すごくディープな音世界。90年代の幕開けに登場するべくして登場したアルバム。エモーショナルでありながら、上の方が上げられている ドアーズのジム・モリスンや、後にデビューするエディ・ヴェダーを彷彿させるような「肉体的」「プリミティヴ」で「深い」ボーカル。 バンドのサウンドもそんな感じで、音としては分厚くハードロックリスナーにも受け入れやすい音ではあるけど、 「90年代」らしいというか、プリミティヴさやうねり、グルーヴが強調されている。「WE CRY OUT」のグルーヴにはただただ酔えるし、 「THE LOSER」は後にリリースされる「SMELLS LIKE A TEEN SPIRIT」と音像がカブる。好盤です。
米国産ハードロック1990年作 甘く青臭い若さ溢れ、かつエネルギッシュなヴォーカル、時にサイドヴォーカルとのハモリが素晴らしい。 英語だから何を言ってるかわからないが、ややパンク寄りのメッセージ性の強い歌い方をするスタイル。 音圧を抑え絶妙な残響音で聴かせ、ストリートを感じさせる雰囲気が漂う。この時代の主流から外れた音楽性に魅力がある。 ボクは次作Drugs, God and the New Republic(1991年)がWarrior Soul初体験で、この次作こそがこのバンドの 最高傑作だったと未だに感じている上、30年経った今でも手の届く範囲内の棚に常備しているくらいお気に入りだ。 処女作であるコレは、次作でロック史に残る(とボクは思っているが・・)神盤を世に出す下地・予兆が感じられる名盤だ。 このバンドが何故日本でそんなにヒットしなかったのかは不可解だが、現在も活動している老舗バンドだけあって 大きな魅力を備えているのは確かだ。一応毎回チェックはしているが、初期3作品を超えるインパクトを感じる盤は無い。 ちなみにSalutations From The Ghetto Nation(1992年)は、2ndの勢いやストリートを感じさせる要素が薄れているが 一本調子な感じから、中身で聴かせようとする作風にチェンジ、2ndの魅力を代償に新たな路線にシフト。この良さが判るのにボクは時間を要した。 4th以降はこの初期3作品各々にある魅力をミックスした作品を作り続けるが、ボクの感性は、初期にあった突出した魅力がやや薄れたと感じさせる。 Destroy The War Machine(2008年)で、初期のエネルギッシュな感じが蘇ったかとも思ったが、やはり初期作品には敵わない。 近作は楽曲は円熟し、音も年季を感じさせ、それなりの魅力はあるものの、初期に凄すぎる作品を世に出してしまったが故に後期作品にハマれない。 現在のクリーントーンが少な目になったヴォーカルスタイルはエネルギッシュではあるものの、初期作品のヴォーカルスタイルこそが最大の魅力だった。 30年以上活動するバンドに、パンク寄りの音楽性を求めるのもナンセンスなので、このままのスタイルでいいと思うが、なんとか初期作品を超える 作品を作ってほしいと思う。それだけのポテンシャルはある筈だ。