短く(SHORT)鋭く(SHARP)衝撃的(SHOCK)。略してSSS・・・という中坊感覚全開なネーミングセンスが素敵な、 イギリスはリヴァプール出身の4人組スラッシュ・メタル・バンドが'07年に発表した1stフル・アルバム。 「リヴァプールの疾走王」とも「MUNICIPAL WASTEへのイギリスからの回答」とも評される彼らが聴かせてくれるのは、シンプルだが 即効性の高いGリフに、切迫感溢れる上擦りシャウトで畳み掛けてくるVo、そして1~2分台とタイトに絞られた曲展開を備えた、 まさに帯表記の「スラッシュ?パンク?ハードコア? NO, NO, THIS IS クロスオーバー!」を地でいくサウンド。 演奏はやや不安定だが、「でも演るんだよ!」的な心意気に溢れた、このガムシャラで前のめりな疾走感はかなり爽快。 全編でハードコア/パンク指数高めの走りっぷりを炸裂させる一方、リズムにはキッチリと緩急が効かせてあるし、 ⑨⑬といったインスト曲では、弾きまくるGがヘヴィ・メタリックな構築美を演出。特にメンバーが 「METALLICAへのトリビュート・ソング」と語る⑰は、アコギに始まりドラマティックに盛り上がりながら、 最後は再びアコギで叙情的に締め括られるという、起承転結を備えた7分以上に及ぶ大作ナンバーで、 直線的な本編の流れにメリハリを生み出す役割も担っている。 MUNICIPAL WASTE、D.R.I.、NUCLEAR ASSAULT辺りが好きな人なら必ずや気に入るであろう、バンド名に恥じぬ1枚。