全体的にPANTERAっぽさを強めた作風の2ndアルバムの中にあって、 最もデビュー作の頃の面影を留めた高速スラッシュ・ナンバー。 ヨーロッパのバンドとは一味違う、独特の硬質感を湛えて 疾走する憂いを帯びたメロディが素晴しい。 EP『BUILDING ERRORS IN THE MACHINE』にも収録されているので 聞き比べてみるのも一興かと。
黒人スラッシャー、グレッグ・フルトン率いるドラマチック・スラッシュ・メタル・バンド、'91年発表のデビュー作。 ドラマチックと言っても大仰さは然程感じられず、物憂げな叙情性と、スラッシーな疾走感を併せ持つ練り上げられた楽曲からは、 むしろ洗練されたクールな雰囲気が強く漂う。都会的とでも言いましょうか・・・。 特に、作品の二枚看板とでも言うべき、鋭いカッティングが気持ち良いリフ・ワークから、繊細なアコギ・プレイ、 多分に「泣き」を含んだソロまで流麗にこなすグレッグ・フルトンのGと、憂いを帯びた歌メロを確かな歌唱力で歌い上げる (太く掠れた声質がイカス)ブライアン・トロックのVoとが、タイト極まりないリズム隊と一体となって疾走する①“WHY" ③“WORDS JUST ARE WORDS"⑥“I HATE THEREFORE IAM"といった起伏に富んだスラッシュ・チューンの数々は劇的なまでのカッコ良さを誇る。 中でもアルバムのタイトル・トラック“I HATE~"におけるGソロの泣き具合ときたら、思わず眉毛が八の字になるほど強力。