名盤“RED,HOT&HEAVY"を当時いたく気に入って輸入盤で手に入れたのが本作だった。音質的には不満が残るものの楽曲自体は彼ららしさに溢れていて満足できる内容だ。確かにミニアルバムなので、曲数は物足りないけど、掘り下げて聴いたファンなら納得できる作品だと思う。 最近愛聴しているSTURM UND DRANGってこの頃のPRETTY MAIDSの香りがプンプンするので聴き直してみたけど、やっぱり正統派っていいね♪
日本でも確固たるファン・ベースを構築済みのPRETTY MAIDS。その彼らのカタログの中で、次作にして名盤『RED, HOT AND HEAVY』のインパクトに存在感を掻き消されてしまい、「え?そんな作品あったっけ?」と極めて影が薄いのが、’84年発表のこの6曲入りデビューEP。人気がないとか以前に、そもそも知名度がないという点ではTNTの1stに通じるものがあるような、ないような…。中古盤屋じゃとんと見かけない割に、特にプレミア価格で取引されているわけでもない辺りが本作の立ち位置を如実に物語っていますよ。 ロニー・アトキンスの看板Voや、攻撃的なツインGの運用法等、バンドとしての基礎が固まりつつあることは既に本作の時点で伺えるものの、NWOBHMやTHIN LIZZYからの影響の痕跡がハッキリとコンニチワする楽曲に関しては、まだまだ荒削り。例えば疾走ナンバー①④は、名曲“BACK TO BACK”の試し打ち的カッコ良さを有する反面、全体的に力押しに終始する仕上がりで、様式美HMというよりはNWOBHMばりの直線的な荒くれ感の方が強く感じられるという。(HELOWEEN登場前の独産パワー・メタルっぽくもある) 逆にそういう意味では、ここでしか聴くことができないタイプのPRETTY MAIDSサウンドが楽しめる作品であると言えますし、何より「磨けば光るダイヤの原石」としてのポテンシャルの高さは、前述の疾走曲①④、ケンさんのGソロも美味な抒情ナンバー⑤(イントロが“孤独のナイト・ゲームス”みたい)からもびんびんに感じ取れます。 90年代にCD化されたきり、ほったらかしになっている作品なんで(多分)、取り敢えずリマスター再発の方をお願いしたいところなのですが。