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Abominog / URIAH HEEP
火薬バカ一代 ★★ (2010-09-05 18:20:00)
遂にケン・ヘンズレー(Key)まで去ったURIAH HEEPなれど、唯1人残されたミック・ボックス(G)は不屈の精神で
バンドを再建。4代目シンガーとしてピート・ゴルビーを迎え入れると、'82年に発表した14thアルバムがこれ。
『魔界再来』という大仰な邦題や、アメリカでその年のワースト・カバーに選ばれたというジャケットのイラスト程
禍々しい空気は感じられないが、NWOBHMムーブメントの波に乗り、ミック・ボックスのGが前面に押し出された
サウンドは、ポップな味わいを随所に残しつつも、若々しいエネルギッシュな勢いが取り戻され、まるで
バンド内の雰囲気の良さがそのまま音に反映されたかのような、ポジティブなフィールに満ち溢れている。
ケン在籍時代に比べると楽曲のドラマ性の低下は隠しようがなく、外部ライターの参加やカヴァー曲の収録により
全体的な「URIAH HEEPらしさ」も薄まってはいるが、一方でキャッチーな取っ付き易さは確実な向上を遂げているし、
何より評価すべき点は、メンバー全員が曲作りに携わった楽曲がきっちりとアルバムのハイライトを飾っていること。
特にハードなGリフからスタートする①や、ライブでの盛り上がりが容易に想像できる疾走チューン⑦
といった楽曲は、「HMバンド」URIAH HEEPの新たな魅力を端的に表した名曲。
復活作としてファンから高い評価を受けているのも納得の、見事若返りに成功した充実作。

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