1968年、イングランドのハートフォードにて結成されたロックバンドである。
時期によってその音楽性は変転しているが、最も印象深く、商業的にも成功している第2期は、いわゆる「ハード・ロック」であり、また「ヘヴィ・メタル」の先駆的な存在であると思われる。CreamやJimi Hendrixなどの先例はあるにせよ、疾走感を伴う曲想と、できる限り大きな音量を出すことが可能なアンプ / PAを使用して、観客を圧倒するパフォーマンスを展開するという、言ってみれば「形式としてのハード・ロック」を構築したのはDeep Purpleであると言われている。
また、クラシック音楽の導入が特徴とされている。とりわけ国民楽派以降のそれに多大な影響を受けており、和声進行(ハーモニックマイナースケール)を楽式に導入している。代表曲である「Highway Star」と「Burn」の間奏部分はJohann Sebastian Bachのコード進行を引用したものであるとRitchie Blackmoreは語っている。
また、Ritchie Blackmoreによるギターの速弾き、印象的なリフは非常に有名で、速弾きの元祖とも言われている。特に「Highway Star」や「Burn」などに見られる速弾きのテクニックは、その後の多くのギタリストに影響を与えた。また、「Smoke on the Water」のリフは彼らの楽曲の中ではもっとも有名な楽曲となり、TVやCMでそのリフが多用され、ロック・スターを夢見る多くのアマチュア・ミュージシャンに多大の影響を与えている。ストラトキャスター、もしくはそのコピー・モデルを手に入れて、まず「Smoke on the Water」のリフを弾くギター・キッズは今も多い。他にも「Black Night」のリフが有名。
さらに、Ian Gillanの金切り声を立てる超高音シャウトは当時のロック界を象徴するものであり、Led ZeppelinのRobert Plantとともに多方面に影響を与えた。なお、Robert自身は「Led Zeppelinはヘヴィ・メタルでは無い」という意味のコメントを発している。
日本での人気は凄まじく、アルバムや楽譜の売上がThe Rolling Stonesを遥かに上回るほどで、レコード会社もLed Zeppelinと並ぶ二大ハード・ロック・バンドと呼び、ロック雑誌もそれに倣った。メンバーの入れ替えも比較的多かったが、各メンバーの脱退後の活動やソロ活動も盛んで、常にロック界をリードしてきた。中でも後のパープルファミリーであるRainbowなども日本では格別の人気があり、来日時は「The Beatlesのような扱いを受けた」とメンバーが語ったと伝えられている。デビュー以来、常に在籍しているのはドラムのIan Paiceだけである。
世界でのアルバム総売上は1億枚以上を記録している。
Current members
Ian Paice – drums, percussion (1968–1976, 1984–present)
Ian Gillan – vocals, harmonica, percussion (1969–1973, 1984–1989, 1992–present)
Roger Glover – bass (1969–1973, 1984–present)
Steve Morse – guitar (1994–present)
Don Airey – organ, keyboards (2002–present, touring member August 2001 – February 2002)