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INITIATION

ドイツのアンビエント・ブラックメタル、過去の音源を集めて限定500で発売したものだそうで。
チェコにも同名のバンドがいるそうですが、こっちは暗黒以外の何者でもないダーク・アンビエント。
音響的な効果で空間の広がりを演出するアンビエントな作風はDarkspaceを彷彿とさせるものありますね。
あちらはまだメロディらしいメロディやバンドサウンドや曲の輪郭はありますが、これには皆無といっていいほど見当たらない。
なんか精神世界の暗いどん底を彷徨ってる感じで、そういった意味ではBurzum / Filosofemの⑤に通じるものがあります。
あれを80分弱ギリギリまで詰め込んで、魂や精神が別世界とか宇宙を浮遊してるようなアルバムかと。
決してとっつきやすいわけではないけど、個人的にこういったアンビエントな作風は嫌いじゃないし、
むしろ宇宙や星空を連想させるといったような空間的な演出を用いる音楽というのは割りと好みなので結構楽しめました。
流石に万人向けではないけど、Darkspace一連の作品のSEとかに惹かれる人はいかがだろうか。

norizi ★★ (2009-01-16 16:52:00)


INITIATION

2000-2003年発表のデモの2008年再発盤。500枚限定。
…なんかデジパックの紙質、かなり汚れが付きやすそうなんですけど(笑)。

バンドサウンドは用いず、SEや音響効果を駆使して抽象的な風景を描いていくアンビエントスタイルで、目を強く瞑った時に瞼の裏に見える光の明滅をそのまま音にしたかのような神秘的な音。宇宙的な感覚もありますが、DARKSPACEが大気圏外に出ることで外宇宙にアプローチした音なら、こっちは瞑想で内宇宙に降りていっている感じ。LUNAR AURORAの近作同様、どこか人間の根源的な畏怖の感情を刺激するような情景が浮かぶんですが…Aranはグラフィックデザインの会社も立ち上げているらしいし、だからこそこういう抽象的な情景を巧みに描けるのかもしれませんね。

最初、風のような音がひたすら続いた時は「これ、とんでもなくつまらないアルバムなのでは…」と危惧しましたが、聴き進めるうちに自然音がスピリチュアルな光景に移り変わっていくのを聴いて、「ああ、やっぱり流石Aranだなぁ…」と感心。前述の風の音ももう一回イヤフォンで聴いたら音響処理が面白くて良かったですし。ただ、バンドサウンドもなく、メロディもほぼ排されている作風が約80分続く音はややカルトなので、このジャンル(ブラック寄りのアンビエント)をある程度聴いていて、尚且つ好きな人にのみお勧め。音楽を聴きたいときよりも、瞑想したいときに適した音だと思いますし。

…これ、手書きナンバーが入ってますが、これってもしかしてAranの直筆なんでしょうか…。だったらかなり嬉しいんですが(笑)

Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-01-12 08:40:00)