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COOL FEET - Burning Desire ★★★ (2020-05-29 20:50:07)

60年代の後半から活動するドイツはルクセンブルクのバンドによるデビュー作。昔から初期型のSCORPIONSのような音楽が聴きたいのにどうして、そういう音が中々ないのだろうかと思っていたら、米英からするとドイツのロックは格下でクラウトロックなどと呼ばれ馬鹿にされていたというのが背景にあるらしい。ドイツ国内限定のバンドならいるのではないのかと思うが、中々お目にかかれないのが現状だが、そんな個人的に不満を解消してくれたのがこのバンド。
完全に暗く湿った叙情派ハードサウンドを披露。ジミヘンをやりたがるウリ・ロートのいない初期型SCORPIONSスタイルである。しかもレコーディングはダークススタジオでしょ、完全に狙っているじゃん。
アナログ盤の枚数も少ないために、世界中のマニアが探しているレアな一品。自主制作盤だから、尚更でしょうが、だれか正式な音源として再リリースに一肌脱いて欲しいですね。
パワフルな歌声と、情緒のある泣かせのダークメロディが乱舞する初期型SCORPIONSの旨味、大好物ですね。


NASTY SAVAGE - Nasty Savage ★★★ (2020-05-29 20:29:57)

Metal Bladeのブライアン・スライゲルが陣頭指揮に立ち制作されたフロリダのバンドによるデビュー作。ミステリアスでダークな色合いはキング・ダイアモンドからの影響も大、シンガーのナスティ・ロニーの歌い回しも、キング・ダイアモンドを意識したものだろう、そこにエピカルなムードも持ち込み濃密な世界観を演出、スラッシーなリフワークも飛び出すが、スピーディーなナンバーはなく、スピード命のマニアには喰いつきも悪いだろうが、ハードでエッジの効いたギターリフや、重心を落とし迫ってくるヘヴィグルーブを中心とした楽曲構成は、少々キャッチーさに欠けるのだが、US産の裏街道スタイルを愛するマニアにはたまらんものがあるでしょう。軽快に走るだけがメタルではない、こういう重苦しいスタイルにも需要はありますのでね。
濡れているのに湿らない光沢のある艶めかしいメタリックサウンド、もう少しスピードを上げれば初期型スラッシュバンドとして、太鼓判を押せるが、そこまでの勢いはない。でも破壊力は抜群だ。
なんだか上手く言えないが、スラッシュメタルの国で、キング・ダイアモンドとマニラロードの体が入れ替わり、口噛み酒飲んで(千鳥の相席食堂おもろかったなぁ)、なんだかんだで最後に君の名はって言ったら、こんな音楽になるのでしょう。
訳の分からないことを言って逃げましたが、折り目正しいスラッシュサウンドとエピックメタルの融合を果たした今作は、フロリダのメタルシーンに影響を及ぼしているというのは、けして大げさではないだろう。


Brave Bomber - First Bomb ★★★ (2020-05-29 15:06:15)

90年代に関東を中心に活動していたパワーメタルバンドのデモ。勇壮なメロディと歌詞、その男臭さマックスのサウンドは、ACCEPTを軍歌仕様にしたような気骨なスタイルであり、力強さとメタルな様式を守った音楽性に、グッと惹き寄せられました。とくにオープニングを飾るGaming Animalのギターソロに、ロシアの戦中歌としても知られるカチューシャをねじ込んだセンスに脱帽。こういうアイデアもACCEPT的であり、日本人的な情緒と、迸る熱情を何の疑いもなく叩きつけることで独自の音楽性を築き上げている。デモ音源なので音質は期待できないが磨けば光る素材であることに変わりはなく、どこか海外にインディペンデント系のレーベルに持ち込み、正式な音源として世に出して欲しいと思わずにはいられない。国産メタルを代表する一品。
バンドは一度空中分解するも2000年以降、凱旋マーチと名を変え再出発。男泣きの任侠メタルサウンドを引っ提げ、兵隊ヤクザぶりを発揮。多くのマニアを歓喜させた。結局、凱旋マーチも姿を消したが、彼らの功績は色あせる事はありません。大衆性や売れる事とは別のベクトルを放つ普遍性。その魂を焦がすパフォーマンスの数々に胸が熱くなります。LIVEを見に行った日々を忘れんよ。個人的にはFLATBACKERと凱旋マーチは、もう一度復活して欲しいと願わずにはいられないバンドである。


BADD BOYZ - Badd Boyz ★★★ (2020-05-25 13:03:13)

Voポール・ショティーノ、Gミッチー・ペリー、マイケル・ガイ、Bにショーン・マクナブらの名前がクレジットされているバンドのデビュー作。ポールのしゃがれたソウルフルヴォイスを生かしたハードサウンドは、彼が歌う事で魂が吹き込まれる、その有機的な響きに心が揺さぶられますね。作曲クレジットや複数のプロデューサー名義など、どうも寄せ集め感が漂うが(詳しいバイオはわからないので言及出来ません)楽曲のクオリティも高く、作風も統一されており視聴感にばらつきは生じない。彼の歌声と、メロディを大切にしたアーバンなセンスが光る歌モノロック。皆が同じ方向に向かい何を聴かせたいかを明確にしていることが、今作をよりよいものに仕立てている。
何を歌っても上手い男に、任せておけば大丈夫である。ロックありバラードありブルースありと、無敵のロックシンガーの美声と、職人技のサウンドを楽しめる好盤ですね。


VANDENBERG - 2020 ★★★ (2020-05-25 12:36:40)

ついにヴァンデンバーグ名義で復活を果たした稀代の名ギタリスト、エイドリアン・ヴァンデンヴァーグ。WHITESNAKEでの活動のイメージが強く、のっぽのブルースオジサンにされてしまっているが、彼本来は、そんな地味なギタリストではない。
もう味がしなくなっているのにWHITESNAKE時代に噛り付き、地味な作風を連発したMOONKINGS時代の失敗を払拭するが如く、今作では果敢にエネルギッシュなハードサウンドに挑んでいる。
今やB’zのメンバーとしても知られるブライアン・テッシーと、ルディ・サーゾの元WHITESNAKE組に、今や引っ張りだこのロニー・ロメロの布陣。正直、押しの強いロニーが歌うのであれば、繊細なサウンドが期待できないと踏んでいたが、その反面、彼の胸板の熱そうな、胸毛ボーボーの熱いエモーション迸る歌声を中心としたハードサウンドを披露、少々盛り過ぎな面はあるのだが、今の若い人にとっては、これくらいゴージャスに着飾ってもらわないと困るだろう。
MOONKINGSをより現代的アップデートした作風になったのも、このメンツならでは、往年の泣かせは少ないが、それでも古典ロックに根差した快活なサウンドは等身大の魅力。その中に欧州風味の強いメロディも持ち込み、ヴァンデンヴァーグというバンド特有のムードを醸し出している。泣かせとキャッチーなメロディも盛り込んだLET IT INなど、かつてのスタイルを求めていたマニアの留飲を下げさせろう。叙情的なナンバーも求めるファンにとっては、おもてたんと違うとなるのかもしれないが、ロニーがいることで、様式美タッチのフレーズも放り込んだりと、過去の焼き回しや、往年の栄光にすがらないスタイルをとっており、次の作風を期待したくなる一品に仕上がった(次はもうちょい泣かしてね)。
ハードバッキングとの対比のように、抒情的なフレーズを紡ぐソロが出てきたときの色艶の煌めきに、ヴァンデンヴァーグの魅力を感じます。ほぼ4分前後のシンプルな楽曲の中に注ぎ込まれたスリリングなプレイ、リラックスしたムードもあるが、一瞬の輝きに往年の姿を垣間見ました。彼は昔からブルースギタリストではない。


VANDENBERG - Vandenberg - Nothing to Lose ★★★ (2020-05-24 17:26:07)

RAINBOW風味のメロウなハードナンバー
ジョー・リン・ターナーの声が聞こえてきそうだ
上手いことやっているねぇ


VANDENBERG - Vandenberg - Too Late ★★★ (2020-05-24 17:24:57)

明るいポップな曲だが
欧州的なメロウさが加味されている
こういう陰と陽を組み合わせるのがヴァンデンヴァーグは上手かった
メジャー感も十分にある


VANDENBERG - Vandenberg - Wait ★★★ (2020-05-24 17:15:14)

若い頃はこれからアルバムが幕開けだぁなんて言ってましたね
アコギのイントロが煌めいていますよ
メロウなムードとハードなロックテイストが絶妙です
走るだけがメタルじゃない
こういう曲も存分にその魅力を照らしている


VANDENBERG - Vandenberg - Back on My Feet ★★★ (2020-05-24 17:11:54)

グルーヴィーな曲ですねぇ
アルバムの2曲目ってのが絶妙です
この欧州風味満点のメロも素晴らしい
エエバンドだったなぁ


VANDENBERG - Vandenberg - Lost in a City ★★★ (2020-05-24 17:09:45)

洗練された都会的な曲です
ギターソロもホットでクールにキメまくる
これぞヴァンデンヴァーグな魅力に溢れている
こういう売れ線モノをサラリとねじ込めるセンスがいい
十分ハードで攻撃的だね


TORMENT - Tormentation ★★★ (2020-05-23 14:10:24)

国内盤はあのSpiritual Beastからリリースもされているドイツ産暴走ロックスラッシャーの通算4枚目。活動は1984年、4枚目だが20年を超えるベテラン戦士、おまけに自らRemedy Recordsも立ち上げていますからね。その気合の入りようも伺えるでしょう。
けたたましいチェーンソーの音から暴走ロックショーが幕開け、シーンの細分化が進み成熟された中で、彼らが取った手法は古典的なスタイルの踏襲。それはVENOM的な騒々しいロックスタイルとMOTORHEADに通ずる、いぶし銀の荒くれスタイル。時には陽性な面も見せたりと(AV男優になりたい③とかね)、いい意味で肩の力が抜けており、整合感がある。この生真面目さがドイツ印なのかもしれないが、20年というキャリアに裏打ちされた、アグレッションと疾走感は、良く練り上げられている。その辺りが鼻につくとのめり込めないなぁと興ざめするのかもしれないが、ドライな感性を研ぎ澄ましたシャープな演奏は、中々の切れ味を持っており、スピード過多にならぬよう、適度な間合いを持って攻め込んでいるのが印象的です。

正直18曲は多いぞと思うのだが、MOTORHEADとGIRLSCHOOLがかつて共演したJohnny Kidd and the Piratesの⑮を、サービナ・クラッセンをゲストに迎えカヴァーをやっていたりと、お楽しみもあるのでマニアならついつい手を出したくなりますよね。

余談ですが、Spiritual Beastのオンラインショップで70%オフの711円で売っているのを見ました。世知辛いっス。経験に裏打ちされたピュアジャーマンスラッシュサウンドの旨味。なぜかお手頃な感覚があり親しみやすい音だと思うんですけどね。


CROW - Bloody Tear ★★★ (2020-05-23 13:32:30)

日本が誇るハードコアパンクスによる18年振りの2枚目。リリースは2005年、自主制作と思われる作品は血涙というタイトルで流通しているらしいが、現物は見たことがない。ワタシが知っているのはPrankとい米国の会社か『BLOODY TEAR』の名で2006年にリリースされたものです。

パンク特有のお気楽感など皆無。徹底的に貫かれるハードコアパンクス流儀の暴虐性、ど派手なドラミングと過激度を高めるベース、両者が加速度を増すように蹴り上げまくる。ギターも激しいだけではない情緒がたっぷりとあり、この嵐の如く過激な音の渦の中に、猛烈な泣きを持ち込んだりと、芸達者な面もありメタル系の耳を存分に刺激し楽しませてくれる。無頼な過激さに情緒を絡ませたことにより、より一層の説得力と深みをサウンドにもたらしている。

そこに単に、おどろおどろしいことや過激な思想を乗せて奇をてらうのではなく、社会にある矛盾や切り捨てられる弱者の目線を、魂を込めて歌いこめるCROWのパフォーマンスが世界観を広げ、その唯一無二の個性を知らしめんとする、魂の雄叫びは鋭い歌詞と共に、聴き手にグサリと突き刺さってくる、

ハードコアパンクスなので過激な面が強いのは確かだ、毒気と荒々しさ、その血生臭い激音の中に組み込まれた情念が、巧みな楽曲構成と合わさり独特のドラマ性を生み出している。ワンパターンになりがちなスタイルの中で、一癖も二癖もある引っ掛かりが、壮絶なる緊張感の上で転がり踊ることで、このバンドにしか成し得ないサウンドをかき鳴らしているのが印象的。
必然的に交差するメタルとハードコアパンクススタイル、破滅的な衝動性を持っているのに、メタル特有の構築させた展開があると思わせたのが、このバンドの凄さなんだろう。門外漢のジャンル故、上手く説明できないのだが、スピード狂のマニアは勿論だが、ノイジーな鋼鉄リフの嵐に飲み込まれ、絶え間なく振りかざされる分厚い刃の如き殺傷力をもったリズムに切り刻まれ、情念を吐き出す野太い咆哮から発せられる、黒いエキスに汚染されたい、甘い言葉や偽物の正義に寄りかかりたくなり、真のロックファンに是非とも、聴いて欲しい一品ですね。もの凄いんだから。


GRIEF OF WAR - A Mounting Crisis... As Their Fury Got Released ★★★ (2020-05-22 13:20:37)

2002年頃から現在まで活動を続けるサムライクランチと呼ばせるスラッシャーの記念すべき1st。ザクザクと刻まれるギターリフに80年代型スラッシュを聴いていたマニアなら涙がこぼれそうになるでしょうね。LAAZ ROCKIT謹製ともいうべきメロディを蔑ろにしないスピード命の音楽性、過激なスタイルだが、それらに起伏を持たせる技巧も持ち合わせており、猪突猛進型にも関わらず情感のある描写を盛り込めるのが凄くカッコいい。
先人たちからの恩恵をたっぷり受けた音楽性の強み、日本人云々で語られるレベルではない仕上がりぶりに目を細めてしまいます。
このノリとエッジの効いたスタイルはベイエリア風味だが、もっとストレートでオーセンティックなスタイルに軸足を置いており、色んな意味で類型的ではある。その痒いところに手が届く、気配りが上手いと感じるのか、ありきたりな手法と捉えるかで評価も分かれるのだろが、オリジナルのリリースは2005年だったので、そのインパクトは大きい。世界的なリバイバルブームに先駆け日本から、世界に向けて先制攻撃を仕掛けたサムライクランチ、スラッシャーなら一度を聴いて欲しいバンドです。尖っていますよ、味も濃い目ですよ。


CITY INDIAN - Howling on Fire ★★★ (2020-05-22 12:54:41)

かつてWar Painted City Indianと名乗り関西を拠点に活動していたパンクスが名前を変え1991年にリリースした1st。ジャパニーズロックの系譜に連なる音楽性、ストレートな歌詞同様、音楽性も真っ向勝負といったところだろう。
パンクスという事で、どれくらい過激で刺激的なサウンドが飛び出すのかと思ったらMSGパンクロックヴァージョンなインストで幕開に驚いていたら②で走り出します。頭脳警察をよりメタリックにした音楽性とも言える曲の登場、こういうバンドなのと思っていたら、ロックンロールなノリもあったり、良く聴けばベースの自己主張が強めだったり、アンサンブルも単純なビートを刻むだけではないグルーブがあり、単なるパンク出身にあらず、毒気と過激な色合いで染め上げるだけではない、オーセンティックロックスタイルを踏襲している。MOTORHEADを引き合いに出される音楽性だろうが、もっと日本的で懐かしい空気を持ち合わせているのが印象的ですね。
古典ロックに根差したワイルドなサウンド、キャッチーなコーラスワークにサビメロと、一聴して馴染む親しみやすさも魅力。パンクの世界は語れるほど造詣も深くないので、このバンドがどのような位置づけだったのから分からないが、HM/HRを嗜好しているマニアでも、十分に楽しませてくれるハードサウンドを奏でているのが、今作最大の魅力でしょう。歌い手がしっかりと吠え、ありがちなパンクロックシンガーでないのが良かった。ヒリリと焼け付く酒焼けヴォイスは、キャッチーな楽曲との相性も良く、意外なほどバラエティに富んでいると感じさせるのが、このバンドの更なる魅力だろう。これだから多方面から支持されたんですね。


THE HU - The Gereg - Wolf Totem ★★★ (2020-05-21 13:55:59)

画力のある映像に魅入る
大地の集合したモンゴリアンバイカー
それを従え勇壮なモンゴリアンロックが始まる
徹底的に無駄を排除した音楽
我々の体内に眠る太古の血を呼び覚ます音楽
なんか始まりそうで始まらないのに最後まで見てしまう
欧米圏とは明らかに違う伝統と斬新さを盛り込んだサウンドでしょうね
パパローチの参加ヴァージョンもありますよ


THE HU - The Gereg - Yuve Yuve Yu ★★★ (2020-05-21 13:47:04)

映像がカッコいい
それだけで何度も見てまう
原始的なリズムも癖になる
フォルムのカッコいい楽器も気になる
この歌いかたも気になる
何唄っているかわからん
気になることが多く何度も見たくなる


KRAKEN - Kraken II ★★★ (2020-05-21 13:05:57)

南米はコロンビアを代表するレジェンダリーな男たちが世に放った2枚目のアルバム。今作はキーボードプレイヤーをゲスト参加させ、前作にあった気骨溢れるメタリックスタイルにいい意味での柔軟さ、所謂大衆性を加味させたことにより、マイナー調のメロディもグッと際立ち叙情性もアップ。自分たちにやりたいことがしっかりと具現化、前作の反省を踏まえしっかりと成長の跡を見せてくれます。

音楽性の幅が広がったと言っても軟弱になった要素は皆無、メジャー感のみならず、プログレッシブな展開も増し辺境地メタルのレッテルを自ら剥がしています。英詩ではないのでね、語感のなど気になる人もいるでしょうが、線は細いがハイトーンを駆使しエモーショナルに歌い上げる姿も前作以上に様になっています。

完全に前作とは別物と捉えた方が無難に解釈できる渾身の2枚目。コロンビアのメタルシーンがどのような形で形成されていたのか分からないために、軽はずみなことは言えないが、勢いだけではない知的なエッセンスや、南米特有の熱情、それらをクールな感性でまとめ上げたバンドのセンスが光ります。
当然レコーディング環境は褒められたものではない。音質も深みも厚みもない、それでもメタルに対する愛情がビンビンに伝わる仕様になっていますよ。その秘められた思いを解き放っている、バンドの将来性に思いを馳せ耳を傾けるのが、一番の楽しみ方でしょうね。


DINKUMOIL - Metal Weld ★★★ (2020-05-21 12:49:27)

自らをUnderground NWOBHM bandと呼ぶ中国のHM/HRバンドが2010年にリリースした1st。その思いはオープニングナンバーから炸裂、ガリガリとしたスラッシーなリフも飛び出しテンションも上がるが、唄が始まった途端にガクンと下がるのが…なんともアジアな結末であろう。この手の音楽を愛する者にとっては、そんなことは想定内。むしろここで貫かれる初期型スラッシーサウンドの胡散臭さに、多くのバンドが通ったであろうデビュー作、同様の作り込みを行っている。狙ったのか、パクっただけなのか分からないが、やり切ることで、まんまNWOBHM直系の暴走スタイルを模倣している。
急降下する鋭角的なリズムとリフ、埃っぽさのあるスピードロックはパンクロックな解釈で加速、汗臭さが滲み出るアングラ臭も、驚くほど板についている。個性は薄味なれど、こういう音の持つ懐かしさと初期衝動を擽る実直な姿勢に共感を覚えずにはいられません。
なぜ、こんなにボーカル処理にしたのか理解に苦しむが、バンド名も英語、歌詞も英語とワールドワイドを視野に入れているようで、応援したくなりますね。


Хурд(HURD) - Black Box - Best Collection I ★★★ (2020-05-19 17:57:35)

下記内容が収録曲です。
1. Чоно
2. Алив Бос
3. Нар Сар
4. Чимээгүй Ирэх Дурлал
5. Сэрүүн Бухимдал
6. Залуу Нас
7. Эх Орны Төлөө
8. Сайхан Бүсгүй
9. Өөрийгөө Би
10. Ээждээ
11. Бахархал
12. Шартаж Үхлээ

チンプンカンプンな言語に対応不可ですが、1993年から98年までの活動初期の音源集。出している音はアジア共通とも言える情緒のあるロックサウンドを披露。楽曲によっては、露骨に元ネタがバレるものもあったりしますが、クラシカルなフレーズも持ち込んだスピードナンバーもあったりと、先人たちからの影響を飲み込み、モンゴル流に解釈したアレンジは、日本人的には演歌チックなメロディもあったりと懐かしい空気が充満しているも、けして欧米諸国に劣るものではない。

きっと欧米の人も日本からLOUDNESSを紹介されたときに、同じような感覚をあじわったんかいなぁと、おもったりと個人的には、諸国漫遊記気分で大いに楽しみました。正直、ストレートに走るハードな曲よりもエモーショナルなサウンドの方が多めなので、チョイと肩透かし気分ではあるものの、ベストなのでと好意的に解釈しましたよ。
やはり、その地でしか出せないカラー、そういう音を楽しむのが一番でしょうね。


Хурд(HURD) - Black Box ★★★ (2020-05-19 17:26:54)

モンゴルを代表するHM/HRバンドの12枚組のBOXセット。自主制作&モンゴルだけに、こういう形で世に出してくれたのはありがたいですね。彼らの音楽性の変遷も含め、モンゴルロックの一端を垣間見るのに丁度良いのかもしれませんね。


THE HU - The Gereg ★★★ (2020-05-19 15:42:21)

YouTube動画が話題となり世界的な成功を収めつつあるモンゴルのフォーク/トラッドロックバンドの1st。民族楽器とホーミーという歌唱を駆使したロックサウンドは、話題になったPVのイメージと合わさり唯一無二の個性を放っている。
雄大な大地を想起させる力強さと、ほんのりとした泣かせのメロディもあり、心に木枯らしのように吹き込んでくる。じめっとはしていないのだが、荒涼とした雄大な大地の向こうから聴こえる太古のうねり、清々しいほどの爽快もあれば、絹の如く優雅なイメージを抱かせたりとアジアンなムードを存分に引き立たせている。ロックと括られるジャンルならではの、大地を力強く踏み鳴らすトライバルなリズムも顔を出し、時に好戦的とも言えるサウンドは独特の高揚感を与え、知らず知らずのうちにタイムワープしたかのように、過去の時代に引き連れてくれる。まるで世の理を体感したかのような錯覚を覚える。この歴史ロマン溢れる音楽性、物語のように進んでいく必然的流れに魅了されまくりです。土着的でありながらもドメスティックな感性で終わらない質の高さが、ワールドワイドに打って出ても、物珍しさ先行で終わらなかった理由だろう。レーベルメイトと共演も果たしたり、スターウォーズ関連の仕事をこなしたりと大躍進中。音楽性どうよう無限の可能性を秘めているのが成功を収めた理由だろう。

日本の音楽シーンは世界から相当遅れている。中途半端な経済力があるから、自国の売り上げで飯が食える。今のご時世、無価値とも言えるCDを打っているのも日本くらいだ。付録満載のCDも一部流通しているが、値段がバカたかい。それならば、場所はとるが、明らかにジャケットを眺めるにも付録のポスター等など、おまけを堪能できるアナログ盤の方が圧倒的に価値がある。
そろそろ方向転換を考えないといけない時期にきている。個人的に、CDを買うときは、損した気分が大きい。アーティストの拘りやマイナーなバンドのリイシュー盤など、やむにやまれる事情のみの購入だ。
知識さえあれば、こんなバンドも定額制で楽しめるぞと、驚愕する事もしばしば、このグループのように、動画サイトから爆発的な火が付くこともある。是非とも戦略を見直して欲しいですね。日本にも個性豊かなグループがジャンル問わず沢山存在していますから。

感情の抑制をはかる、独特なホーミーの音色、あの歌唱スタイルも聴き進めることに耳になじみ、必然性も大。ロマンを駆り立てる民族楽器の美しい音色。欧米からは現れることのない個性豊かな音楽性、安物のドラマティックとは無縁の壮大な世界観。ロック東方見聞録を楽しみましたね。


CAPTAIN BLACK BEARD - Struck by Lightning ★★★ (2020-05-18 12:48:18)

北欧のメロディアスHM/HRバンドが2018年にリリースした4枚目。今作からシンガーの座が紅一点のリヴ・ハンソンに変更。在庫過剰気味のパヤパヤとしたフェメールヴォイスなら、どないしようかと思っていましたが、彼女はピリッとスパイスを効かせたパワフルヴォイスを披露。少々、力が入り過ぎとも言えるが、ほぼファルセットで歌うよりは個人的にはありがたいので好感が持てます。ただ、この手のメロディアスサウンドには、少々声に色気が足りないとも思え、痛し痒しな面はあれど、そこは嗜好の問題。性別云々で、ロックを聴くような偏見まみれの時代錯誤者でもなければ大いに楽しんでもらえるでしょう。
期待を裏切らない展開と構成、2020年の最新作は、少々薄っぺらい音になっているので、これくらいロックな歯ごたえがある方が良いでね。プロデュースを担当するのはH.E.A.Tのヨナ・ティー、その辺りも完全に音に影響が出ているでしょう。両者の思惑が合致して出来上がった至高のメロディアスHM/HRサウンド、フックと哀愁に満ちたポジティブソングが満載です。


CAPTAIN BLACK BEARD - Sonic Forces ★★★ (2020-05-18 12:31:58)

北欧産メロディアスHM/HRバンドが2020年にリリースした5枚目。リリース元はAOR HEAVENですからね、寸分の狂いもなく繰り広げられるは、夜空にオーロラが輝く北欧サウンドを披露。その煌めくスウィートメロディに安堵を覚えるでしょうね。
スリルや先鋭的な刺激はなくても、安定感のある粒のそろった楽曲はどれもが一定の水準をクリア、全編シングル向けとも言えるコンパクトな構成とキャッチーさに、この道を極めんとする職人気質を感じ目を細めてしまいます。
新シンガーも硬軟絶妙に交ぜた歌い回しで重責を全う。丁度いいスパイスを効かせてくれます。疲弊した身も心も、癒してくれるハードポップサウンド。いい意味でのお手軽さ、そのインスタント感を無駄なく仕込む事で、極上の癒し系ハードサウンドに昇華した手腕は見事でしょう。H.E.A.Tの助力も大きいのだろう。


TRAVELER - Termination Shock ★★★ (2020-05-17 14:21:03)

オールドスクールを愛するカナダ産の若手バンドによる2枚目。前作同様のタコ怪人ジャケ&NWOBHM直系のトラディショナルスタイルに涙と、寸分の狂いなく往年のスタイルを踏襲。テクノロジーに頼り過ぎない録音環境もロックバンドかくあるべきな姿勢を感じさせ、かつて群雄割拠ひしめき合い隆盛を極めんとしたメタルサウンドを披露。
メロディ成分多めだが徹頭徹尾、貫かれる鋼鉄魂満載の音楽性に嘘偽りは一切なし、時代や売れる事への忖度なしサウンドにグッときます。勿論、今の感性を通り抜けたスタイルですので、ヴィンテージ臭でお茶を濁すようなバンドではありません。
大衆性もそこそこに、伝統を受け継ぐ哀愁のスピードサウンド、日本人好みの展開も多く、正統派スタイルを求めるマニアの救世主となるバンドでしょうね。
この手のスタイルは、模倣的なものであり、視聴感は高いのにどうしても飽きのサイクルが早い。人によっては、尚更でしょうが、今の若い人には、古典として知ってもらいたい音ですね。こういう既存のスタイルが時代を切り開くとは思えないが、ヘヴィメタルの根幹とも言える音楽性が廃れるのも、おかしな話なので、今の時代をブリブリと活躍するのは至極当然な事と思える。侮るなかれ現代のトラディショナルサウンド、その旨味を多くのマニアに味わってほしい。


CIRITH UNGOL - Paradise Lost ★★ (2020-05-17 13:59:47)

US産エピックメタルの始祖と目され、いまだに多くのマニアから愛されるバンドの4枚目。今作にはMETAL BLADEのブライアン・スライゲルの名前もなく、前作から5年のインターバルと苦しい台所事情も見え隠れしているが、バンドサウンドは今まで以上に洗練されたものに舵を切っており、その流れはアーサー・ブラウンの③やプロフェシーの⑥など、毛色違いのカヴァーを放り込んだが、成功とは言えず聴き手に混乱を及ぼしそうな選曲が全体像をぼやかしていると思う。
そういう間口を広げたことがマイナスに働いているのかで評価も分かれるが、MANOWARとは違うスタンスでエピカルメタルを表現したからこそ、カルトメタルの勇者と祀り崇められてた面があるだけに、個人的には残念極まりない音楽性に落ち着いたと、かなり面を食らいましたね。
ギターの音も質感の違うものとなり、全てが刷新したという印象を与えたかったのだろう。通常、バンドとしての成長というか、音楽性を進化させたのは非難に値しないはずなのに、コアなスタイルを走ったバンドであるが故の苦悩、マニア筋を裏切る形になったのが悔しかろう。しかし、前作から5年もアルバムリリースに繋がらなかったのは、あのスタイルでは売れないというのが当然の結果。今となっては、それを踏まえ奇妙な個性を抑え大衆性を纏ったことがファン離れに繋がり、一般層からも受け入れられないとは、なんとも因果なものである。

マニア度にメリハリを持たせ前作以上に聴きやすさが上がった一品。入門編としては、今作の方が正しいが、ガッツリのエピックメタルから訪問された方なら1stから行くべきでしょう。③と⑥飛ばすだけでもだいぶ印象は変わりますけどね。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell ★★ (2020-05-16 14:51:54)

前作同様ブランアン・スライゲルの助力を受けリリースした3枚目。ENIGMAとの契約もあったのか、METAL BLADEと両方から同時期に出ているのがややこしいが、3枚目という事もあり勝負を賭けた一枚。それだけに前作よりも更に洗練度もアップ、楽曲にメタリックな要素や勢いも増し聴きやすさが倍増と、これでも相当メジャー感が上がっているのが恐ろしい。
70年代初期から活動していた筋金入りのバンド。最初はエピカルなスタイルではなかったと言われているが、NWOBHMの台頭に対する米国の答えとも言われる、サウンドを披露してきたが、初期の頃に感じさせた魔術的な響き、あの胡散臭さを引き換えに手に入れたのは、より広い意味で語られるメタルサウンド。それでもエッジのないフニャチンスタイルは健在、四畳半一間で繰り広げられた一代メタルファンタジーからの脱却とはいかず、このバンド特有の薄っぺらいサウンドメイクを引っ提げているのが面白い。
ギターの質感とってもメタリックにビルドアップされているし、順当な成長は多くのマニアにとっては称賛に値するのに、一部のマニアから不満の声が上がった言うのだから、恐るべしカルトバンドである。新しい個性とサウンドを手に入れた元祖US産エピックHM/HRバンドの出世作。どんなに現代的な要素を盛り込まれようとも、それらを無意識のうちに拒む姿勢に、このバンドの美学を感じます。こうして時系列で改めて聴くと、折衷したんだよなぁである。


CIRITH UNGOL - King of the Dead ★★★ (2020-05-16 13:42:57)

US産エピックメタルバンドの2nd。まずソングライティングに影響を及ぼしていた主要メンバーのグレッグ・リンドストロームが脱退。置き土産は残しているが、彼が抜けたのは間違いなく今作の方向性に影響を及ぼしており、色んな意味でバンドの個性が薄まっている。その反面、バンド自体はスケールアップに成功、前作にあったシッケシケのカルトサウンドを幾分、メジャーなフィールドに放り込み、MANILLA ROADなどに見られる裏街道を歩くマイナースタイルなので、大衆性とは無縁だが聴きやすさが上がっているのはポイントだ。

ギターもジェフ・フォーグル一人になったがジリジリとした古臭い音色は、まさにNWOBHMを通した70年代的音像、そこにメタリックなリフを絡ませたのが、今作のシケシケ感を薄ませている要因、その辺りに懐かしさというのか、バンドの個性というのが薄まり、独特の感性に惚れ込んだマニアにとって寂しさもあったりするも、今は亡きENIGMAからのリリースというのが、その辺りの改善に少なからず影響しているだろう。
媚びを売らないオリジナルティを追求する姿勢、その何物にも属さないサウンドは、大胆不敵に回り挑発、恐れ知らずのカルトスタンスは、仰々しいほどのドラマティックな展開を用いり、自分たち流のエンターテインメント性を披露。整理整頓された音は、古典を踏襲しているからこそ、説得力も増している。濃密な⑥からバッハのカヴァーも、このバンドのドラマ性を物語るもの、そしてバンドのテーマソングに流れる展開に、様式美を感じますね。

風呂無し共同トイレのボロアパートから引っ越しをした半地下カルトメタル大将、今回も走り出しませんが、前作よりは勢い増し、1984年という時代に裸一貫で飛び込んだ心意気は大いに買いだ。個性は薄まったが確実にスケールアップした今作、順当な成長と評価するのが一番だろう。


THE RODS - The Rods ★★★ (2020-05-15 13:57:44)

『西のY&T、東のTHE RODS』と評されたのも有名なエピソードですね。ニューヨーカーらしい冷めた感性と、焼け付くほどにホットなエナジーが漲る正統派サウンドを披露。クールな①で掴みはOK、その次に登場するのがキャッチーなリフレインが耳を惹く②と続き、出オチで終わらないように名曲を連発したのが強い。クールダウンと言わんばかりに渋めのミドルナンバー③を挟み、これぞロックな黒っぽさもある④と続く展開も試聴感の良さに繋がり、このバンドの本意気度がグリングリンに伝わってきます。ポッとでの新人バンドではないキャリアに裏打ちされたプロ志向の賜物なんだろうが、今聴いてもグッと熱いものを込みあがらせる。

力強さのみならず渋めのトーンで酔わせたディヴィッド・ファインスタインのプレイも秀逸。低迷期とも言われるアメリカンハードシーンを支えたバンドの底力を堪能できますね。


Y & T - Yesterday and Today ★★★ (2020-05-15 13:34:17)

デビュー時はYESTERDAY AND TODAYと名乗っていた西海岸を代表する魂を込めたサウンドが人気の本格派グループ。Y&Tと名乗ってからの方が洗練度は増しているが、ここで聴けるスタイルも同系統に連なるもの、英国譲りの叙情的なフレーズなどUFOにも似た印象を与えるが、スローナンバーなどで聴けるメニケッティ節に感動、歯ごたえのある曲のみならず、この手のエモーショナルな曲に情感を込めまくり、泣かせるのが上手いバンドだった。
凄腕ドラマーも、楽曲によっては大人しめのプレイもあるが、レイナード・ヘイズここにありな手数王ぶりを発揮、美味しいオカズを連発、ドカンとパワフルに叩きバンドサウンドを底上げ、いい意味でのワイルドかつラフな空気を生み出している。
今の感性では驚くほど、シンプルな音作り。過度なオーバーダブなどない実力をがそのまま反映されるプレイ。その勢いと一体感は、実力がないとプロにはなれないと証明。昨今のライブでの再現不可能な情報過多に陥ったテクノロジー満載のサウンドとは一線を画す本格的なハードサウンドを繰り広げています。超絶テクニック志向のバンドでなくとも、これくらはい出来ないと話にならないのがプロの世界なんですね。今の若い人にこそ、聴いてもらいたい音楽ですよ。
録音をせーので音入れしているようなライブ感、そしてインプロ中心のギターソロ、これがロックだよなぁという仕様は、今だからこそ新鮮に耳に届くでしょうね。


CIRITH UNGOL - Forever Black ★★★ (2020-05-12 19:04:22)

昨年、ライブアルバムをリリースしてマニアを歓喜させたUS産カルトメタルバンドの復活作。通算5枚目にあたるアルバムであろう。のっけから特濃エピカルサウンドが展開、絶対に走り出すことのないヘヴィネススタイルに、耐性のないマニアは恐れおののくでしょうね。
この復活は単なるノスタルジーの再興ではない、現役としての威厳がある。このスタイルを極めんとする男たちによる、紛うことなき世界観を演出。70年代のJPからの影響も滲ませる米国産ブリティッシュロックの濃密さに、改めて唸らされました。もはや伝統芸のとも言える、唯一無二の音楽性、独特の静かに跳ねながら、うねるアンサンブルの不穏なる奇妙な響き、地下で蠢く魑魅魍魎の如く這いずり回る音色に、こちらの神経が逆なでされ不快感もMAXだ。
この背徳的な美意識、何物にも属することなく、己が信じた道を突き進むからこそ、成し得た境地だろう。マニア度が高いし、大衆性もゼロ。あまりに媚びを売らないため、どこに需要があるのかと心配になる音だが、これを待ち望んでいるマニアがエピカルメタルの世界にはごまんといる。
今やパッケージ商品を売る時代ではない、デジタル配信なら実数も分かるし、余計な経費も掛からない。レコード会社のプレッシャーを受けることなく、やりたいことをやれる環境は素晴らしいことだ。
Metal Bladeの助力も当然あるが、今のテクノロジーを取り込み演出しただけに、過去の作品よりも厚みが増している。あのシケシケ感が好きな人には、少々寂しいかもしれないが、MANILLA ROADなどのUS産カルトエピックメタルを愛するものならマストな一枚でしょう。
主要メンバーたる、ティム・ベイカー、ロバート・ガーヴェン、グレッグ・リンドストロームの三人が揃った意味は大きい。それだけで歓喜するマニアも多いでしょうね。それにしてもアッパレな奴でしたよ。恐れ入りました。過去をなぞるだけではない、現役感を盛り込めたのが良かったですね。


FALCON - Falcon ★★ (2020-05-12 18:28:01)

Cirith Ungolの初期メンバーとして知られるグレッグ・リンドストローム、Destiny's Endのペリー・グレイソン、ドラムにダリン・マクロスキーの三人が集まり結成されたバンドの1st。亡くなったCirith Ungolのジェリー・フォーグルに捧げられた一枚というのがマニアにはグッとくる情報。
正直、レコーディングというのかデモ音源のライブレコーディング的な構成の為、全般的な緩さと甘さが漂い、思い出作りの一枚的なノリを醸し出しているのだが、⑥ではアメリカのサイケ/ドゥームロックの元祖的な立ち位置のBangの曲をカヴァー、おまけに⑦⑧はCirith Ungolの1stデモの音源を再録とマニア泣かせの選曲に、ついつい食指も伸びますが、シケシケエピカルサウンドではないCirith Ungol初期の音楽性故にコレクター商品という所でしょうね。

サウンドもソングライティングと担当する二人の思惑があり、⑥を境に音楽性の違いを感じさせるのも面白い。基本はペリー・グレイソンがギターにヴォーカルも担当と、彼のバンドと捉える方が正しいのだろう。詳しいバイオはサッパリなので割愛しますが、サイケ、ガレージ臭が漂う60年代後期から70年代へと向かう、あの時代のヴィンテージサウンドを目指しているのだろう。その本意気のなりきりぶりを楽しめるかが評価をわける最大のポイントでしょうね。

③では、Pentagramのボビー・リーブリングが客演してます。Cirith Ungolがバンドとしての個性を確立したのはNWOBHMからの影響だったのかぁとカヴァーを聴いて思いましたね。貴重な経験でした。個人的には、それだけでも価値ある一品でしたね。


9.0 - Too Far Gone ★★★ (2020-05-11 14:18:59)

シュラプネルとは何かと縁のあるピーター・マリノと若手ギタリスト、クレイグ・スモールらが中心となり結成されたバンドの1st。快活でアメリカンなノリから、チョイ叙情系のメロディアスなナンバーまで取り揃えた今作は、バランスに配慮されている好盤。やや音質的に深みに欠けた印象もあるが、ヴァン・ヘイレンタイプの陽気に駆け抜けるだけではない、歯ごたえのあるサウンドもあったりと、多方面から楽しむことが可能な一枚。このメジャー感と、ヴァン・ヘイレンもどきが、好き嫌いのどちらに転ぶかで評価も分かれるでしょうね。
いずれにしろギターは巧者、リフ一つとっても工夫があり、リズムの刻み方も、時代性に合わせ引っ掛かりのあるグルーブのスムーズに聴かせてくれる。ピーター・マリノの暑苦しい歌もうっとしいなぁという場面が多々出るのに苦笑いもあるが、そこに愛着を覚えますね。このあとバンドはどうなったのかは知りませんが、ベースのマイケル・アンドリュースはスティーブ・パーシーのArcadeに流れ、ドラムのレイ・ルジアーは、あのKORNで名を上げます。


AXEL RUDI PELL - Sign of the Times ★★★ (2020-05-11 13:41:32)

究極のマンネリズムを体感させてくれる時空を超えた様式美メタルの勇者。我らがアクセル・ルディ・ペルの最新作。昨年は30周年を祝うアニヴァーサリーツアーを行うなど大盛況でした。

SEからお得意の疾走ナンバーの流れらの、もはや伝統芸能。出してる音もモロにあれである。正直言って、ここ10年くらいのアルバムをシャッフルされて新作出たよと、言われても気が付かないような類似性満載の、アイデア流用アルバムである。灼熱のヴォーカリスト、ジョニー・ジョエリも押しの強い歌を披露と尚更であろう。
しかしじっくりと耳を傾ければ、今作は疾走ナンバーの配置もうまく機能、合い間にバラードやキャッチーな曲を散りばめ聴きやすく纏めている。濃厚な大作志向のミドルナンバーにいきガチなアクセルの悪い癖を押さえることに成功している。
しかし、あの世界観もアクセルなので、コクが薄まったと感じる重症なマニアもいるだろう。

もはやリッチーの路線を現代に引き継ぐ希少なアーティスト。これからも、この路線を追求してもらいたいですね。


BLOOD OF THE SUN - Blood of the Sun (2020-05-11 01:42:03)


ご指摘ありがとうございます。
私がコメントしたかったのは3枚目のアルバムで、こっちじゃないです。誤って記入したようですね。
こちらは未聴。私が知っているのはデレク・セント・ホルムズの歌っている奴。これじゃないっす(苦笑)
こうやって誤記入他にもあるのかなぁ。


AGGRESSOR - By Any Means Necessary ★★ (2020-05-10 16:36:49)

かつてマイク・ヴァー二ー主催のコンピ作『U.S METAL-UNSUNG GUITAR HERO VOL.4』に参加した実績のある、テキサス産のスピード/パワーメタルバンドが1992年に自主製作で世に出した1st。
自主制作故の音質の緩さ、その甘い輪郭と稚拙な面もそのままパッケージはされているのだが、時代に抗うが如きダークテイスト満載の不愛想極まりないUS産メタルサウンドを披露。遊びの少ないガチンココンクリートサウンド故に、耐性のない方には少々堅苦しく聴こえるだろう。また、高低を行き来するシアトリカルな歌い回しも苦手なマニアもいるだろうが、密度の濃いメタリックなサウンドは、真摯にこのスタイルと向き合い、ギミックなしの真っ向勝負を仕掛けることで独特の緊張感を生み出す事に成功。曲によってはエピカルなムードも漂わせ、説得力のあるパフォーマンスを披露している。

こういう作品に出合うたびにプロデューサーの存在感を思い知る。彼らも、もう少し大衆性を取り込み聴かせ方に工夫が出来れば感触も良くなるのに、力任せに踏んじ張るパワースタイル故の不器用さが評価を分けるでしょうね。歌い手も迷いを感じるし、力感のある楽曲はハマれば相当な緊迫感があるのに、おどろおどろしい雰囲気モノになったりと、アイデアの渋滞も感じたりと、損しているなぁと感じる。これは嗜好問題ですからねぇ、難しいところですが、自主制作とはいえ、フルアルバムまで漕ぎつけた自信を誇りが漲っているのは間違いない力作です。


Poison Arts - Hot Rod ★★ (2020-05-09 15:42:06)

前作にあったメロディアス志向を、よりパンキッシュな激情を被せストレートな面が増量された。情緒よりも乾いた感性ということなのだが、パンクなアグレッションとメロディアスさ加減が絶妙であり整合性も増した、それに曲調にバリエーションも出たため、聴きやすく纏めている。しかしハードコアパンクスならではの硬派さを醸し出しタフな色合いが増えたのがポイントだろう。
技術云々、レコーディング環境の良し悪しをものともしない、生き様そのものが音楽性となるジャンルの強み、明るくあっけらかんとならない、殺気立った部分が強いのもメタル系の耳を満足させるに十分な要素でしょう。


Poison Arts - Mystery Temptation ★★ (2020-05-09 15:13:11)

関東を拠点に活動していた国産ハードコア/パンクバンドが、あのエクシタシーレコードからリリースした4曲入りのシングル。門外漢も甚だしいジャンルなのですが、このバンドは、ギター、歌メロもかなりメロディアスな部分があり、特にギターのリードプレイなど口ずさめるほど、しっかりとしたラインを弾いており、いかにも日本人らしい情緒を感じさせる。
歌い手もパンク特有の威嚇するような食い破る噛みつきスタイルだが、キャッチーなメロディラインを歌い上げ、投げやりなパンクとは一味違う印象を受ける。
全般的に直情的なビートを刻むと思われる、リズムプレイもグルーブがあり下手なメタルバンドよりも、よっぽどノレる。後年、こういうメロディのあるスタイルを、ジャパニーズハードコアと呼ばれ海外でも人気があると教えてもらい、主食となるほど、のめり込む事はなかったのだが、日本人らしい情緒と刺激的なサウンドは、メタル系のマニアにも十分受け入れられる要素もあり、スラッシュ系との親和性もあり両面から音楽を追いかけてきたマニアなどの耳をたのしませてくれるのに十分だ。個人的には少々深みに欠けるため、今もって思い出の一枚で終わっている感はあるのだが、4曲、12分少々のランニングタイムは丁度良い尺であり、年一位で今でも聴きますね。


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - Holy for Tonight (2020-05-08 17:58:51)

オジー流ゴスペルナンバー
そこにチョイ足しブルージーなのが聴かせどころなのでしょう
歌モノに取り組むオジー
オジー特有のメロセンスも聴けます
聴けば聴くほど洒落たアルバムだなぁ


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - Today Is the End ★★ (2020-05-08 17:44:52)

メタルでもロックでもないオシャレな歌モノサウンド
それっぽい空気もあるけど
オジーの斬新な節回しが新鮮です
これか彼のソロなのだから
こういう歌モノがあっても良い
普段こういうオシャレロックを聴かないのでサビもむちゃくちゃ新鮮に聴こえる


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - Scary Little Green Men ★★ (2020-05-08 17:33:20)

出だしのトーンからオジー節炸裂
この明るい声が聴けるのは懐かしい
歌モノの合間に挟まれているので地味に感じるが残念
それにしてもこれが2020年のオジーなのか…
古臭いなぁ


ACID DRINKERS - Are You a Rebel? ★★★ (2020-05-08 17:09:56)

ポーランドを代表するクロスオーバースタイルのメタルバンドによる1st。レーベルは今は亡き英国のUnder One Flagからリリース。という事で出している音も完全なるスラッシュスタイル。完全に陽性なるファニーな面を前面に出しており、ポーランドのマイナー臭を消し去ることに成功。音だけ聞けばニューヨークのハードコアスタイルスラッシュ群からの影響も伺えるほど、練り上げられており、お国柄から滲み出る2線級のハンディキャップなど微塵も感じさせない完成度を誇っています。
ささくれ立ったリフワークからメロディアスなフレージングまで多彩にキメまくるツインギターコンビも切れ味抜群。良く動き回るベースも技巧的だし、タイトにソリッドなリズムプレイから繰り出される緊張感、その迫りくる切迫感を、面白おかしい歌詞を生かした親しみやすいファニーさを前に出すことで、音だけ聴けば無国籍のダイハードサウンドになのに、そこに丸みを帯びさせている。
賑やかで騒々しいお気楽メタルな空気を出しているが、突破力の高いリズムとリフのもつ殺傷力の高さに舌を巻きますね。手加減無用とばかりに、おちょくりながら聴き手の感性を抉りまくりますよ。
馬鹿っぽさも話題になったろう、特に⑧における歌いだしなど、アクセル・ルーズをもじったものだ。そういう感性もバンドの強みなんだろう。初期の頃だから味わえる癖の強いスラッシュサウンド、今なお歩みを止めずに、コンスタントに作品をリリースする、その実力の片鱗を味わってほしいですね。


APOCRYPHA - Area 54 ★★★ (2020-05-08 15:16:25)

シュラプネル系出身の凄腕ギタリスト、トニー・フレディアネリ率いるバンドの3枚目。順当に音楽性を進化させ深みがましたバンドサウンド。90年代を意識したヘヴィな作り込みを行っているが、前作同様重厚な作風は構築美溢れるテクニカルな展開も難なくハマり、初期の頃のスラッシーさも盛り込み前2作から良いところを抽出、少々複座な構成が増えたし、アメリカのバンドらしい不愛想さも顔を覗かせているが、成長著しいシンガーのスティーブ・プロシカの安定感のあるパフォーマンスを筆頭にバンドとしての一体感が生まれている。
スピード以上に、バンドとして追及するは革新的な音楽。オリジナルティを研磨するように完成度を高めているが、はやり、キャッチーさに欠ける音楽性故に、少々堅苦しいと感じさせるのが評価を分けるだろうが、逆にこれぞアメリカのヘヴィサウンドと言いたい。剛毅に打ち鳴らされるパワーリズム、そしてソロでは俄然色めき立つ、スピーディーなギタープレイと、押さえるところは押さえているので、シュラプネルサウンドを楽しみたいマニアなら、そのテクニックに酔いしれ没頭できるでしょうね。


SKYCLAD - The Wayward Sons of Mother Earth ★★★ (2020-05-07 16:35:36)

今やフォークメタルの元祖として崇められるバンドのデビュー作。元SABBATのマーティン・ウォーキーやSATANのスティーブ・ラムゼイらが集結。もはや風前の灯火とも言える、消えかかった英国のハードシーン最後と砦として結集。
中世ヨーロッパに倒錯した歌詞と、スラッシーな攻撃性を携えた音楽性、そして英国トラッド、フォークも取り込み大英帝国の威厳たる存在感を誇示。当時としては斬新なアイデアを盛り込みシーンに切り込んできた。
妖艶なトーンを駆使するラムゼイのギターはあくまでも刺激的、NWOBHMファイターとしての矜持をビンビンに感じさせバンドサウンドを牽引、そこにマーティンの感情をぶつける吐き捨てヴォイスが乗っかり、このバンドの独自性をアピールしてくる。

アホでは出来ない望みの高い音楽性、このあと、ドンドンと民族的なスタイルへと倒錯していくのだが、初期の彼らはよりソリッドで攻撃的なスタイルをとっており、彼の歴史的には、随分と違った感触を残すだろうが、このブリブリとしたベースやタイトに刻まれるドラムのソリッドな質感にメタルバンドたる魅力を感じます。

そして後の片鱗を見せた④にこそ、フォーク・トラッド路線を支持するマニアのハートを掴むのでしょうね。


WALLOP - Metallic Alps ★★★ (2020-05-07 15:24:54)

1985年にアルバムを一枚残し消えたジャーマンメタルバンドが2008年にCult Metal Classics Recordsからデモ音源を追加して復刻された一品。古き良きメタルサウンドを真っ当に引き継いだ音楽性は、先人たちの影響の影響も大。パープル、レインボーといったリッチーフリークも欧州的な発想そのもの、途中にクラシックからの引用やヨーデルも飛び出し、手を変え品を変え工夫を凝らしている。
全体的に輪郭の甘い音質とミックスの為に、その凄みは伝わらないがライブでは強烈な音を聞かせてくれそうだ。レコーディング直前にヴォーカルのステファン・ニーブリングが脱退、その穴埋めにミック・ウェガを連れてきて急場をしのいだと言われる今作。確かに歌い切れていない感はあるが、それ以前に実力が伴っていないという話もあるが、このバンドが短命に終わったのは、そういった事情もあるのかぁ、なんて思いを馳せながら楽しんでいます。

直情的に突っ込んでくるメタルビート、そのストレートな感情表現は王道を闊歩するスタイルそのもの、それだけに遊びはすくないが、欧州的な情緒のあるメロディ、いい意味でキャッチーな親しみやすさもあったりと、過剰にのめり込むことのない音楽性にノスタルジーを擽られます。ここで手数の多い派手なドラムをかましているのは、Grinder~Capricorn~Grave Diggerと渡り歩いた実力派のステファン・アーノルドです。

そしてマニアにとってはデモではオリジナルシンガーの歌も味わえる貴重な一枚ですね。


APOCRYPHA - The Eyes of Time ★★★ (2020-05-05 14:57:24)

新たにチップ・クロヴィアンが加わりツインギター体制へと変貌。音質もクッキリと輪郭を浮きだたせたことにより、各メンバーのプレイも浮き彫りとなりサウンドプロダクションにメリハリが生まれた。それにシンガーも、高音域を使うようになり前作よりも明らかに歌いこめており、そのロブ・ハルフォードを想起させるメタリックな歌い回しはパワーメタルサウンドに良く似合います。全てにおいてスケールアップしたバンドサウンドは、二本のギターが織りなすアクロバティックな高速ツインリードに彩られ色艶も倍増、そのいい意味での隙間が出来たことで聴きやすさも誘発、それでもって攻撃力は落ちるどころが、こちらも倍増と素晴らしい出来栄えを誇っています。
冴えわたる劇的なるツインリードが駆け抜けるナンバーなど聴けば、ギタリストならずともグッと惹き寄せられるでしょう。2作目にしてストレートなパワーメタル色とテクニカルな構成がバランスよくハマっている有望株のバンドに成長しましたね。


APOCRYPHA - The Forgotten Scroll ★★ (2020-05-05 14:29:07)

あのマーティー・フリードマンがプロデュースを務めた事で知られるベガス産のパワーメタルバンドのデビュー作。リリース元がシュラプネルですからね、勿論、ギターはテクニカルとお膳立ては揃っています。
重厚かつ陰りのあるサウンドは欧州的な匂いを発散、レーベルメイトだったCHASTAINあたりを想起させるスタイルだが、こちらの方がよりパワフルかつプログレッシブなスタイルに軸足を置いておりカチッとハマった時の一体感は、相当な迫力を有する。
その反面、分離の悪いサウンドプロダクションのせいもあり、音符に埋め尽くされた音圧の壁による閉塞感が生まれ、聴いていると肩がこるような堅苦しさが評価を分けるポイント。一曲、一曲のアイデアは悪くないし、ギターも巧者。随所にスリリングなプレイをねじ込み聴き手を煽ってくる。それに、一辺倒にならぬように少なからず、多彩なアイデアも用いろうと工夫しているだけに、その魅力を伝えきれていないのが残念。またシンガーも、中低音域を駆使して迫力をだそうと、少々おどろおどろしい歌い方に終始しており、画一性に拍車を掛けているのも気にかかる点です。

しかし、これがUS産の裏番長スタイルのパワーメタルサウンドだし、シュラプネル謹製のソロになると俄然光りだす、あの方程式は健在と、マニアなら必ずや満足していただけるお約束が満載です。


MOGG/WAY - Chocolate Box ★★★ (2020-05-04 14:58:59)

前作から2年のインターバルを空けてリリースされたプロジェクト名義第二弾。時代の流れもありセールス的に振るわなかったと言われる前作。今回はそれなりにヘヴィな音像も取り込みファットな印象も受けるが、それ以上に英国伝統の音楽性を真っ当に引き継いだ部分の方が強く、ラフさを巧みに取り込み情緒のある音楽性を披露。衰えを感じさせないフィルの歌声も艶を増し、ジェフ・コールマンもエモーショナルかつスリリングなギタープレイで魅了。前任者のジョージ・べラスとは違うアプローチなれどギター巧者ぶりを存分にアピール。
彼の味のある多彩なギタープレイにより、UFOの往年の作風と比較しても遜色のないクオリティを誇示。今が全盛期と思わせる充実ぶりを知らしめる結果となった。
これが1999年リリースでなければ、もっと話題になっているかと思うが、マイケル・シャンカーの呪縛は不治の病の如く浸潤、良質な作品をリリースしても話題にすら上がらないというのは残念な話である。結局、元サヤへと収まりUFO再始動となるため、今作はさらに記憶の彼方に葬りさられるだろうが、厚みのあるブルージーなトーンも操るジェフのギターは、このサウンドにバッチリとハマっている。
地味なフィル・モグの歌声が苦手な人も多いと思われる英国ロック。この語感やメロの乗せ方は欧米特有の感性、されだけに日本人の口に合わないのかもしれないが、英国ロック好きにはたまらない要素が満載。熟成されたベテランが醸し出す生身の人間によるロックなヴァイヴ、その人間力にグッと惹き寄せられますね。


MOGG/WAY - Edge of the World ★★★ (2020-05-04 14:02:03)

予定とおりと言えばよいのかミスター情緒不安定のマイケルがツアー中に脱退。もろくも黄金期のラインナップは瓦解することとなった。おまけに権利の関係でUFOと名乗れずにMOGG/WAYと名を変え新作をリリースすることになったがラインナップも含め、だれが見てもUFOの新作と捉える方が無難だろう。
花形であるギタリストの座にジョージ・べラスを抜擢。そのおかげで前作に漂っていた乾いた音像を一掃。英国特有の憂いのあるメロディラインが瑞々しいさに溢れ富んでおり、往年の姿を醸し出しています。フィル・モグも情緒のある歌声で潤いのある歌メロを歌い上げ、完全復活を印象付けました。それだけに、プロジェクト名義になってしまったのが悔やまれますが、ブルージー路線に不満のあったファンの留飲を見事に下げていますね。
それも後任の座を務めたジョージのギタープレイに尽きる。ネオクラ風味満載のソロとUFOサウンドの相性がこれほどとは思いもしなかった。かつてインギーに白羽の矢を放ったフィルでした。個人的に渋めのUFOにインギーなんて場違いじゃないのと思っていたが、こういう風に組み込まれるのは大正解でした。
速いだけではないエモーションを込めたジョージのギターに魅了されるでしょうね。


VICIOUS RUMORS - Digital Dictator ★★★ (2020-05-03 17:04:58)

ジェフ・ソープの相棒にマーク・マギーを迎え、不世出のヴォーカリスト、カール・アルバートが揃ろいバンド体制が強化された2枚目。その効果がオープニングナンバーから劇的に変化、ドラマティックかつパワフルなバンドサウンドを確立、ジェフ・ソープが本領を発揮したというところだろう。ドラマ性を高めるツインギターコンビの濃厚な絡み、メロディアスかつ攻撃的なギタープレイが研ぎ澄まさることにより破壊力も倍増と、力技だけではない技巧派ぶりも披露している。

もはやロブ・ハルフォードにも負けていないぞとタメを張れるカールのパワフルヴォイスが各段に音楽性へリアルティを導入、この欧州的な陰りのあるダークメタルサウンドとの相性は抜群の相乗効果を生み出している。2枚目にして威風堂々たる佇まいを醸し出したバンドの出世作。これぞヘヴィメタルの醍醐味が詰まっている。


LONDON - Non Stop Rock ★★★ (2020-05-03 16:43:17)

上での指摘通りL.Aの生き字引のようなバンド。ここから巣立っていたミュージシャンは数多くいれど、このバンド自体はビックになれなかった。では音楽性に魅力がなかったかと言えばそうではない。グラム系特有の毒気もあるが、リジー・グレイのギターは刺激的かつ荒々しいプレーで魅了、そのおかげで対比となるキャッチーなリフが俄然生きている。いい意味での荒さを伴った音楽性はパンキッシュな感性に彩られ、即効性も高く耳なじみ良く飛び込んでくるのだが、どこか聴いたことがある曲に思える個性不足が評価を分ける最大のポイント。リジー・グレイはいいギターを弾いるぞ。花を添えていますよ

クラブシーンで鍛えられたバンドだけに演奏は安定してるが、軽めのミックスも損している。躍動感のあるリズムとエネルギッシュな歌もあり、迫力はあるのだが伝えきれていないのが残念ですね。L.Aメタルの徒花。苦節云々ようやっとデビューに漕ぎつけたバンドが、一縷の望みを託した今作には、成功を掴み取ろうともがく若者の儚い夢のな刹那がある。


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - Under the Graveyard (2020-05-03 16:30:35)

やはりあの声が戻っていると思えるのが印象的
それがCG寅さんであっても
AI美空ひばりでも構わないと思えるかがポイントですね
ひねくれた我が身が憎い
いいPVなのにねぇ


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - Goodbye ★★★ (2020-05-03 16:27:45)

往年のオジー節が聴けます
それだけでファンは大喜びでしょう
タイトルだけ見ると感傷的ですね


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - All My Life (2020-05-03 16:22:43)

早くも2曲目は歌モノ
今のオジーらしいが
スタンダードな匂いを感じさせる歌メロがなんとも懐かしい


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man - Straight to Hell ★★★ (2020-05-03 16:20:07)

骨太なギターを弾くのがスラッシュですね
無難ですが主役はオジーですので無問題
とにかくあの明るい声が戻ってきました
深みなど全くないペランペランの声ですが
この明るい声で歌い上げるから個性的なのです
技術的な部分ではなくキャラで生きてきた男
彼だと一発でわかる独特のトーンが聴けるオープニングナンバー
PV込みだと尚更たのしめるでしょう


OZZY OSBOURNE - Ordinary Man (2020-05-03 16:13:54)

前作から10年ぶりにリリースされた巷で話題の最新作。一応、オジーのラストアルバムとの触れ込みです。実は、最近まで92年以降のオジーの作品をほぼ、聴いたことがありませんでした。今作リリースを機に、毎日オジーのニュースがスマホに流れてくるので、そのしつこさに根負けして定額サービスを受けているSpotifyから視聴。予想以上に時流に乗ったサウンドと、もはやオジーじゃなくとも成立するスタイルに面喰いました。そして紆余曲折を経て辿りつたのが今作になります。

まず驚いたのがリズムセクションが、ファンキードラマーのチャド・スミスとパンク野郎のダフ・マッケンガイ、二度見ならぬ三度見でも驚きを隠せない人選、新しい血の導入としてアンドリュー・ワットがギター兼プロデュースという重要な役どころで登場と、もはや何が出ても驚かない下地の作品となっています。

昔の雰囲気も意識して出しているが、個人的には完全に加工製品である。例えるならAI美空ひばりだし、CGによる帰ってきた寅さんである。オジーの存在感を生かすようにバックの固める演者は控えめなプレイで堅実な仕事をこなしてる印象。AOR系やラッパーの後ろなら文句も言われないアンドリューのギターも、ここでは役者が違うよと言いたくなるが、それは過去のスタープレイヤーとの共演と比較しての話だし、方向性の違う人間に被せるのは可哀そうでしょう。この人選は、ギターソロなど必要ない時代の産物である。

ワタクシのように、時代遅れの野風増なオッサンには着いていけない面は多々あるのだが、往年のイメージを現代の感性によりハイブリットさせたのは、今のオジーのキャリアを考えれば大正解と言えるだろう。メタル云々ではない、多くのロックファンに向けての作風として道筋を立ててきたミュージックライフ。くどい様だが30年近くストレートなメタルをやっていないアーティストだ、ポスト・マローンがゲスト参加していても、全然驚きません。
むしろ、エルトン・ジョンとかスラッシュがいる方が不自然だったりするのだが、これもAI美空ひばり&帰ってきた寅さんオジーと思えば、全く驚かない。
個人的に、今のオジーなら生身の人間から醸し出されるヴァイブなど必要としない。全てが作りものの音楽性。打ち込みスタイルでも困らない。そもそもレコーディングそのものがテクノロジー任せだ。

機械仕掛けのオジーだが、近年にあった、がなりや唸りを止め、本来ある朗らかでライトな爽健美茶ヴォイスが戻ってきた。これもテクノロジーの賜物なら大歓迎である。個人的には何も入ってはこないのだが、近年のオジーに不満のあった往年のファンなら、お帰りオジーと歓喜の声を上げるでしょう。特に①③⑤の前半部分に、かつての姿を重ねることが出来ますね。

長きに渡り第一線で活動したオジーのラスト作は、スーパーギタリストを迎え入れた派手なものではなく、彼のキャリアを見つめ多くのファンをもてなす作風になりました。

個人的にはマックス・ノーマンとか呼んでさ、お祭りアルバムも聴きたいんですけどね。


OZZY OSBOURNE - Scream (2020-05-02 15:06:36)

新進気鋭のギタリスト、ガスGを招聘して作り上げた意欲作。オシャレロックサウンドに、不釣り合いなガスGのギターがねじ込まれると言う喰い合わせの悪さに、誰が得をして誰に聴かせたいのかと心配になるのですが、これが新時代のヘヴィサウンドというのなら少々中途半端な印象を受ける。またオジーの歌声も加工臭がきつすぎて、彼の魅力たる朗らかでファニーな声が生きていないと思うのだが、これは、前作もそうだっただけに、曲云々よりも問題である。多少は戻っている部分もあるのだが、がなったり唸ったりするのはオジーの本分とは違うだろう。

やはりオジーは、純然たるHM/HRとは違うフィールドに飛び込みロックンロールスターに上り詰めた。リアリティショーに出て、おもろいオッサンとなり若い人にも認知されオズフェスとなる一大興行を打てる大御所なのである。
時代に合わせ変貌を遂げる音楽性、それだけに今作は、狙いとしては正解だったのかと思わずにはいられない。禁断の果実に手を出したオジー。時代に合わせるという事は、新しい創造はおこなっていないという事である。80年にソロになり、1992年のアルバムを最後に、ヘヴィメタルとは縁を切ったオジー、あえて細かく分類するならば別のジャンルのスターである。どうせやるなら徹底的に振り切るべきであろう。名前で酔いしれるのは思春期までですよ。

しかしガスGは良いプレイを随所に見せている。


UFO - Covenant ★★★ (2020-05-02 14:47:33)

出たり入ったりを繰り返す、マイケル・シャンカーが復活してリリースされたアルバム。よほどポール・レイモンドが嫌いなんだろうなぁと女性誌並みの邪推を働かしOL張りに予想して楽しむのですが、音楽性はUFOらしい叙情性のある英国ハードサウンドが帰還。前作がわりとブルージーな路線だっただけに、オープニングから前のめりで楽しめたでしょう。

この時期のマイケルはとにかく精力的だった、アコギのそろなんか乱発していたもんね。マイケルらしい叙情的なトーンもあるし、全体的な楽曲もコンパクトに纏められ、マイケルのプレイは実に溌溂とした印象を受ける。やはりピート・ウェイとフィル・モグがいることで、ソロバンドの時のような責任の配分がバランス良く振り分けられているのが良いのだろう。楽曲も粒が揃い2000年リリースとは思えない古典的なスタイルに落ち着いているのが良かった。もともと地味目の英国ハードサウンド、ハーモニーを付けてフンフン歌わないロックンロールシンガー、フィルの歌唱スタイルは日本人にはうけないだろう。でもこれが英国ロックと言いたい。
そしてコンパクトな楽曲に変化を与えるのが豊潤なマイケル節だというのも堪能できる。ピートとエイズレン・ダンバーによるいぶし銀のリズムプレイも美味しいぞ。


HOWE II - High Gear ★★★ (2020-05-02 14:25:18)

シュラプネルから世に出た黒人ギタリストのグレッグ・ハウは兄のアル・ハウをシンガーに迎え結成されたバンド。以前、兄とバンドを組んでいたので、夢が叶ったというところだろう。タイプは違えど、ヴァン・ヘイレンタイプのノリのよいアメリカンロックを主軸に、グレッグのテクニカルなギターを楽しめる仕様。本来、グレッグはこういうギターを弾きたいんだというのが分かる。スリリングなプレイが多彩な色彩美を放ち滑らかに滑り出す、そのリフワークやソロにおける天才的なリックの数々も、既に片鱗を発揮と聴かせる部分が多い。
デビューソロが、少々退屈なネオクラサウンドだったけに、面目躍如というには十分過ぎるほどのプレイアビリティを披露する形となった。曲調に合わせ自然体で挑んだソロやバッキングプレイは当時としては確実に新鮮な空気を運んでいた。MR.BIGやエクストリームの成功前に、グレッグはグルーヴィーでファンキーなノリを存分に醸し出していた。ヘヴィでハードな正統的スタイルも残しつつ、彼の出時である黒っぽいフィーリングとの融合、そういう意味でも貴重な音源と言えるだろう。⑨では社長自らとジェイソン・ベッカーが客演と話題性もありますよ。


Ravage - Wrecking Ball ★★★ (2020-05-02 14:00:40)

RAVEGEというバンドは沢山ありますが(自動登録できんかった)、こちらはシカゴ出身の正統派HM/HRバンドがシュラプネルからリリースした1st。DDランドのスピーディーなギタープレイをフィーチャーした、欧州よりのパワーメタルサウンドは、US産の裏街道を走る硬派スタイルを披露。濡れているのに湿っていない光沢なまめかしい音像に懐かしさがこみ上げますね。リリースは1986年、日本でも受けそうなスタイルですが、雑誌の評価が箸にも棒にも掛からぬ50点を献上。
シュラプネル謹製のゴチャッとした分離の悪い音質も手伝い一部のマニアからも見放された感はあるのだが、パワーのある沸騰型ヴォイスの押しの強さと、躍動感のあるヘヴィグルーブの旨味は米国ならでは、そこにDDランドが、お得意の高速ピッキングをねじ込み、派手でワイルドなB級アクション映画のような親しみやすさがあり意外と聴かせてくれる。
どこか類型的なスタイル故に、その筋の音楽性に対する耐性がなければ直ぐに飽きてしまいがちな音楽性なのだが(スティーンブン・セガールの映画みたいな奴です)メロウなサウンドも盛り込んだりと山場を作っているのは好感が持てる。
こうして改めて聴いてもシュラプネル産のグループは、ギターソロが登場すると俄然、色艶が増す。その一点で最後まで持たせている感が強めなのが面白い。でもギターサウンドに興味がなければつまらないだろう。それが愛すべきシュラプネルたる所以だ。


RACER X - Street Lethal ★★★ (2020-04-30 20:51:55)

我らがシュラプネルから速弾きブームに終止符を打つようなニューギターヒーローが現れた。インタビューなどで公言していたLOUDNEEからの影響もあったりと、日本人のハートを掴んでいた印象が強かったポール・ギルバートが主役のバンド。イントロなどモロにLOUDNESSを想起させるものもあったりと、その強力なプレイの数々で当時のギターキッズをノックアウト。後年、MR.BIGを組んだ時の衝撃は計り知れないが、時代を読み取り成功したのは賢い。

当時、僅か10日程の日数でレコーディングをすましたと言われる今作。それでもポールのギターは十分なほど、勢いとスリルに満ちており、少々似たようなフレーズや先人たちの影響があったとて、そんな些細な問題を吹き飛ばすほどの目の覚めるような鮮烈なプレイで魅了してくれる。それに個人的には、確かにLOUDNESSに共通するような楽曲構成があり(高崎同様、テクニカルかつメロディアスなフレージングと、押せ押せのパワープレイが魅力的なリフの組み合わせは美味しすぎる)、スカッと行きたいときは、今でも手にしたくなる一枚です。とはいえ、ジェフ・マーティンの粗めの歌声は、楽曲を更に画一化することに拍車をかけていたりと、全体的なメリハリに欠けた面があり、ミックスや音質も含め改善点があるなぁと感じさせるのがマイナス。そういう不満はあれど、力技でねじ伏せるのがシュラプネルレーベルのお楽しみ。

どうしても、あのスリルに満ちたソロやスピーディーなフレージングの旨味に、全てを受け入れ許容させるのが魅力です。この音質も込みでシュラプネルなのだと言いたい。それにしてもポールは、このソロを何日間で録音したんだろう。スターってのは最初から、頭一つ抜きんでているんだな。


CULPRIT - Guilty As Charged ★★★ (2020-04-30 14:55:59)

シュラプネル主催のU.S. Metal Vol.IIにて、その存在を知らしめたシアトルの正統派HM/HRバンドの1st。良く動き回るベースと手数の多いドラム、濃厚に絡み合う2本のギターがメイデン風のある構築美の高い重厚なサウンドを披露と、味付けはかなり濃い目です。シュラプネルと言えばなスピード級ではない、プログレッシブな展開を導入したミドルナンバー中心の音楽性は、正にガチンコアメリカンメタルの真骨頂と言ったところだろう。
日本人好みのキャッチーさや情緒の欠けたスタイル故に、分かりやすさを求めるマニアには退屈極まりないサウンドとなるのだろうが、この愛想のないスタイルこそ、浮かれ気分でロックンロールなメタルバブル前夜のUSシーンだからこそ、成り得たスタイルと思え、必ずや我が国にも需要のあるシリアスなメタルサウンドである。一筋縄ではいかぬ濃厚さも、ハマれば魅力も倍増となかなかの聴きごたえがあります。
このバンド、今作を残しバンドは空中分解、TKOに流れたりとした為に、イマイチ認知度を上げられなかったのだが、ネオクラ量産工場と化す前のレーベルの多様性を知る上では貴重な音源かと思います。侮るなかれシュラプネル。どこかマイナー臭を放つレーベル成れど、スピード狂を満足させるだけではない懐の深さを味わってほしいですね。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - US Metal Vol II ★★★ (2020-04-28 21:08:54)

前作から間髪入れずにリリースされた若きギターヒーローにスポットライトを当てたコンピ作。
今回は参加メンバーが熱い。

DISC.A
①Wild Dogs - The Tonight Show
②Cinema - Rockin' the U.S.
③Exciter - World War III
④Culprit - Players
⑤LeMans - Waiting

DISC.B
①The Rods - Wings of Fire
②Mike Batio - The Haunted House
③Vixen - Angels From the Dust
④Virgin Steele - Children of the Storm
⑤Failsafe - Just Passin' Thru

オープニングはUS産スピードメタルの裏番長Wild Dogsの登場。②はマイク・ヴァーニーのバンドであり、ここでは彼がギターを担当と、彼が社長ではなくしっかりとしたミュージシャンだという事を知らしめている。③は、あのエキサイターがパワフルで派手な楽曲を披露と、やってくれています。B面の②はマイケル・アンジェロの登場です、当然の如く弾き倒していますよ。VIXENはマーティー・フリードマンが女性シンガーフロントに据えてのバンドです。彼の情緒のあるスリリングなプレイを堪能。ジョシュ・ラモスのLeMansもジャック・スターもいるぞと、前作から比べると勢いのあるバンドが多数登場と、資料的な価値も含め、作品のクオリティは格段にアップしています。やはり世に出るギタリストは、最初からそれ相応の技を持っているんだなと改めて確認させてもらいましたね。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - U.S.Metal Vol.I ★★★ (2020-04-28 20:38:51)

1. Chumbi - U S Metal
2. Exxe - Look into the Light
3. Gilles Melbin Assault - No Time
4. Whizkey Stik - Outta Line
5. Issak Newton - Damascus
6. The Rods - Gettin Higher
7. Greg Strong - The Snake
8. Reddi Killowatt - Liquid Lady
9. Lyle Workman - Code 3
10. Toyz - Rockin Disease

上記アーティストが参加したシュラプネルレコードの記念すべき第一弾の作品はギタリストに特化したコンピ作。
THE RODS以外は無名のバンドorアーティストの参加の為、詳しいバイオはさっぱりだが、パッとしないヘナチョコサウンドもスピーディーかつスリリングなソロが登場すれが俄然色めき立ち、なんとなく聴かせてくれるのが、シュラプネルの旨味だろう。今作も音質は良くないし、楽曲も微妙だったりするのだが、20代前半にして、自らレーベルを立ち上げたマイク・ヴァーニーの熱意を感じさせるプレイが詰まっています。良い悪いではない、メタルに対する愛、その熱き思いに聴き手は同調して、鼓舞されるのでしょうね。
この作品を皮切りに、第二弾リリースへ漕ぎつけたマイクの本気度と気概に胸打たれる一ファンとしては、忘れられない一品です。内容よりもシーンに新しいバンドと価値観を提示したシュラプネルの功績は大きいですよ。

こうして時を経て聴けば、⑨のインストナンバーのスリル、アイデアも豊富なインストナンバーの⑤からTHE RODSの⑥への流れ、パワフルなアルバムタイトルにもなっている①と耳に残るナンバーも多数収録、ポンコツメタルに対する耐性が出来上がったおかげで、懐かしさも込みで年1回は通して聴きたくなりますね。


WRAITH - Danger Calling ★★ (2020-04-27 18:58:37)

英国の5人組によるグラム系のHM/HRバンドの1st。一応はメインストリームよりの音楽性だろうが、一頃、巷に溢れかえっていたガンズクローンとはチョイと違う匂いを発散している。ソリッドで毒気のあるサウンドは、アメリカのバンドほど、明るくなってはおらず、そのどんよりとした音楽性は、英国のロックバンドだなぁという空気が充満している。プロデューサーにピート・ウェイとローレンス・アーチャーの名前がクレジット、この二人が、どこまで関与しているかわ分からないが、ここで聴ける古典ロックに根差した退廃的でルーズなサウンドと、投げやりなスタイルが絶妙な空気感を生んでいる。

その姿勢はThe Troggsのカヴァー⑤にも表れており、原曲に流れるトゲのあるポップサウンドを自分たちのモノにしているもが印象的だった。狙ってこうなのか分からないが、生々しく荒々しいミックスはいい意味でラフさを強めており、重量感のあるリズムとブレンドされることで独自性を高めている。個性的なサウンドではない分、こういう作り込みは正解と言えるだろう。
でもスッキリとしたミックスで仕上げても悪くないように聴こえる。ようは好みの問題ですね。


AIR RAID - Across the Line ★★ (2020-04-24 21:00:00)

ヴォーカルとギターのメンバー交代が勃発。音楽性はどうなるのかと危惧していたら、前作同様の古典ロックの再構築サウンドを披露。そのなりきりぶりに懐かしさも一杯なのだが、シンガーがザラついたハスキー系の声にチェンジ、その為に今まで以上に地味さというか無難さが増してしまい、いい意味で楽しめるはずのデジャブ感が、どうも悪い方に転んでいると感じるかがポイント。要するに、今までの世界観を踏襲した安定感のあるサウンドと取れるか、イキすぎた模倣が地味さに拍車をかけ無難すぎると聴こえるかで評価が完全に分かれるだろう。
この手のバンドあるあると言える、殻を突き破れないエアーポケットに迷い込んだ感が強めだと個人的に感じるのだが、随所にお約束の展開も盛り込み、この手の古典サウンドに飢えている、ある意味は、知りたいと思うマニアには必ずや一定の需要があるであろう。普遍的とは難しいものだ。果敢に攻めなければいけないが、適材適所で当てはめていかないと、ズレが生じてしまう。それでも一つのスタイルを徹頭徹尾に貫く姿勢が魅力の彼ら、その期待には見事に答えています。


DAMIEN THORNE - Wrath of Darkness ★★★ (2020-04-21 13:19:49)

オカルト映画の金字塔オーメンに出てくる悪魔の子ダミアン・ソーンの名前をバンド名にしている、イリノイ州出身のHM/HRバンドの2枚目。80年代の録音していたものを2001年にようやく日の目を浴びることとなった。
古いマテリアルであるため、2000年感は皆無だが、その闇に蠢く不吉なる存在、触れるだけで毒気に侵されそうな瘴気漂う闇夜のヘヴィロックサウンドは、シンガーのシアトリカルさも更に拍車が掛かり芝居がかったメタルサウンドを強く推し進めている。

かつてアメリカの地下で蠢いていたシアトリカルなダークネスワールド全開のメタルサウンド。その裏番長スタイルを徹底的に推し進めることで成し得た境地。音質は非常に悪いのだが、細部まで作り込んだ緻密な演奏、おどろおどろしさだけでは終わらないクールなアイデアを詰め込んだ④などを聴けば、このバンドの知的な才に改めて感心したものです。

蠢くメタルリフ、その豊富なアイデアにも驚かされるが、聴き手の感情を逆なでするような気持ちの悪いリードプレイ、その情感を蹂躙するメロディは地下室から聴こえる絶望的怨嗟のようだ。そしてのたうち回る強烈なリズムプレイは、焼け付くような粘着性を持ち込みドロドロと張り付いている。時には緩急のブレイクを繰り返し劇的な構成の根幹をなしているのだから恐れ入る。

お蔵入りの作品故に、完成度という点では物足りない、時折、首を傾げたくなるような場面がないわけではない。それだけにしっかりとした形での再リリースを求めたいのだが、この時代でした成し得ないという、如何とも表現しがたいパワーが内包されているのも事実。この闇の怒りと直訳できるアルバムタイトルが示す通りの、不穏なる暴虐性が、理性を蹂躙する不吉なるメタルサウンドに身を委ね、恐れおののくのが一番でしょう。


ROSS THE BOSS - By Blood Sworn ★★★ (2020-04-21 12:45:35)

近年はMANOWARの曲を再現するライブなどに注力していた元MANOWARのロス・ザ・ボスが8年ぶりにリリースした3枚目がコチラ。後半3曲のMANOWARカヴァー大会がボートらに収録されていますが、本編も正にMANOWARスタイル一直線。そのやりすぎ感に苦笑いも出ますが、本家がイマイチやり切れていない昨今、その代替え品としては素晴らしいクオリティを保持、むしろ本家を超えてきているぞと言える力が漲っています。その肉汁滴るホルモニックな濃厚エピックメタルワールドのこってり感に、耐性のない方はオープニングナンバー終了後には、胸焼けを起こしているかと思いますが、充当に、あの路線を踏襲しているので、はっきり言って清々しいです。あのフレーズは○○だよなぁとか、デジャブ感が逆に、このエピカル満願全席の味付けにメリハリを付けているのだから、このバンドのやり方は正解なのでしょう。正直、シンガーの断末魔ハイトーンのイキすぎに、チョイチョイ箸が止まって食事も進まなくなりますが、これも、味付けなんだとして楽しむしかないのですが、苦手な人はとことんダメでしょうね。

かつてはNew Metal Leaderというアルバムをリリースしたロス・ザ・ボス。結局は戻ってきましたね。懐かしさを愛でるだけではない新しさに期待したい。そしてAFMレコードは、この手の濃厚な奴が好きやなぁ。


EXODUS - Shovel Headed Kill Machine ★★★ (2020-04-20 17:27:10)

主要メンバーの交代劇を経て完成された新たなる歴史を刻む入魂の一枚。初期の頃の彼らにあった、明るいファニーな空気感を一掃。ひたすらアグレッシブでシリアスなメタルサウンドが爆進あるのみ、2005年という時代性も取り込みガチムチのニュータイプスラッシャーへと変貌を遂げた。
極限まで高めようとした暴虐性、シンガー交代も功を奏して、この音楽性にフィットしていると言えよう。もう少し遊び心や、明るめのザクザクリフが聴ける方が好みではあるが、過去の財産にすがらなくとも十分にやっていることを証明して見せた。
現役感バリバリの音、これがEXODUSの新章の幕開けであろう。


ALDIOUS - Evoke ★★ (2020-04-19 15:03:40)

ヴォーカルがR!Nちゃんに交代(これでリンって読むのかな?)、その実力はNAMMショーで行われたステージで証明済み。YouTubeに速攻アップされているんだから、数か月遅れの紙媒体情報の限界を感じましたね。
前任者よりも明らかにレンジも広く柔軟、パワーもあり表現者としての正確性も高く、可能性を秘めたステージでした。

2010~20年までの軌跡を刻んだリメイクベストとなった今作の意味は大きい。ハードなバッキングの上にJ-POPよろしくなメロディアスサウンドが華麗に踊る、実に聴きやすい楽曲が売りのバンド。それは海外のマニアにも、独創性を感じさせるものだろうし、国内外問わず需要のあるものだと思う。
それだけにNAMMショーにおける新ヴォーカルのパフォーマンスには、大きな収穫となったであろう。

彼女たちのライブには過去2回参加した程度。新しいドラムになってからは一度も足を運んだことのないライトリスナーだ。音源も1stをライブの帰りに買ったくらいである。そんなワタクシでも、こういうバンドには頑張ってもらいたい。彼女たちはアイドルではない。楽器を持ちステージに立つホンマモンである。殺人的なスケジュールをこなすトラヴェリンバンドでもある。それだけに、こういう見た目にも麗しいバンドの成功を願わずにはいられない。
彼女たちには、ヘヴィメタルという偏見をなくすような魅力が十分にある。インディーズ時代を入れれば12年戦士の彼女たち、今後は彼女たちに影響を受けたバンドも出てくる。嬢メタルという、ある種の色物的なイメージすらも全て背負いこみ肥やしとて来たバンドサウンドの柔軟さ。世界がそうであるように、日本にもヘヴィなものを好む方が、ジャンル関係なしに聴く健全な土壌が欲しいものである。
ワタクシのような、かび臭いNWOBHMをシコシコと聴き楽しむ、オッサンには無用だろうが、彼女たちには可能性がある。今作には、歌メロの親しみやすさから誘発されるJ-POP臭、名ばかりのロックフェスが横行する世の中でも、彼女たちは違和感なく参加して爪痕を残すだろう。

新シンガーの加入によりドラスティックな改革に進むのか、より一層のハードサウンドへの深化を突き進むのか、ある意味、勝負への布石となる一枚だろう。単なるベスト以上の価値を見出せたアルバムでしたね。


Hibiki - Hands of Providence ★★★ (2020-04-19 14:47:39)

SABER TIGERの若きベーシスト、HIBIKIによるソロアルバム。シンガーに元SABER TIGERの久保田陽子を迎え作り上げたのはメロディアスかつハードな広がりのあるテクニカルサウンドを披露。
オープニングナンバーなど、往年のSABER TIGERにも通ずるような仕掛けの多いメロディアスHM/HRサウンドをもってきたりと、期待に答えつつ、多様性のある楽曲を用意。その場面展開の多さと色彩美豊かな楽曲は、どれもがフックに富んであり、マニアックな路線に突き進むことなく、幅広いファンに喜んでもらえるような柔軟さとミュージシャンとしての懐の深さを見せつけている。特筆すべきは、ソングライティング力の高さなんだろうが、一目でわかる久保田陽子の豊潤なメロディセンスが爆発。ノッケからラストまで、彼女のメロセンスのおかげで、どの楽曲にも瑞々しい潤いを与え視聴感を高めている。

正直、若手の中におばはんがいるなぁ感は拭えないのだが、彼女の存在はキーパーソンとなり、自然体の振る舞いというのか、当然のようにあるべき姿、その居心地の良さに安堵を覚えます。

ある意味、手堅い楽曲構成なのだが、参加メンバー皆のキャリアの結集とも言える、カテゴリーを超越しようとしたオリジナルティの研磨、メロディアスな楽曲を軸に、多様なコンビネーションプレイも用いり圧倒的な存在感を皆が放っている。
主役はHIBIKIだが、各自が役割を徹底してやり込むことにより、普遍的ともいえるロックへと歩み寄っている。硬軟交えた聴きごたえのあるリズムプレイ、そして派手に駆け巡るリードギター、しなやかで起伏に富んだ楽曲は、どれもが聴きごたえ十分です。それにしても久保田陽子さんは唄が上手いなぁ。


OZZY OSBOURNE - Black Rain (2020-04-14 14:18:39)

オシャレロックを牽引するキャラの立ちまくった男とオジー。正直、最近までNO MORE TEARS以降の作品をまともに聴いたことがない、これも定額制サービスなど、新しい音楽の楽しみ方の賜物なのだが、彼の特異なキャラを存分に生かし時代と真っ向から対峙している。
オジーが格式高いメタルサウンドをやっていたのは昔の話、彼のキャリアからすれば、オシャレヘヴィロック時代の方が長いわけだから、どのような路線になろうとも驚きはない。ここには、新進気鋭のプロデューサーと新しい事に挑んでいる。過去の遺物を引きずるだけではない、現在進行形の創造主としてオジーは君臨しているのだろう。
個人的には、どこを聴けばよいのだと思うが、はっきり言って今のオジーに対してはキャラのたったオジサン、ある意味きゃりーぱみゅぱみゅと変わらない存在になっています。それくらい現在のオジーを知りません。音楽にも触れていません。もっと突っ込んでいえばSpotifyなどで知る新譜のメタルバンドの95%は知りません。20年は雑誌を読んでいないので、時代遅れも甚だしい、浦島太郎オジサンなので、こういう音は本当に別の世界の話なのです。そんなタイムトラベラーオジサンとしては、オジーのキャリアも隠し味に、当時の音で勝負しているのが分かります。

オシャレヘヴィロックが好きな人ならば、大いに楽しめるサウンドでしょう。単に新しいだけではない、オジーのキャラを生かしているのが面白い。何事も中途半端は良くない、やるならばやり切るべきだ。

にしてオシャレロックだな。がなりもあるなぁ。ワシにはわからんアホじゃけぇである。


David Ellefson - Sleeping Giants ★★★ (2020-04-14 14:01:16)

Megadethのベーシストとして知られるデイブ・エレフソンのソロアルバム。厳密には頭4曲がトム・ヘイザアートらと作り上げた新プロジェクト。あとはF5時代のデモに未発表音源集となる。
後半に出てくる未発表集が渋い。ジョン・ブッシュの参加にデイヴィッド・グレンアイズリーの歌が収録とマニアなら、いろんな角度から楽しめそうなラインナップとなります。ジョンならハードなスタイルだろうが、デイヴィッドとくれば、どう攻めるのかと興味を尽きませんね。

オープニングのVolturesは今っぽさを補完したサウンドで幕開け、現役感バリバリのヘヴィサウンドで掴みはOK、ちなみにマックス・ノーマンMIXヴァージョンと明記されていますね。DMCがゲスト参加の②も続き、③ではクリス・ポーランドの名前を発見、曲調もいかにもデイブというような展開にファンなら思わずガッツポーズも出るでしょうね。

あくまでもコンピ作です。寄せ集め感が、徐々に漂いF5に関してはデモ音源ときました。これはクリスファンのお楽しみタイムといった趣も強いのでしょうが、正規ヴァージョンの違いを楽しむのが一番でしょうね。

ジョン・ブッシュが歌うIf You Were Godもメロディックな正統派ナンバーであり、この曲は④でもライブとして登場するので聴き比べて楽しめます。そのあとはデイヴィッド・グレンアイズリーの登場と彼のエモーショナルな歌声を生かしたメロウなサウンドの登場に、ニンマリさせられました。
Megadethのような尖りまくったサウンドと期待すると、後半に進むにつれ眠たくなるのでしょうが、デイブのミュージシャンとしての多様性に触れたいマニアなら大いに好奇心を刺激されたでしょう。早い段階から5弦ベースを操るミュージシャンとして名を上げた男。その生き様が投影された一枚。単なる寄せ集めではないと思わせる魅力はあるが、個人的には大好きな路線でも、デイヴィッドとやった未発表曲は毛色が違い過ぎで戸惑いますよね。


OUTRAGE - Run Riot - Hot Rod Immunity ★★★ (2020-04-13 18:31:39)

一気呵成に突っ込んでくるスピードナンバー
怒気を孕んだ橋本の咆哮もカッコいい
ギラギラとした野心も漲っていますよ


OUTRAGE - Run Riot - Blood and Scars ★★★ (2020-04-13 18:29:03)

アグレッシブだしキャッチーさもある
そしてメロディも耳を惹く
ライブ映えする胸を熱くさせる漢メタルナンバー
掛け値なしカッコいいです


OUTRAGE - Run Riot - Edge of a Blade ★★★ (2020-04-13 18:25:17)

アウトレイジ風HELLIONって感じのイントロから一気に走り出します
荒涼としたメロディがヒリリと焼け付くようにまとわります


OZZY OSBOURNE - Down to Earth ★★ (2020-04-10 13:30:23)

前作に関連するツアーではジョー・ホームズを正式メンバーに加え活動するも、合い間にザックを呼び戻したりしていたオジー。結局、今作でザックは正式復帰となるのだが、音楽性は前作の流れを踏襲するメロディアスかつモダンなオールジャンル対応のロックサウンドとして昇華。このあとオジーは、オシャレロックの祭典なども行いシーン全体を牽引。ある意味、彼の名をより多くの人たちに知らしめる重要な作品となった。

外部ソングライターの導入にも違和感はない、プロデューサーもその筋の人間だ。オジー・オズボーンはメタル界のマッドマンから、皆に愛されるロックロールヒーローへと進む。このアルバムには、そういうポジティブな空気に満たされている。2000年という時代に向かい、完全に開き直ったオジー。洗練度も増しに増した流行歌スタイルを取り込み、気分的には向かう所、敵なしと言ったところだろう。


OZZY OSBOURNE - Ozzmosis ★★ (2020-04-10 12:54:04)

スティーブ・ヴァイと創作活動していたオジー、ライブからの引退は宣言していたが、スタジオアルバムやゲスト参加はあるだろうという事なのだが、思っている以上に復帰が早かった。しかも蓋を開けるまでもなくオジーの本格ソロ作。ヴァイとのコラボ曲もあるが、ギターの座はザック・ワイルドに落ち着き、ギーザー・バトラー、ディーン・カストロノヴォ、リック・ウェイクマンが顔を揃える形となった。

そしてソングライティングチームを外部から招聘、時代の流れを読み取った無理のないモダン化、そして過去最高のメロディアスサウンドへと進んでいる。フックのあるメロディを、あの明るいがヌルっとした声質で歌い上げている。相変わらず歌が上手いわけではないのだが、外部の力によってメロディが強化された為に、随分と垢抜けた印象を受ける。
これがオジーなのかとう疑問もあるのだろうが、ソロバンドであるが故に、やりたい放題進めばよいので、異論など挟む余地もないのだが、オジーらしさは希薄。それが評価を分ける最大のポイントだろう。
前作のようなスタンスながら、バラエティに富んだ作風。その中で、もう少しバックメンバーの色を濃くするだけで感触も違ったと思いますね。いずれにしろ質の高さは折り紙付きです。


VIXEN - Live & Learn ★★★ (2020-04-08 19:56:48)

80年代の後半に彗星の如く現れた本格派ガールズHM/HRバンドの4th。かつての主要メンバーはジャン・クーネムンドしかいないが、このバンドは死なず。紆余曲折を経て辿り着いた普遍的音楽性。メロディアスだが地に足の着いたロックサウンドは、2006年という時代と、等身大の彼女たちを投影させている。
往年のアイドルのリバイバルコンサートじゃあるまいし、エエ歳こいた大人の女性にキラキラしたイメージで歌われる方がきついでっせと思う身としては、これくらいが丁度よい。
円熟味の演奏とメロセンスを生かしたリアルロックサウンドは、大人になったVIXENというバンドそのもの、適度なシリアスさと爽やかさを持ち込んだ作風は、じっくりと味わってほしいという強い意志を感じさせ、型に囚われない自由なスタイルを表現している。辛さと甘さが絶妙な塩梅なんですよね。そこを楽しんで欲しいです。


FEMME FATALE - One More for the Road ★★★ (2020-04-08 19:28:15)

知らんうちにリリースされていた幻のお蔵入り音源集。録音時期は1989~90年という事でメインストリーム一直線の音楽性を披露。1stが気に入った方なら今作を間違いなく楽しめるでしょう
紅一点のロレーヌ・ルイスのチョイハスキーな歌声もパワフル、女性ならではのセクシーさが脂の乗ったパフォーマンスとも絶妙な関係性を見せ、クドいと感じさせることなく聴かせてくれたのも心強い。
PVなどで色気を振りまくような演出&編集など、今なら女性軽視と叩かれまくられるだろうなイメージ戦略も逆に足かせになったのか、リアルを求める時代を前に、このバンドも躓きレーベルからのフォローもなくドロップアウト。それがお蔵入りの要因だろうと推察するのだが、彼女は、このあとカントリー系のソロアルバムをリリースしたりしていましたね。

紆余曲折を経て2013年頃からバンドは再始動。現在は女性のみの編成で活動しているはずですが、当のロレーヌがVIXENに参加したりと、良くわからん状況になっていますね。やっぱ掛け持ちかね。

今作のお蔵入り集、決め手に欠ける面はあれど、ブルージーな要素も盛り込み、時代性を読み切った方向性は間違いではないと思わせる力作ですね。80年代って女性ヴォーカルのグループって長続きしなかったんだよなぁ。


BATHSHEBA - Servus ★★★ (2020-04-08 19:11:44)

Serpentcultのシンガーだったミッシェル・ノコン擁するベルギー産ドゥームバンドが2017年にリリースした1st。このバンド2014年にはデモを世に出しており、彼らが母体のような形になるのか?掛け持ちだったのか分からないがDeath Penaltyでの活動もあったりと少々入り組んでいるが、音楽性はこちらの方が断然、どんより系の遅重ドゥームサウンドを披露。重くのしかかる悪意まみれの激音と、浮遊する神秘性、その相反する音楽性が交わる瞬間に、この手のバンドのカタルシスの開放となるのだろうが、とにかく彼女の歌声が他のグループの差別化を図っている。ある意味ではゴシック系のも通ずる清廉性のある声なのだが、この暗黒面をフィーチャーしたおどろおどろ系では、彼女が浮遊霊の如くゆらゆらと揺らめいており、その二度と会えない儚さと、神秘性を高める存在感が肝だろう。時には淫靡なサキュバスのように男どもの精を吸い尽くすように妖艶だ。

静謐なる森の奥深くで繰り広げられる闇の宴、そんな本能に語り掛ける恐怖を体現させてくれる①からアバンギャルドな②の流れも狙い通りという所だろう、サバスティカルな音楽性に真っ向から挑んだ、スラッジ暗黒ドゥームサウンド、ブラックメタルのような暴虐性も取り込んでいます。黒く濁る情念は情け容赦なく冷徹なる演奏によって、聴き手をより一層の暗く冷たい闇へと落とし込むでしょう。


SERPENTCULT - Weight of Light ★★★ (2020-04-07 18:32:43)

ベルギー産のドゥームメタルバンドの1st。レーベルは安心安全のRise Above Recordsとくれば間違いなしと言えるでしょう。ファズを掛けた汚らしいギター、ワウをかまして歪みまくったベースと酔いどれドラムのコンビネーションは、グルングルンに大地をかき回し天地をひっくり返そうとするほど強力、野趣味溢れるトライバルグルーブは、一度ハマると抜け出せなくなる中毒性をもっている。

ドゥーム系特有の亜流感、その飽食気味のジャンル故のデジャブ感は拭えない面はあれど、紅一点のミッシェル・ミコンの可憐でキュートな声質の歌声はアクセントとなり、暗黒面をフィーチャーする楽曲の対比となる清廉な存在として光り輝いている。
ヴィジュアルも若く綺麗であるために、尚更の事であろう。
けして交わらない光と影、その陰影をクッキリと際立たせたシンガーの在り方が、他のバンドとは一線を画す存在へと昇華した要因。今風のヘヴィネスとグルーブで作り替えたドゥームサウンドの旨味、小手先のテクニックで逃げない感情の赴くままに、弾き出された轟音にグイグイと惹き寄せられます。


C.I.A - In the Red ★★★ (2020-04-07 18:02:42)

NUCLEAR ASSAULTのドラマーとして知られるグレン・エヴァンスのソロプロジェクトによる1st。NUCLEAR ASSAULT組の客演や、嫁さんのサマンサまで参加はしているが、基本はグレン一人による演奏がメイン。しかも短期間のレコーディングという一発録音感満載の生々しい演奏は、ライブ感もあり聴き手に鋭い刃を突き立ててきます。
正直、ヴォーカルが弱いとう面はあるのだが、これが俺のやりたいことなんだという、矜持が自信となり音に現れており、説得力も十分。NUCLEAR ASSAULTと比較しすぎれば、頭の中で衝突する違和感はあれど、いい意味でのパターン化した音楽性と真っ向から取り組み、ソロプロジェクトとして動かしている意味合いを強く感じさせる工夫が沢山ある。
それは一見狭いようだが柔軟な姿勢をとることで、別のタイプの音楽性をも取り込みグレン・エヴァンス流の解釈で再構築、エネルギッシュな演奏は、NUCLEAR ASSAULTのファンが聴いても満足できるだろう。
だからこそラストの奥様に捧げるバラードなども盛り込み、ソロプロジェクトならではの味わいを楽しむこともできるのでしょうね。


DEATH PENALTY - Death Penalty ★★★ (2020-04-06 21:25:47)

元Cathedralのギャズ・ジェニングスが次に動かしたバンドがコチラ。勿論レーベルはRise Above Recordsです。バンド名はWitchfinder Generalの1stからでしょ、当然ドゥーム系を想像するのですが、もっとソリッドで勢いのある楽曲が目白押し、たしかにギャズのギターは、それっぽい様相ではあるが、ストレートに走り出すことで、ドゥームってかったるいよなぁと軽嫌いする人にも十分に進めることができるスピード感があります。
NWOBHMにも通ずる勢いとアングラ臭、そしてソリッドで骨太なギターリフから弾き出されるえぐみ、重金属サウンドを支えるのはリフワークに呼応するかのように、まとわりつく濃度のあるヘヴィグルーブが絡み合うことで独特の緊張感をうみだしている。ハードでクールなリフな合間を縫うように、繰り出される粘り腰のグルーブは、時に巨大な猛獣のように暴れ突進してくる。

基本、ギターが中心のシンプル路線と思いきや、見方を変えてみると景色も違って見えるのが面白い。そのバンドの尺度を操るのは、紅一点のミッシェル・ミコンの存在感によるところが大きい。妖艶な魅力を振りまきながら、オジーへの憧憬も感じさせる、節回しもハマっているし、女性ならではのキュートさも損なわれていない声は、個性的とは言えないが、このバンドの独自性を強めているのは確か、禍々しくも美しい闇の宴を主宰する、魔女の如き神秘的で妖艶なる、ドゥーム系サウンドかくあるべきなパフォーマンスで魅了してくれます。

結局、バンドは、このアルバムリリース後、程なくして空中分解したのだろうか?元々ギャズ以外はベルギー人、しかも同じバンドで活動している経歴ありです、なんだかミッシェルを売り出すためだったのか?勝手に深読みしているのだが、一枚で終わるのは惜しいバンドでしたね。


ELECTRIC CITIZEN - Sateen ★★★ (2020-04-06 20:47:46)

英国のサイケ・ストーナー/スラッジロックバンドEdgar Broughton Bandの代表曲からインスパイアされバンド名を思いついたと言われるアメリカのサイケデリック・ドゥームロックバンドの1st。女性シンガーのローラとギターのロサは夫婦です。

クールに燃える熱情のヘヴィグルーブは焦土の如き乾いているが、ザラザラと絡みつき、猛烈な渇きを感じさせる。ドゥーム系ではあるものの、サバスティカルなスローテンポではなく、もっと攻撃的でソリッドな質感のビートが、ゆらりと揺れながら突っ込んでくることで独特のアシッド感を充満させ、聴き手の感性に浸潤していきます。

浮遊感のある女性シンガーも線は細いが、面妖なるサウンドに侵されることでリードシンガーの個性を放ち、唯一無二の個性となり見事に、その重責をこなしている。この、か弱い女性と思わせる危うさみたいなものが、逆に中毒性を増しているのだから面白い組み合わせだ。

リフ一発で押すわけでもなくトリッキーなプレイも飛び出さない、しかし先人たちからの影響も包み隠さすに、取り込まれたサウンドは、整合感が取れており、瘴気漂うサイケ/ドゥームサウンドに対して、絶妙な音使いを駆使してコントロール、バンドの頭脳として奥深さを演出している。

妥協なきヴィンテージロックの憧憬。古さと新しさが交差する瞬間に、このバンドの可能性を感じますね。


LUCIFER - Lucifer II ★★★ (2020-04-05 21:23:49)

前作から3年の間にメンバーがヨハンナ嬢を除く全員が交代、新たに参加したのはThe Hellacoptersのニッケ・アンダーソンが参加と、バックが変われば音楽性も変わるという事でオープニングからヴィンテージ臭も香りノリの良いロックナンバーで幕開けと印象を変えてきました。前作に収録されても違和感のない②も出ますが、④ではストーンズのカヴァーと参加メンバーやソングライティングチームを考えれば、進むべき道は1stではないという事を実感するでしょうね。

アルコールに交じりドラックの香りが漂う古典ロックの再考、1stとは違うロックのダイナミズムと、濃度のあるハードなウネリに酔わされます。良くも悪くも灰汁が薄まったことにより万人受けする音楽性になった。
彼女のキャラを考えるとこちらの方がハマっているかもしれない。


LUCIFER - Lucifer I ★★★ (2020-04-05 21:07:02)

The Oathのシンガーだった、ヨハンナ・サドニスが新たに立ち上げたバンドの1st。リリース元はRise Above Recordsに、ギターがAcid ReignやCathedralのゲイリー・ジェニングスが全面参加とくれば、もう出てくる音も想像がつきますが、期待通りの暗黒系ドゥームサウンドを披露。ド頭からオマージュ全開にニヤニヤさせられますが、先人たちからの影響も包み隠さずに取り込む姿も巧みに構成されており、そこにヨハンナ嬢の時には、けだるさもある歌い回しが独特の間を生み出し、淫靡な背徳感を演出、魔術的な響きに妖艶な空気を持ち込み、サバト感を高めているが特徴的と言えるだろ。
それと同じくらい近寄りがたき神秘性を持ち合わせているもの魅力と、圧倒的な闇の存在感を出しつつも、その闇に一筋の光明を射すのも彼女だというのが面白い。オジーへの憧憬も隠さない歌声、ヘヴィさに重きを置いたリズム隊が密接に絡み合う高濃度ヘヴィグルーブ、足取りの重いリフワークは、オカルト神秘主義への親和性の高い音楽性を踏襲することで、中毒性を高めているも魅力ですね。


ADX - BESTIAL ★★★ (2020-04-04 21:33:46)

フレンチメタルの重鎮による通算11枚目のスタジオアルバム。徹頭徹尾貫かれるメタル魂。その流儀を徹底的に守り鍛え抜かれたサウンドに嘘偽りは無し、その反面、先人たちからの拝借もチラホラ散見できるのだが、それらを含め、黄金期のHM/HRサウンドを追体験できるという仕様は、若い人にはありがたいし、オジサンたちにはノスタルジー香る貴重な音楽性でしょう。

この時代になっても、俺たちの好きなことをやるという強い意志を感じさせる普遍的なスタイルの踏襲。ドラマティックに駆け抜ける熱情の高いサウンドは、安定感抜群の演奏に支えられ多様性すら感じさせるのだからアッパレである。フックのあるメロディとメタルのマナーに忠実な構成、旬のアイデアも取り込み、色彩美豊かに光り輝かせるのは、このバンドの魅力だろう

この曲はあれとこれなど、野暮なことはせずに楽しむのが一番です。今のご時世、ここまでメタルのマナーを守るバンドなんて、そう簡単に見つけられませんからね。


WARBRINGER - Woe to the Vanquished ★★★ (2020-04-03 13:35:05)

ド頭からリフ重視の轟音サウンドが炸裂。その破壊力は重戦車の如きパワフルさと重厚感が放たれており、殺傷力も抜群だ。このバンド、そういった剛球路線で押し切るだけではない場面展開や工夫が多々あり、多彩なリフワークや質の高いメロディの導入など、随所にフックとなるパートを盛り込み、飽きが来ぬように良く練り上げられている。タイプの違うツインギターコンビもスリリングなプレイで魅了。基本を押さえつつも、ソロではアーミングも駆使し大胆かつ豪快に迫っていきます。スリルを誘発させる展開を見事に司っていますね。

大胆不敵に迫る爆音ナンバーの数々、ワイルドかつセクシーな高速サウンドは、温故知新を辿りながらも現代的なエッセンスを散りばめ、フレッシュ感すらも漂わせた叡智の結晶。こういう若手がいる限りシーンの衰退は起こりませんね。数年後には彼らが中核を担うのですから。


SHAKIN' STREET - Shakin' Street ★★★ (2020-04-01 18:22:02)

オリジナルは1980年、フランス産のHM/HRバンドの2枚目。今作にギタリストとしてアメリカ人のロス・ザ・ボスがどういう経緯で参加したのか興味がありますが、詳しいバイオはさっぱりわかりません。ちなみに今作、CBSから国内盤も出ているので、知っている人もいるでしょう。
女性シンガーのファビエンヌ・シャインがZEPのメンバーと知り合い、乳繰り合いの末に、本国フランスに戻りバンド結成に向かったのが結成の理由というゴシップもあるのだが、フレンチHM/HRを語る上では外せないグループとして目されており、歌詞も英詩なので、初期のフレンチハードサウンドの中では取っつきやすい部類ですね。
サウンドも割とポップでストレートに駆け抜ける曲が多く、欧州由来のマイナー調で泣かせるような展開は少ない。分かりやすいパンクな弾けっぷりと、グラムロックに通ずるようなヌルっとしたキャッチーさや、柔らかい感触も多くあり、ロス・ザ・ボスがいるんだからごっついのやってるんだろうと思うと肩透かしを喰らうだろう。
どこかコケティッシュな魅力を振りまく女性シンガーの存在感と玉石混交な音楽性がマッチしているので、路線は大いに支持できるだろう。ヘヴィメタルの様式なマナーに拘る方には、チョイと食い足りない面はあれど、サンディ・パールマンがプロデュースしているんだからと納得できる作り込みではある。そうか、だからロスが参加しているのかと納得もできましたね。


ROSS THE BOSS - New Metal Leader ★★★ (2020-04-01 18:00:59)

バンドのスタートはMANOWARのトリビュートバンドだった。そこにロス・ザ・ボスを招きKEEP IT TUREに参戦したのを契機にバンドは本格化。ロスの名前を前面に出して始動となるが、この時点ではソロバンドではなかったと言われるデビュー作。
個人的にはダサいと感じさせるアルバムタイトルも、2008年となればクラシックメタル再考の機運も高まりフェスなども行われていた時期。この機を逃すなとリバイバルブームを作りだしていただけに、ある意味タイムリーと言えなくもない。
ドイツのAFMからリリースですから、もう、ある程度、聴く前から音が漏れ聞こえるのですが(ドイツのIvory Nightメンバーらが参加です)ギミックなしのガチンコメタルサウンドで勝負。その威風堂々とした佇まいは、マニアックな感性に陥ることなく、ヘヴィメタルの本流のど真ん中を闊歩する超横綱相撲サウンド、いい意味のメジャー感と、裏切らないメタリックな感性にグッと熱いものがこみ上げます。バランス感覚に配慮もあったおかげで胸焼け寸前で行っているのが丁度よい。
でも耐性のない方はキャベジン必要ですかね(笑)
ちなみに⑤と⑦はロスがアルバート・ブーチャードとやっていたバンド、Brain Surgeonsのカヴァーです。マニアならグッときますよね。


A Ⅱ Z - The Witch of Berkeley - Live ★★★ (2020-03-31 20:42:02)

デイブとゲイリーのオーウェンズ兄弟が中心となり結成されたNWOBHMバンドのデビュー作。デビューがライブ盤という、何とも言えない環境下のリリースに、上手く言えないのですが悲哀を感じさせるのがポイント。
AⅡZ!コールに押されSMOKE ON THE WATERみたいな曲が始まったときは、あれっとなるのだが、聴き進むにつれ独自性をアピール。英国的な憂いと煮え切らないメロディ、そしてリフワーク一発で押すわけではない展開に懐の深さを垣間見ます。

いかんせんライブ録音な為に、バンドの全容というのか、良くも悪くも実力が判明してしまい、イマイチ跳ねあがらないのだが、憂いのあるパートとハードなバッキングとの対比が絶妙な③あたりからグイグイと感触もよくなり、ライブの臨場感がプラスに作用、このギミックなしの構成に、バンドの真骨頂というのか等身大に魅力に触れ、俄然応援したくなります。
尻上がりに燃えるステージ、ダイナミズムの欠ける録音の中でも、彼らの熱気が伝わってくるような感覚に落ちるのが面白い。ギターがハードに弾き倒すインストナンバーの④も熱いエモーションを滾らせている。だからよーしゃいくぞーと言わんばかりの⑤に燃えあがるのです。

片乳ポロリの魔女と全裸の子供が魔法陣の中心に陣取るアートワークも今となっては発禁ものかもしれないが、2008年にはポリドールから国内盤もリリースされた一品(貴重なシングル盤など5曲追加はありがたい)。NWOBHMを支えたバンドの慧眼の士。次の一手&ライブ盤しか出なかった為にイマイチ認知度があがらないのだが、英国的な憂いのあるハードサウンドをお探しの方なら大いに楽しめるでしょう。


GASKIN - No Way Out ★★★ (2020-03-31 20:11:39)

このバンド、NWOBHMの中では叙情派スタイルのバンドだった。英国的様式美系サウンドの上に乗るのは甘美でポップなメロディ、それをもやっとした霞が包み込むような音像に独自性を持たせていたのだが、アルバムを通して聴けば前作のスタイルを踏襲しつつ間口も広げレベルアップしてるのは間違いない。しかし掴みの弱さが聴き手に良い印象を与えられていないのが残念。

叙情派NWOBHM路線の③も単品で聴けば良いのに、①②の流れでは印象に残りづらい、④も煽りを食らっている。ハードなバッキングの上に乗る、このバンドらしい靄っているスウィートポップメロディも悪くないのに、全体的な軽さが足を引っ張っている。⑥以降も男前度が上がり続け、聴き進むにつれ、このバンドの方向性にブレがなかったことを確認できた。ラストに収められた表題曲のスピード感と攻撃性、そして甘めの歌唱スタイルが似合うメロディと、らしさ全開なだけに、収録順というのは重要だったと言えよう。掴みって大事ですよね。その肩透かし感のせいで、尻上がりに良くなるのについていけないファンが続出した為に、イマイチ評判が良くないのだが、1991年にはポニーキャニオンが世界初のCD化も行ってくれた貴重な一品(2015年にルビコンミュージックから再発盤が出る)。
ブリティッシュロック然とした煮え切らないメロディに悶絶したいマニアなら是非とも手に取って欲しい一品です。選曲を⑩から逆に下がって聴いていくというのもありでしょうね。


VANDENBERG'S MOONKINGS - MK II ★★ (2020-03-30 20:01:28)

前作の流れを踏襲した古典ロックサウンド。徹底的に作りこむことで前作以上にレイトバックした音楽性に落ち着いた。そのせいでオッサン臭さも倍増。今の若い人にとっては老け込んだ音に聴こえるだろう。
派手さはない分、飽きの来ないマンネリズムが蔓延っており、良くも悪くも何度聴いても懐かしむことが出来るのが今作最大の聴きどころ。正直、エイドリアンのギターが無くても成立する音というのは、彼のファンにとっては微妙な空気が流れるだろう。

それでもいぶし銀バンドサウンドを牽引する歌も前作以上に深みが増しフロンマンとしての個性も出てきたと言えよう。アルバム2枚目にして、あのバンドの代替えみたいな雰囲気も強まっているんだが、70年代のハードロックを今の感性で聴きたいと思うマニアには大いに受けそうだ。

2020年に入り、ヴァンデンヴァーグ名義で復活作をリリースするエイドリアン。そちらの音源が楽しみである。


VANDENBERG'S MOONKINGS - MoonKings ★★ (2020-03-30 19:51:44)

主役であるエイドリアン・ヴァンデンヴァーグ、実は一時はミュージシャン稼業から離れていたと聴いて驚きました。そんなブランクもある彼ですが、復帰を賭けた今作は、彼のキャリアからは無難は時代の音楽性を選択。古典的なブルースロックを根幹に、過去の偉業をなぞるような展開に終始。カヴァーディル風の歌いまわしも狙いなんだろうが、既にこの手のバンドは在庫過剰状態の為に、面白みは少ないと言えよう。
ギターソロもフィーリングを重視したものが多く、かつての構築美はない。それでも冴えていれば良いのだが、アイデアよりも味で勝負しているだけに、ありきたりでは物足りない。田舎の食堂でインスタントの味噌汁を飲まされた気分だ。

と軽く悪態をついたところで、ここで聴けるサウンドは実に自然体である。元ネタを感じさせるのも古典ロックのフィーリングを大切にした証拠だろう。でも④みたいな曲の方が耳を惹くというのは皮肉なものだ。
世間的には高い評価を得られなかったと言われる復帰作。ヴォーカルを務めるヤン・ホーフィングのソロ的な匂いも強めだが、
エイドリアンのバックボーンにフェードバックした音楽性は、復帰には必要だったんだろうと好意的に解釈しますね。


OUTRAGE - Run Riot ★★★ (2020-03-30 19:30:46)

既に配信盤はリリースされている最新作。ジェイ・ライストンをプロデュースに迎え古くて新しいアウトレイジサウンドを提示。単にスラッシュとは一括りにできない生き様を音に乗せ、ダイハードなマニアを酔わせる事に成功している。
男臭い荒涼としたメロディ、ヒリヒリと焼け付くほどに強烈なのだが、その男の哀愁を漂わせるハードボイルドサウンドに咽びます。徹頭徹尾ハードなスタイルで勝負を賭けているのにフックのある展開を設け、進行していく様は痛快にて壮大だと言いたい。
キレのあるリフワークは勿論、扇情的に泣きまくる阿部のギターは柔軟な、ふり幅を設け雄叫びを上げる、丹下、安井のコンビネーションもド迫力、日本最強のリズムセクションと呼んでも差し支えのない威厳と、大人げないプレイで魅了。バンドの屋台骨を支えるのは鬼神だったと言えよう。
屈強なリフワークとリズムセクションの合間を縫うように悲哀と怒りが絶妙な加減で流れるメロディ、その感情を強い意志をもって操るのが橋本の歌声だ言うのも頼もしい限りです。
作曲者によってカラーを変えるのも、近年著しいのだが、それでも型が外れたとは思わせない統一感というのは、このゴン太なヘヴィグルーブのなせる業だろう。このメンツだから醸し出せるノリというものがある。OUTRAGEには、その個性というものが備わっているのも魅力。唯我独尊、己が進むべく道を見つけたバンドに怖いものは無し、先鋭化された感性を一層研ぎ澄まし、シーンに切れ込んでもらいたい。
安定感があるのに、ジャンルにとらわれない柔軟な姿勢が生み出すスリル。そのドキドキワクワク感に、見事、殺られました。
ライブ映えする楽曲も目白押しの名盤の誕生ですね。


V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS - Emerald Sabbath - Ninth Star (2020-03-30 19:02:48)

ブラックサバスのトリビュートプロジェクト。アルバムタイトルからして狙っていますねぇ。良くわからない人物が中心となり立ち上げたものらしく、その拘りは、なるべく元メンバーに参加してもらいたいとのことだった。
一応、参加したメンバーを掲載します。

1. EMBYRO
Adam Wakeman: Keyboards
Bev Bevan: Percussion
Laurence Cottle: Bass
Anneka Sutcliffe: Violin
Sarah Tobias: Flute/Clarinet

2. DIE YOUNG
Ron Keel: Vocals
Vinny Appice: Drums
Rudy Sarzo: Bass
DC Cothern: Guitar
Pete Rinaldi: Guitar
Ellen Morgan: Keyboards

3. FLUFF
Sarah Tobias: Flute/Clarinet
Ardeton String Quartet
Pete Rinaldi: Guitar

4. TRASHED
Ron Keel: Vocals
Vinny Appice: Drums
Bev Bevan: Percussion
Laurence Cottle: Bass
Pete Rinaldi: Guitar

5. STONEHENGE
Adam Wakeman: Keyboards
Laurence Cottle: Bass
Pete Rinaldi: Guitar
Sarah Tobias: Flute

6. SHE’S GONE
Dave Walker: Vocals
Neill Murray: Bass
Bill Dwyer: Guitar
Steve Owers: Drum Mixing
Lisa Ljungberg: Backing Vocals
Ardeton String Quartet
String Arrangement: Mike Lewis
Produced by Jeremy J Lewis

7. IN FOR THE KILL
Tony Martin: Vocals
Laurence Cottle: Bass
Bobby Rondinelli: Drums
Pete Rinaldi: Guitars
Adam Wakeman: Keyboards

8. ORCHID
Neil Murray: Bass
Sarah Tobias: Flute/Clarinet
Ardeton String Quartet
Pete Rinaldi: Guitar

9. HOLE IN THE SKY
Ron Keel: Vocals
Bobby Rondinelli: Drums
Laurence Cottle: Bass
Pete Rinaldi: Guitar

10.CHANGES
Michael Suilleabhain Bundade - vocals
Adam Wakeman - keyboards
Laurence Cottle – bass
Bev Bevan – drums
Queenie May – backing vocals
Anneka Sutcliffe – violin
Sarah Tobias – flute & clarinet


11.SUPERTZAR
English Chambers Choir
Laurence Cottle – bass
Terry Chimes – drums
Pete Rinaldi – guitar
Adam Wakeman – keyboards/piano
Skaila Kanga – harp
Will Malone – harp arrangement
Ellen Morgan – glockenspiel


というないようなのだが、一応は元メンバーの参加に強くこだわったという触れ込みですが、ロン・キールってさぁ、そりゃ一瞬、サバスに参加したんでしょ、確か1984年くらいですよ。
ロン・キール歌い過ぎじゃね…な展開にのめり込めませんが、デイブ・ウォーカーにSHE’S GONEを歌わせたのは面白いアイデアですね。音質も含め、手作り感満載のサバス愛に溢れた企画もの。こういうものは真面目に聴くのではなく、ノリで楽しみましょう。ワタクシもお金出しては聴きませんが、今の世の中は、定額制なんでね。こういう出会いも大歓迎ですよ。


THE RUNAWAYS - Waitin' for the Night ★★ (2020-03-26 02:00:24)

下着姿で歌うのが話題にはなったが、色が付きすぎたのは間違いなかったでしょうね。その変は映画にもなったりと、このバンドの内情が赤裸々に描かれた一品もあるのですが、今作はシェリー・カーリーの脱退後にリリースされた3枚目。シンプルなハードサウンドを前面に押し出したロックサウンドに女の色気など皆無。
あたしゃ下着姿なんかじゃ歌いませんよと言わんばかりに、ジョーン・ジェットが吠えています。シンプルな中にある骨太なビートとギターサウンド、上手さでは語れないバンドが醸し出すグルーブ。⑤のようなシリアスなヘヴィブルースを聴かせるのも、このバンドの本分だったと言えるでしょう。変に色が付きすぎたバンド。また、実力以上に話題性が先行したが為に、短命になっあっともいわれる彼女たちですが、元祖女性のみのハードロックバンドとしての矜持を存分に感じさせる今作。嬢メタルブームが沸き起こる今だからこそ、聴いて欲しい一品ですね。シンプルイズベストを体感できますよ。


CHERIE CURRIE - Beauty's Only Skin Deep ★★ (2020-03-26 01:37:38)

元The Runawaysのシンガーだったシェリー・カーリーのソロアルバム。リリース時期が1978年、売れてきた良いときに早々と脱退。そして速攻ソロアルバムを制作&リリース、お金儲けの匂いがプンプンと漂い、彼女のやらされている感にドキドキするのですが、そもそもバンドの運営もゴシップ誌が大喜びするようなエピソードがありましたからね、それだけに余計に情報過多になってしまうのですが、今作、アメリカではリリースされておらず、フランスと、大旋風を巻き起こした日本でリリースとなり、思うような結果を残せなかったと言われています。それでも日本では、⑧のシングルヴァージョンがあります、当然、日本語で歌うヴァージョンですよ、この曲はシェリーの双子の姉妹共演も達成されているので話題性は十分。どんくらい売れたのか興味を尽きません。
全体的にロックというにはソフトすぎるパワーポップ路線に落ち着ており、唄の上手さで聴かせるタイプでもないだけに、微妙な空気が流れるのですが、⑩等、バンド時代を想起させる曲があったりと、その日の気分に合わせチョイスして楽しむのが一番でしょうね。正直、ハードなものばかり聴いていると、どういうわけかヌルイ音楽を無性に聴きたくなる時があります。本当に意味ないのですが、J-POPが全然ダメなので、こっち方面に流れる時があるのです。そして、自分自身に、なんでこんなもの聴いているんだと嫌悪感を覚え、反動でゴリゴリの奴を聴くという訳の分からない行動に走るのです、そして月に一回くらい、また手を出すんですよね。


BARILARI - Abuso de poder ★★★ (2020-03-26 01:03:09)

南米のメタルシーンを牽引したRATA BLANCAの看板だったシンガーのエイドリアン・バリラーリのソロバンドによる3枚目のアルバム。前作のカヴァー大会とは打って変わって、今作はモダンなテイストも取り込み現代風にアップデート。そこに衰え知らずに情熱的な歌声が乗れば、それはもはやバリラーリの世界に塗り替えられるから不思議なものです。
自分より一世代下のアルゼンチンのメタル界を支える活きのいい若手を従えシーンに再度打って出た意欲作。グランジ以降のメタルバンド特有のヘヴィさを強調しつつも、安易な商業主義になびくだけではない、現役バントとしての意識の高さが、このようなスタイルに落ち着かせたのだろう。古くて新しい古典サウンドの再構築、情熱的なバリラーリ節は何を歌っても様になりますね。


BITCHES SIN - Invaders ★★★ (2020-03-24 15:17:48)

前作から4年のブランクを経てリリースした2枚目。シンガーとベーシストは交代するも音楽性にブレはなく、むしろ音質や楽曲面も含め大幅にパワーアップ。憂いのある英国的なハードサウンドが厳つく走り抜ける、これぞNWOBHMなスタイルで真っ向勝負。疾走するリフワーク、ラフなパワーを内包した疾走ビート、沸々と燃え盛る英国らしいハードサウンドは、何を伝えたいかを明確にし聴き手に伝えてくる。
聴き手を挑発するようなロックの持つ大胆不敵さ、その荒っぽさと、いなたい空気感に、86年としては少々古めかしいのだが、遅れてきたNWOBHMサウンドに時代性など不必要。音楽性の幅を広げることにも果敢に挑み、明るく成り切れないキャッチーさも従えストレートに表現することで、自らのアイデンティティを誇示することに成功した。こういうスタイルの音楽性だから、メロウな⑤も違和感なくハマる。歌い手のいろんな意味で甘めな歌唱スタイルもマッチした。
この後、詳しいバイオは分からないが、バンドは Flash Point解明して活動。1987年には自主制作盤を出してるのだが、何が起きたのか興味は尽きませんね。
余談だが、NWOBHM史にとっては名盤の部類に入る力作なんだが、イマイチ跳ねなかった。個人的には、どう考えても悪質なムンクの叫びをいじったジャケに問題があるとおもっている。あれみてジャケ買い出来んぞ。