邦題は『ハーバー・オブ・ティアーズ——港町コーヴの物語——』 キャメルの中心人物(というより最近はキャメル自体が彼のプロジェクトになってます)アンドリュー・ラティマーの祖母の悲しい実話を基にしたコンセプト・アルバムになっています。 アイルランド人の悲劇的な歴史をたどるストーリーは、あまりにも重く、悲痛なもので、切々と胸に迫ります。前作『DUST AND DREAMS』なんかもそうだったけど、彼らは暗い話をコンセプトに選ぶことが多いみたいですね~。 曲の方は、反則だ~っ!ってくらいに泣きまた泣き。あまりにも哀切なアイリッシュのメロディに、もう金縛り状態。次から次へと泣かせにかかる展開に、涙があふれそうになります。 アンドリュー・ラティマーのギターは神懸かっています。歌メロも素晴らしいです。(3)「Harbour Of Tears」なんてラティマーとベースのコリン・バースがそれぞれ息子と父の役で、別々の歌メロでハモるなんて反則技をかましています。声の質、歌詞、メロディ、全部が哀愁に満ちています。降参。 アルバム後半はインストゥルメンタルだけになるので、ちょっと構成のバランスが悪くも感じますし、メタル的アグレッションは皆無ですが、哀愁や慟哭といった言葉に反応するメロディアス派の方にはお薦めです。