メロスピっぽさがなくなりブリティッシュっぽくなった事にまず一安心。前作で彼らのファンになった人には物足りないだろうけど。本作はヴォーカルにものすごい力を入れているのがわかる。とてもメロディアス、かつ完成度が高い。前作では喉の手術のためやや不安定だったマットのヴォーカルも完全復活している。「THE POISON」には4WORDS・TEARS DON'T FALL・SUFFOCATING UNDER WORDS OF SORROW・HIT THE FLOOR という名曲4連発があったので「THE POISON」と比べてどちらが上か悩むところだが、全体的な完成度では本作の方が上ではないだろうか?僕もBFMVこそこれからのHR/HMシーンを牽引していくバンドだとおもいます。アメリカには次代を担うバンドはDISTURBED・BUCKCHERRY・PAPA ROACH・GODSMACK・TRIVIUM・HINDER 等々いるが、イギリスにはBFMVしかいない。いるのかもしれないが彼らの実力がずば抜けている。NWOBHMの時代にIRON MAIDENがその他大勢と比べてずば抜けていたように。
らしさは確かに薄らいだ。でもそれを補うだけの曲の良さがあると思う。スティーヴンのVOはRATTの魅力であり、弱点でもあったと思う。それはウォーレンの器用さにも言えるかな?僕はこの作品好きだけど、ファンはOUT OF THE CELLERの時のとんがったRATTを望んでいたんでしょうね。ロビンの方がギターがうまくて、我を通す性格だったら、ウォーレンの脱退はあったかもしれないが、人気はもっと長持ちしたと思う。
評判いいみたいなので天の邪鬼な意見も・・・ キャッチーなのはいいことだが勢いが感じられない。FIRE YOUR GUNSだけは勢いもありキャッチーさもある良い曲だと思うが、その他の曲はゆったりしていてエキサイトメントが感じられない。でも大ヒットしたしたぶんこれで良いんでしょうね。音から貫禄みたいなものは伝わってきます。
DENGEROUSE GAMEとTEARS IN THE DARKはとても良い曲だと思った。そのほかは流行りのグランジの悪い面がでてしまったと思う。でもカル・スワンは好きなVOだった。声に特徴があるだけなんて言う輩もいるが、はまった時はもの凄い説得力があった。今は音楽業界からは足を洗ったとか・・・ ダグはWHITESNAKEに入りある程度脚光を浴びたがカルは過小評価のまま終わってしまった。D.PURPLEのオーディションに受かっていればまた違う人生もあったかもしれない。
確かにバックの演奏はけっこうへヴィーだけど、ハードロックには聴こえない。たぶんギターのリフを中心に曲をつくってないからだろう。でも例外的にWHAT I WANTとTHERE AND BACK AGAINの2曲はリフが中心になっている曲で、この2曲はえらいかっこいい。ぜひこの手のタイプの曲を増やして欲しいがやらないだろう。声も良いし歌もうまいし曲も良いし、完成度は恐ろしく高い。HR/HMというジャンルにこだわらない歌ものロックが好きな人には楽しめるだろう。僕はHR/HMというジャンルにこだわりがある人間なので、このアルバムはけっこう楽しめたが、次作以降も聴くかどうかは微妙なところ。
路線を戻したのはいいが、曲作りの面でネタ切れを感じる。SAINTS OF LOS ANGELSで外部ライターを使ったのは正解だ。どうしても才能のピークというものはあるんですね。ある程度以上のベテランで才能の限界やマンネリを感じさせない人なんていない。ニッキ—もおそらく本作を聴き直して、自分の作曲能力の限界・劣化を感じたんだと思う。
SLIPPERY WHEN WET・NEW JERSEYの次に聴いたので、当時はショボく感じた。でも冷静に1STと聴き比べてみると、順当に成長しているのがわかる。哀愁が減りアメリカのバンドらしい元気さ・明るさといった要素が強くなった気がする。捨て曲らしい捨て曲もないし(あえて言えばTOKYO ROAD)、再評価してもらいたいアルバム。
これがGILLANの最高傑作と断言します。SECRET OF THE DANCEとROLLERはMOTORHEADも真っ青の疾走感。MR.UNIVERSEはキーボードのフレーズがかっこいい。VENGEANCEはややポップでキャッチー。ブルースっぽい渋い曲や泣きの曲などバランスも良い。オヤジになって声が変になり、せんだみつおみたいなルックスになってからのイアン・ギランしか知らない人にぜひ聴いてほしい。イアン・ギランってかっこいいミュージシャンだったんですよ。