若々しくって、粗くって、キャッチーな味もあって、湿り気もエッジもある。聴いていて気持ちのいい音の条件が、この一枚にぎゅっと詰まってます。恐るべきポテンシャルを秘めた一枚だったんですね。彼らはこの爽やかさのある音を、鉛色の空の下で作り上げたんです。アメリカナイズ?なんて、彼らの元々の持ち味を、安っぽい言葉で括ってくれるな。 >ばかぼちゃさん 変わり者、かもね。でも、僕もそうさ(^^)。因みに、僕が本作の次に好きなのがHigh 'n Dryだもんね。
私にとってはPYROMANIAがDEF LEPPARDとの出会いで、今でもPYROMANIAが大好きですが、HIGH'N'DRY,このアルバムと遡って聞いてもそんなに違和感は感じなかった。やっぱりこれぞDEF LEPPARDだと思えました。むしろHYSTERIAのほうが違和感を感じました。(HYSTERIAも好きだけど。) ただ、ANSWER TO THE MASTERのような重いリフは他のアルバムでは聞けません。他にも、ROCK BRIGADE, SORROW IS A WOMAN, OVERTURE, WHEN THE WALLS CAME TUMBLING DOWNなど、ちょっと暗いかっこいい曲がいっぱい。彼らが一番イギリスっぽかったアルバムかも。でもHELLO AMERICAみたいな曲もあるし、最初からアメリカに進出したかったのね。
IRON MAIDEN等と共にNWOBHMブームを牽引し、ロック界を代表するまで成長した英国はシェフィールド出身のバンドによる'80年発表のデビュー・アルバム。 当時のメンバーはジョー・エリオット(Vo)、スティーヴ・クラーク(G)、ピート・ウイリス(G)、リック“サブ"サヴェージ(B)、リック・アレン(Dr)の5人で、リック・アレンに至っては若干16歳という若さだった。 プロデューサーはJUDAS PRIEST等を手がけたトム・アロム。 ジョーの歌声を始め、若年者ゆえの青臭さがそこかしこに見えるものの、エッジの利いたギター・リフがかっこいい「ROCK BRIGADE」、派手なコーラス・ワークを聴かせる「HELLO AMERICA」、静と動とのコンストラストが美しい「SORROW IS A WOMAN」、流麗なギター・メロディを伴う疾走曲「IT COULD BE YOU」、ジョーの「UH~!YEAH~!」のコーラスが耳に残る「SATELLITE」、英国バンドらしい愁いに満ちた「WHEN THE WALLS CAME TUMBLING DOWN」、正統派ヘヴィ・メタルの名曲「WASTED」、臨場感伴うアレンジが施された「ROCKS OFF」、フックのあるギター・リフが魅力の「IT DON'T MATTER」、派手なギター・ソロを聴かせる「ANSWER TO THE MASTER」、アルバムを締めくくるエピック的な大作「OVERTURE」と、グラム・ロック直伝のギラギラしたエレキ・ギターの音色がいかした、現在の彼らからは想像もつかないような正統的なヘヴィ・メタルが聴ける。