確かに、単にダークなだけでない、不協的かつ有機的に蠢くようなメロディは、明らかにプログレ/アヴァンギャルド/テクニカルな方面に行ってからのDSOの影響下にありそうですね。しかしそれが乗るリズムが、手数は多いものの音量の小さい、音に融けるようなドラミングのため、更に有機的な気持ち悪さが強調されている感じ。テクニカルな面の追及をしない代わり、不気味さに特化したDSOという雰囲気で、常軌を逸したムードはBLUT AUS NORDっぽくもあるかも。
と言っても完全にDSOやBLUT AUS NORD的というわけでもなく…怒りに任せたがなり、泣きながら何かを懇願するような呻き、邪悪な意志を説くようなクリーンなど、感情の流れに従って狂気的なパフォーマンスをするようなヴォーカルが、数億匹の蚯蚓が壁面になったような、赤黒く蠢くバンドサウンドの前に出てパフォーマンスをする音像は、個人的には前作の感性を引き継いでるように思うんですよね。前作はアンビエント+語りというスタイルでしたが、何かをヴォーカルが訴えかけてくるスタイルが似てる。