隠れた名盤、2ndの「FOR THE SAKE OF MANKIND」と比較するとまだ荒削りな点が見受けられますが、彼らの魅力である“疾走しなくてもパワフルでドラマティック"という点では遜色無い出来栄えだと思います。 楽曲の粒が揃っていることもそうですが、このバンドの魅力は何と言ってもエリック・ホークの正にHM然としたVoでしょう!声量、表現力とも群を抜いた実力の持ち主だと思います。系統としてはブルース・ディッキンソン、ロニー・J・ディオ、カール・アルバートあたりと肩を並べるボーカリストだと個人的には思ってます。 10数年前の作品なのですが、昨年Metal Bladeから93年のLiveCDとの2枚組で再発されました(2ndも一緒に)。それと再結成して昨年のWacken Open Airにも出演したはずなのに、とんと噂を聞きません。新作でないのかなぁ…。
近年は、イルーク・ホークソン名義でユーロビジョンに参加したりと、ソロ・シンガーとしての活動が目立つ(?)名シンガーエリック・ホークや、現在はWIG WAMで活躍中のフラッシュ(ブレント・ジャンセン)らを擁し、'82年にノルウェーはサルプスボルにおいて結成された5人組HMバンドARTCHが、'89年にリリースするや、METAL HAMMER誌において100点、KERRANG誌において5K(満点)という、新人バンド離れした高評価を獲得したことで知られる傑作デビュー・アルバム。 IRON MAIDENやMETAL CHURCHといったバンドを彷彿とさせる、ドラマティックなパワー・メタル・サウンドが詰め込まれた2nd『FOR THE SAKE OF MANKIND』が日本でも高く評価された彼らだが、本作にはあれ程のスケールの大きさや徹底した重厚感はなく、それよりももっと、普遍的な様式美HM路線寄りの仕上がり。(人によっては「2ndよりも聴き易い」と感じるかも) 実力派シンガー・エリックの、声域/声量/表現力と三拍子揃った、類稀なる歌唱をフィーチュアしたストロングな楽曲の質の高さはこの時点で既に半端なく、取り分け、ミドル~ミドル・ハイ・テンポの楽曲のカッコ良さは鳥肌モノ。 北欧らしい繊細さと、悲哀に満ちたメロディが堪能できる絶品のバラード⑤や、畳み掛けるように疾走する、劇的なスピード・ナンバー⑩のような名曲も収録されてはいるものの、やはりこのバンドならでは個性が強く表れているのは、ファンファーレに導かれて幕を開ける、ヴァイキング・メタル風味も飲み込んだ②、イントロのGリフを聴いただけで名曲!と確信できる④、本編屈指のカッコ良さを誇る⑥、地響き立てて進撃する重戦車の如き⑦といった、雄々しくうねるヘヴィ・ナンバーの数々。 全パワー・メタル・ファン即買いの1枚ながら、容易に入手可能な2ndに比べ、余り中古屋で見かけない1枚。世界的に廃盤なのだろうか?
私が持っているフランスActive Record盤は、ジャケットにタイトルが「Another Return」と記載されています。 最近知ったのですが、米METAL BLADE盤のジャケットにはタイトルが「Another Return To Church Hill」と記載されているそうです。 アルバムタイトルはどちらが正解なのでしょうか?ご存じの方いらっしゃいませんか?
気になって自分のCDを引っ張り出して見てみましたら、タイトルは確かに『ANOTHER RETURN TO CHURCH OF HILL』と表記されていました。 '88年リリース時のオリジナル盤のタイトルは『ANOTHER RETURN』なので、推測するに、'89年にMETAL BRALDEから米盤がリリースされる際、 「英語が母国語のアメリカ人にもインパクトを残すためにも、もっと(音楽性に合わせて)メタルっぽい仰々しい感じのタイトルにしよう」 ってなノリで、曲名とジャケットをヒントにして改題されたのではないでしょうか? 特に根拠もないお話で恐縮ですが。
火薬バカ一代 様 書き込みありがとうございます。 METAL BLADE盤は後からリリースされたのですね。そうであれば理解できます。 ただもうひとつ謎が残っていまして、CDはタイトルが2とおり存在するのに、アナログ盤は「Another Return To Church Hill」しか存在しないようなのです。 「Another Return」が最初にリリースされ、以後はすべて改題されたということであればすっきりするのですが。