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SACRED WHITE NOISE
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Recent 50 Comments



1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-07-03 21:20:23)

2014年発表の1st。
これ、今年聴いたブラックの中でもベスト候補かもしれません。

まず特記しておきたいのは、このバンドが優れた「トレモロリフ師」であるという事ですね。例えばドップラー効果の如き音程変化を取り入れ、より悪意的で非日常的な音色を実現してみせたり、粗いノイズと高音のトレモロを組み合わせることで宗教的恍惚感や浮遊感を演出したり、メロディの起伏に合わせトレモロのオン/オフを巧みに切り替えることで、傷口に蛆虫が蠢くかのようなおぞましさを醸し出したり…トレモロの使い方一つでもかなりのアイデアが用いられており、しかもそのどれもがベクトルが「邪悪さ」の方向を向いてるんですよね。

トレモロリフのフレーズ自体のセンスも群を抜いていて、例えば「Panic Becomes Despair」で聴ける、作中ではストレートに寒々しさを表現するメロディは、「Transylvanian Hunger」期のDARKTHRONEや初期SATANIC WARMASTER、初期SARGEIST辺りの、プリブラの代表格と言える作品群のそれと比較しても、劣るものではないように思います。また、神経をダイレクトに攻撃するようなメロディの使い方など、トレモロ以外のギターワークも相当に前衛的かつ邪悪。

こうトレモロの使い方の巧さを強調すると、所謂ポストブラック的な音を想像するかもしれませんが、このバンドの作風はあくまでRawでカルトなブラックメタルの悪意性に基づいているのが素晴らしいんですよね。アンビエントやドゥームのエグみを味付けとして取り入れるなど、暗黒性の追求に余念がない一方、ブラストで攻め立てる展開も多く、ブラック本来の攻撃性も十分ですし、鬱系に通じる感情の込め方をしながら、ドスの効いたがなりを聴かせるヴォーカルもかなりの邪気を発してます。湿り気のあるノイジーさで閉塞感を感じさせつつ、トレモロの音色をスポイルしない音作りも上手い。

前衛的な側面が、全てにおいてブラックメタル特有の悪意的な神秘性に反映されているような、邪悪極まりないアヴァンブラック。DEATHSPELL OMEGAやLUNAR AURORAなど、神秘性を重視してるブラックって、聴いてるだけで時に何らかの神秘体験でもしたような気持ちにさせてくれるものがありますが、これもそんな中の一枚。音としては、頭抜けた邪悪さを持つトレモロ繋がりで、NIGHTBRINGERやINCURSUS辺りが好みな方はツボなんじゃないかと思います。かなりオススメ。




2. netal ★★ (2015-06-25 19:42:30)

近年では、KralliceやCult Of Fireなど邪悪でノイジーなだけではないトレモロを巧みに用いたバンドが現れてきているが、
このバンドもリフのアイディアの面で全く負けていない。
①の初っ端から聴けるグロテスクに音程が上下するトレモロ、Kralliceの名曲『Dust And Light』のイントロをより寒々しくした様な荘厳な②のイントロ等、
トレモロのアイディアが多彩。
しかも、トレモロのメロディの輪郭自体ははっきりしていながら、要らぬ叙情性を発生させることなく、
あくまで不安や堕落、神秘性等が蠢く、吐き気を催す様な異常世界を保ち続けている点が素晴らしい。

④のイントロ、漂うようなアルペジオのギターを絡めた抽象的な夢の中にいるようなアンビエント調のパート等、
サイケデリックなパートも随所に絡めて飽きさせない工夫もある一方、
ミドルやスローのところに冗長さがあり、折角のトレモロの余韻が退屈に変わる所など、曲展開の面で若干のマイナスポイントはある。
しかし、曲も短めで聴くには十分耐えるし、それを補って余りある優れたリフが満載で、トレモロ好きは聴くべきアルバム。
バンドメンバーに関して名前すら一切不明という、フレンチブラックにも劣らぬ謎っぷりであるが、
上質のトレモロとアヴァンさを持ち、かつ十分なネガティヴィティをも纏った良質なブラックである。

気に入り度…89/100

おすすめ…Where I End And The Hemlock Begins



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