本作において初期のハードな路線に戻ると前評判の高かった'91年発表の5th。 プロデューサーはRATTやWINGERを手がけたボー・ヒル。 ギターの音が前面に戻ってはいるものの、いかんせんアメリカンな香りが強い。 これまでの作品を淡い水墨画に例えるとすれば、このアルバムは差し詰め油絵といった感じだ。 キャッチーで軽快な「HALFWAY TO HEAVEN」、ジョーイの甘い歌声が魅力の「I'LL CRY FOR YOU」、典型的なハード・ロック・ソングの「SEVENTH SIGN」などはなかなかの好曲だし、ポップながらも哀愁漂うドラマティックな「PRISONERS IN PARADISE」やオリエンタルなメロディの「GIRL FROM LEBANON」は名曲だと思うが、これまでのEUROPEとは毛色が違うとの感は否めない。 手がけたバンドは皆同じ音になってしまうとの悪名の高いボー・ヒルの功罪も大きい。 イントロの流麗なギターが印象的な「BREAK FREE」やファンキーに刻まれるリフがいかした「YESTERDAY'S NEWS」のボーナス・トラック2曲が最もEUROPEらしいサウンドを奏でているのが皮肉だ。
これは素晴らしいアルバム。ファイナルカウントダウンより断然好きかも知れません。 はじめ聴いたときにはあまりにもアメリカナイズされたサウンドに戸惑いました(バンド名がヨーロッパでなぜ音がアメリカなんだ、みたいな)が、ジョーイが作って歌う以上はそれはまさしくEUROPEサウンド。 タイトル曲は紛れもないEUROPEの超名曲。 "THE FINAL COUNTDOWN"が世界25ヶ国で1位なら、この"PRISONERS IN PARADISE"は190カ国で1位になってもおかしくなかったはずです。少なくとも私にはそう思わせてくれるアルバムです。
BonJoviにおける、Slippery When wetがFinal Countdownなら、 Keep the Faith がこのPRISONERS IN PARADISE のような気がします。 ま、年代的にも同じですけど、20代の若々しさが30代の大人の渋みが出てきた頃かなー?という気がします。 しかし、懐かしい・・・。
91年発表の5th。これを最後にEUROPEは長い間、活動停止状態に入ります。 前作同様にハードポップ路線の作品ですが、音質が格段に向上し、 力強いリズム隊の音が支えていて、骨太な印象がありますね。 ①"All Or Nothing"・②"Halfway To Heaven"・③"I'll Cry For You"・④"Little Bit Of Lovin'と、 頭から明るくさわやかな良い曲を連発し、⑦"Prisoners In Paradise"や⑨"Homeland"などの バラードも素晴らしいし、締めの⑫"Girl From Lebanon"も良いですね。 何曲か中途半端な曲もあるものの、このように印象的な曲も多いので、前作よりも聴くことが多いです。 ただ、やはり中弛み感もあるので、曲数を絞ったらもっと良かったかなと思います。