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VERTEBRAE (2008年)
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VERTEBRAE
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解説 - VERTEBRAE
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2008-10-09 00:01:00)

2008年発表の10th。
遂にこのバンドも二桁の大台に乗りましたね…。

民族的なメロディや楽器を取り入れるのではなく、ロック乗りリズムを上手く利用したダイナミズムで野蛮さを、プログレッシブな感性で神話的な世界を表現していく、独自のヴァイキングメタル観を追及しているのは近作と同様なんですが、ここに来てプログレ要素が大幅に増量…というか顕在化してますね。

まろやかで色気のある普通声や幻惑的なスローパートが増え、リフ捌きや展開もより複雑になり、メロトロン風の音色のキーボードも導入するなどした結果、フォーク的なアプローチを試みるヴァイキング系のバンドよりも、OPETH辺りのプログレデスの方がよっぽど近いような音に。

ただ、「Clouds」のイントロのリズムがヴァイキングの儀式、キーボードがその儀式による陶酔の中で見る景色を思わせたり、「New Dawn」の勇壮さは戦地のヴァイキングの姿を思い起こさせたり、音から見えてくる景色はやはりヴァイキングらしさを感じさせてくれます。他のバンドや昔のENSLAVEDが大海原を往くヴァイキングを描いているとしたら、今のENSLAVEDは霧の立ち込める海を往く姿を描いているように思います。

このアルバムを聴いていて思ったのは、パートによってダイナミズムだったり神秘性だったり違うんですが、展開の一つ一つ、フレーズの一つ一つに並々ならぬ創造的なエネルギーが篭められているように感じられること。物凄く作りこまれたシンフォブラックでも、似た音像が続くと最後の方は飽きてしまう事も結構あるんですが、このアルバムを最後まで集中を途切れさせる事なく聴けたのは、そうした魅力のお陰かもしれません。

…ここまでだと、凄い名盤になりそうなんですが…何故かヴォーカルは苦しそうで、「Isa」の時よりパワーダウンしてしまってますね…。最後の方持ち直してる感じはしますが、歌詞カード読みながら(=ヴォーカルに集中して)聴くと、かっこいいリフが来てもいまいちテンションが上がりきらない感が…。ヴォーカルが弱くなったのは仕方ないかもしれませんが、ミックスとかでフォロー出来なかったんでしょうか。今回、ミックスはTOOL等を手掛けた有名な人がやってるみたいですが、それ位はして欲しかったですね。

しかしこれ、ヴォーカルを入れても十分素晴らしい作品だと思うんですが、何で日本盤出ないんでしょうね。独創的だし、海外での評価も高いし、分かりにくくないし。そろそろ日本のメディアに評価されても良い頃だと思います。




2. fortis ★★ (2008-12-20 10:36:00)

はまる人は、絶対にはまります。中毒性も高いと思います。
ISAの時も思ったんだけど、彼らにしか出来ない音楽をやっている感じ。
ENSLAVED絶対ワールドです。
彼らって、やっぱすごいんですね。これ、音の追求っていう感じの気合より、彼らの哲学というか生き様みたいな気合のほうを感じます。
ただ個人的にはISAのほうがよかったかな。というか、好みだった。



3. ハルディン ★★★ (2014-09-13 00:56:04)

10th。相変わらず己の道を行くプログレ・ブラックを展開しているが、米国の大物プロデューサーのジョー・バレシ(ALICE IN CHAINS,TOOL等)がミックスに携わった影響なのか前作までのアンダーグラウンド臭漂う刺々しいサウンドが整然と纏まり、良くも悪くもメジャー寄りに洗練された印象。

攻撃性や荒くれた疾走感などはかなり抑え目だが、その代わり前作で片鱗を覗かせていたサイケデリックな浮遊感を伴う空間作りなどといったプログレ方面のアレンジが大幅に増強。例えば暗黒版PINK FLOYDのような3、4におけるRUSHばりのシンプルなロック・アンサンブル、大胆にもオルタナ/ヘヴィロックへの接近を図るカオティックな陰鬱グルーヴ渦巻く7等とブラックの枠を飛び越えんばかりのアプローチが光る。

所々でオルガン/メロトロンといった音色でOPETHばりに古きよきHR調の彩を添える長身痩躯の美人鍵盤奏者、エルブラン・ラーセンの活躍ぶりも前作以上。クリーン歌唱も以前は無表情で淡々としていた印象だったが、仄かに温かみのある甘い歌声でしっとりと聴かせるようになったのもいい。



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