解説 1991年9月23日、Warner Bros. Recordsよりリリースされた5thアルバム。 新たにWarner Bros. Recordsと契約、プロデューサーにRick Rubin、ブックレットと「Under The Bridge」のビデオの制作にはGus Van Santを迎える。チーフ・エンジニア、キーボード・プレイヤーにBrendan O'Brienが参加し、ミキシングはRick RubinとBrendan O'Brienによって行われている。 メンバー全員が洋館に泊り込んで製作された。この様子は収録曲「Suck My Kiss」のプロモーションや、映像作品「Funky Monks」で見ることができる。同作に収録された曲のほとんどはその洋館での作業で作曲され、すべての曲がそこで録音された。メンバーは半年以下の作業の中で未収録曲・B面を含めて30曲近くを作曲・録音し、同作はメジャーのロックバンドのレコーディングとしては稀に見る早いペースで制作された。制作前に掲げられたサウンドにおける目標は「1970年代のローファイな黄金期ハードロックとファンクとの折衷作品」であった。 メンバー四人やRick Rubinによって議論されながら制作は進み、曲のアイデアはKiedisの詞、Flea&Fruscianteのリフ、Smithのドラムパターンそれぞれを基調に、定期的にメンバー間のジャムを交えながら作曲された。Rick RubinはFleaのベースプレイに対し、休符を生かすような重みのあるファンキーなプレイを要求し、Fruscianteに対しては前作とは違った、自分の個性を前面に出したギタープレイを要求した(「Funky Monks」にもそれらの場面が見られる)。 Kiedisの歌詞は、Rolling Stone誌のレビューでは「以前のまでの危うい性的倒錯やユーモア(性を謳歌するSir Psycho Sexy、同性愛を歌うMy Lovely Man、生命賛歌Naked in the Rain~etc)はそのままに、よりアナーキー性や論旨性の高いシリアスなもの(平等の力をくれと迫るPower Of Equality、強欲を張る者に楯突くGive It Away~etc)となった」と評されている。
ちなみに、この時期に制作された未収録曲はその後『Californication』までのB面で使われた曲も多い。 アルバムはBillboard 200で全米3位で初登場、結果的にはアメリカだけで700万枚、世界で1,300万枚以上のセールスを記録する。シングルカットされた「Give It Away」がグラミー賞を獲得、また「Under The Bridge」がシングルで初の全米1位を獲得した。AllmusicのSteve Hueyは、「チリ・ペッパーズにとって今までで最高の作品になるだろう(probably the best album the Chili Peppers will ever make)」という賛辞で当時のレビューを締めくくっている。「Bassist magazine(U.K)が選んだGREATEST BASS ALBUMSトップ100」で1位を獲得した。