木柵に頭蓋骨が2個、ローブを纏った骸骨がアコーディオンを奏でている。
そんな寒々とした雰囲気漂う地で、ア
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PATH(Путь)-Песни смерти-Культ 1: Огни далёких холмов ★★★ (2021-01-13 12:05:55)
ギターピッキングのアタック音を故意に際立たせた感のあるアコギと、音割れ寸前まで際立たせたアコーディオンから始まるナンバー。
その禍々しさを保ちながら、疾走感溢れるブラックメタルに突入する感じが素晴らしい。非常に完成度の高い楽曲だ。
耳に障るキツめの中・高音部が禁忌に触れた感覚を呼び起こす。恐らくこの曲と次の曲は、ナンバリングされている曲名から、組曲として解釈して良さそうだ。
次の曲への伏線というよりは、この楽曲自体の完成度が高いと思う。
PATH(Путь)-Под крылом смерти ★★★ (2021-03-16 01:17:34)
ロシア産ブラックメタル2016年作
恐らく処女作品、このバンドが持つ大きな魅力であるアコーディオン導入は、この盤時点では無い上、インストである。
若干ドラムが前面に出過ぎている感は否めないが、絶妙な歪みを持つギターはこの盤でも体験することができる。
次作以降の素晴らしい盤を世に出す下地は、ギターエフェクトと荒廃的な音響という点で、ある程度この盤から感じられる。
ヴォーカルとアコーディオン入りの次作以降に慣れているため、若干未完成な印象はあるものの、ギタリストの音作りへのコダワリが感じられる好盤だ。
PATH(Путь)-Юдоль скорби ★★★ (2021-02-19 15:57:41)
ロシア産シンフォニックブラック2020年作
5曲入りEP、フルレングスアルバムではないから少々物足りなさはあるが、素晴らしい作品だ。
前作Песни смерти (2018年)は、オーソドックスなシンフォニックブラックスタイルが基本でありながら、アコーディオンが登場した途端に
独自の世界に一変する作風がかなりツボにハマった。楽曲が若干弱いかなと感じつつも、唯一無二の独創性と寒冷地の叙情と危険臭に魅入られた。
今作は荒涼とした草原と馬車、遠くの夕焼け、上空の闇夜にカラスが飛び交うジャケが素晴らしく、荒廃的で死臭が漂う感じがこの音楽性にジャストフィットだ。
前作同様にアコーディオンが大胆に導入されている。絶妙な歪みのギターとアコーディオンのハーモニーが、荒涼とした大地と田舎臭さを醸し出し
更に、ブラックスタイルにとどまらないアコースティックギターが絡むと
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PATH(Путь)-Юдоль скорби-Семигласие смерти ★★★ (2021-02-19 22:46:04)
トレモロリフによるシンフォニックブラックでありながら、濃厚にドゥーミーなリフ、アコーディオンがアヤしく絡む様が素晴らしい。
カラスが飛び交うジャケ絵の世界観そのままに、瘴気に満ちた死臭が漂うサウンドに圧倒される。
8分超えの大作で、アルバム中この曲が特に素晴らしい。負のオーラがありながら叙情性に富み、とてもドラマチックだ。
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