黒人スラッシャー、グレッグ・フルトン率いるドラマチック・スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表のデビュー作。 ドラマチックと言っても大仰さは然程感じられず、物憂げな叙情性と、スラッシーな疾走感を併せ持つ練り上げられた楽曲からは、 むしろ洗練されたクールな雰囲気が強く漂う。都会的とでも言いましょうか・・・。 特に、作品の二枚看板とでも言うべき、鋭いカッティングが気持ち良いリフ・ワークから、繊細なアコギ・プレイ、 多分に「泣き」を含んだソロまで流麗にこなすグレッグ・フルトンのGと、憂いを帯びた歌メロを確かな歌唱力で歌い上げる (太く掠れた声質がイカス)ブライアン・トロックのVoとが、タイト極まりないリズム隊と一体となって疾走する①“WHY" ③“WORDS JUST ARE WORDS"⑥“I HATE THEREFORE IAM"といった起伏に富んだスラッシュ・チューンの数々は劇的なまでのカッコ良さを誇る。 中でもアルバムのタイトル・トラック“I HATE~"におけるGソロの泣き具合ときたら、思わず眉毛が八の字になるほど強力。
4. BLAZING BLAST ★★ (2007-01-22 07:47:00)
EXODUS直系のクランチリフをさらに鋭くへヴィにし、より「メロディ」に力を入れた感じの曲が並ぶ1st。 グレッグ・フルトン(黒人がスラッシュバンドにいたというのは珍しい)の抜群のギタープレイが曲を引っ張り、 パワフルなプレイからアコギによる叙情的なプレイまでをもって駆け巡ってゆく。 ジョン・ブッシュを彷彿とさせるブライアン・トロックの渋みのある歌唱もなかなかのもの。 タイト極まりないリズムも硬質なサウンドに一役買っている。ある意味一つの「構築美」ってやつですね。 HEATHENの「BREAKING THE SILENCE」に匹敵するであろうメロディアスなスラッシュの名盤。