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To Sail Black Waters (Usher-to-the-ETHER)


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To Sail Black Waters

2013年発表の1st。

どこか耽美趣味の感じられるジャケのアートワーク、個人的に好きなバンドであるSECRETS OF THE MOONに似たバンド名に惹かれ購入したんですが…目論見通り(?)、SECRETS OF THE MOONやPORTA NIGRA辺りに通じる、知性的な雰囲気を持ったプログレッシブなブラックでした。特に事前知識とかなく勘と直感だけで買ってしまいましたが、結構当るもんだと自分でもびっくり(笑)。

幽玄でミステリアスな雰囲気を醸し出すアルペジオや、楽曲の持つ美しさを引き立てつつも、陰惨さを与えるヘヴィな引き摺り系リフを多用し、深遠なムードを描き出していく作風で、一般的なブラックというよりはゴシック寄りのドゥームに近い感じでしょうか。ウィスパーやクリーン、一部で女性ヴォーカルを導入しつつ、絶叫部分にはブラックメタルらしい獰猛さを感じさせるヴォーカルワークも良いですね。デス色の強かった頃のOPETH辺りにも通じる音だと思う。

ただ、凄く気になったのが、1曲目の2分23秒辺りで音飛びするんですよね。新品で購入、盤面に傷が無いのに、複数の環境で発生することから、おそらく仕様だと思うんですが…知的で構築性の高い作風で、音質もしっかり整えられているだけに、こういう単純な録音ミスがあると物凄く目立つんですよね。聴き手を雰囲気で酔わせる様な音なのに、一気に現実に引き戻されるようで凄く萎える。

メタルとしてのクオリティは申し分ないですし、1stの時点でしっかり知的でプログレッシブな構成を聴かせられる展開の上手さは評価出来るんですが…何だか惜しいです。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-09-26 22:33:21)