TYRAN' PACEの名を一躍マニアの間に知らしめた出世作ながら、ラルフ・シーパース(Vo)は後に振り返って「あらゆる点で未熟な作品」と辛口ジャッジを下している'85年発表の2ndアルバム。 まぁ確かにトミー・ニュートンと組んだことでグッと洗練された3rd『WATCHING YOU』に比べたら多少イモ臭い感は否めません。しかしその分、JUDAS PRIEST直系の正統派HMをドイツ人らしい質実剛健さでもって調理したサウンドは、HELLOWEENブレイク前の独産パワー・メタルの無骨で実直な魅力が成分無調整状態でパッケージング。 既に実力の片鱗を伺わせるラルフのロブ・ハルフォード型ハイトーンVoを乗せ、シャープに刻まれるGリフとスピーディなリズム、それに勇壮なドラマとフックを構築するツインGとがパワフルに駆け抜けて行く①②⑤⑧⑨や、ミドル・テンポの“STAND UP AND SHOUT”風④といった、表題『メタルよ永遠なれ』を地で行く収録楽曲の波状攻撃で畳み掛ける本編は、次作よりも遥かにメタル魂を揺さぶられまくり。あとドイツ出身で英語が不得手ゆえ、簡易にまとめられたサビメロも、覚え易くキャッチー・・・というか一緒に歌いたくなるシンプルさで、この手のサウンドにはプラスの好結果に繋がっていると言えなくもないような? お得な国内盤は廃盤になって久しいですが、今でも中古屋じゃ格安価格で購入が可能という、メタラーのお財布にも非常に優しい1枚です。