第一印象では結構好印象でした。個人的には4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」に近い印象でした。でも聴き込んでいくにつれ、なんかやはりここ数作に通ずるもどかしさが気になり出しました。そしてやっとそれが何だかわかりました。 ハンズィのVoパートのほとんどがクワイヤになってるから、聴いてて暑苦しい!!!! ってことなんですよ。本来BGの魅力の一つであったはずの勇壮なクワイヤは各所で効果的に使われてきました。ハンズィのVoは決して上手くはないけど、この音楽性には味として非常に合っていると思います。そこにゲストVoでカイ・ハンセンが絡んできたり、クワイヤを導入して効果的な演出をしてきていたのに、その演出効果に本家のVoが乗っ取られたイメージです。いや、決して悪くはないんですよ。ただメリハリがなくなってクワイヤ・コーラスの垂れ流しに聴こえてしまうんです。それがこれまた過剰なプロデュースの楽曲との相乗効果で、本来豪華で荘厳な楽曲の数々が、アルバム1枚を通して聴き終わるころにはクドく感じてしまうんですよ。その結果、個々の楽曲の輪郭がボヤけて、1曲1曲が際立ってきません。これが最近のBGに対する不満の原因だったと思うと複雑な思いです。だって彼らのそこが魅力だったのに…。 と否定的に書いてしまいましたが、決して楽曲の質は悪くないですよ。勇壮なメロディが分厚いコーラスを伴って展開していく様は「A NIGHT AT THE OPERA」の名に恥じない出来です。それだけにもどかしい…もどかしい!!!
IMAGINATION FROM THE OTHERSIDEほどのドラマは見られない様ですが、独特のゴリゴリ感とバタバタ感は健在。でも、もっと歌のメロディが前にきてほしかった。 コーラスが厚すぎ?ブラガファンとしてはけっこうだけど、みんなは最後まで聞けるかな? オペラだもんって言われればそれまでだけど、、、 捨て曲はありません。
上でみなさんが述べられているように、自分も同じようなことを感じていたのだが、最近のブラガは音に厚みを持たせるあまり、曲本来の持つメロディが希薄になっているような気がする。 そのせいで、全編とおして同じような曲に聴こえてしまうのが残念。 曲のクオリティはどれも高いのに・・・。 気に入ったのは、イントロがSEPULUTURAの「REFUSE/RESIST」を想起させた「PRECIOUS JERUSALEM」、静かな曲調から勇ましく展開する「BATTLEFIELD」、サビのメロディが覚えやすい「SADLY SINGS DESTINY」といったところ。 ただ「AND THEN THERE WAS SILENCE」はちょっと長尺すぎる気が・・・。 いずれにしてもアルバムの完成度は非常に高い。
楽曲の形式に関していえば、ついにストレートな2バス連打の疾走曲は完全消失、ここにきて初期のスタイルとは完全に縁を切ったようです。さらに前作同様、楽曲に対してのアプローチがHM的なものから確実に離れてきています。例えば、ラストの超大曲And There Was Silence はまさにその典型。 例えば同じ大曲で、タイム的にもほぼ同じくらいのIron Maiden のRime of Ancient Marinerなどと比べるとその違いは歴然とします。Iron Maidenの曲が長いインストパートやSE的パートを挟みつつも、あくまでリフの繰り返しが中心で、いわば通常のHMの曲構造をそのまま拡張したものだったのに対し、And There Was Silenceの構成法はすでにHMという枠の外に出ていると思います。私の耳にはこれはマイク・オールドフィールドの長尺曲に通じるミニマル&シンフォニックな基本構造を軸として、そこにクラシックの合唱曲風のメロディ展開を導入したように聞こえます。 実際、HM的様式感の耳で聞くと、これは展開の複雑さに反して、非常に単調に聞こえると思います。合唱隊が始終歌い続け、インストパートと歌パートのバランスが極端に偏っているうえ、音圧の強弱とテンポの緩急の差が少ない(いわゆる「静」と「動」の対比が弱い)からです。HM的な、「テンポや音の密度、もしくは音色の変化によるドラマ性の表現」に慣れている人には、一体これのどこがドラマティックなのか、始終クライマックスの連続で起伏に乏しいだけじゃないか、と感じられる方も多いのではないでしょうか? 実際のところ、この曲の「ドラマ」は主に、歌詞と伴って、コーラス部が歌いあげる「メロディ自体の起伏と展開」によって表現されているのですが、これはHMではあまり馴染みのない手法です(そもそもリフ主体で歌メロの間に間奏が入るような音楽では、展開をつけられほどメロディが連続しないのでこういう手法を使うのが難しい)。曲の中でのメロディのヴァリエーション(=物語の起承転結)が異常に多いのも、こう考えるとわかりやすいと思います(もちろんですが、これは私の解釈ですよ)。とりあえず、長年に渡ってHMに慣れ親しんだリスナーにとって、これはかなり「挑戦的」なアプローチであることは確かかと。
他の曲にしても、程度の差こそあれ、どれもいわゆる典型的なHMの型にはまっていません。パーカッションの音色がトライバルなイメージをかもしだすBattle Field(私の耳にはなぜかインディアンの勇士のテーマに聞こえます。)、ファンキーな感触すらある、Sadly Sings Destiny、とくに狂おしい激情が炸裂するPunishment Devine(実は超名曲)での音使いは、デジタル・サイケというか、テクノ/トランス的なニュアンスすらうかがえます(もっとも、これはかのQueensrycheの名曲、Screaming in Digitalの彼ら流の解釈といってもよいでしょう。)。
結局現在の、いやImagination〰あたりからしてすでに、彼らの音楽性は(DT系とは違ったタイプの)「プログレ・メタル」になっており、いわゆるジャーマンメタルーメロスピ系の魅力である「疾走&泣きメロ」や「わかりやすさ」を求める向きには、かなりつらい所のある音楽に変化しています。しかし、最初に「Helloweenフォロワー」という触れ込みで日本に紹介されたのが災いしたのか(彼らが実際にHelloween的な音を出したことは一度もなかったのですが)、メディアなどでもそういう部分があまり伝わっておらず、それが最近の彼らの作品に対する誤解と混乱の元になっていると思います(海外のサイト等をみると最近の作品はProgressive Power Metalと表記されていることが多く、こちらの方がより誤解の恐れが少ないと思います。)。しかし、すでに実際の音楽性からかけ離れているジャンル分けを無批判に踏襲して、かえって余計な誤解を与えるというのは、どうしたことでしょう。今作はもちろん、とりわけNightfall〰は、「ドラマティックなプログレ・メタル」と割り切って聴けば、すばらしい作品なのですが。
ジャケが人気ないとは知りませんでした…! この茶色い影と青い光の色合いが、結構好きなんですけど…。 この作品、結構気に入ってしまい、発売された当初散々聴いたのを思い出します。(今でももちろん聴きます) お気に入りは「Precious Jerusalem」「Battlefield」「Punishment Divine」「And Then There Was Silence」などでしょうか。 ごてごて作りこまれた曲が多いので、慣れるまで時間がかかるかもしれませんけど、私はごくごく普通に受け入れられましたよ。 そういう楽曲が許容範囲の方であればお勧めしておきます、<このCDを買え!>という項目ですしね。
私の"初ブラガ"となる、記念すべき(笑)アルバム。 このアルバムが大好きで何度も聞き込んだのだが、世間的に評価が低いことを大分後になって知った。もっと評価されてもいいと思うのだが… 人気のある Tales From The Twilight World も聴いてみたのだが、「ブラガ=オーケストレーション」のイメージが強い私は受け付けなかった。 むろん、「テイルズ…」が名作なのはわかるが、個人的にはブラガの魅力は分厚いオーケストレーション・洪水のような音の奔流、にあると思っているので、「Imagination From The Other Side」以降のアルバムのほうが好きだ。 その中でも、このアルバムはやはり私の一番のお気に入りである。 中には、「わかりにくい」「疲れる」「疾走してない」といった意見もあるようだが、この音の厚みは凡百のメタルバンドに出せる音ではない。 相当聴き込まないと魅力がわからないアルバムであると思うが、聴けば聴くほど味の出る、まさにスルメアルバムである。 1曲目から2曲目への流れは完璧。これでアルバムの世界へと引き込まれる。 また、中盤の6曲目や8曲目は緊張感のある曲作りで、アルバムをダレさせない役割を果たしている。 日本版のボーナストラックの Harvest Of Sorrow まで聞けば最高。聞き終えた後は、心地よい満足感が得られる。 完聴した後は正直とても疲れるが(笑)、聞いている間は疲れを感じさせないだけの魅力にあふれたアルバムだと思う。
聴いて耳に残るのが『Battlefield』と『And then there was Silence』だけなのは痛い。 確かにクワイヤのホワホワがアルバム全部に飽和してて聴きづらい。 これミックス誰がやったんだろう……。さぞかし大仕事だったんだろうけど、これじゃイカン。 まあこれだけ音を詰め込んだら、後はミキシング次第なのは当然。 曲データが残ってるんなら、最Mixお願いします。