《STOP THE WAR》にみるバンドの信念 彼らの公式サイトをみると右上に“STOP THE WAR"とあり、ケネディ大統領のこの言葉が引用されている(当然アメリカに対する痛烈な皮肉だ)。 「人類は戦争が人類を滅亡させる前に戦争を放棄しなければならない」 そしてシューミアが何故“Fuck The USA"をバンドがカバーしたかの説明がなされている。要するに一般的なアメリカ市民は大好きだけど、無意味な戦争をしかけ金儲けしている奴らが許せない、と言っている。 彼らのこういった姿勢は何も今回に限ったことではなく、常に世の中の欺瞞に対して声を上げ続けている。その言及はタブー視されている宗教にまで及んでいる。 “Curse The Gods"という曲では彼らはこう主張している。 「世の中にはいろいろな宗教があり、どの宗教もお互いや隣人を愛せ、と言っているのに、自分達の宗教以外は認めず、お互い同士で迫害し続けるのは論理的におかしい!一体宗教の正義のためにどれだけの人々が死ななければいけなかったのか!」 と叫び続ける。 だから今回も彼らは立場をはっきりさせ、欺瞞だらけの戦争なんかやめろ、と叫ぶ。そうすることが例えバンド側にとって不利になっても(当然アメリカでは彼らの態度は攻撃され、不利益が生じる可能性が出てくる)、信念を貫こうとしている。 彼らのモノの考え方は行き過ぎた面も多々あるが、ただファッションで平和を唱える人達とは覚悟が違う!彼らの戦いは常に欺瞞に向けられている、僕はそんな彼らが大好きだ!
88年発表の11th。 JUDASの刻んだ時代の流れを気にせず、これだけをスポット的に聴けば、なんでこれが批判させているのだろう?と思うのは素直な感想だと思う。 楽曲は全体を通してハイクオリティだし、“Hard As Iron"や“Blood Red Skies"等今でも印象に残っている名曲も収録されている。中身は充実している。 が、しかしこれって前作が“TORBO"であるため、モダン化に対する批判に対し、簡単に元に戻してファンのご機嫌取りをしたような印象を当時受けた為、精神的に弱気に映ってしまったところに悲劇がある。 誰もが思った、“TORBO"は何だったの?失敗作って認めるってこと?そう思わせたところにこの作品も癇に障る結果となってしまったのである。だから旧来のファンが支持しない。 偉大なバンドは大変なのです、ファンが厳しいから・・・
僕がRIOTと知り合ったのはモンスターオブロックのオムニバスアルバムから。お目当てはRAINBOWとSAXONだったが、B面のラストを飾る「Road Racin'」もいたく気に入り、早速2ndを買いに走った。 当初ライナーノートに書いてある「闘争」とは成田闘争の事であり、それ故よくこの「闘争」という単語がよく使われているんだろう、と浅い理解しかしていなかった。しかしだんだん調べていくうちに彼らのメンバーがアメリカでは偏見で見られる事の多い人種であり、そのためなかなかライブがさせてもらえなかったり、サポートが得られなかったり、という事実を知るにつけ彼らの「闘争」の悲しさに触れた。もちろんそれが「闘争」の全てを意味している訳ではないんだけれど・・・ このアルバムに収録されている「49ER」、「KICK DOWN THE WALL」で歌われている傷つきながらも成功の夢を追っている内容はもしかしたら彼ら自身なのかも知れない、と当時思った。 どのCDでもいい、彼らの作品を手に入れ気に入ってもらえたらなら、そのライナーノートにある「闘争」の文字には敬意を示して欲しい。そして彼らの魅力の力強くも物悲しいメロディの深さに真剣に耳を傾けて欲しいと切に願う。 僕はこれからもRIOTは愛し続けるだろう、そして共に「闘争」して行き続けたい!