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ACT I: THE PROTAGONIST (2020年)
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ACT I: THE PROTAGONIST
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解説 - ACT I: THE PROTAGONIST
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1. kamiko! ★★ (2020-11-14 00:54:36)

アルメニア産フューネラルドゥーム2020年作
Eyeless In Gazaといえば40年選手の英国ポストパンクバンドが思い浮かぶ。少なからず影響があるのかと思ったが真逆の音楽性であり
恐らくEyeless In Gazaの小説からバンド名を引用しているのだろう。この小説を読む気にはならないが、戦争・友人の自殺・神秘主義がテーマにあり
主人公の生涯を4つの期間に分けて語られるストーリーのようだ。「Act Ⅰ」というアルバムタイトルからも、この章立てた小説の序章という感じなのかも。
1曲目のタイトルを直訳すれば「主人公」だ。ラスト曲のタイトルは恐らくヨーロッパの詩を意味するのだろう。次作は「Act Ⅱ」を作ろうと思ってるのかも知れない。
モノクロ顔写真ジャケは、この小説の主人公なのだろう。大作主義の楽曲や、続編を予感させる雰囲気からも、大長編な壮大なコンセプトが感じられる。
そういう世界観を思い描きながら聴くとバッチリとフィットする音楽性である。神秘主義を象徴するようなアトモスフェアなシンセが支配する音空間に
クラシックギターの質感に近いアコギ、歪んだギター、ブラック寄りヴォーカルが絡み合うサウンドだ。楽曲はなかなか作り込まれておりグッドだ。
各々の楽器の音素材・エフェクトは良いが、録音時点でクリアな音質が損なわれているところが正直残念なところだ。アトモスフェアな響きを楽しむ作品だけに
ここで失敗しているところが若干頂けない。音質の劣化を感じさせる録音は大きな課題だ。また、同系メランコリックドゥーム群と比較して思うのは
鬱々とした雰囲気ではあるものの、その旋律から感じられる感情は「不憫」「憐み」といった、悲しすぎる感覚だ。まあ、人生残念サウンドなんだからいいんだけど
どうも悲愴感が濃すぎて、コレを何度も繰り返し愛聴しよう、というところには行き着かなかった。小説のコンセプトに沿ったサウンドという点ではアリなんだろうが。
ダメ出ししたが、大作主義の楽曲自体は相当な聴き応えがある上、3曲目あたりはかなりアヴァンギャルドな曲構成である。やろうとしていることが壮大で挑戦的だ。
次作で録音状態の問題を解消して欲しい。辺境バンドによる一大コンセプト作品なので、次作以降もチェックしようと思っているし、是非とも応援したい。



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