どこを切っても溢れ出る北欧ならではの哀愁のメロディとシャープな質感は、前作の路線を推し進めつつも更に磨きを掛けてきた印象が強い1984年リリースの2nd。その魅力は野暮ったいが①②とヘヴィなミドルナンバーにも表れ、哀愁の旋律が躍動する③、回転するリフワークと泣きの旋律が印象的な④、歌い手の力量は追い付いていないがヘヴィでダークなミドルナンバー⑤の濃厚な世界観、垢抜けないが北欧的な魅力輝くシャープな疾走ナンバー⑥、メロウなサビメロも印象的な⑦、泣きのバラード⑧と硬軟バランスの取れた一枚としてマニアならずとも惹きつける魅力もある一品へと仕上げてきました。ちなみに今作のオフィシャルCDは存在しておらず、サビがチョイとハズい『Heavy Christmas』、EYE TO EYE路線の『Young And Wild』、バラード『Lorraine』が収録されたボートラ3曲入りのMetal Rendezvous盤はブートらしいので購入する際は覚悟が必要ですね。そしてiTunesから『Screaming For a Riot』と『City Lights』が2曲追加されたものが出ています、こちらは幻のカセットヴァージョンに収録のモノなので貴重ですね。
マックス・ノーマンのプロデュースによる垢抜けたサウンド・メイクと、持ち前の北欧的流麗メロディ・センス & 美麗コーラスとが相俟って何ともゴージャスな音楽性に「化けた」印象の、220VOLT渾身の勝負作(4th)。 正に「高品質」の一言で、一つの作品として改善の余地の見当たらない「会心」の出来映えと言える内容だと思います。 ダイナミズム且つキャッチーさ溢れるアップテンポ・ナンバーも在れば、シットリした哀愁と透明感に満ちたポップ若しくはバラード・ナンバーも在ったりと、楽曲のバラエティも多彩。 特に「Love Is All You Need」の促す高揚感は特筆モノで、個人的にも涙がチョチョ切れるほどにウットリ聴き惚れてしまう珠玉の名曲です。 80年代北欧メタルの名作の一枚。