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Monument in Black
2013年発表の2nd。
前作「Raw Dark Pure」が、普遍的で聴きやすいブラックメタルの様式を踏襲しつつ、SATYRICONやTHORNSに通じる厭世・厭人的な雰囲気も感じさせる良盤だったんですが、今作もその作風は変わりませんね。前作の路線は踏まえつつ、音質面やフレーズ面、展開面などで更なるクオリティアップが図られている感じ。何気に前作から7年近く経ってますが、待った甲斐があったのではないでしょうか。
とりわけ進化していると思ったのはプロダクションですね。モダンなヘヴィさにも、プリミティブなRAWさにも頼らない、聴いていて非常に心地良く感じる音。聴きやすいのになんか陰湿なのが良いんですよね。パートによっては意外とグルーヴィな感触があったりもするんですが、フレーズのダークさと音質の良さのせいもあり、全く嫌味に感じません。また、リフも無慈悲さは変わりませんが、今作はむしろオーガニックな印象も。冷たさや病的さより、純粋に闇を叩き込んでくるような感じ。
個人的には、SATYRICONの「Rebel Extravaganza」と「Volcano」の間の、ミッシングリンクをメジャーな感性を補いつつ埋めるような作風だと思うんですよね。ただし当時のSATYRICONと比べると、実験精神が希薄な分、ストレートなかっこよさが際立っていて、大分聴きやすく仕上がっている印象。SATYRICONのように、ブラックメタルの歴史に一石を投じるような変化はしていませんが、その分スタイルとしての完成度はかなり高くなっているかと。
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2013-03-01 23:16:41)
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The Martyr Urge
/ Raw Dark Pure
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この曲のメインリフはどこかフランスのプリミティブブラックのような毒々しさがありますね。こういうタイトな作風&クリアな音質でこういうメロディをやられると、フランス勢とはまた違った魅力があります。
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2008-08-16 20:34:36)
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Deceit Doctrine
/ Raw Dark Pure
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このメカニカルな刻みを交えたりフ捌き、どうしてもTHORNS辺りを思い出さずにはいられないんですが、やっぱりかっこいいですね。低空飛行するヘリコプターが機銃掃射するようなイメージのリフ。
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2008-08-16 20:32:05)
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Raw Dark Pure
2006年発表の1st。
バンド名のSONICはモダンな要素の、REIGNはオールドスクールな要素の象徴で、その二つを上手く統合したブラックメタルを志向しているバンドらしいですが…ギターリフはシャープに、ツーバスは心地良く聴かせるクリアな音質、厭人的な感性を無機質さに転化したようなメロディを練りこんだリフ捌き、時折挿入されるロック的なリズム、切れ味の鋭く威厳のあるヴォーカルのがなり声など、「Rebel Extravaganza」~「Volcano」期のSATYRICONにかなり影響を受けている事がモロに分かるサウンド。
特にヴォーカル、がなり声だけでなく、預言者の呟きのような語りまでそっくりだったので最初聴いた時はちょっと笑っちゃいました(笑)。刻みとトレモロをメカニカルに組み合わせたリフや、2曲目のマーチっぽいリズムの入れ方などを聴くと、復活後のTHORNSにも相当影響を受けてるんじゃないかと思えます。
ただ、曲の展開はリフのかっこよさやバンドサウンドの勢いで押す、あくまでオールドスクールな感じで、SATYRICONやTHORNSのようなアヴァンギャルドな展開、インダストリアルな音作りは希薄なので、それらのバンドと比べてかなり聴きやすい印象。
SATYRICON「Rebel Extravaganza」「Volcano」やTHORNS「Thorns」を擦り切れるくらい聴きまくった人が作ったんじゃないかと思えるようなブラックですが、ヴォーカルの迫力、リフのかっこよさや展開の上手さなど基本的な質は1stにしてメジャーバンドを喰いかねないくらい高く、単なるフォロワーではないセンスのあるバンドだと思います。
特に前述のバンドの雰囲気は好きだけど、もう少し分かりやすい方が良いというリスナーは抜け出せなくなるくらいハマるかもしれません。個人的には大当たりのアルバムです。でも、やっぱり聴いていて「恐い」よりも「微笑ましい」と思ってしまいますが…(笑)
Usher-to-the-ETHER
★★★
(2008-07-25 22:39:00)
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