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Final Strike
荒くれジャーマントリオによる1986年にリリースされた2nd。まずは前作よりも整合性が増しメタル成分も増量とタイトさが感じてとれる仕様となった。ある意味、プレスラッシュ的なアプローチを取り込んだともいえるのだが、前作同様のVENOM+MOTORHEAD的なスタンスに変わりはなく、若干味付けは変わったが、耳をつんざく粗暴なサウンドは健在とマニアなら安心して手を出せる一品でしょう。
メリハリがついた事でダークな色彩も耳を惹くようになり、このローファイな音質との相性も抜群だ。若干の埃っぽさが汚らしさを倍増させているのも見逃せません。全てにおいてメタルサイトに接近したが故の成長度合い、いい意味での無軌道さを懐かしむ向きもあるが、ダーティで卑しい歌い回しから、粗暴な歌声まで二人のシンガーが歌い分ける事で色も変わり、このバンドの個性を剥き出しにしている。
バランスも良くなく分離も悪いと思えるレコーディングでさえ狙ったものと感じさせるアレンジ力も見事。こういう路線は狙い過ぎると途端にカッコ悪くなるので絶妙だと思う。邪悪でスリリングな暴走サウンドへと進んだバンドの舵取りにも無理無駄を感じさせないのも良かった。

失恋船長 ★★★ (2019-03-23 13:31:45)


Revelation

ジャーマンパワー/スピードHM/HRバンドが1984年にリリースした記念すべき1st。2009年には2ndとのカップリングでCD化もされマニアを歓喜させた濃厚な一枚。音楽的な理論などクソ喰らえと言わんばかりのノイジーな爆音を轟かせています。その無軌道とも言える爆裂感は完全にVENOMを彷彿とさせるもの、同じトリオ編成だしフォロワーとして見るのが正しいでしょう。
一般的な人が最もメタルに対して拒否反応が出る騒音の嵐、直情的に刻まれるスピード感を煽るパンキッシュな展開、バッキバキのブンブンベースの迫力もVENOM仕込み、そして感情を押し殺し叫びを上げる唄の呪術的な響き、まさにVENOM+MOTORHEADにメタル成分をチョイ足ししたような音楽性は、当時としては十分に個性的であり、ドイツから、このようなバイオレントかつ下品さを感じさせる粗暴なメタルが登場するとは想像もつきませんでした。
当時はやかましいやっちゃなぁ、上手いか下手かようわからん。など好意的な評価を下さなかったのに、2009年の再発時には、愛すべきZ級のマイナーメタルとして、愛聴することになるのだから、年齢の重ね方とは不思議なものです。
在り来たりのメジャーサウンドに飽きてきた猛者なら、見分を広めるためにもチャレンジして欲しいジャンルではあります。速い曲ばかりと思いきやドゥーミーなWitchchaserを聴かせる技も持っているので、バンドの懐の深さも感じて欲しいですね。

失恋船長 ★★ (2019-03-23 13:16:03)