1987年に結成された、アメリカ合衆国ワシントン州アバディーン出身のロックバンド。
バンド名には、仏教用語の「涅槃の境地」という意味合いがある。
「Smells Like Teen Spirit」のヒットで知名度を上げ、1990年代以降のロックに影響を与え、しばしばオルタナティヴ・ロックシーンにおいて『Nirvana以降』という言い方さえされることがある。
結成当初はドラマーが安定せず数回メンバーチェンジを繰り返しやがてChad Channingに落ち着く。
1980年後半のグランジシーンにて存在感を増しつつあったNirvanaは、1989年に独立レーベルであるSub Popと契約を交わし、1stアルバム『Bleach』をリリースした。バンドのメイン作曲者であったKurt Cobainは、次第に"静かなヴァースと激しいヘビーなコーラスの繰り返し"というダイナミックな対比という手法を確立していく。それからほどなくして、技術的な問題からKurtはドラマーのChad Channingを解雇する。その後、オーディションを経てDave Grohlをドラマーに迎え、よく知られたメンバーが顔をそろえることとなる。
1990年に、メジャーレーベルであるGeffen Recordsと契約。1991年に発表した2ndアルバム『Nevermind』はBillboard 200で1位を記録、MTVではシングル「Smells Like Teen Spirit」がリピートされるなど、当時のアメリカ音楽界に衝撃を与え、ヘヴィメタルから一夜にしてグランジが新たなトレンドとなった。Nirvanaを筆頭に、Pearl JamやAlice in Chain、Soundgardenなどのグランジバンドは新たな若者達のヒーローとして祭り上げられた。
Kurtのヘロイン中毒という問題を抱えていたバンドは一時活動麻痺の状態となり、1992年にコンピレーション・アルバム『Incesticide』を発表することとなった。続く1993年には、3rdアルバム『In Utero』を発表している。予想された程の売れ行きではなかったが、アメリカとイギリスのチャートのトップにランクインした。
しかし、成功から来る重圧に耐えられなくなり、次第にドラッグにのめり込んでいったKurtは、自殺未遂や奇行が目立つようになり、ついには1994年4月5日にシアトルの自宅にてショットガンで頭を撃ち、Kurtの自殺という形でNirvanaの活動は終焉を迎えた。
2015年3月までに世界で8,000万枚以上のセールスを記録している。
Final members (リーダーはKurt Cobain)
Kurt Cobain(Kurt Donald Cobain) – lead vocals, guitar (1987–1994)
Krist Novoselic(Krist Anthony Novoselic) – bass, accordion, backing vocals (1987–1994)
Dave Grohl(David Eric Grohl) – drums, vocals (1990–1994)
1. エストック ★★ (2002-02-04 10:46:00)
私の人生でベストです。HR/HMの名だたる名盤よりも好きです。NIRVANA最高!!!
6. クーカイ ★★ (2002-11-17 00:47:00)
NIRVANAのベスト盤が発売された。未発表曲が入っているらしいが、今のところ買うつもりはない。しかし、バンドが消えてからもうしばらく経つのに、ここでベスト盤が発売されるというのは、このバンドの"商品価値"というのがまだまだ認められている証であろう。当然ながらレコード会社がどう認識していようが、このバンドがROCK史において重要な位置を占めていることについては疑いない事実である。それはこの先何年経とうが変わらないと思う。
このベスト盤と時期を同じくして、FOO FIGHTERSの4thが発売された。バンドのメンバーも固まり、演奏はタイト。"FOO節"にも磨きがかかり、かなりの力作である。だが、おそらくNIRVANAのベスト盤の方が売れるのではないだろうか。そんな気がする。
バンドの歴史はとうの昔に終止符をうち、かつてのメンバーが作ったバンドもはや4作目を発表している。かような状況下でベスト盤が発売されることを機に、ここで一度グランジロックとはいかなるものだったかについて、雑駁ながらまとめておきたい。
1.いわゆる「グランジ・オルタナ」について
最初に前提として触れておかなければならない点がある。それは'80年代末から'90年代初頭においてHR/HMリスナーの多くが、ムーヴメントとしてのグランジロックをオルタナティヴロックと混同していたという点である。それが顕著に現れているのが「グランジ・オルタナ」という表記である。
しかし、グランジロックとオルタナティヴロックは、両者が成立する際の基本理念や表現手法において、水と油ほど異なっていることに注意を向ける必要がある。
アメリカで流行の兆しが見え始めたのは、オルタナティヴロックの方がやや早く、FAITH NO MOREのブレイクが例として挙げられよう。一方グランジロックは、一般的にはNIRVANAのブレイクにより脚光を浴びるようになったと措提すると、オルタナティヴロックブームから2~3年遅れているといえる。
2.オルタナティヴロックについて
では、オルタナティヴロックはどのようなところを目指して成立したのであろうか。これは極簡単にまとめると、ラップとHRとの融合である。
なにか新しいものを作ろうとする時には、既存のものを混ぜ合わせるのが最も手っ取り早いというのは勿論あるだろうが、実のところは、アーティスト自身が影響を受けたジャンルがボーダレスになっただけの話である。ラップも聴くし、サバスも好きだ。なら、美味しいところは総取りにしようぜ。という具合であろう。
このような意味合いにおいてオルタナティヴロックは、"作り手側の満足の為なら手段を選ばない"という雑食性を獲得した。"何でもあり、で、ROCKの本来持っている機能性についての議論は二の次"というのがオルタナティヴロックだと理解できる。
3.グランジロックについて
一方グランジロックの方は、作り手側の満足はともかく、"ROCKの持つ初期衝動の表現"が重視される。"気持ちよいところ総取り"なのではなく、ROCKの持っていた機能性が何であったのかにとことん拘り、もう一度ROCK本来の姿を取り戻そうしていると理解できる。故に、インディーズレーベルでの活動に拘り、極力楽曲におけるキャッチーさ、ポップさが排されたのである。
すなわち、「ROCKはアンダーグラウンドなものだったろ?」という基本理念がそこには見られ、オルタナティヴロックと比較して、その成立の背景にはストイックでシリアスなものが存在していると考えられる。
ただし、シリアスなものが偉いかというとそうではなく、故に、オルタナティヴロックとグランジロックのどちらが優れているのか?という議論は無意味である。どちらも優れたバンドを輩出し、一方で屑バンドも生み出している。
4.グランジロックにおけるNIRVANAの位置付け
ここまでで、グランジロックというのがROCKの本来の姿を取り戻そうとする意識に基づくものであったことを明らかにした。では、NIRVANAというバンドはどのように位置付けられるのだろうか。
NIRVANAの音楽の持つ大きな特徴を以下に列記する。
①ノイジーなサウンド
②強弱法の使用
③ポップかつキャッチーな楽曲(ただし『NEVERMIND』に限定)
④陰鬱な詩世界
①については、その影響は先輩格にあたるSONIC YOUTHに求めることが出来る。SONIC YOUTHは'80年代初頭から活動を開始しているNYのバンドで、ギターのノイズをどう楽曲に生かすかという実験を繰り返してきた異色の存在である。NIRVANAがギターノイズを楽曲で使用する方法は、ある意味SONIC YOUTHの実験成果の援用である。
②についてはPOLICEの影響が大きいと思われる。ただし、POLICEがレゲエのリズムからロックのそれへシフトチェンジすることで得ていたスリルを、NIRVANAは数倍過激にしてはいるが。
③POLICEのみならずデヴィット=ボウイやニール=ヤングなどのアーティストから影響を受けていたカートは、ある意味"不用意に"そのポップセンスの良さを露呈してしまった。カートにしてみれば、自分の受けた影響に忠実だったわけだが、ノイジーでハードな音が抜群にキャッチーなメロディを奏でたわけだから、HM/HRムーヴメントの次の展開を狙っていたレコード会社の格好の餌食となった。リスナーの幸福とカートの不幸は2ndの爆発的ヒットから始まった。1stの次に3rdを作っていたら、多分カートはまだ生きていたろう。
④について。カートにしてみれば売れたことは信じられないことと同時に我慢ならないことだったに違いない。カートの詩世界の背景にあるのは、自己の否定であり、ROCKを歌うことは「何か大切なものが欠落した自分」を癒すためのセラピーだった。パンクロックは、社会に適応できない自分が悪いのではなく、社会が糞なのだと歌ったが、カートの歌は社会に適応できない自分は欠陥品だ、不良品だと歌っている。そして、なによりそうした考え方が共感を呼んだのだ。これもカートにしてみれば我慢ならないことだったろう。
以上をまとめると、NIRVANAというバンドは2ndアルバムを例に取るとグランジロックの代表格というよりは異端の存在であったと考えたたほうが良さそうである。1st及び3rdはグランジロックアルバムと位置付けても良いが、2ndアルバムの存在がこのバンドが別の何者かであることを暗示している。
5.総括
ここでこれまでに述べたことをまとめると、グランジロックというのは新しいレッテルを貼られた単なるHRだと言っても良いと思われる。ただしそれは非常に初期のHRや、まだHRが存在しなかったころの"ハードな"ロックを起源に持つものである。故に、成立時の基本理念は'80年代に隆盛を極めたポップかつハードなHR/HMの存在を基盤としていない。ただし、方法論においては既存のHR/HMから影響を受けている部分が存在する。そういう意味で「グランジロック/シアトル勢」と一括りにされたバンドは多種多様な個性を持っており、中にはかなりHM寄りの音楽をやっていたものもいる。グランジロック=HR/HMの敵だとする考え方は必ずしも的を得たものではないし、少なからず暴力的であることを指摘しておく。
長々と書き連ねてしまい済みません、こ~いちさん。
しかし、一度やってみたかったのです。
11. アメンボ ★★ (2003-01-18 08:16:00)
こういう言い方は天国にいるカートに申し訳ないが、カートの「苦悩」に僕は救われた。
世界を変えられるほど人間はでかくない。
変えられたとして、それは自分の周りのちっぽけな世界。多分それさえも難しいこと。
カートがいくら「天才」でも、やっぱり「人間」でしかない。カートの幸せを奪ったのは僕達かもしれない。
でも僕は生きてる。思ったより人生はいいもんだ。そう思える。
ありがとう、カート。
23. SCARECROW ★★ (2003-08-01 11:08:00)
なんやかんや言ってもNIRVANAは、カートはスターだったのだと思う。
例え彼がそれを望まなくても、彼の生きざま自体がスターのそれとして
大衆の目には映る。スターというのはそういうものだと思う。
現に今なおカートを崇拝するファンは後をたたないのだから。
それにしても自分の存在を否定し続けたカートが、その考え方故にカリスマとなり、死して今なお崇拝されるとはなんとも皮肉な世の中だ。
35. ERORIN ★★ (2003-09-28 14:26:00)
友達がギルビークラークの「PAWNSHOP GUITARS」と交換してって言うので、1曲目しか良くないからいいやって思い交換しました。今となってはどこでも売ってる「NEVER MIND」より「PAWNSHOP GUITERS」でよかったです。もう廃盤になってるから(笑)
37. 5150 ★★ (2003-09-29 22:28:00)
わざわざNIRVANAを好きな人に嫌な気持ちにさせる必要ないのでは?ちょっと酷すぎますね。ERORINさん、Bananasさん、あなた方はNIRVANAを勧めているんですか?それともただ貶してるんですか?
もう少し、他のファンのことも考えてほしいものです。
42. てらぴん ★★ (2003-10-21 07:32:00)
Smells like ~の発表時から聴いています。彼らの登場は言葉にならないくらい衝撃的でした。
彼らが90年代の音楽シーンの方向性が決め、80年代のアメリカンハードロックの時代を葬り去った、といっても過言ではないと思います。
その意味において、その後の90年代の音楽(メロコア・パンク)はとうとう彼らを超えることができなかった、と僕は思っています。
アメリカンハードロックが大好きだった僕にとっては、「Nevermind」は憎たらしく、でも心惹かれるアルバムでした。
彼らのことが気になったのは「Unplugged」を聴いてからです。とくに僕の好きなDavid Bowieのカバーをやってたし・・・。
よい音楽かどうかというのは、ロックの古典になりうるか、ということだと思います(もちろんなにが「よい」かは人それぞれですが)。
音だけでも精神性だけでもなく、その両方を備えたバンドだけが、時の経過というフィルターのふるいわけに対しても生き残っていく。
例えば、The Doors(late 60s)、Sex Pistols(late 70s)は、まったく斬新な音楽で当時の米・英の若者をとりこにしました。
残念にも僕は彼らと時を同じくしていないので、その精神性を実感できませんが、今になって聴いてみて、良質なロックだなぁ、と思います。
単にJim Morrisonが死んでしまったからとか、Pistolsは反体制だったからという理由で、それがそのままいい(好きな)音楽だという評価にはつながらないと思います。
うまくいえませんでしたが、Nirvanaの「Nevermind」は、こういう意味で、ロックの古典になるに値する名盤だと思います。
これからも思い出したように聴き続けると思います。
最後にBananasさんの「ウダウダ歌ってるだけにしか思えない」という発言。
たしかにKurt自身も(わかっていて・あるいは・わからないまま)ウダウダ歌っていたのかもしれませんね(笑)。
Kurtはウダウダ歌っていたかもしれない、そして死を選んだ、それだけのことだと思います(I mean, that is that. So what?)。
僕は、Kurtというロックシンガーと同じ時代を過ごすことができてよかった、そしてしつこいけれど、Nirvanaの「Nevermind」は、ロックの古典になるに値する名盤だと思っています。
52. GEORGE ★★ (2004-01-11 00:56:00)
単に曲が好きっていう人が書き込みづらい空気が漂ってますね。
カートをメロディメイカーとしてはかなり評価してますが、言動については何の興味もありません。
しかし誰もデイヴ・グロールのドラミングについて言及しないのなー。なんでだ?
61. H・W ★★ (2004-01-11 21:38:00)
女性アイドルみたいな上目遣いに、「いくらなんでもそれはないだろう」と指摘するのは、いわば、「王様は裸だ!」と声を上げるようなもので、勇気と、そしてセンスが要る。もしも実際王様が服をお召しになっていたとしたら、絞首刑確実だからだ。
オカマバーすれすれの際どいメイクアップと、クッサイコーラスを生業としてきたL.A.メタルの連中がカッコ悪くなってしまう瞬間は、突然やってきた。
彼らが裸であると鋭く指摘したバンドはGUNS'N'ROSESだったと思う。
じゃあ、NIRVANAはどうか。
カート・コバーンは、王様は裸だと知りながら、こっそり「真実の道」を楽しんでいたのだ。それが、突然皆から、「ここに真実の追求者がいるぞー」「王様は裸だと見抜いた男だぞー」と祭り上げられ、みこしに担がれ、紙ふぶきを浴びているうちに・・・
なんだか自分が「裸」になったような気がしたのだ。きっと。
いまなお、カートが往った道をぞろぞろと歩く連中が後を絶たないが、
カートの心配が杞憂に終わるという保証はない。
ある日突然、「お前は衣服を着用していない」と指摘されても、知ーらなーいぞ。
64. 消 ★★ (2004-01-31 21:17:00)
言いたいことは伝わる。
カートは売れに売れてどうだったのだろうか。