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From the Chasm of Oblivion (Usher-to-the-ETHER)


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From the Chasm of Oblivion

2012年発表の2nd。
何気のこのアルバム、個人的には名盤かもしれません…。

タイプとしては、トレモロリフを多用し、邪悪メロウなメロディを武器に緩急付けてドラマティックに聴かせるメロディックブラック。耳を傷めるようなノイジーさではなく、かといってモダンに洗練されすぎている訳でもない、適度にアナログ感や湿り気を残した音作りが絶妙。フレーズをしっかり聴かせつつ、音が塊になって聞こえるような迫力もある音で、このプロダクションがトレモロに澱むような深みを与えているように思えます。

このバンド、出身国はドイツなんですが、楽曲が纏う空気は老舗の北欧ブラックっぽいんですよね…。例えば1曲目の1分くらいのパートを始め、アルバム内でも散見される土着的な叙情性と邪悪さをメロディを塗したスラッシーなパートは、TAAKEやCARPATHIAN FORESTなどのスラッシュを通過した「True Norwegian Black Metal」のバンドと通じるものがあるし、テンポを落としたメロウなパートの、邪悪な中に甘美さ・優美さがある雰囲気は近年のWATAINに通じるものがあると思う。

それらのバンドと比べるともう少しオーソドックスなスタイルのメロブラで、それらバンドにはない陰湿な湿り気を含んだメロウさも感じられる辺り、大御所のスタイルを踏襲したに留まらないクリエイティブさがあるように思います。個人的には、楽曲の良さはそれら有名バンドに肉薄するものがあるように感じます。なにより、音作りやメロディのセンスがツボに嵌まるのか、聴いてて本当に心地良い音なんですよね…。

とは言っても、TAAKEやWATAINのような雑誌の表紙を飾ったり来日したりするバンドのようなメジャー感があるかといえば微妙で、正直まだマイナー臭が抜けきらないといえば抜けきらない音なんですが…私としてはそこも含めて好きな音だったりします。ちょっと渋めのメロブラ好きは是非。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-03-27 21:46:08)